用を足すときには「南北向き」がしっくりくるワンちゃんが多いってホント?
散歩や家の中でも「これから用を足します」というように、クルクルと回転するという犬もいますが、ワンちゃんと一緒に暮らしていれば、その姿はお馴染みと感じることは珍しくないものです。飼い主にとっては、それがあるから「排尿や排便」の前兆が分かります。言わば、犬が用を足すサインにもなっています。
実は、このクルクル回転ですが「方角を探している」という説があります。ドイツとチェコの研究チームが数十匹のワンちゃん達の協力を得て明らかになった事実でした。とても興味深い研究内容ですよね。
それによると、調査対象となった数十匹の犬達の日常の行動を約2年間記録し続けたとのこと。犬たちも個体差があるので、すべてが同じ行動をとる訳ではありませんよね。食事の時、寝ている時、排泄の時などあらゆるデータから得た結果のうち、「多くの犬が排泄時に”南北”の方を向いている」という面白いデータが明らかになったのです。
磁場を知ることができるのは何故?
ワンちゃん達の体の不思議のひとつに、体の中に磁石のような働きを持っていることがあげられます。実は、このような方角を知る「磁覚」を体の中に備えている動物は犬だけではありません。昆虫やハト、コウモリ、牛などに備わっていると言われています。確かに伝書鳩や渡り鳥は方角を知っているのか、元の場所に戻ってきますよね。これは体内にある生体磁石が関係しているとのことなのです。
体の中に方角を知る力があることは分かりましたが、どうして「南北」なのでしょう?お尻を南、頭を北・・・。実際どうしてその方角なのかというのは謎めいて、理由については未だハッキリと分かっていないのだそうです。
前述の研究チームによると、磁場の安定性がこの調査結果に大きく関係をしていたそうです。実際に「磁場」というのは、太陽が出ている時の約2割しか安定していないので、不安定な状況だと「南北」には特にこだわらないと言われています。
野生時代の名残と言われる
犬が南北の方角に体を向けて用を足す確率が高いという研究結果は面白いものの、どうして南北なのかについては明確にはなっていません。ただ、実は野生の名残だとも言われています。
野生時代に用を足すときには、もちろん広い草原です。周囲に何もない状況ですから、敵に襲われる可能性だってあるのです。そこで、クルクルと周囲を確認して、ここだという位置で落ち着いて用を足しているという説もあります。
また用を足す前には「クルクル」ですが、個体差はあるものの、終わった後に足で地面を蹴る動作をするワンちゃんも多いですよね。これも実は野生時代の名残。自分の存在をアピールするためなのです。つまり「マーキング」。
・足裏にある汗の分泌腺から出るニオイを地面にこすり付ける
・蹴った時に地面に付いた爪痕が自分をアピールできる
・地面を蹴って砂を掻き上げる姿が自分の存在を他の犬に強調できる
など、複数の説がありますが周りに対しての縄張り意識の表れですから、自然なものと言ってもいいでしょう。
このように、ワンちゃんたちが用を足すときに起こす行動は、野生時代の名残や体に備わっている本能がそうさせているとのこと。その姿が可愛らしくもあり、微笑ましいですが、愛犬が落ち着いて排泄できるように、温かく見守ってあげたいものですね。
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