1.犬の震えって?
2.犬が震えるのは感情表現?
2-1.不安や恐怖が理由の震えはどうすれば良い?
4.犬が震えるのは怒り?
4-1.原因を取り除き、気持ちを落ち着かせましょう
5.犬が震えるのはオシッコの我慢?
5-1.トイレは清潔?我慢してしまう理由を探りましょう
6.犬が震えるのは病気のせい?
6-1.震えが止まらない場合は動物病院へ
【掲載:2019.11.13 更新:2020.12.25】
犬の震えって?
犬は言葉を話す事が出来ません。
そのため、身体全体で訴えたい事や、体調不良などを表現します。
プルプル、ブルブルと震える犬には、震える理由があります。
可愛い、笑える、などで済まさず、必ず理由を探る様にしてください。
では犬が震える理由には何があるのでしょうか。
一つずつ確認してみましょう。
犬が震えるのは感情表現?
感情を自分の中で消化出来なかった場合や、極度に緊張していると、犬はブルブルと震える事があります。
ブルブル震える理由は、犬の感情表現であるともあります。
特に不安を感じた時に震えが出る傾向は強く、病院に連れていかれる時の緊張感、初めての場所での不安感などは震えに繋がりやすい理由です。
また、雷や救急車・消防車のサイレンなどの大きな音に対しての恐怖と不安から震えるという事もあります。
◆不安や恐怖が理由の震えはどうすれば良い?
犬が何が苦手で怯えているのか、震えの理由を知ることが大切です。
不安感や恐怖が理由の震えの場合には、その原因を取り除くことやフォローしてあげる必要があります。
例えば雷やサイレンの音に怖がっている場合だとしたら、窓を閉める、聞こえない部屋に連れていく、などが必要です。
原因が目に見える物だとしたら、目線から外したり、愛犬の視界に入れないようにする工夫が必要です。
そして、不安感や恐怖が理由の震えの場合は、何よりも飼い主が抱きしめて安心感を与えてあげる、ということが有効です。
犬が震えるのは寒さ?
寒さが理由の震えもあります。
特にチワワなど暑い国が原産国の犬種は、寒さが理由の震えが多く見られます。
人間も寒い時にはブルブルと震えますが、これは筋肉によって熱エネルギーを生みだして体温を調節しようとするからです。
これは犬にも同じ事が言えます。
◆防寒対策をしよう
こたつが好きで、一度入るとなかなか出てこないという犬もとても多い様に、犬は暖かい場所が大好きです。
部屋自体の温度を上げてあげて、快適な室温の空間にしてあげると同時に、洋服を着せる、犬用あったかマットなどを使用する、犬用ヒーターを使用する、などの防寒対策はとても有効な改善策になります。
特に寒い時期には屋根のある居場所を用意してあげると良いですね。
ドーム型のベッドは、寒い時期には中に入り、暑い時期には屋根を潰して上に乗る、と自分で判断して犬が使い分ける事が出来るため、おすすめです。
注意が必要なグッズとして、コンセントから電源をとるヒータータイプの犬用暖房器具があります。こういう商品の人工的な熱さを嫌がる犬もいます。
また、噛み壊し防止を謳っている商品でもコードを噛みちぎり、それにより感電や誤嚥という事故もあります。
しかし、人工的な熱さが平気で、噛み癖のない犬にとっては、ヒータータイプの暖房器具はとっても便利なグッズになりますので検討してみましょう。
自分の犬の性格に合う防寒対策を考える事が一番大切です。
犬が震えるのは怒り?
「震えるほどの怒り」という言葉があるくらい、怒りと震えは近い関係性です。
犬の場合、歯をむきだす、うなる、吠える、尾を高く上げたり、ゆっくり揺らしたりする、などが怒りのサインです。
◆原因を取り除き、気持ちを落ち着かせましょう
犬は怒りのサインを出してから、瞬発的にとびかかる事もあります。
大きな事故に繋がる可能性もあるため、怒りが理由の震えの場合は速やかに原因を取り除く事が必要です。
お気に入りのオモチャやごはん、おやつなどに人間がちょっかいをかけているのだとしたら、直ぐに辞めてください。
もし愛犬と相性の悪い犬や人がと遭遇した場合には、別の場所に犬を連れていく、四方を囲まれたキャリーに一時避難させる、なども有効です。
犬が震えるのはオシッコの我慢?
人間の子供がオシッコを我慢すると、ブルブル震えたり、ジタバタしたりする仕草を見た事が有る方は多いですね。
犬にも同様の現象が起きます。
尿意だけでなく、便意も含め、トイレを我慢する事は震えの理由になります。
トイレを我慢する事は、腎臓機能に負担を与える事にもなり、とても危険です。
◆トイレは清潔?我慢してしまう理由を探りましょう
トイレを我慢してしまう犬には、必ず我慢してしまう理由があります。
トイレが汚れている、人目があって落ち着いて排泄出来ない、など様々な理由が隠れていることがありますので、何を気にしているのかをじっくり観察し、原因を取り除いてあげることが大切です。
犬が震えるのは病気のせい?
