1.シェルティの特徴
1-1.シェルティの外見的特徴
1-2.シェルティの歴史
3.シェルティの飼い方
3-1. シェルティのしつけについて
3-2.シェルティの被毛のケアについて
4.シェルティがかかりやすい病気
4-1.シェルティがかかりやすい病気①皮膚疾患
4-2.シェルティがかかりやすい病気②コリーアイ
4-3.シェルティがかかりやすい病気④甲状腺機能低下症
4-4.シェルティがかかりやすい病気⑤股関節形成不全
【掲載:2019.10.11 更新:2020.06.19】
シェルティの特徴
近年ではシェルティという呼び名で認知度の高い犬種ですが、正式名をシェットランドシープドッグといいます。
長めの被毛にシュッとした鼻立ちで、外見にも魅力溢れる人気犬種の一つです。
シェルティに似た外見をもつ犬種にラフ・コリーがいますが、これはシェルティよりも大型です。祖先は同じだといわれてはいるものの、ラフ・コリーより小型の犬種をシェルティと呼ぶわけではないのです。
シェルティとラフ・コリーは別の犬種で、体高・体重や、JKCで決められた毛色の種類が決定的に違います。
◆シェルティの外見的特徴
シェルティの基本的な大きさは、体高約33~41cm、体重約6~10kgです。体長が体高より少し長めの特徴があります。
顔は、鼻筋が真っすぐで、耳が半分立っており、目の色は褐色が多いとされていますが、毛色がブルー・マールの場合は、青か銀色をしています。表情からは、温和で聡明であることが伝わるでしょう。
体は筋肉質で、胸が張っており、腹部は引き締まっているので、全体的にバランスのとれた体つきです。
長めの被毛が特徴の一つで、短い下毛と硬く長い上毛の二層構造をしています。また、首周り・胸・前脚裏・かかとから上・尻尾にはフサフサの飾り毛があります。
毛色は、セーブル・トライカラー・ブルーマール・ブラック&ホワイト・ブラック&タンの4種類です。
部分的に、ホワイト・マーキングがみられるのが好ましいとされているそうです。
◆シェルティの歴史
前述の通り、シェットランドシープドッグ(シェルティ)は元々ラフ・コリーと同じ祖先を持つといわれています。しかし、100年前イギリスに上陸した頃は、スパニエル系の影響を感じさせる犬だったそうです。
この後、コリーと交配させながら小型化を目指して改良されたのが、現在のシェットランドシープドッグ(シェルティ)だといわれています。
この犬種名は、スコットランドのシェットランド諸島にいる牧羊犬がもとになったことから付けられました。
シェットランド諸島は気候が厳しく、牧草地が限られていて家畜が小さかった為に、シェットランドシープドッグ(シェルティ)の小型化が進んだとの説もあります。シェットランドシープドッグ(シェルティ)には、家畜が畑を荒らすのを防ぐ為の番犬の役割があったそうです。
シェットランド諸島は他の地域から非常に離れていた為、イギリス本土へ持ち込まれたのは19世紀初頭でした。
当初、シェットランドシープドッグ(シェルティ)は、シェットランド・コリーと呼ばれていたのですが、コリー愛好家たちの猛反発にあい、現在の名前となったようです。
シェルティは日本には昭和30年頃に持ち込まれたといわれています。
ラフ・コリーを飼いたくても飼育スペースを確保できないという日本の住宅事情もあり、現在ではシェットランドシープドッグ(シェルティ)は国内で人気の高い犬種の一つとなりました。
シェルティの性格
シェルティは牧羊犬であった歴史からも分かるように、訓練性の高い頭の良い犬種です。
飼い主に対して忠実で、献身的な愛情を寄せてくれますが、その反面、家族以外には慣れにくいという性質もあります。
しかし基本的な性格は、感受性が強く非常に明るくて、人を喜ばせるのが好きな温厚で優しい犬種なのです。子供と遊ぶことも好きなので、仲良く生活することもできます。
牧羊犬は1頭で、約600頭の羊を誘導できるほど走り回るといわれています。
牧羊犬として誕生したシェルティは、走り続けられる体力は勿論、家畜を追いかけたり、ネズミを狩るなど、小回りの利く機敏さも持ち合わせていました。
また、家畜の群れに臆さない気の強さと、家畜を驚かせたり攻撃をしないという優しい性格、多数の指示をこなす利口な犬種であったことから、長きに渡り人間にとって優秀なパートナーだったといえるでしょう。
ただ牧羊犬の名残からか、走るものを追いかけたり、興奮すると人間の踵に軽く噛みつくこともあります。
ラフ・コリーよりも神経質だともいわれていて、警戒心や比較的よく吠える習性も持ち合わせていますが、これも牧羊犬としての本能からくるものなのでしょう。個体差もありますが、内気な面もあるので、見知らぬ人に対しては臆病になってしまう場合もあるそうです。
シェルティの飼い方
シェルティを家族に迎え入れる為には、前もって知識を得ておくことが必要です。どの犬種にもいえることですが、その犬種の性質や性格、適切な飼い方を覚えておきましょう。
◆シェルティのしつけについて
シェルティは、前述の通り訓練性の高い犬種なので様々な芸などをトレーニングすることが可能です。
