~犬の逆さまつげ~異所性睫毛とはどんな病気?

2016.09.21

~犬の逆さまつげ~異所性睫毛とはどんな病気?

皆さんは異所性睫毛という病気を聞いたことがありますか? 難しい漢字ですが、「いしょせいしょうもう」と読み、いわゆる逆さまつ毛のことを指します。 どんな病気なのか、発見のためにはどうしたら良いのか、お話しできたらと思います。

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異所性睫毛とは?

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いわゆる逆さまつ毛の場合、睫毛が角膜表面にあたってしまい、眼球に刺激を与えて傷や炎症を起こさせるというのが問題ですが、本来ならば角膜表面にあたるはずのない睫毛が角膜表面にあたる原因というのが大きく二つに分かれます。
一つが瞼が眼球の方の内側へと内反してしまっている場合、もうひとつが睫毛の生える位置が本来よりも眼球よりの内側の結膜部分からになってしまっている場合が挙げられます。
異所性睫毛とは後者を示します。


異所性睫毛になると何がいけないの?

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前述の通り、睫毛の生える位置が本来の場所よりも眼球よりの内側に生えているため、ずっと睫毛が角膜や結膜を刺激したり傷をつけてしまうため、ずっと痛みや違和感を感じ続けることになり、さらに炎症を起こしてしまうこともあるのです。
また生えているのが結膜部分になるため、結膜炎を併発することもあります。
ひどい場合、ずっと角膜に傷を付け続けることになるため、角膜に潰瘍を作ってしまうこともあります。
一見軽い病気のようですが、実は怖い段階にまで波及してしまう恐れのある病気でもあるのです。


もしお家の子がなっていたら?

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異所性睫毛ということが判明したら、どうすればよいのでしょうか?
まず、根本治療ではありませんが、結膜炎等の炎症が起こっている場合のみ、点眼薬などでその症状を緩和させることが大切です。
軽度の異所性睫毛だと内科学的な治療で、角膜に潰瘍を作るのを防ぐために予防として抗生剤と角膜保護剤を点眼するという方法もあるようです。
しかしこの場合、角膜潰瘍や結膜炎の原因となる睫毛部分は改善されていないためほぼ永久的にずっと点眼は行なっていくことになります。
そして次の段階としては定期的に睫毛を毛抜きなどで抜いていく方法もあります。
ただしこの場合、抜く際の刺激などで嫌がることもあるので、若干個体に負担がかかる場合もあります。
最終的には根本解決の方法として睫毛の生えている部分をレーザーで焼き切る等の処置が挙げられます。


どうしたら早期発見できるの?

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異所性睫毛の症状として、流涙や目のしぱつき、充血などが挙げられます。
なかなか目をじっと見ることはあまりないかと思いますが、日々のお手入れの流れで、涙は出ていないか、それが難しい場合は目周りの毛の状態が、常に濡れて変色してしまっていないかなど左右の違いやいつもとの違いを発見できるよう、1日に1回は一度目周りの状態を観察できるとよいでしょう。
この病気は特にこの犬種が多いというものでもなく、どんな子でもなり得ます。
定期的な飼い主さんのチェック、そして定期的にトリミングを行う子の場合トリミングサロンでの目周りのケア、動物病院での定期的な眼のチェックとダブルチェック・トリプルチェックを行なっていけば早期発見も可能なのではないでしょうか。
そのためにもチェックやケアだけでなく、普段から目周りを触っても嫌がらないよう、しつけもふくめて慣らしておく必要があります。
抵抗されながら行うケアやチェックは、飼い主さんにとっても時間と労力を要し、なかなか億劫になってしまいがちです。
おやつなどで楽しみながら、目周りを触られることに慣らしておくと、日々のチェックがしやすくなり、病気の早期発見にもつながりますし、万が一病気が発見された場合でも、点眼などのお家での処置がとても楽になるでしょう。
ワンちゃんたちはあまり視覚に頼ってはいないと言っても、目は大切な器官です。
痛みなどで負担を与えてしまったり、発見の遅れにより症状が進行してしまうことのないよう、お家でもしっかりケア・チェックしていきたいですね。


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りなぎ

りなぎ

動物病院での勤務の傍ら、家では6匹の犬(ダックスフント5匹、パピヨン1匹)と一緒に生活しています。 もちろん猫も大好き!です。 私生活では犬だけでなく、子供もいるため、常にいろいろな世代の人と動物が仲良く、よりよい生活をできるようにするためにはどんな知識があるといいのか、どんな生活が理想か、考えることがよくあります。 少しでも皆さんのお役に立てる知識や情報を発信できたらと思います。


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