犬の糖尿病の効果的な対策とは?

2016.09.16

犬の糖尿病の効果的な対策とは?

糖尿病は誰もが発症する可能性のある生活習慣病ですが、これは人間だけに限ったことではないことをご存知でしょうか?特にペットとして人気の犬も糖尿病にかかる可能性があります。 ここでは、犬の糖尿病について、その原因・特徴・予防対策などを詳しくご紹介します。

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犬の糖尿病の概要とその特徴について

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糖尿病は病状がどんどん進行してから発見されることが多く、それまでなかなか自覚症状に気が付かないという特徴があります。また、一度かかってしまうと完治することが非常に困難とされており、さらに糖尿病から恐ろしい合併症をも引き起こす可能性がある、とても怖い病気なのです。

糖尿病は、人間だけが発症する病気だと思われがちですが、犬も発症することが分かっています。近年では、人間と一緒に室内で暮らす犬が増えていることによって、犬の糖尿病も増加傾向にあると言われています。

糖尿病の概要としては、すい臓に存在しているランゲルハンス島と呼ばれる細胞群から分泌される「インスリン」の量が少なくなったり、その働きが弱まっていることで、糖質・脂質・タンパク質の代謝が正常に行われず悪影響を及ぼすことで発症します。

ランゲルハンス島とは、すい臓の内部に島の形状でいくつも存在している細胞群で、インスリンの分泌に大きく関わっています。すい臓内で上手く代謝が行われないと、血液中に含まれる糖の量が異常に多くなってしまい、高血糖の状態が長く続くことになります。

糖尿病の治療では、血糖値を下げる効果のある唯一のホルモン「インスリン」での治療が多いです。ですが、糖尿病の種類によりその治療方法も異なってきます。
1つは、インスリンを必要とする「Ⅰ形糖尿病」、もう1つは、食事の管理によって血糖値をコントロールする「Ⅱ型糖尿病」です。Ⅰ形糖尿病は別名「インスリン依存性糖尿病」とも呼ばれ、原因不明で発症するため生活習慣や年齢に関係なく発症します。
一方、Ⅱ型糖尿病は、不規則な生活や乱れた食生活、ストレス、運動不足などから発症するものです。
犬の糖尿病の場合には、Ⅰ型糖尿病は比較的年齢が若い時期に発症する傾向にあり、Ⅱ型糖尿病は高齢になってから発症する傾向にありますが、このうち人間の場合ではⅡ型糖尿病と診断されても、食事管理によって血糖値をコントロールすることが可能ですが、犬の糖尿病ではⅡ型糖尿病と診断されても、食事管理のみの治療は難しいという特徴があり、どちらのタイプの糖尿病であってもインスリン治療が必要となります。

発症する割合は、中年以降に多い傾向ですが様々な要因で発症するため、若い年齢でも十分に可能性があります。またオスとメスの割合では、オスの方が糖尿病を発症する確率が高いとされています。


犬の糖尿病の原因と主な症状について

犬の糖尿病の原因としては、Ⅰ型糖尿病のように遺伝的な要因のほか、Ⅱ型糖尿病のように肥満や運動不足などが要因となっています。またそれらの要因がいくつも重なることで、さらにその発症率は高くなっていきます。

すい臓から分泌されるインスリンは、血液中のグルコースと呼ばれる糖を細胞内に取り入れる働きをしており、健康な体内ではこの働きが正常に行われているため、血糖値も正常を保つことができています。

しかし、何らかの原因によってインスリンの分泌が減少したり働きが弱まってしまうと、血液中のグルコースを取り出すことができなくなり血中糖度が高くなってしまいます。

この状態を高血糖と呼び、高血糖が長期化するとすい臓の機能は破壊され、インスリンが分泌されなくなってしまいます。これにより糖尿病を発症するのです。犬の糖尿病も人間と同様のメカニズムで発症します。

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遺伝的要素以外でこのような状態になるのは、食事の早食いやドカ食い、年齢、犬種などがあります。
犬でもⅠ型とⅡ型の2種類があり、その発症割合はⅠ型:Ⅱ型=1:4と言われています。
糖尿病にかかりやすい犬種としては、特にプードル・ダックスフンド・ビーグル・ゴールデンリトリーバー・ラブラドールレトリーバー・ミニチュアシュナウザー・サモエドなどです。
また、高齢のメス犬が糖尿病にかかる割合は、高齢のオス犬と比較して実に4.5倍も高くなるというデータもあります。この理由としては、メスにある性ホルモン(プロゲステロン)が糖尿病の発症に大きく関わっているからと言われています。

メス犬は、発情期が約90日続きその後休止期が約90日続きます。このサイクルを繰り返すことになりますが、発情期の後半には妊娠に大きく関わる黄体ホルモンが多く分泌されるようになり、この状態が約2ヶ月程度続きます。この時にⅡ型糖尿病にかかる確率が高くなると言われているのです。

犬が糖尿病にかかった場合に現れる症状としては、大量の水を飲む・食べる量が増える・おしっこの量が増える・体重が減少する・腹部(特に肝臓が位置するあたり)が膨れるなどが見られます。このような症状がみられた場合には、早めに動物病院にて獣医師の診断を受けるようにしましょう。犬の場合には、インスリン治療が必須となるため、早めの対応が愛犬の命を救うことにつながります。


犬の糖尿病を予防する効果的な対策とは?

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犬の糖尿病における主な治療方法としては、インスリンの投与が最も有効です。
インスリンは人工的に生成されたものを使用し、皮下注射にて投与していきます。毎日行わなければならないので、飼い主が獣医師の指示を受けて行うことになります。

インスリンを投与すると3時間後くらいから効果が出始めてきます。そして約18時間~24時間程度その効果が続きます。その中で最も高い効果を発揮するのが、注射をしてから約8時間~12時間後と言われています。
糖尿病になると、インスリンが分泌されないためなるべく多く投与すれば良いわけではありません。適正な量が決まっており、多すぎてもいけないのです。多く投与すると低血糖発作を起こして、場合によっては意識を失ったり、痙攣を起こすなどの症状が現れることがあるので適切な量を守ることが重要です。低血糖発作の主な症状は、ぐったりして元気がなくなる・動かなくなる・下半身の麻痺・痙攣などです。

また、適正量より少なくてもいけません。逆に少なすぎると、血糖値が正常内までに低下しない可能性があり、症状が改善されないためインスリンを投与した意味が薄れてしまいます。
インスリンの適正量というのは、いつでも同じ量ではありません。犬の場合には、その日の動いた量や接種したカロリーによって投与する量も違ってきます。従って、適正量が把握できない場合には、その都度獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。

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インスリン治療と共に食事対策も行います。食事の量が多くなったりカロリーの高いメニューを与えると、血液中の糖分も増加するためインスリン治療の効果が薄れてしまいます。そのため、食事量はもちろんの事、その質にも注意を払う必要があります。犬は、食事を与えれば与えるほど食べてしまう傾向にあるため、獣医師に相談して食事にも気を遣いましょう。
肥満体型の犬は、体に付いてしまった脂肪を減らすことが大切です。買主は、散歩などに連れて行き、適度に体を動かすことを行いましょう。
犬の場合には発情するメスの発症率が高い傾向にあるため、子供を産ませないのならば避妊手術を受けさせるようにしましょう。手術を受けることで発情期がなくなるので、黄体ホルモンが過剰に分泌されることもなくなり糖尿病の発症率も低下します。
愛犬の健康は飼い主にかかっていることを忘れずに、効果的な対策をとっていきましょう。


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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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