ブルドッグの歴史
ブルドッグはその名のとおり「ブル(雄牛)」と戦う犬という意味です。古くからイギリスで流行した「牛いじめ」という見世物がありました。杭に繋いだ雄牛と犬を戦わせて牛を死ぬまで虐めるという、現代では考えられない残酷なものですが、12世紀から18世紀まで続いていたそうです。その時に牛と戦える犬として作られた犬種がブルドッグです。
当時は現在のような短足では無かった為、俊敏に走れて牛と戦っていました。
しかし、19世紀なると動物愛護の観点から「牛いじめ」が禁止されたので、ブルドッグはペットとして温厚な性格へと変わって行きました。
容姿もまた、ヨーロッパで流行していたドッグショーに出場させる目的で品種改良が行われ、現在のようなユニークな姿へと変貌していったのです。
以前は「牛と戦って怪我をしないように皺の多い皮膚をしている、牛と戦いやすいように低い体高である、噛みついても呼吸がしやすいように鼻がつぶれている」と言われていましたが、現在はこれらは間違った解釈であると言われています。あのようなずんぐりむっくりな体躯、短い脚では牛と戦うことは出来ませんし、当時の絵画には、すらりとした筋肉質の身体に鼻が真っすぐなブルドッグが描かれています。
一般的にブルドッグと言われている犬種は正式には「イングリッシュ・ブルドッグ」と言う名前です。昔、雄牛と戦っていたブルドッグとは「オールド・イングリッシュ・ブルドッグ」と言い区別しています。しかし、オールド・イングリッシュ・ブルドッグは現在消滅しています。
また、この犬種から足が長く攻撃的な性格も残っている「アメリカン・ブルドッグ」という犬種も作られました。
ブルドッグの特徴について
●顔
ブルドッグは大きな頭で鼻が平らに近く、頬や顎の皮膚が垂れています。
眼窩が浅い為に目が飛び出ていて、後からの強い衝撃などによって眼球突出(眼球がまぶたの外に飛び出してしまう)が起きることもあるため、注意が必要です。
顎のほうが鼻よりも前に出ており、上唇が左右に垂れ下がっています。
耳は内側に折りたたまれて「ローズ耳」と言われる形をしています。
●身体
ブルドッグは、体高が低く、胴回りが太くがっしりとしていて脚が短いです。
また、皮膚全体に弛みがあり、しわが多いのが特徴です。
毛は短毛で「シングルコート」と呼ばれる上毛だけの種類で、色は単色か、その色とホワイトとの組み合わせが多くみられます。
ブルドッグの体重は成犬で雄25キロ、雌23キロ前後とかなり重くなります。
●性格
ブルドッグは、温厚で大人しい性格で主人に忠実です。
甘えん坊で無駄吠えも無いためペットに最適ですし、子供ともよく遊びます。
いざと言う時には勇猛に戦うため番犬にも向いています。
ブルドッグの飼い方
●清潔を保つ
ブルドッグは鼻が潰れているために、いびきをかきやすく、唇が垂れ下がっているために、よだれを垂らしてしまいます。
しわの間に汚れも溜まるので、こまめによく拭き、ブラッシングもしましょう。また、定期的にシャンプーもしましょう。
ペパーミントエキス配合の特殊シートを毛並みに沿って汚れた部分をやさしくふき取るように汚れを落とします。
●運動の習慣をつける
ブルドッグは成犬になると運動しづらい体格のためか寝ていることが多く、肥満になりやすいです。
子犬のうちから散歩の習慣をつけて肥満にならないように心掛けましょう。
●子犬のころからしっかりしつけする
ブルドッグは賢い性格なので人の指示にはよく従いますが、指示の仕方を家族全員で統一するようにしてください。指示の仕方がバラバラだとブルドッグが混乱して覚える事が出来ません。
注意する時は大きな声は出さず無視しましょう。ブルドッグは甘えん坊な性格で構って貰うことが大好きですから、無視されることが一番の「お仕置き」になります。
叩いたりすると大人しい子にはなりますが、萎縮しただけで良い関係を築くことは出来ません。
子犬のうちは気にならない事も、成長した時には大怪我のもとになります。
