大型犬と小型犬の多頭飼いは大丈夫?気を付けるべきポイントは?

2017.10.22

大型犬と小型犬の多頭飼いは大丈夫?気を付けるべきポイントは?

犬好きな人にとって、たくさんの犬たちに囲まれた生活は憧れるものではないでしょうか。家のなかが明るくなり、犬たちから「元気」と「癒し」をもらえますよね。 1匹だと寂しい留守番も多頭飼いなら犬たちにとっても幸せなのでは?と思えます。多頭飼いなら、大型犬や小型犬、穏やかな犬、元気な犬など、さまざまな違った魅力のある犬たちと一緒に暮らせるでしょう。そんな気持ちで多頭飼いをしたくなる飼い主さんも多いかもしれません。 そこでちょっと気になるのが犬たちの体の大きさ。かなりサイズの違う大型犬と小型犬を多頭飼いするのは大丈夫なのでしょうか…? 今回は「大型犬と小型犬の多頭飼い」について考えてみたいと思います。多頭飼いで気をつけるべきポイントとはいったいどんなことなのでしょうか。

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犬の多頭飼いって…?

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そもそも「犬」は群れをなしてグループで生きていた動物です。他の犬との関わりを持ち群れで暮らすなかで、社会のルールを自然に学習していくことができます。

ただ、現在のように人間にペットとして飼われる場合、1匹で暮らすことが多く「群れの生活」の機会がありません。そんな機会を形にしたのが多頭飼いとも言えるでしょう。

●1匹で飼われているワンちゃんの場合

1匹で飼われているワンちゃんは、自分以外はすべて「人間」なので、暮らしの環境次第では「自分も人間だ」と思ってしまうようです。その理由は、飼い主さんからの大きな愛。

散歩のとき、昼寝のとき、食事のとき、飼い主さんとの遊びのとき…、あらゆるときに飼い主さんを一人占めできる状態です。他の犬にヤキモチを焼くこともなければ、競争もしなくてOKなので、結構、自由に暮らせてしまうものです。また、飼い主さんによっては、しつけよりも可愛がることをメインに考えることもあり、少しワガママに育ってしまうこともあるのかもしれません。

●多頭飼いのメリット

一方、多頭飼いの場合、犬同士でさまざまな暗黙のルールができていきます。犬にとっては飼い主さんを一人占めできない状況なので、多頭飼いの暮らしのなかで「我慢をする」ことを覚えていくでしょう。

また、多頭飼いは犬同士で一緒に寝たり、遊んだりしてくれます。飼い主さんが構ってあげられないときでも、犬たちは「仲間」としてコミュニケーションを取ってくれるので「寂しい」というストレスが軽減されます。1匹だけでワンちゃんを飼っていると「留守番時に寂しそう」という飼い主さんの不安がなくなります。多頭飼いの場合、飼い主さんがいなくても仲間がいるので、孤独を感じにくく犬の不安が少なくなるようです。

そして、多頭飼いでは犬同士でじゃれているときにケンカに発展することもありますが、そこで痛みを覚えるなど社会性が身に付きます。お互いに日々の生活を通して「犬」としての意識が芽生えていき、犬たちも幸せという考え方もあるでしょう。


「大型犬と小型犬」の組み合わせの多頭飼いはどうなの…?

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<今日も元気にたくさん走ったねd=(^o^)=b by空ちゃん、美結ちゃん、めいちゃん

飼い主側だけでなく、犬たちにとってもメリットがある楽しい多頭飼い。ただ、体のサイズが違う「大型犬」と「小型犬」では心配もあります。

●大型犬と小型犬はどのくらいサイズが違う?

