1.犬の皮膚にできものを発見!どう対応する?
1-1.できものの色・大きさ・症状別に推測してみよう
2.犬のできもの①赤いできもの
2-1.毛包虫症(アカラス)
2-2.疥癬(かいせん)
3.白いできもの
3-1.イボ
3-2.膿皮症(のうひしょう)
5.犬の肌トラブルの症状
5-1.犬の肌トラブルの症状①かゆがる
5-2.犬の肌トラブルの症状②乾燥しフケが出る
5-3.犬の肌トラブルの症状③被毛が抜ける
【掲載:2017.07.11 更新:2020.07.03/2022.06.10】
犬の皮膚にできものを発見!どう対応する?
愛犬の体を撫でていたら、何か手に触れるものが・・・毛をかき分けて見てみると、大きな白ニキビのようなできものがあって驚いたことがあります。
人間の肌もそうですが、皮膚の白いふくらみは皮下に膿がたまっていることが多いですね。
その時に発見したできものは、触ってもそんなに痛がる様子もなかったので、すぐに動物病院には連れて行かず、様子を見ることにしました。
愛犬をシャンプーして清潔にして、しばらく様子を見ていたら、自然に膿が流れ出てきて、それが収まると白ニキビのようなできものは消えて無くなったことがあります。
それ以来、同じような皮膚トラブルは見られないので、愛犬が脚で体を引っ掻いたりした時に皮膚が傷つき、そこから何か菌が入り込み化膿した「膿皮症かな?」と推測しました。
私の犬は皮膚下の膿が自然に出たので大丈夫でしたが、普段は見慣れない変な色や形のできものだったり、触ったら嫌がるできものを犬の皮膚に発見した時は、迷わず動物病院を受診することをオススメします。
「このできもの、なんだろう?大丈夫かな?」などと思いながら、不安を抱えて過ごすのは飼い主さんにとっても愛犬にとっても落ち着かないことですからね。
安心して過ごすためにも、犬の皮膚にできものを発見した時は、獣医師さんに相談するようにしましょう。
◆できものの色・大きさ・症状別に推測してみよう
犬の体にできたできものの色や大きさ、症状などによって、急いで受診した方がいいできものや、様子を見守ってもいいできものなどがあるようです。
基本的には犬の様子がおかしい、いつもと違うなと思ったら素人判断はせずに必ず病院に行く様にしてください。
犬のできもの①赤いできもの
◆毛包虫症(アカラス)
犬の皮膚にできた赤いできものは、「毛包虫症(もうほうちゅうしょう)」や「アカラス」とも呼ばれる、ニキビダニと呼ばれる小さなダニが原因で起こる病気が考えられます。
ニキビダニが犬の皮膚下の毛根部分に寄生すると最初は周りの毛が抜け落ちます。
毛包虫症の初期のころは、毛が抜けるだけでかゆみもそれほど感じないようですが、赤いできものが見られるようになり、愛犬がかゆがる様子を見て、飼い主さんが気がつくことも多いようです。
ニキビダニ自体は肌の角質を餌としており少数いる場合に皮膚病を引き起こす事はありません。またニキビダニは母子感染することがほとんどで、子犬の時に母親からもらって体内にニキビダニ持っている犬も多いものですが、体力や免疫力が落ちたシニア犬や子犬などにニキビダニが増殖すると、赤いできものの症状が見られるようになります。
強いかゆみで体を引っ掻いてただれることもあるので、早期発見・早期治療で治すことが大切です。
◆疥癬(かいせん)
疥癬は人間にも見られることがある皮膚の病気です。
「イヌセンコウヒゼンダニ」が皮膚に寄生することで起こります。
症状としては、ひどい脱毛やフケが出てかゆがったり、皮膚が厚くなったりします。犬の皮膚に赤い湿疹や小さなできものが見られたら、早めに治療するようにしましょう。
白いできもの
◆イボ
白いできものは、皮膚下で化膿した膿がたまっている場合もありますが、良性のイボの場合もあります。
1cm以下のイボのような白いできものの原因は「パピローマ」というウイルスによるものが多く、犬の免疫力が落ちていると突然できることが多いようです。
この白いできものはほとんど良性のもので、ある日ポロっと自然に取れることもあります。
ただ、白いイボが段々大きくなったり、黒や赤に変色していくようであれば悪性の腫瘍の可能性もあるそうです。痛がらない、大きくならないからと放置せずに早いうちに病院で診察そいてもらう様にしましょう。
◆膿皮症(のうひしょう)
膿皮症は、犬の皮膚のトラブルでよく見る病気です。
虫に刺されたところや、犬の脚で体を引っ掻いた時の小さな傷などから細菌が感染して、ジクジクと膿んでくることがあります。
膿皮症は、子犬やシニア犬、免疫力の落ちている犬に多く見られます。
抗生物質で治療するのが一般的ですが、膿皮症の原因となる細菌が、抗生物質に抗体ができてしまい、投薬の効き目が見られないこともあるようです。
膿皮症になってしまったら、薬用シャンプーや消毒なので皮膚を清潔に保ち、動物病院から処方された薬で集中的に治療するようにしましょう。
参考URL:東京農工大学レポート「犬の細菌性膿皮症」
黒いできもの
◆マダニ
犬を飼ったことのある方なら、見聞きすることの多いマダニですが、犬や猫などペットに触れたことのない方は、血を吸って膨らんだマダニを「黒いできもの」だと思って驚くこともあるようです。
マダニは草むらなどに隠れていて、お散歩中に犬の体にくっついてくることが多いです。
マダニにかまれると、その部分に小さな出血と皮膚炎が起こってきます。