しかし、まず大切なのはしつけです。
頭の良い分、しつけ方法を間違うと飼い主さんがコントロールできなくなってしまいます。大事なのは、主従関係をきちんとつくることです。
興奮すると吠えやすい傾向にありますので、その性質を理解して適切なしつけを行いましょう。
◆シェルティの被毛のケアについて
毎日、十分な運動を必要とする犬種ですが、小型化したことで骨折しやすい面もあります。また、フサフサの被毛の為に、肥満・痩せすぎなど、体格の変化に気付きにくい点があります。過度の運動に注意し、定期的なボディチェックを欠かさないようにしましょう。
被毛は長く抜け毛も多いので、毎日ブラッシングを行いましょう。これを怠ると、折角の美しい被毛が台無しになってしまいます。
基本的には大まかなブラッシングで良いのですが、週に1度は毛玉やほつれをほぐしてあげましょう。毛玉を放置すると、寄生虫などが発生して皮膚病の原因となります。
飾り毛の多い部分は粗めのクシを使用すると良いです。
シャンプーは月に1・2回程度行ってください。シャンプー後はドライヤーを使用して、しっかり乾かすことが大切です。
基本的にトリミングを不要とする犬種ではありますが、肛門周り・内股・足裏のカットは定期的に行ってください。
シェルティがかかりやすい病気
以下、シェルティがかかりやすいとされる病気の一例です。
◆シェルティがかかりやすい病気①皮膚疾患
シェルティは皮膚の弱い犬種で、様々な皮膚疾患を発症する可能性があります。
定期的なボディチェックや、毎日のブラッシングなどで、いち早く症状に気付くことが大切です。
◆シェルティがかかりやすい病気②コリーアイ
先天性・遺伝性の眼疾患です。脈絡膜の局所的な発育不全や、網膜内の過剰な血管新生などが特徴です。
症状には個体差があり、見た目では気付けない軽症から、失明に至る重症までと様々あります。
重度の場合、早ければ生後4週齢~2ヵ月程で網膜剥離・眼房内出血を起こし、物にぶつかったり歩きをたがらないなどの視力障害がでます。眼底検査により異常の有無が発見できますが、今のところ効果的は治療法はありません。
◆シェルティがかかりやすい病気③甲状腺機能低下症
甲状腺から分泌される、甲状腺ホルモンの働きが低下して様々な症状をもたらす病気です。
甲状腺自体の委縮や、免疫系異常によって免疫が甲状腺を攻撃してしまうなど、後天的なものが基本原因だとされています。
副腎皮質ホルモンの異常が原因で発症する、クッシング症候群などの病気で併発する場合もあります。
症状は、体温低下や虚脱、脱毛・乾燥などの皮膚疾患、体重増加や心拍数・血圧の低下など様々です。
他の病気との併発であれば元の病気の治療が最優先されますが、甲状腺機能低下症を単独で発症している場合は、投薬治療が必要となります。症状の改善には至りますが、投薬治療と一生付き合うこととなるのです。
◆シェルティがかかりやすい病気④股関節形成不全
股関節の発育・成長に異常が出る疾患で、関節が不安定になることにより、股関節の炎症を起こしやすくなる病気です。
遺伝や遺伝的素因に環境因子が重なることが原因とされています。
座り方や歩行に異常がみられたり、運動を嫌がるなどが一般的な症状です。
治療法には様々な内科療法や外科手術療法などがありますが、日頃から肥満に注意したり、食事や運動の質・量を考えてあげることも重要です。
シェルティの価格
全ての犬種にいえることですが、子犬の値段は成犬に比べて高くなります。また、被毛や親犬などの血統によっても大きく値段に違いがでてきます。
シェルティの値段も同様で、生体によって価格に差があります。
子犬であれば、安くても約12万円から~18万円前後で、全体的な値段として20万円台が多くみられます。もちろん、生体によって30万円から40万円を超える子もいます。
犬を飼うということは、その後人生を共にするということです。
家庭の経済状況も考えて、値段を無視することはできませんが、遺伝性の病気を考えると、親犬について確認したり、きちんとしたブリーダーやペットショップを選ぶことも重要となります。
シェルティ(シェットランドシープドッグ)に関するまとめ
外見は優雅で聡明さを感じるシェルティですが、愛想がよく遊びまわるのが大好きな性格をもった犬種です。
飼い主さんの指示を聞くのも大好きです。遊ぶときはできるだけ飼い主さんが一緒に遊んであげてくださいね。
遊びながら訓練のできる、アジリティやフライングディスクなどもお勧めです。
紹介したように、様々なかかりやすい病気や怪我もあります。中には予防できない疾患もありますが、飼い主さんが気を付けることで防げる症状もありますので、日頃からよく観察してあげてください。
シェルティは、飼い方やしつけを間違わなければ、家庭犬として末永く家族に幸福をもたらしてくれるでしょう。
ただし、牧羊犬の性質を持ち合わせているということを忘れないでください。シェルティの性質や性格、特徴を理解した上で、適切な飼い方をしてあげてくださいね。
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