成犬になったときの体のサイズは「超小型犬」「小型犬」「中型犬」「大型犬」に分類されます。

◆超小型犬

小型犬よりもさらに小さいのが超小型犬。5キロ以下のワンちゃんを指します。チワワ、パピヨン、ヨークシャーテリア、マルチーズ、プードルなどペットとして人気の犬種が名を連ねています。

◆小型犬

体重5~10キロくらいまでのワンちゃんが小型犬。シーズー、キャバリア、柴犬、ビションフリーゼなどさまざまな小型犬がいます。

◆中型犬

体重10~25キロ以内が中型犬です。ビーグルやアメリカンコッカースパニエル、ブルドッグなどがいます。

◆大型犬

大型犬は体のサイズが大きく、体重は25キロ以上になるワンちゃんを指します。なかには、50キロ以上にもなる超大型犬と言える大きな犬もいます。体高も結構あるので、家のなかにいると「大きい」と感じるものです。一例をあげると、ゴールデンレトリバー、秋田犬、サモエド、シベリアンハスキーなどです。


大型犬と小型犬は一緒に暮らせる?

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<雨が降る前に お散歩 by嵐ちゃん、Duffyちゃん、白龍ちゃん

前述のように体重で分類すると、体重が25キロ以上になる大型犬と体重が10キロ以下の小型犬・超小型犬は一緒に暮らして大丈夫なのだろうかと多くの人が思うかもしれません。

特に大型犬のなかでも体重が人間に近い、あるいは大人の人間以上になる犬種もいますよね。マスティフ、グレートデーン、セントバーナードなどは、50キロ以上で大きな個体になると100キロ近くにまでなることも…!

そんな大きな犬と10キロ以下の小型犬では明らかに体の大きさが違います。成犬になっても3キロ未満のチワワだと体格の差がかなり違い、なおさら心配になるかもしれませんね。

正直なところ、これほど体の差がある犬種同士の場合、ある程度の危険を考えておく必要もあります。

さきほどお話ししたように、犬同士の暮らしのなかで「じゃれあい」や「ケンカ」もします。大型犬が小型犬とじゃれあったときに、押しつぶされる可能性はゼロではありません。それに、じゃれ合いのなか大型犬が小型犬を噛んだときは、小型犬にとってはかなりのダメージになるでしょう。あまりにも体格の差があるときには、こういったリスクを考えておくことは大事です。

ただ、実際のところ、大型犬と小型犬の多頭飼いで幸せに暮らしている家庭もあります。先輩犬である先住犬が小型犬の場合、新入りの大型犬に対してリーダーシップを発揮するなど、仲間として上手くやっていけるケースもあるかもしれません。

しかし、やっぱり大型犬と小型犬の場合、ケンカやじゃれ合いの延長で小型犬がケガをしてしまう可能性が大きいので慎重に考えなければならないでしょう。「大型犬と小型犬の多頭飼いは危ない」とは一概には言い切れず、犬同士の性格や飼い主さんとの関係性など総合的にじっくり考えていきましょう。

◆体のサイズが同じくらいだと大丈夫?

体のサイズがあまりにも違うと、一緒に暮らしていくなかで何らかのケガのリスクは想定しておくことが大事です。上手くいきやすいのは、体のサイズが似た「大型犬×大型犬」「小型犬×小型犬」などでしょう。

また、体の大きさだけでなく性格も関係してきます。

例えば、大型犬のなかでもゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーは、使役犬としても活躍するなど人間に対しても他の動物に対しても穏やかで優しい犬種です。基本的に社交性がある犬なので、大型犬同士でも多頭飼いがしやすいかもしれませんね。

また、小型犬ではトイプードルなどの犬種は社交的で多頭飼いがしやすいと言われています。このように、体のサイズが近く、性格が穏やかな犬同士だと多頭飼いしやすい傾向にあります。

先住犬の性格にもよりますが、多頭飼いを考えて2頭目を迎えるなら、体の大きさはなるべく同じくらいがいいかもしれませんね。


多頭飼いは「相性」を考えよう

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ひとくちに多頭飼いをすると言っても、そのタイミングや状況はさまざま。「先住犬が高齢になってきた頃に2匹目を飼う」ということもあれば、「若くて元気な大型犬の先住犬に小型犬を迎える」という人もいるかもしれません。この場合、先住犬の性格や年齢を考えることが大事です。

