犬にはお酒のアルコールを分解することができない
お酒が好きな人の多くは、年末年始朝から晩までお酒漬けなんて方もいるかもしれません。適量であれば、血行を良くしてくれる効果もありますし、普段本音で話せないなんて人はお酒の力を借りることで本音を話すことができるなんてこともありますよね。
また、年末年始はご家庭でゆっくり宴会をするなんて人も多いかもしれません。人間にとっては楽しいものでも、実は犬にとってはとても危険なものだということをご存知でしょうか。
犬がお酒を摂取すると、人間同様に酔っぱらってしまいます。それはお酒に含まれるアルコールが犬の中枢神経に作用し、酔うという状態を作り出してしまうのです。
酔っぱらうぐらいなら問題ないでしょう、と思ってしまうかもしれませんが、犬は人間と違いお酒に含まれるアルコールを分解することができません。人間の場合、アルコールを摂取しても肝臓が処理し、一晩もすれば酔いは覚めてしまいますよね。
しかし、犬は自分の体内でアルコールを分解できないので、いつまでも酔った状態が続いてしまいます。酔った状態が続いてしまうと、呼吸回数が低下し、呼吸困難のような状態になります。
その後、昏睡状態に陥り、最悪意識を失ってしまうのです。そのままの状態が進んでしまうと、呼吸状態が悪化し、眠るように息を引き取るケースもありますので注意しましょう。
側にくると可愛いからと人間の食べ物を与えてしまう飼い主さんも多いでしょうが、犬は人間ではありません。人間と同じ感覚で接することで、命の危険にさらしてしまうことは少なくないのです。年末年始、楽しい時間を過ごしていると、家族同然の犬に対してもお酒を飲ませてみようと思ってしまうこともあるかもしれませんが、楽しい時間が一転してしまう可能性があることを意識してください。
これは犬にもよって様々ですが一度お酒の味を覚えた犬は、晩酌などの時にうれしそうに
よってきてはお酒をくれるのを待つ犬も中にはいるみたいです。
「ちょっとした拍子でお酒がこぼれて犬が飲んでしまう」「目を離したすきに犬が飲んでいた」みたいなことにならないように、お酒を欲しがる場合は“いけないことである”ということをしっかりしつけてください。
どれぐらいのお酒が犬にとっての致死量?
人間に限らず、いろいろな動物には「絶対に食べてはいけないもの」が存在しますが、犬にとってはその一つが「お酒」です。危険な食べ物には一定の量を接種すると死に至る“致死量”がありますが、お酒は犬にとって致死量が存在する危険なものです。
基本的には、犬の体重1kgに対して、アルコール5.6mlが致死量と言われています。これだけを言われてもピンとこないという人のために、よく飲まれるお酒に例えてみましょう。
- ビール(アルコール度数5%)の場合は、約110ml
- 日本酒(アルコール度数15%)の場合は、約37ml
- ワイン(アルコール度数14%)の場合は約 約39ml
- 焼酎 (アルコール度数25%)の場合は約 約22ml
- ウイスキー(アルコール度数40%)の場合は、約14ml
「ちょっとぐらいお酒を飲んじゃっても大丈夫だろう…」と思っている飼い主さん、
心をあらためましょう。お酒の種類は皆さんが良く飲み、普通に家にあるものばかりだと思いますが、ちょっとの量で致死量に至ってしまいます。
栄養ドリンクがだいだい約100mlですので、かなり少ない量だとわかると思います。
特に小型犬や子犬だと体重が2~3kgということもあるので、注意が必要です。
アルコール度数が強くなるごとに、摂取量は減少していきますが、これはあくまでも体重1kgに対しての値ですから、ご家庭で飼われている犬の体重にかけて計算してみてください。この値はお酒の致死量であり、昏睡状態になってしまうのはもっと少ない量だということも理解しておきましょう。
致死量を把握しておけば、ちょっとぐらい飲ませても大丈夫だろうと勘違いしている人がいたら、それは間違いです。犬によっては、致死量の半分の段階でも、そのまま亡くなってしまうことケースもあるのです。少しぐらいと与えたものが、もしかしたら犬にとっての致死量になってしまうかもしれないということを把握しておきましょう。
元気でいたずら好きな犬の場合は、目の届かない・手が届かない場所でこぼれても中身が出ないようにお酒の管理をしましょう。
犬が間違ってお酒を飲んでしまった場合は?
基本的に、犬にお酒をあげるという行為そのものが、人間の身勝手であり、犬にとっての自殺行為であるということを理解し、絶対にあげないようにしましょう。
もし、犬が間違ってお酒を飲んでしまった場合には、すぐにクリニックに連れていき、事情を説明してください。吐き出させるという行為は危険が伴いますので、なるべく医師にしてもらいましょう。治療方法としては点滴をし、利尿作用を高め、体内からアルコールを抜いてあげることしかできませんが、命の危険を回避することができるかもしれません。
年末年始になると、開いているクリニックがないことも多いでしょうから、事前に緊急の受け入れが可なのかどうかを調べおくと良いでしょう。また、誤飲してしまった事実に気付いていないと緊急性が増します。飲み会の時などは、ゲージの中に入れておくと良いでしょう。もし、ゲージなどに入れていない場合は、目を離さないようにしてください。犬も急性アルコール中毒のようになってしまうことがありますので、少しでも様子が変だと感じたら、受診しましょう。
犬がアルコール中毒になってしまうのは、人間の管理が悪かったこと以外に考えられません。勝手に蓋を開けて飲むなんてことはできませんから。このような状態で犬が亡くなってしまったら、それは人災であり、人間のせいなのです。楽しい時間は後悔への時間に変わり、管理できていなかった人間への責任転嫁が始まってしまいます。このような悲しいことにならないように、徹底した管理をしましょう。可愛いからこそ、ダメなこともあるということを忘れないようにすると共に、人間も理性を失わないような飲み方をしていきたいですね。
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