1.ペキニーズの歴史
2.ペキニーズの見た目の特徴
3.ペキニーズの性格
4.ペキニーズのしつけ方法
5.ペキニーズのケアの方法
6.ペキニーズの病気について
7.ペキニーズの値段
8.ペキニーズのまとめ
ペキニーズの歴史
ペキニーズの起源は明確には分かっていませんが、祖先犬はチベタン・スパニエルという犬種だと考えられています。
最古の記録が8世紀頃のものですが、犬種としては紀元前から存在していたとの伝聞もあるようです。
名前の由来は原産地である北京からとられており、中国では「ジンパ(京巴)」と呼ばれています。
祖先犬チベタン・スパニエルはチベット原産の犬で、チベットの寺院で僧侶により繁殖・飼育されていました。
仏教への信仰が厚いチベットの、「釈迦の力は獰猛な獅子をも服従させる」という考えから、獅子に似た犬となるよう改良されたのがペキニーズなのです。
そしてペキニーズは神聖な獅子犬として、諸国宮廷、歴代の皇帝達に贈られました。シルクロードなどの交易ルートから中国へ伝わったと考えられています。
中国の皇帝達はペキニーズを「獅子犬」「太陽犬」などと呼び、とても神聖な犬として扱うと共に、皇帝・皇族以外の飼育を禁じました。宮廷内のみで飼われることが許され、宮廷外へと持ち出した者は、死刑に処せられたといわれています。
西太后が定めた犬種標準に沿って、宮廷内でのみ繁殖が行なわれていったのです。
しかし1840年のアヘン戦争で、中国はイギリス軍に侵略されます。
その際、皇族達はペキニーズがイギリスの手に渡るのを避けようと、宮廷内のペキニーズをほとんど殺してしまったのです。
5匹だけが生き残り、イギリス軍が戦利品として持ち帰りました。そして、ビクトリア女王に献上されたのです。
その後、ビクトリア女王がペキニーズを繁殖し、最初の頃は王族と貴族だけがペキニーズを飼っていました。
1893年にペキニーズが初めてドッグショーに出場します。そして、愛らしい表情と東洋的な風貌から高い人気を得ることとなり、世界各地で飼われるようになっていったのです。
ペキニーズの見た目の特徴
小型犬のペキニーズですが、骨量が豊富で頑丈な体つきをしています。抱っこすると、外見から想像する以上の重さを感じるでしょう。
JKCが定める理想体重としてオスは5kg程度、メスは5kg以下と定められているそうです。
後ろ足より前足が太くなっており、体高より体長がやや長いので、胴体は少しずんぐりしてみえます。
被毛はダブルコートでフワフワとしており、飾り毛が首から胸・耳・尻尾・指・足の後ろにあります。
ローリングと呼ばれる横に揺れながら歩く特徴があるのですが、これにより揺れる飾り毛が更にペキニーズを優雅にみせています。
毛色にはレッド・ホワイト・ブラック・シルバー・フォーン・パーティーカラーなどがありますが、毛色は限定されておらず様々なカラーの個体がいます。
先天性色素欠乏であるアルビノと、レバー以外のあらゆる色が認められているそうです。
ペキニーズの性格
ペキニーズはとてもマイペースで、犬なのに猫っぽいともいわれる性格の持ち主です。
愛玩犬としては珍しいタイプで、独立心が旺盛で頑固、自分のやり方を主張する一面があります。
個体差はありますが、人見知りや他人にあまり懐かない一面もあり、抱っこされるのを好まない子も中にはいます。
そして小さな体からは意表をつかれますが、ケンカとなったら中々引かない、勇敢で負けず嫌いな性格をしているのです。
自分からケンカを売るようなことはしませんが、まさに売られたケンカは買う!という姿勢の持ち主です。
この誇り高い様からは、長年に渡り貴族達に愛され続けてきた背景が垣間見えるようですね。
前述の通り自由気ままでマイペースな性格から、ペキニーズは一人で遊ぶことが好きな犬種といえます。
ただし、飼い主さんへの独占心は強いので、多頭飼育はあまり向いていないかもしれません。
また、ペキニーズは基本的に自己中心的な性格のため、小さな子供がいる家庭ではストレスがたまってしまうこともあります。
性格には個体差がありますが、本来このような性格を持っているとい認識はしておいた方がよいでしょう。
小さな体に愛嬌のある可愛らしい顔つきをしていながら、プライドが高く、愛想を振りまくことがほとんどないというペキニーズ。
このギャップが最大の魅力かもしれませんね。
ペキニーズのしつけ方法
前述した通り、ペキニーズはマイペースで自由奔放な犬種です。この為、しつけをするのに苦労するケースが多いといわれています。ペキニーズのしつけは、以下の点に注意して行いましょう。
◆愛犬のペースに合わせずに、飼い主が主導権を持って行う!