ブルドッグに限らず犬全般に言えることですが、立場を明確にしましょう。犬は元々群れで行動する狼が先祖ですから、「家庭」という群れのリーダーは誰かを敏感に感じ取ります。可愛がっても主従関係はきちんとしつけましょう。
●先天性疾患に注意する
純血種なので近親交配の可能性も高く、先天性疾患のある場合も少なくないので、体調をよく観察しましょう。
ブルドッグがかかりやすい病気
●目の病気
・眼瞼内反症
生まれつきの病気で瞼の縁を目の内側に巻き込んでしまうことで起こる病気です。
刺激で瞬きが多くなる。涙が多く出る。逆まつ毛の状態も起きるため、まつ毛の先で角膜炎を起こす事もあります。酷い場合は内反している部分を切除する手術を行います。
・乾性角結膜炎
涙の量が少ない為に角膜・結膜で炎症を起こす病気。免疫異常が原因の場合が多いです。
結膜炎・・充血するために目が赤くなる
角膜炎・・黒目の表面が濁って目やにが多く出る
人工涙液や目軟膏を点眼することで角膜・結膜の保護を行います。
アントシアニン・クロロゲンを含有するブルーベリーエキス、抗酸化ビタミンなど眼の健康維持に配慮した11種類の栄養素を配合しました。
●鼻・喉の病気
・鼻腔狭窄症
鼻の入り口部分の鼻翼が、生まれつき本来の形でなかった為に気道が狭くなり呼吸困難を起こす病気です。
・軟口蓋過長症
喉の奥部分の上顎の粘膜が生まれつき長い為に起きる病気です。
粘膜が垂れ下がる為に気道の空気抵抗が起きるので、呼吸の妨げやいびきの元にもなります。
・気管低形成
気管が本来の太さまで発達しなかった為に呼吸しづらくなる病気です。
●足の病気
・股関節形成不全
生まれつき股関節が正常な形ではない為、身体の成長とともに関節が悪化していく病気。
やがて関節炎に進行する恐れがあり、悪化した場合は手術を行います。
●皮膚の病気
・皮膚炎
ブルドッグは皮膚が弛んでいて、しわの間に雑菌がたまりやすいので、皮膚炎を起こしやすいのです。
顔周りを清潔にするなど、日頃のコマメなケアが大切です。
空気浄化・消臭効果に優れた「機能性樹木抽出液クリアフォレストR」配合!
「ニオイブロック成分」配合なので、ペットの嫌なニオイを抑えシャワー仕立てのサッパリ感が続きます。
ブルドッグの平均寿命は8~10年と他の犬と比べると短いです。少しでも長生きしてほしいですから、健康管理はしっかり行いましょう。
ブルドッグの値段
ブルドッグは他の犬種に比べ値段が高くなります。人気のチワワやコーギーでも20万円ぐらいまでで購入出来ますが、ブルドックの値段は安くても35~50万円です。ショードッグとなると100万円ほどの値段にもなります。
これは、ブルドックは頭が大きく自然分娩が困難で、多くの場合は人間の手による帝王切開手術で生まれてくるため、費用がかさむからです。
ブルドッグはコマメなケアも必要なので、他の犬種よりも病院代などの出費が多くなります。購入費以外に、そういった費用も含めての値段を考えてから家族に迎えることをお勧めします。
●ブルドッグの選び方
ペットショップやブリーダーのところで見た時に、足を引きずっている子犬は関節障害を持っている可能性があります。4本の足がしっかりと動いているかどうか、皮膚にただれや抜け毛がないかしっかりと確認しましょう。
また、懐きやすい性格なことのも重要です。実際に触って気持ちよく抱っこされる子犬が良いですね。人懐っこい性格の子犬を選びましょう。
まとめ
ブルドッグの性格は見た目と裏腹に陽気で無邪気、とっても可愛い甘えん坊なので、飼ってみたらそのギャップの虜になってしまいます。手間はもちろんかかりますが、愛情をしっかり注いだ分だけブルドッグからも返ってきますよ。
子犬のうちから信頼関係を築き、体調管理をしっかりと行ってブルドッグとの楽しい毎日を過ごしましょう。
– おすすめ記事 –
・【獣医師監修】愛犬のお口が臭くなったら歯周病のサイン! ―見逃していませんかお口のトラブル― |
・愛犬の皮膚トラブル!フケの原因、知っていますか? |
・似ているけど違う!ブルドッグとパグの見分け方とは? |
・ブルドックが人の手により危機に陥っているって本当なの? |