基本、断尾・断耳はしなくてもいい
では、どうして断尾・断耳という言葉がワンちゃんの世界ではあるのかというところをお話ししましょう。
現在では、愛玩犬という位置づけですが、はるか昔は猟犬や牧畜犬として活躍していました。
もし、耳が大きかったり、尾が長いと、森の中などのとげで出血したり、狼に襲われやすいなどのリスクを上げてしまうために、断尾と断耳が行われてきました。
しかし、今では一部の狩猟犬や牧羊犬しか特殊な仕事をしなくなり、断尾・断耳をする必要がなくなってきました。
それなのに、今でも断尾・断耳が行われています。
これの理由について、人間のちょっとしたわがままが入っているのですが、以下の理由があげられます。
1.JKC(ジャパンケンネルクラブ)が犬種標準と定めている。
2.ブリーダーが慣習として続けている。
3.その犬にとって美しく見える美容整形的な理由
4.耳の病気を防ぐ為(一部の犬種のみ)
5.尾にフンがついては、不衛生と思われる為。
JKCの定める犬種標準については、特にドッグショーに出すつもりの犬にとっては避けられないことなので、やむ終えず断尾・断耳を行わなければ、ドッグショーには出場できません。
ブリーダーさんが慣習として続けている場合は、もし直接購入という形であれば、やめてもらうことは可能ですが、断尾・断耳は早期に行いますので、ほぼ難しく、もちろんペットショップで売られている仔犬達は、断尾がされています。
断尾は麻酔なしで生後3日ぐらい(遅くとも生後10日までに)に、断耳は生後3~5か月のうちに全身麻酔を行って、外科手術を行います。
ド―ベルマン・ボクサー・ウェルッシュコーギー・シュナウザー・ピンシャー・スパニエル(アメリカンなど全て)
プードル・テリアなど
ド―ベルマン・グレートデン・シュナウザー・ピンシャーなど
お気づきの方もいるかと思いますが、ド―ベルマンやピンシャーは断尾・断耳を行う犬種として挙げられています。
両方とも狩猟犬や警備犬そして軍用犬として飼育されていた事情から、耳や尾をけがから守る為に、切られるという慣習が根強いです。
最近では、動物愛護という観点から、断尾・断耳を問題視し、飼い主の意思に任せる国もあれば、原則禁止としている国もあります。
イギリス・ドイツ・オランダ・デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・オーストラリアなどは、すでに法律として制定されていて、特にドイツはその罰則は厳しいです。
しかし、案外動物愛護に厳しいのではと思うアメリカにおいては、国としては、断尾・断耳に関する法律はありません。
日本の最近の流れとしてはいかがなものなのでしょうか?
ドッグショー目的としている仔犬をもらい受けるのであれば、JKCの定める犬種標準にひっかかるので、断尾・断耳は避けられないです。
また、ペットショップで売られているコーギーやプードルなどの断尾をする慣習の犬は、すでに切られている場合が多いので、「切らないで!」ということは非常に難しい状況です。
しかし、断尾・断耳については、日本の愛護団体から「人間の都合による美容整形だ」という意見が出ている為、一部のブリーダーはこれらの行為をやめて、直接販売という方法を取り始めていますし、断耳については、一部の犬種で全身麻酔をかける手術は、危険だと判断して行わない病院も増えてきているので、断耳をしていない仔犬も出てきています。
まとめ
確かに、断尾・断耳をしていないワンちゃんは、しっぽが長くて、耳もだらーんとするので、その犬種を知ってる人からすれば、「ぶさいく」と思われるかもしれませんが、小さな生まれたての仔犬に麻酔なしでしっぽを切ったり、全身麻酔で耳をカットするというのは、現場を見た人間からすると、「やめてあげて欲しい」と思います。
私が昔飼っていたアメリカンコッカースパニエルも生後3日で私が見守る中、断尾をしましたが、痛そうにしていました。ドッグショーにも出さないコンパニオンドッグなら、無理に断尾や断耳は不要です。
もし、断尾・断耳の慣習が残ってる子を飼ったなら、一度よくご家族で話し合ってくださいね。
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