マイペースなペキニーズの気分に合わせてしつけを行っても、思うようにしつけることはできません。
犬には本来、リーダーの指示に対して使命感を覚え、従う習性があります。
犬のペースに合わせていては飼い主さんを格下だと認識してしまい、「自分がリーダーとしてしっかりしよう!」と思ってしまう可能性があります。
愛犬と末永く円滑な生活を送る為にも、飼い主さんが信頼できるリーダーとなることが重要です。
飼い主さん主導の元でしつけを行うことで、マイペースなペキニーズにも適度な緊張感を与えられてルールを教えることができ、飼い主さんがリーダーであるという認識付けにも繋がります。
◆しつけは短期集中で行う!
しつけの時間は1回約15分を目安に行いましょう。一度に複数のことを教えるのではなく、1日1回1つのテーマなどに絞って行うことが効果的です。長時間に渡ってしつけをしても効果はありません。
基本的に犬の集中力は短時間しか持たないといわれています。更にペキニーズにおいては自由奔放で頑固な性格も持ち合わせている為、短い時間で日数をかけて、しっかりと基本的なしつけを教えていくことが大切なのです。
ペキニーズのしつけには、性格を理解して効果的に行うことが重要です。
時間は掛かっても、飼い主さんをリーダーだと認識させること、毎日少しずつ行うことが最短の近道といえます。
尚、ペキニーズは大人になるにつれて、プライドや奔放さが増すといわれています。しつけは子犬の内に、しっかり行いましょう。
ペキニーズのケアの方法
ペキニーズにはダブルコートの犬種の中でも、特にアンダーコート(下毛)の量が多いという特徴があります。換毛期の抜け毛の量はとても多いです。被毛の手入れはしっかりとしておく必要があります。
ブラッシングは毎日行いましょう。これを怠ると、被毛がフェルト状になってしまい、手入れが難しくなってしまいます。
ブラッシングには外見を整える効果の他に、皮膚の通気性を良くしたり、血行促進を促すなど、健康を保つ為の効果もありますので、忘れないようにしてくださいね。
また、顔のしわには汚れが溜まりやすいです。これを放置すると様々な皮膚病の原因となり得ます。食事の後は汚れを拭き取るなどして対応しましょう。
更に、ペキニーズは眼球が出ているので涙やけになりやすい犬種といえます。目の周囲を拭く、マッサージするなどのケアもきちんと行いましょう。
ペキニーズの病気について
ペキニーズは頑丈な体の作りをしていますが、心臓機能が弱い傾向が多くみられます。
僧房弁閉鎖不全症は老犬になるとかかりやすい心臓病ですが、ペキニーズは比較的早い年齢から患ってしまう場合があるのです。定期的に心臓の検査を受けることが賢明です。
また、鼻の短い犬種がかかりやすい、軟口蓋過長・鼻腔狭窄にも注意が必要です。
眼の病気では、乾性角結膜炎・二重睫毛・逆まつげ・白内障など。
皮膚疾患では、アレルギー性皮膚炎・膿皮症など。
その他、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼にも注意しましょう。
更に夏場は、熱中症にかかりやすいです。ペキニーズは暑さに弱く、呼吸困難に陥りやすい犬種なので、留守中はエアコンを使用したり、炎天下の散歩は控えるなどして対応しましょう。
元々活発な性質ではないので、散歩は短い時間でも十分だといわれています。しかし、運動不足や肥満になりやすい体質でもあるので、食事量と質にはしっかりとした管理が必要です。
ペキニーズの値段
ペキニーズを飼いたい!と思っている方にとっては、値段も気になるところですよね。
ペキニーズの子犬の値段は個体によって幅はありますが、大体10~20万円前後が平均的です。
値段の設定は、毛量が多い、毛艶や体格が良い、健康的である、親や兄弟犬が病気を持っていない、などの項目によって高くなっていきます。
毛色によっても値段は変動し、1~2色の斑が左右対称のパーティーカラーには高い値段が設定されることが多いです。
高い値段だと、30万円前後となる個体もいます。
まとめ
ペキニーズは、実はフレンチブルドッグ・パグなどの短吻犬種ブームのきっかけを作った犬種だともいわれています。
高級感溢れる外見に加え、ギャップのある性格には、はまったら抜け出せない飼い主さんもいるかもしれませんね。
しつける時は性格を理解し、苦労しても、根気強く生活する上でのルールを教えてあげましょう。
かかりやすい病気には、日頃のケアで予防できるものもあります。被毛の手入れに併せて、しっかりと日々のお世話を行ってくださいね。
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