犬の偽妊娠って何?
さて、犬の偽妊娠とはどんな状態なのでしょうか?
名前の通り「偽物の妊娠」すなわち実際に子宮の中に赤ちゃんはおらず、妊娠していないのに、まるで赤ちゃんがいるように母乳が出たり、行動の変化が起こることを示します。
行動の変化とは、ぬいぐるみをまるで赤ちゃんのように自分のハウスの中へ運んでみたり、ぬいぐるみを触ろうとした人に対して攻撃をしようとしたり、守ろうとすることです。
犬の偽妊娠はなぜ起こるの?
犬の偽妊娠は主にホルモンの分泌の異常により起こるとされており、妊娠時に高濃度に分泌されるホルモンが、妊娠していないにもかかわらず分泌されてしまうため、体が妊娠していると誤認識して反応してしまうのです。
母乳の分泌は一見関係ないように思えますが、妊娠時に高濃度に分泌されるホルモンは乳汁の分泌を促進させる作用もあるため、そのホルモンにより乳汁分泌が起こります。
犬の偽妊娠はどうしたらわかるの?
行動変化や母乳の分泌というわかりやすい兆候があるので、発見はしやすいと思います。
しかし、しっかりと観察している場合、間違いなく妊娠していない、交配をしていないと言えるかもしれませんが、100%見ていないとも言えない場合もあると思います。
そのため、怪しい行動が発見された場合は、獣医さんに連れて行っていただき、愛犬が妊娠していないかどうか、超音波検査などで確認して頂く必要があります。
偽妊娠は病気ではないというお話をしたのであまり動物病院と結びつかないようですが、本当に妊娠してしまっていた場合のことや、長く続く場合は処置が必要になるので、できれば疑わしい場合は速やかに受診するようにしましょう。
犬が偽妊娠したらどうしたらいいの?
前述の通り、犬の偽妊娠はホルモンの異常分泌により体が誤認識する反応です。
そのため、もちろん動物病院を受診して偽妊娠か否かを判定してもらうことが大切です。
そのうえで偽妊娠と判明した場合、これ以上体が誤認識をしないように赤ちゃんと勘違いしている対象のぬいぐるみなどを取り上げ、乳汁を分泌させないよう乳頭には触れないということが大切です。
これらのことをすると、自然とホルモン分泌も退行し、それに伴い妊娠しているかのような行動は見られなくなります。
ただし、それだけではおさまらず、抗ホルモン剤を投与する必要がある場合もあります。
偽妊娠の予防のためにどうしたらいいの?
犬の偽妊娠とは病気ではなく、生理的な反応によるもののため、起こってしまうといけないというわけではありません。
しかし、このホルモンの異常分泌が子宮蓄膿症の原因の一つになり得るともいわれる子宮内膜症のきっかけになってしまうこともあり、犬によって、偽妊娠は何度も繰り返してしまうことがあるので、そうすると内膜症につながる可能性も出てきます。
そういったものを予防するためにも、赤ちゃんを産ませる予定がない場合、できれば早い段階で避妊手術をすることをおすすめします。
また、予防とも少し異なりますが、偽妊娠は発情出血の時期の後に起こりやすいこともあり、愛犬の発情サイクルをある程度把握しておくということも実際の妊娠なのか、偽妊娠なのか判定する上で大切になってくると思います。
まとめ
赤ちゃんを産ませるということはご家族にとってもとても楽しみなことの一つであり、出来たらさせてあげたいという憧れでもあると思うのですが、その憧れのために避妊手術を行わずにいる場合、こういったトラブルも起こり得ます。
こういった偽妊娠はどの犬でも起こる可能性があると同時に、個体差はありますが起こりやすい子は発情のたびに起こすケースもあります。
そういったこと事情も考えながら、避妊手術をするか否かを決めることが出来ると良いかもしれませんね。
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