短頭種ってどんなワンちゃん?
短頭種(たんとうしゅ)とは、鼻ぺちゃの顔立ち、つまり、頭蓋骨の長さ(スカル)に比べて鼻から口にかけての長さ(マズル)が短いワンちゃんを指します。
典型的な短頭種は、フレンチ・ブルドッグにイングリッシュ・ブルドッグ。ほかにもボストン・テリア、シーズー、パグ、ペキニーズ、プチ・パラバンソン、チベタン・スパニエル、チャウチャウなどがいます。また、チワワ、マルチーズ、ポメラニアン、キャバリア、ヨークシャー・テリアも短頭種とされることがあります。
ワンちゃんを飛行機に乗せることはできるの?
家族の一員であるワンちゃんですから、ワンちゃん同伴の搭乗について各航空会社も最大限の配慮をしています。日本航空(JAL)には「ペットとおでかけサービス」(https://www.jal.co.jp/dom/support/pet/
)、全日本空輸(ANA)にもペット専用のサービスがあります(http://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/index.html)。スカイマークもペットを預けることができます(http://www.skymark.co.jp/ja/res_boarding/baggage3.html)。
ペットはすべて手荷物扱いになるので、客室ではなく貨物室での預かりです。搭乗されるお客様の中には、ペットが苦手な方やアレルギーをおもちの方もいらっしゃるからです。貨物室とはいっても、空調・空圧は完全管理されています。
短頭種のペットオーナー様は要注意
ここで注目すべきは、以下の記述です。
フレンチ・ブルドッグおよびブルドッグは、いままでお預かりした状況から航空機における輸送環境の影響をより受けやすいと判断し、ペットを安全に輸送する観点から、2007年7月20日(金)より国内線・国際線全便にてお預かりを中止させていただきます。
毎年6月1日~9月30日の夏季期間中、「短頭犬種」はお預かりを中止しています。 ブルドッグ(ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ)、ボクサー、シーズー、テリア(ボストン・テリア、ブル・テリア)、スパニエル(キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル)、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ
ペットを安全にお預かりさせて頂く観点より、下記短吻種犬のお預かりをお断りさせていただいておりますので、予めご了承ください。 [対象となる犬種] パグ、シーズー、ボストン・テリア、ペキニーズ、チン、ボクサー、ブルドッグ、チベタン・スパニエルなどの短吻種犬
(以上、2016年8月29日現在の上記航空会社ホームページより引用しました。具体的な利用条件やペットオーナー様のワンちゃんが搭乗できるかについては、必ず利用前に各航空会社へ直接お問合せください) なぜ、短頭種は各航空会社から敬遠されているのでしょうか。
もともとワンちゃんのマズルは長い
すべての犬の祖先はオオカミだといわれていますが、彼らのマズルは長いのが特徴です。オオカミが家畜化されて進化していく過程の中で、マズルを短くするための交配を重ね、人間の手によって作出されたのが短頭種です。
例えば、イングリッシュ・ブルドッグは、18世紀ごろのイギリスで流行った牛と犬を戦わせる「ブル・バイト」というショーで、牛にかみついた状態でも呼吸ができるようにとマズルを短くしていった結果生まれた犬種です。その後、イギリスでブル・バイトが禁止されると、「鼻ぺちゃでしわしわのルックスが美しい」という観点からスタンダード(犬種標準)が作られていきました。ほかの短頭種のワンちゃんたちも、いろいろな理由から鼻ぺちゃに交配されています。
「鼻ぺちゃ」で呼吸数が多く体温が上がりやすい
もともと長いマズルを短くしているのですから、鼻呼吸がしにくく、口呼吸が多くなって当たり前。ドッグランなどでフレンチ・ブルドッグを見かけると、たいていはべろ~んと舌を出して「ハアハア」と口呼吸(パンティング)をしているでしょう。
パンティングは汗腺が少ない犬が、人間の発汗作用の代わりとして体温を下げる行為ですが、パンティングが多すぎると犬の呼吸器や心臓に大きな負担がかかり、逆に体温が上がってしまうことがあります。呼吸がしにくい短頭犬種は、必然的に体温が上がりやすいのです。熱中症になる確率もほかの犬種より高いといわれています。
また、短頭種は興奮しやすい性格のワンちゃんも多いです。興奮するとパンティングの回数も当然多くなります。
飛行機の貨物室の中は、ふだん、ワンちゃんが暮らす家庭のリビングとはまったく違う環境です。そこで興奮してパンティングの回数が多くなり、体温が上がってしまうワンちゃんも多いのです。実際に空輸中の死亡事故も起きており、各航空会社が短頭種を警戒するのもそれなりの理由があります。
ワンちゃんの安全のためにクレートの中なら落ち着いていられるクレート・トレーニングが必須です
ANAは、6月1日~9月30日以外の期間なら短頭種を受け入れてくれます。しかし、ペットが亡くなっても、その原因がペットの健康状態や体質などにある場合はANAに対して責任を問わないという趣旨の同意書にサインをしなければなりません。短頭種のワンちゃんと飛行機での旅行を安心して楽しみたいときは、クレートの中なら興奮せずに落ち着いていられるクレート・トレーニングが必須といえるでしょう。
また、2016年3月に、ANAがペットと機内で一緒に過ごせるチャーター便を利用した北海道ツアーを発表し、3日で完売したことが話題となりました。こういったツアーがもっと増えることを期待しましょう。
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