犬の体にマダニを見つけたら、引っ張って取り除きたくなりますが、マダニの口が皮膚にかみついたまま残ると炎症になったり、アレルギー皮膚炎の原因になることもあります。無理に抜かず、市販されている専用の器具や
動物病院でとってもらう様にしてください。
1匹マダニがいると、体のあちこちに隠れていることが多いので、動物病院で診てもらい、全体的に駆除するようにしましょう。
– 関連記事 –
マダニ取り器具「ティックツイスター」の使い方・購入方法は?【Tick Twister】
◆腫瘍(皮膚がん)
いわゆる皮膚がんと呼ばれる犬の体にできた腫瘍が、黒いできものとして目につくことがあります。
ほくろのような小さなものから、ビー玉のような大きものなど様々なようですが、黒いほくろは素人判断での対応は難しいので、愛犬の体に黒いできものを発見したら、すぐに獣医師さんの診察を受けるようにしましょう。
犬の肌トラブルの症状
犬に見られる皮膚の病気についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
病気までいかなくても、愛犬の肌トラブルは年中みられるものです。
愛犬とのコミュニケーションを兼ねて、ブラッシングをする時やシャンプーをする時など、定期的に犬の皮膚のチェックをするようにしましょう。
◆犬の肌トラブルの症状①かゆがる
愛犬がかゆがっている部分の皮膚チェックを行い、毛がひどくはげていたり、できものがあれば動物病院を受診してひどくならない内に治療を受けるようにしましょう。症状にあった塗り薬や抗生物質などの投与を受けることができます。
◆犬の肌トラブルの症状②乾燥しフケが出る
皮膚が乾燥する季節や、暖房が効いた部屋で過ごす犬は、肌が乾燥してはがれ落ち、フケとして毛に浮いているのを見かけることがあります。
室内飼いの犬の場合は、暖房時は加湿したり、シャンプー剤を保湿成分が入っているものに変えたりするといいですね。
◆犬の肌トラブルの症状③被毛が抜ける
肌トラブルがある箇所は、被毛が抜けてはげた状態になることも多いです。
できものが目につく前に毛がはげることがあったら、皮膚の状態を注意してみるようにしましょう。
季節ごとの犬の肌ケア方法
年中手軽にできる肌ケアの方法として、ブラッシングがあげられます。
犬のブラッシングは、被毛の美しさを保つことと、皮膚を刺激して新陳代謝を促します。
愛犬とのスキンシップを高める意味でも、できるだけ毎日ブラッシングをしてあげたいですね。
◆春の肌ケア
春は意外と気温の変化が大きく、子犬やシニア犬は体調を崩しやすいものです。
換毛期に入るので、こまめにブラッシングをして、抜け毛を取り除きましょう。
皮膚のためにも太陽の日差しを浴びるのはオススメです。
気温の高過ぎない暖かい時間帯に、お日様の光を浴びながらお散歩しましょう。
◆夏の肌ケア
夏は長毛種の犬にとって過ごしにくい季節ですが、注意すべきは暑さだけではありません。梅雨の時期も、犬の皮膚病が発生しやすい時期なので注意が必要です。
夏のお散歩は地面からの熱を受けやすいので、犬の肉球がやけどしないように、地面を手で触って暑すぎる時間帯には出かけないようにしましょう。
またノミやダニも発生しやすい時期なので、虫よけスプレーを使うなど日頃の予防が大切です。
◆秋の肌ケア
涼しくなる秋は、多くの犬にとって過ごしやすい季節です。
夏に悩まされた蚊がいなくなったと思っても、フィラリアの予防薬はしばらく続けた方が肌トラブルを防ぐ意味でもいいでしょう。
秋になると食欲が戻ってくる犬もいますが、食べ過ぎて脂肪が増えると皮膚への影響も考えられます。
運動するにもいい季節なので、愛犬の健康やお肌のためにも、しっかり食べて一緒に遊んでたっぷり運動を心がけましょう。
◆冬の肌ケア
冬は日中と夜の温度差が大きくなり、犬のお肌にも影響が出やすい時期です。
室内で飼っている犬は、暖房器具を使い、保温してあげましょう。
空気が乾燥すると肌トラブルにつながることもあるので、暖房する時は加湿も忘れずに行いましょう。
また冬の雨や雪に濡れてお散歩した後は、被毛の奥までしっかり乾かして冷えないようにしましょう。
冬の間も皮膚を鍛えるために、できるだけ外で日光浴を行うといいですね。
犬の体のできものに関するまとめ
犬のできものや皮膚病、肌トラブルのケア方法などについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
できものの色や大きさで、この皮膚病かなと推測することもできますが、犬の皮膚トラブルも早期発見・早期治療が大切です。
愛犬がいつもよりかゆがる仕草をしたり、見慣れないできものを見つけたら、早めに獣医師さんの診察を受けると安心ですね。
犬の肌ケア方法も季節ごとに少しずつ変わりますので、基本のブラッシングをしながら皮膚の状態をこまめにチェックするようにしましょう。
参考文献:「犬の病気 予防と手当」 練馬小動物研究会 金園社
– おすすめ記事 –
・【獣医師監修】愛犬をフィラリアやダニなど寄生虫から守るには?人にも被害が!?予防・対処法まとめ |
・【獣医師監修】夏場は食中毒とカビの発生にご用心!予防法を実践しよう |
・【獣医師監修】梅雨時期の愛犬の臭いや病気、お散歩の対策をして快適に過ごしましょう♪ |
・【獣医師監修】痩せすぎの愛犬、もしかしたら病気が原因かも?病気の予防法や治療法をご紹介! |