ヨークシャーテリアの特徴
年齢と共に7回も毛色が変わるという特徴を持つヨークシャーテリア。
愛犬家の方の中には毛色を見て、およそ何歳くらいか言い当てる人もいる犬種です。
とても興味深いヨークシャーテリアとは、どんな犬なのでしょう?
◆ヨークシャーテリアの歴史
ヨークシャーテリア(通称ヨーキー)は19世紀中頃のイギリス・ヨークシャー地方の工業地帯の工員や炭鉱夫の家屋を荒らすネズミを捕まえるために間接狩猟犬として誕生しました。
マンチェスターテリア、スカイテリア、クライズデール・テリア(ペイズリーテリア)、マルチーズなどを掛け合わせて作られたと言われています。
1862年「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」と命名されましたが、名称が長かった為にヨークシャー・テリアと呼ばれるようになりました。
ザ・ケネルクラブ(イギリスのケネルクラブ:略KC)での公認は1886年と比較的最近です。
◆ヨークシャーテリアの見た目の特徴
ヨークシャーテリアは産まれてから7回毛色が変わると言われています。
産まれた時のブラック&タンが段々とダーク・スチールブルー、ゴールド、シルバーと変化していく犬種です。
色の変化の仕方は生まれつきや、個体による差が大きいです。
しかしながら、JKCに定められているヨークシャーテリアのスタンダード(犬種標準)はダーク・スチールブルー&タンの一色のみです。
そのため、子犬のころから毛色が変わっていなかったり、茶やシルバーが強い・ゴールドやブルーが混ざっているなどのヨークシャーテリアはスタンダードからは外れます。
犬種標準から外れている場合、飼育には問題ありませんがドッグショーなどでは不利となります。
ヨークシャーテリアはシングルコートと呼ばれる下毛の無い被毛です。そのため抜け毛が殆ど無く、飼育しやすい犬種といえます。
被毛はシルクの様ななめらかなツヤと肌触りのため、ヨークシャーテリアは「動く宝石」と称されています。
また、ヨークシャーテリアのスタンダードは地面まで伸ばしたフルコートですが、被毛の擦れ、切れ毛、もつれを防ぐ為薄い紙を使ってまとめあげるラッピングをすることが基本です。
ですがフルコートは手入れの大変さから、現在ではドッグショー犬以外では少数になっています。
一般的に飼育されているヨークシャーテリアは、短くカットされた犬が多いです。
またヨークシャーテリアの尾は、3センチほどと極端に短く「断尾犬種」であることも特徴の一つです。
これは狩猟の際に邪魔だったことから人為的に切断していた流れが、今でも続いているからです。
◆ヨークシャーテリアのサイズ
ヨークシャーテリアの体高は15~18センチで、体重は2kg~3kg、JKC公認犬種の中ではチワワに次ぐ小型犬種です。
犬種の歴史が浅く、血統が不安定なため、7キロ程度の大きなヨークシャーテリアが生まれる事もあります。
ヨークシャーテリアの性格
ヨークシャーテリアは賢く、とても勇猛な性格です。
これはヨークシャーテリアの持つ「テリアキャラクター」という独特の性格資質から来ています。
テリアキャラクターとは、ヨークシャーテリア以外にもウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやワイアー・フォックス・テリアなど30種類ほどの犬が持っている性格のことです。
テリアとは、ラテン語で「土を掘る」という意味です。
テリアは土を掘り、ネズミなどの狩りに使われる犬が多いです。
そのためテリアキャラクターを持つ犬は、活発で、気が強く、頑固な狩猟犬らしい性格と俊敏な動きを合わせ持ちます。
テリアキャラクターを持つヨークシャーテリアは、頑固で気が強い性格の為しつけに時間がかかるという特徴があります。
しかし賢いので、リーダーと認めた飼い主さんにはとても従順な相棒となるでしょう。
また堂々とし、自信に満ち溢れている性格のため、とても気高く、高貴に見えます。
ヨークシャーテリアの飼い方
シルクの様な被毛と、テリアキャラクターという独特の性格を持つヨークシャーテリア。特にしつけは一筋縄ではいきません。
長年愛されているヨークシャーテリアの飼い方を確認してみましょう。
◆ヨークシャーテリアのしつけ方法
ヨークシャーテリアは賢い性格です。
また狩猟犬であることから、元来リーダーと認めた飼い主の指示には従順に従います。
そのため、自分がリーダーであると明確に理解させることがしつけのポイントです。
散歩や遊んでいる時の主導権は必ず飼い主が持つ、など日々の生活の中で、ヨークシャーテリアに理解させる方法が有効です。
興奮しやすい面もあるので、そういう場合は低い声で「ダメ」「NO」などの声掛けをしてください。
「自分は怒っている」「自分はその行動を許さない」ということをしっかり伝えましょう。
声色を変える、低くするという方法は犬のしつけの基本です。
◆ヨークシャーテリアのケア方法
ヨークシャーテリアの特徴ともいえるシルクの様な被毛は、汚れや思わぬ事故やけがを防ぐため本来ラッピング用ペーパーを使い、被毛を小束に分け、まとめあげなければいけません。
基本的にラッピングをほどき、気品高くフルコートをなびかせる姿はドッグショーで披露するのが基本です。
日常はラッピング姿で過ごします。
ラッピングの時にはもつれ防止のスプレーなどを利用し、ピンブラシやコームで丁寧に被毛に負担がかからない形でブラッシングすることが望ましいです。
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長毛種の毛並みを整えるのに最適!
