症状は?
主に気づきやすい症状としては病的な状態と言うよりも日常生活の行動の変化や見た目の変化が顕著と言えるでしょう。
腹部膨満や脱毛、皮膚が薄くなったり免疫力低下により二次的な感染症の増加で皮膚炎の悪化などもおこり、行動も食欲の亢進や飲水量の増加やそのための尿量の増加などが挙げられます。
単なる肥満や老化と間違えやすく、腹部膨満も一見お腹周りにお肉がついたようにも見えますし、食欲の亢進なども認知症が始まったのでは?と思う飼い主さんもいるようです。
しかし中でも一番顕著と言われているのが飲水量の増加と尿量の増加、すなわち「多飲多尿」だといえます。
なぜこのようなことが起こるの?
病名の通りなのですが、副腎皮質と呼ばれる体の機能の亢進している状態になるのがこの疾患です。
では副腎皮質の機能についてですが、副腎皮質は「グルココルチコイド」と呼ばれる、いわゆるステロイドと同じような働きをするホルモンを産生し、分泌する機能を持っています。
副腎の腫瘍などで産生などが過剰になったり、下垂体という脳神経の部分の「グルココルチコイドを作りなさい!」という指令を出す部分が腫瘍などにより指令を出し過ぎてしまい、その誤ったシグナルを受けた副腎皮質が過剰にグルココルチコイドを産生してしまうのです。
治療方法は?
副腎皮質から産生される物質の過剰産生・分泌が原因ということは前述させていただきましたが、そのおおもととなる脳神経の一部の下垂体という部分の異常の可能性と副腎の異常による可能性についてお話ししましたが、下垂体の異常の場合、外科学的に切除をしたり、腫瘍部分の放射線治療を行うなどの選択肢もあります。
また、多く行われているのは「トリロスタン」と呼ばれる合成を抑制するお薬を使用する内科学的療法です。
もちろんお薬である以上消化器症状や過敏症状、逆に副腎皮質機能低下のような症状が見られるなどの副作用が見られる可能性もあるため、投与量をモニタリングしながら調節していきます。
早期発見のために何をしたらよい?
やはり体の中の臓器の異常には気づきにくいものですよね。
しかし、症状がひどくなってから気付いた場合、かなり進行していたり、体に負担がかなりかかってしまっている状態のことも多いのです。
ではどうしたら早期発見出来るのでしょうか?
まずお勧めなのは、定期的な血液検査です。
他の臓器の疾患に関してもそうですが、この疾患の場合血液検査で特定の項目の数値が正常値よりも上昇したり、低下したり、推移をします。
定期的な血液検査をしていると、症状が伴わなくても、その推移をまず発見し、早期に次の段階でこの疾患を決定づける検査へと移行することが出来ます。
この病気の特徴として中から高齢の特に犬に多い傾向はありますが、お家の子の平均的な値を知るためにも若いうちからの定期的な血液検査はおすすめです。
まとめ
このように記載すると、命の異常に直結しないのであまり怖くない病気のように見えますが、この病気がひどくなると、感染しやすくなり皮膚疾患が治りにくくなったり、色々なところで感染が起こるようになり、体にはとても負担がかかってしまいます。
症状でも早期に発見できるよう、お家の子のごはんの量・お水の量・尿量などは把握できていると以上に増えたりした際にすぐに気づけるでしょう。
またお薬の投薬が原因でこの疾患にかかることもあると記載されていましたが、そのことも考えながら獣医さんはステロイド等処方している場合が多いです。
特にこの疾患の場合はステロイドが該当しますが、自己判断でお薬を急にやめたり、量を変えたりしてしまわないようにしましょう。
もしやめたいと思った場合、まずはかかりつけの先生にその旨をお話し、しっかりとどのようにその後したらいいかをご相談されることをお勧めします。
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