暗くて狭いシェルターの中でたたずむ一匹のワンちゃん、ラナ。動物保護施設にて過ごしている彼女は「世界で一番悲しい犬」と呼ばれています。
その理由は、2015年にインターネット上に掲載された彼女の一枚の写真。
その写真の中でラナは悲しみに暮れて意気消沈している姿を見せていました。施設内の小さい部屋の隅でうなだれる彼女。悲しみのあまり散歩も拒否していたという彼女のその写真は、インターネット上でとても話題になり、「世界で一番悲しい犬」と呼ばれるようになりました。
彼女はどうしてそんなに悲しみに暮れていたのでしょうか?その理由はとても残酷なものでした。
当時、無事里親が見つかったラナは新しい家族と幸せな生活を送るだろうと思われていました。ところが、信じられないことにその里親はラナをまた施設へ送り返してきたのです。
その理由は、彼女が新しいオーナーであるママを激しく威嚇し、噛み付こうとした為。もともと他の兄妹達と比べて体の小さかったラナは、その記憶から異常に食べ物を守ろうとする癖があったようです。ラナの最初の飼い主になったオーナーに対しても食べ物を守ろうとする癖が出てしまい、そしてまた施設暮らしをすることに…
「当時の彼女はまるで自分の世界が終わってしまったかのように感じていただろう」と、ラナを保護していたボランティア団体のダリア・アユーブさんは言います。
そんなラナに、施設はまた新しい里親を見つけることに成功しました。幸運にもセカンドチャンスを得ることができたラナは新しい家族のもとへ引き取られていきます。
ところが、何とその新しい家族もラナを施設へ連れ戻してきたというのです。
「今回の里親もラナを手放すという手段を選んでしまいました。彼らは、一緒に遊び戯れることのできるワンちゃんをお迎えしたかったようです。」と話すのは、Rescue Dogs Matchというホームレスの犬達の里親探しを手伝う団体の設立者であるブレンダ・ドブランスキーさん。
「ラナはオチャメな犬ですが、人間にスキンシップを求めるような犬では無いんです。寝転がって飼い主にお腹をさすってもらうという行為を望まない、それが彼女なんです。」
2度も新しい家族から手放されてしまった、可哀想なラナ。そして更にとても辛い現実が彼女を襲います。5月20日までに新しい里親が見つからなければ、残念なことに殺処分されてしまうかもしれないとのこと…。
施設生活の中で何度も心に傷を負ってしまったラナ。
彼女のパーソナリティを理解したうえで、また人間を信頼してもいいんだよ、と彼女を暖かく迎え入れてくれることのできる誰かに無事引き取ってもらえる事ができれば、と願わずにはいれません。
<参考サイト>
boredpanda.com
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