1.ガジュマルとは
2.ガジュマルは猫にとって有害?
2-1.葉に毒性はない
2-2.樹液に注意
2-3.置き場所にも注意
3.ガジュマル以外の観葉植物は?
3-1.猫に危険な観葉植物
3-2.猫に安全な観葉植物
3-3.フェイクグリーンを置くのが安心
3-4.猫草なら食べても安心
3-5.猫の様子がおかしいときは動物病院へ
4.まとめ
ガジュマルとは
ガジュマルは亜熱帯から熱帯地方に分布する、クワ科イチジク属の常緑高木です。日本では九州の屋久島と種子島以南、南西諸島などに分布しています。
ぷっくりとした太い幹を持っており、とても特徴的な形状をしています。もしかすると、観葉植物に詳しくない方でも一度は目にしたことがあるかもしれません。
ガジュマルは「幸せの木」や「多幸の木」とも呼ばれ、幸せをもたらす観葉植物として大変人気があります。沖縄地方では「キジムナー」と呼ばれる精霊が宿る木だと言われています。
ガジュマルは猫にとって有害?
そんな人気のあるガジュマルですが、猫の飼い主さんは、猫に対する影響・安全性が気になりますよね。ガジュマルは猫にとって有害ではないのでしょうか?
◆葉に毒性はない
ガジュマルの葉っぱには毒性はありません。
観葉植物に関する情報サイト等では、ガジュマルは「猫がいても置くことのできる観葉植物」と説明されていることもあります。実際にガジュマルをお部屋に置いているという猫の飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、葉に毒性がなくても、絶対に安全とは限らないようです。他に注意したいポイントについて、以下で詳しく解説していきます。
◆樹液に注意
ガジュマルの枝を切ると、切り口から白い樹液が出てきます。この樹液は、ゴムの材料となるラテックスという成分です。
猫は興味を示した対象をかじったり、なめたりすることがあります。飼い主さんが目を離したすきにガジュマルの枝をかじって、樹液に触れてしまう可能性がないとは言い切れません。
この樹液は、皮膚が直接触れると「かぶれ」を起こすこともある危険なものです。人が「かぶれ」を起こすほど強い成分ですので、当然ながら猫にとっても危険です。
猫が樹液に触れてしまうと、皮膚炎や嘔吐、下痢、胃腸障害などを起こしてしまう可能性があります。樹液には十分に注意した方がよさそうです。
◆置き場所にも注意
ガジュマルに限らず観葉植物全般に言えることですが、猫がいたずらをして植木鉢を倒してしまい、体を挟まれてケガをする、植木鉢が割れて、破片でケガをするなどの危険性もあります。猫がお留守番をしている間に、このような事故が起こるかもしれません。
また、飼い主さんがずっと同じ部屋で生活していても、猫から四六時中目を離さないということは現実的には難しいでしょう。
猫の安全のためには、観葉植物の置き場所を工夫する必要があります。猫の手が届かない場所、猫が出入りしない場所、別のお部屋などに置いた方がより安心と言えます。
観葉植物は、私たちの生活を豊かにしてくれる素晴らしいものであることは確かですが、猫と暮らす上では置き場所を慎重に考える必要がありそうです。
ガジュマル以外の観葉植物は?