◆先住犬が高齢の場合

先住犬が高齢、あるいは病気がちなどの場合、新しい犬を迎えることが先住犬のストレスになることもあるでしょう。特に「高齢犬×子犬」の組み合わせです。
寝ている時間が増える高齢犬にとって、動き回る活発な子犬の存在が負担になることもあります。あまりにも年齢に差がある多頭飼いは、先住犬にとってのストレスになる可能性を考えましょう。
特に、高齢の小型犬が先住犬で、大型犬の元気な若い犬が新しくやってきたらかなりのストレスになるかもしれません。体のサイズも年齢も違うと相性が悪いこともあります。

◆先住犬が攻撃的な性格の場合

社交的で穏やかな犬だと新しい犬を受け入れやすいです。穏やかな性格の犬なら、体の大きさが少し違っても多頭飼いもスムーズなこともあります。
しかし、性格的攻撃性がある先住犬の場合、新しい犬を受け入れにくい、あるいはケガをさせてしまうリスクがあります。

◆穏やかな犬同士だと上手くいきやすい

犬種は違っても、基本的に穏やかで飼い主に忠実、社交的なタイプの犬同士だと上手くいきやすいです。

◆一緒に複数の犬を迎える場合

多頭飼いで上手いくパターンが、同時に複数の犬を迎えることかもしれませんね。ワンちゃんたちみんなが同時にやってくれば、自然に環境に慣れてくれることでしょう。飼い主としては、すべてのワンちゃんに愛情を注ぐことができるのではないでしょうか。


体のサイズ以外で気をつけるべきポイントは?

多頭飼いをするなら、あまりにもかけ離れた体格の犬同士は避けるべきなのでしょう。また、他にも考えるべきポイントがあります。

◆ポイント1:犬の世話をする時間が増える

頭数が増えることで、犬たちに費やす時間が増えます。犬種や年齢、犬のサイズが違う多頭飼いの場合、散歩の時間や食事のタイミングなどもバラバラです。飼い主は、それぞれのワンちゃんの食事管理や健康管理が必要なので世話時間が増えるのを想定しておきましょう。

◆ポイント2:飼育費用が増える

多頭飼いをすれば、頭数分の食事費用や病院代がかかります。頭数が増えるほど、費用はかかるので経済的に余裕がないと大変かもしれません。

◆ポイント3:性別の違いも考える

一般的に「オス×オス」の組み合わせは、少しトラブルが起きやすいとも言われています。

一方、「オス×メス」の組み合わせは、比較的上手くいきやすいものの、妊娠してしまう可能性もあるでしょう。出産しない方がいいなら、去勢手術や避妊手術をしなければなりません。

◆ポイント4:犬同士の年齢の違いも考えよう

先ほども少し触れましたが、年齢が離れすぎていると上手くいなかいことが多いようです。特に、先住犬が高齢犬の場合、多頭飼いをしたために体調を崩してしまう可能性もあります。

◆ポイント5:家のスペースを考える

多頭飼いでは、犬たちそれぞれに飼育環境を整えてあげましょう。ベッドやケージ、食器、トイレなどそれぞれが落ち着く専用のスペースを用意できるのが理想的です。特にベッドは犬にとってのパーソナルスペースにもなるので大事なところです。そのため、多頭飼いではスペースが狭い住宅環境の場合、犬たちの幸せのためにも適していないかもしれませんね。


まとめ

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犬たちに囲まれて暮らす多頭飼い生活は、犬好きな人にとっては憧れでもあります。犬たちにとっても仲間ができて一緒に遊んでくれる時間が増えるなどメリットも多いです。ただ、楽しい生活を思い描いてばかりいると飼ったあとに大変なトラブルが待ち受けていることもあるのです。

大型犬と小型犬の組み合わせなどは、体格の違いから小型犬がケガをしてしまうリスクがあります。そうなったら悲しいことですよね。

先住犬と新しい犬の体の大きさを考えることももちろんですが、性格の相性もじっくり検討すべきこと。飼い主の負担も増えることは考えておく必要があります。

お互いの相性がバッチリだと、楽しい生活が待っています。どのワンちゃんにも平等な愛情を注いであげてくださいね。多頭飼いならではの楽しみを見つけて、愛犬たちの毎日をハッピーなものにしてみましょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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