生え変わり時期の抜け毛の処理、毎日のお手入れに便利です。
一般的に人気があるのは、お手入れが簡単な短くカットしたショートカットです。
ショートカットの場合は、定期的なトリミングが必要です。
トリミングは1~2ヶ月に1回、5000円ほどの値段が一般的です。
ミニチュアシュナウザー風カットや、耳の飾り毛を伸ばす、などオシャレなカットも楽しめる犬種です。
ヨークシャーテリアは、ヨーキーの愛称でも呼ばれているイギリス原産の愛玩犬です。今でこそ家庭用ペットとして定着していますが古くはネズミ取りの番犬として活躍した歴史があります。 その豊かな被毛から様々なカットスタイルも楽しめる犬種です。今回はヨークシャーテリアにぴったりのカットスタイルをご紹介します。
またヨークシャーテリアは涙やけという、涙で目頭付近の毛が濡れたままになり被毛が変色することが多く起こります。
こまめにコットンなどで、涙を拭ってあげることも大切なケアの一つです。
トリミングに定期的に通っている場合は、こちらの対処もされていることが多いです。
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ペパーミントエキス配合の特殊シートを毛並みに沿って汚れた部分をやさしくふき取るように汚れを落とします。
ヨークシャーテリアに多い病気
ヨークシャーテリアに多い病気にはどんなものがあるのでしょうか。
一緒に確認してみましょう。
◆膝蓋骨脱臼
後肢の膝部分の骨(膝のお皿)が、外れてしまった状態です。
小型犬は膝のお皿が納まる溝が浅い場合が多く、遺伝病ともいえる病気の一つです。
症状によりグレードが1~4まで設定されており、重症になった場合は手術や歩行困難になることもあります。
膝蓋骨脱臼と言う病気をご存知でしょうか? 漢字で書くと少し難しい病気に感じがちですが、実は小型犬に多く、人気犬種と言われているトイプードル、チワワなどによくある病気なのです。 気付いていないだけでもしかするとお家の子もなっているかもしれません。 今回はその発見方法や治療方法などについてお話したいと思います。
◆気管虚脱
喉と肺を繋ぐ気管が潰れてしまい、呼吸困難になる病気です。
ヨークシャーテリア以外でもトイ・プードルやチワワなど小型犬によく見られます。
遺伝性も大きい病気です。
肥満による病気の誘発も多いので、健康管理には注意が必要です。
◆水頭症
脳脊髄液の異常により髄液が頭蓋内に貯まり、脳室が正常より大きくなる病気です。
先天的なものと、主要やくも膜下出血などから併発される後天的なものとに分かれます。
ヨークシャーテリアの場合、先天性水頭症が多く、遺伝病の一つと言われています。
脳圧を下げる内服などで対処となりますが、完治は難しく、死に至ることも多いです。
ヨークシャーテリアの値段
ヨークシャーテリアに限らず、犬の値段は同じ血統種でも数十万以上の差が出ます。
これはペットショップやブリーダーの違いや、血統の違い(チャンピオン犬の血統など)も関与しています。
また性別による値段の差もあり、一般的にメスの方が値段が高く人気といわれています。
ヨークシャーテリアは母体が小さい事から難産になりやすく、帝王切開など高額医療が必要な分娩となる場合が多いため比較的値段は高価になっています。
値段の相場は、10万円から25万円ほどです。
定められた指針などが無い為、定価という値段は存在しません。
値段が高いから良いという訳では無いですが、管理状態や血統など「値段が高い理由」が存在しますので、こだわりのある方は重視すると良いですね。
まとめ
根強い人気のヨークシャーテリア。小型犬のため、室内犬としても最適です。
愛らしい見た目に反して、強気なテリアキャラクターで活発な性格はお子さんのいる家庭にもピッタリ。
魅力たっぷりのヨークシャーテリアとの生活を、是非検討してみてくださいね。
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