では、ガジュマル以外の観葉植物についてはどうなのでしょうか。
猫は元々完全肉食動物であるため、植物由来の成分の解毒をする機能は十分に備わっていません。そのため、植物に対する中毒症状を起こしやすいと言われています。精油を利用したアロマテラピー等が猫に有害であるのも、同様の理由です。
観葉植物の中には猫にとって非常に危険なもの多くあり、その数は何百種類にも及ぶと言われています。お部屋に観葉植物を置く前に、猫に有害なものでないかあらかじめ確認しておきましょう。
◆猫に危険な観葉植物
猫に危険な観葉植物は数多くありますが、その中でも代表的なものをご紹介します。
猫にとって危険な植物として「ユリ科の植物」は特に有名です。室内に花を飾る習慣があるご家庭では要注意です。
ユリ科の植物はとても優雅で、見る人の心を和ませてくれる花です。しかし猫には大変危険なもので、重度の急性腎不全を起こし、命にかかわることもあります。
花びらや葉だけではなく、花粉、茎、水、根など、あらゆる部位に注意が必要です。猫にはユリ科の植物に絶対に触れさせないように気を付けましょう。
カサブランカ、ヤマユリ、テッポウユリ、チューリップ、ローズリリー、ヒヤシンス等
サトイモ科の植物は丈夫で育てやすく、観葉植物として人気があります。
しかし、猫に有害な「シュウ酸カルシウム」が多く含まれています。猫が食べると、口腔内の炎症や疼痛を引き起こし、皮膚炎、嘔吐などを起こすことがあります。
ポトス、カラジューム、ディフェンバキア、モンステラ等
アロエをはじめとした多肉植物にも注意が必要です。
アロエは人間にとっては、ヨーグルト、ドリンクなどの食品やハンドクリーム等にも利用されており、健康的なイメージが強いかもしれません。しかし猫には有害です。
アロエの皮や葉には「バーバロイン」という成分が含まれ、猫が口にすると下痢や腎炎を引き起こす可能性があります。
また、多肉植物にはサボテンのようなトゲがある植物も多いため、口にすることで猫の手足や口内、顔を傷付けてしまうことがあります。
アロエ、サボテン等
ドラセナも人気の高い観葉植物です。
葉が美しくクリーンなイメージがあり、飲食店やオフィス、公共施設のロビーなどにも飾られていることがあります。
ドラセナの葉には強い毒性があり、口にすると嘔吐、下痢、手足の腫れ、麻痺などを引き起こすことがあり、最悪の場合死に至るケースもあります。
◆猫に安全な観葉植物
観葉植物の中には、猫に対して毒性がなく、比較的安全と言われているものもあります。
例えば、「パキラ」「サンセベリア」「エバーフレッシュ」などです。とはいえ、植物に対する感受性は、個体によっても違いがあるため、絶対に猫に影響がないとは言い切れません。
また、猫がいたずらをしてケガをしてしまう可能性もありますので、置き場所には気を付けた方がよさそうです。
◆フェイクグリーンを置くのが安心
猫のいる部屋に観葉植物を置くことには、一定のリスクがあることがわかりました。
それでも猫がいる部屋で、お部屋に緑が欲しいという場合、「フェイクグリーン」を置くのも一つの方法です。
フェイクグリーンとは、植物をモチーフにして作られた人工観葉植物のことです。フェイクグリーンは、育てる手間がかからず、管理が容易で、猫が中毒を起こす心配もないため、猫との生活に取り入れやすいといえます。
◆猫草なら食べても安心
また、「猫草」を置くという方法もあります。
猫草とは、えん麦、小麦、大麦などのイネ科植物で、猫に与えるものの総称です。別名「キャットグラス」や「ペットグラス」などとも呼ばれています。葉の形は細長くとがっており、猫が興味を持ちやすいです。
猫草は基本的には猫が食べても安全です。ただし、猫によって猫草を好む子と好まない子がおり、猫草が体質に合わない子もいますので、初めて与える際は注意が必要です。
猫草は猫の栄養補給に必須ではありませんが、グルーミングの際に飲み込んだ毛を排出させる働きがあり、「毛球症」の予防に効果的だと言われています。
マット付きで食べやすい猫草栽培キット。
水を注ぐだけで簡単に猫草を育てることができます。
メーカー | ドギーマンハヤシ | 原材料 | 種:えん麦 、圧縮培養土:ココピート(天然ヤシ素材) 容器:紙 フィルム:ポリエチレン メッシュ:レーヨン(パルプ繊維) | 商品の重量 | 158 g | JANコード | 4976555841480 |
◆猫の様子がおかしいときは動物病院へ
猫が観葉植物を口にして具合が悪くなってしまった場合、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
猫の状態によっては、急を要する処置が必要な場合もあります。受診の際には、口にした観葉植物の名前や、どの部位を口にしたか、摂取後どのくらいの時間が経過しているか等を、獣医師の先生に伝えられるようにメモしておきましょう。
まとめ
ガジュマルは幸せをもたらす観葉植物として人気があります。
ガジュマルの葉には猫に対する毒性はないものの、樹液には毒性があります。できれば猫のいる部屋ではなく、他の部屋に置いた方がより安全でしょう。
ガジュマルは、観葉植物の中ではそれほど危険性が高いとはいえませんが、観葉植物の種類によっては猫に対する危険性が非常に高いものもあります。
観葉植物は、私達に癒しや心のやすらぎを与えてくれる素敵なものです。しかし、猫のいる部屋に置く場合は、大切な猫の健康と安全を第一に考え、猫に対する影響を事前によく調べてから置くことをおすすめします。
観葉植物の代わりに、フェイクグリーンや猫草を置くことで、お部屋に緑を取り入れるという方法もあります。
この記事が「猫を飼っているけどガジュマルを部屋に置いても大丈夫?」と考えている飼い主さんの参考になれば幸いです。
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