病気や怪我の痛みから、震えることも犬にはよくあります。
傷みや過度なストレスは、犬の心身共に負担がかかります。
◆震えが止まらない場合は動物病院へ
外傷では無く、見た目ではわからない臓器疾患が潜んでいる可能性もありますので、様々な原因を取り除いた上でも震えが止まらない場合は動物病院に行き検査してもらうこともおすすめです。
たかが震えで?と思う方もいるかもしれませんが、何も無ければ良かったね、で済みます。
何かあった場合は早期の発見が何よりも重要なのです。気になることがあったらすぐ獣医師に相談しましょう。
犬の震えに仮病はある?
犬の震えという症状に仮病はあるといわれています。
震えが起こった際に飼い主が優しくしてくれた、美味しいおやつが貰えた、などを学習し、気をひくために理由も無く震える犬もいます。
犬にとっても深い意味はありません。
理由のある震えとの違いは、仮病の場合は震えが止まることが早いという点です。
バツが悪そうに飼い主から目線を外す犬も多いです。
普段の様子と本当に違うのか?震えている時間は?などのチェックを必ずする様にしましょう。
犬の震えは老化現象?
よくコメディアンが老人を表現する際に、プルプルと震える仕草をしている様を見た事が有る方も多いのではないでしょうか。
犬も老化が理由で震えることがあります。
これは筋力の低下や、脳の老化による伝達経路の遅れ、動脈硬化による血流の悪さなど様々な原因があります。
◆危険な震えかどうかの見極めが大事
老化が原因の震えの場合は、基本的に止まる事はありません。
震えが大きい時、小さい時の差はありますが、老化現象であるため犬の意志でどうにかなる問題では無いからです。
ですが、老犬の中には震えが突如止まり、また震え、止まり、というパターン化を繰り替えす場合があります。
これは老化では無く、何かしらの病気が原因である可能性がありますので注意が必要です。
犬の震えは低血糖?
低血糖が理由の震えは、主に子犬に起こります。
給餌量が足りない、何らかの病気がある、など様々な要因で低血糖症になることがあります。
また、寒いと熱量エネルギーを消費するため、低血糖になりやすいと言われています。
子犬の場合、低血糖は死に直結するほど怖い病気です。
子犬にはブドウ糖や、療法食としての栄養補助食品も多く販売されていますので、補助的に使用することも有効な予防法です。
成犬になってからの低血糖症には、ホルモンが大きく影響しています。
副腎皮質機能低下症や内臓疾患、感染症などが疑われます。
また糖尿病で治療にインスリンを使用している場合には、過剰投与による低血糖の可能性もあります。
成犬の場合は肝臓に溜められたグリコーゲンを分解することで血糖値を維持できるため、低血糖症がすぐさま死に繋がるということはありません。
ですが、原因疾患に対しての治療は必須となりますので必ず通院する様にしましょう。
白い犬は震える?
犬の震えの中にはWhite dog shaker syndrome(ホワイト・ドッグ・シェイカー・シンドローム)が理由の震えがあります。
その名の通り、白い犬に多くみられる震え症状です。
特発性小脳炎、特発性ステロイド反応性振戦症候群といった言い方をする場合もあります。
症例が少ないため、まだ動物医学の世界でも解明が進んでいません。
原因も不明ですが、免疫疾患だと言われています。
特にマルチーズ、ウェスト・ハイランド・テリア、ビション・フリーゼなどの全身が白い犬に多く現れる傾向がありますが、白色以外の犬種にも症状が起こる事が近年わかりました。
重症になると完治しない事もあるため、震えが止まらない犬は動物病院への受診をおススメします。
犬の震えと痙攣の違いは?
動物病院には、震えの起こっている犬を「痙攣しているんです!」という飼い主が多く来院します。
ですが、犬の痙攣症状と震える様は全く似ていない症状です。
痙攣発作の場合は、身体が硬直し、問いかけに反応しないほどに上下にガタガタと震えがあります。
どんなに犬に詳しくない人であろうとも、明らかに異変に気付くほどの震えです。
痙攣発作を起こしている時は意識が無い事が多く、失禁や嘔吐、よだれが止まらないなどの症状も併発します。
目をむき出しにして硬直する犬も多いです。
犬の痙攣発作の特徴は、実は震えている時間は短いということです。
飼い主には時が止まってしまったのでは、と思うくらい長時間に感じますが、実際は10秒から40秒程度です。
そして、痙攣がおさまった際にはケロッして元通りになる、という事も特徴の一つです。
痙攣発作の原因は、てんかん、脳障害、神経障害、出血性ショックなど様々あります。
震えが痙攣であった場合には、頭をぶつけない様ガードし、身体を起こさずに守りながら痙攣の様子を観察することが大切です。
おさまった際には、元気になりますが必ず動物病院に来院し、経緯を記録してもらう様にしましょう。
犬の震えは見過ごさず、原因を取り除いてあげよう
震えには様々な原因があります。
理由が何なのか探り、原因を取り除いてあげることが一番良い改善策です。
中には病気やケガが原因の事もありますので、たかが震え、と思わず、動物病院に来院する事も必要です。
犬の震えは日常の中で良く起こることです。
よく犬と接し、震えの種類を見極めてあげましょう。
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