運動不足は人間にとっても厄介なリスクをもたらすものですが、犬にとっても軽視できない問題。
運動不足が犬の健康に危険なダメージを与えてしまう可能性があるのです。
いったいどんなリスクがあるのでしょうか。
運動不足の犬が抱える5つの危険について考えていきたいと思います。
その1:筋肉低下!足腰が弱くなり動きづらくなる
犬は、散歩で歩いたり走ったりする運動で筋肉を保っていますが、運動不足の犬は筋肉の量が次第に減ってしまいます。
筋肉低下によって、動きが制限されたり、足腰に痛みを引き起こすこともあります。
◆関節がスムーズに動かせない
骨や関節の周りを構成している筋肉は、関節を動かすときのクッション材のような役割があります。
4本脚で生活する犬にとって、体を支える足の筋肉が減ることは大ダメージです。
運動不足で足をあまり動かさない状態が続くと、関節周辺の筋肉も次第に減ってくるでしょう。
筋肉量が減ることでスムーズに動かせなくなり、関節を動かすときに違和感がでます。
動きづらいと感じ、愛犬が動くのを嫌がるようになることもあるかもしれません。
運動不足が続くと、関節が硬くなり余計に負担となり、足腰の弱まりに拍車をかけてしまうのです。
「運動不足」が原因となり、愛犬自身が動きたくないような体へと変わってしまうなんてかわいそうですよね。
◆関節の痛みも出てくる
関節の周りの筋肉が減り、動かすたびに骨がすり減るので痛みを生じることもあります。
足の関節だけでなく、腰周辺の関節も同じように影響があります。
また、足の関節が弱まるため、犬は足腰をかばうようなぎこちない歩き方になると思います。
それが腰に大きな負担になり、ヘルニアとなる可能性もあるのです。
歩くだけでも足や腰が痛む状態になり、愛犬のイキイキした表情を見ることができなくなるのは飼い主にとっては悲しいことですよね。
足腰の弱まりは急にくるものではありません。
「最近、愛犬が運動不足かな」と感じたら、運動量を増やすように配慮してあげましょう。
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その2:肥満へのカウントダウン…!?太りやすい体質になる
犬は運動量が減ると太りやすくなります。
犬種の理想的な体重の目安を超えると、犬にとっては体全体に負担が表れる毎日。
「ちょっと太り気味」を通り越して「肥満」と言われる体型になれば、動くのも辛いほどの影響が出てきます。
◆基礎代謝が減って肥満傾向になる
運動不足で筋肉量が減ると「基礎代謝」が下がります。
基礎代謝とは、何もしていなくても消費されるエネルギー。
人間も動物もじっと座っている瞬間にも「呼吸をする」「体のなかで内臓が活動している」という状態になっていますが、このときに使われるのが基礎代謝です。
でも、筋肉が減ってしまい基礎代謝が低い状態だとじっとしていてもエネルギーが消費されません。
そのため、食べた分のカロリーが消費できずに体に蓄積されます。
このように、運動不足で筋肉が減ってくることは太りやすい体質への変化を表わします。
「筋肉がどんどん減っていくこと=肥満へのカウントダウン」とも言いかえることができます。
◆肥満がもたらす病気
– 関節痛 –
肥満は、体のサイズ応じた理想的な体重を超えることです。
犬は4本の脚で体全体を支えますが、体重が増えることで足への負担が大きくなります。
関節痛や脱臼など、関節周りのリスクが増えるでしょう。
– 糖尿病 –
人間と同じで犬にも糖尿病があります。
肥満になると糖尿病のリスクが高まると言われています。
– 肝臓の病気 –
犬が肥満になると体のなかに糖分を溜めやすくなります。
すると肝臓に脂肪がつく状態になり、肝臓の機能がどんどん低下していきます。
肝臓は内臓のなかでもかなり重要な臓器なのに、悪い症状が出たころには治療が難しくなるケースがほとんどです。
– 呼吸器系の病気 –
脂肪が増えると、首回りの肉付きもよくなりますが、首周辺の脂肪は呼吸器系にリスクをもたらします。
脂肪によって呼吸器官が圧迫されて、スムーズな呼吸がしにくくなるでしょう。
肥満のせいで、毎日の呼吸にも影響が出てくるなんて大変なことですよね。
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その3:心臓を脅かす危険が出てくるかもしれない
運動不足から体重が増加すると「脂肪」が体全体につきます。
見た目が太っているという外見の問題だけでなく、体のなかにある内臓にも脂肪がついてしまことになります。
◆心臓への負担が大きくなる
運動不足で太ることは体が大きくなるということです。
体が大きくなることに比例して、体全体に送り出す血液の量が増加してしまうのです。
肥満になって体のサイズが一回りも二回りも大きくなれば「たくさんの血液を送り出そう」と心臓がフルに活動することになります。
今までは、体のサイズに合った動きをしていた心臓が、肥満になったことで「働き過ぎ」の状態。
負担がかかり過ぎて、機能が悪くなってきます。
そして、オーバーワークに伴って心臓が大きくなる「心臓肥大」となる可能性も…。
肥満によって大きくなった心臓は結果的に、機能が弱くなります。
体に血液を送るポンプ的役割さえも弱まり、ちょっと動くだけでも息切れするような疲れやすい体になるようです。
◆心臓肥大の原因「肥満」を予防するのが一番の対策
生きていくうえで重要度の高い臓器が心臓です。
体のなかにあるため、見ただけで気づきにくい病気ですが、「呼吸」という生体維持機能に直結しているので、心臓肥大になると愛犬の命の危険にも関わります。
運動不足で肥満にならないようにすると同時に、食べ過ぎなどの食事管理も重要です。
その4:ストレス増加でイライラがMAXになることも…!
犬種の違いはありますが、本来「犬」は動くのが好きな性格の子がほとんどだと思います。
それぞれの犬のサイズによって理想の運動量がありますが、その目安量がクリアできない運動不足の状態が続くと犬のストレスが増えていきます。
◆イライラが溜まってくる
「動きたいのに動けない」という運動不足の状況は、犬のストレスを大きくしてしまいます。
運動はストレス発散の意味もあるので、運動不足はストレスを増やします。
ちょっとしたことでイライラが見られるようになるかもしれません。
攻撃性も増すので、意味なく吠えるなど無駄吠えの原因になることもあるでしょう。
また、精神状態が悪く神経過敏になり、攻撃的な犬に変貌するケースもあります。
運動できないストレスから、性格まで変わってしまう可能性もあるのです。
また、周囲に攻撃的になるのとは逆のパターンもあります。
運動不足のストレスを内側に込めて、暇を持て余して自分の体を舐めて気分転換する犬もいます。
暇つぶし程度に舐めるなら問題ありませんが、ストレスからくる不安を鎮めようと体の同じ箇所を舐め続けていることもあります。
しかし、舐めすぎて皮膚の炎症が起こる可能性もあるので要注意な行動です。
◆散歩は運動不足解消とストレス緩和の意味もある
自分で外に出られない犬は、飼い主さんから連れ出してもらう散歩は毎日の楽しみのひとつです。
家のなかで動かない日々が続くと運動不足で体力がなくなったり不健康になりますし、つまらない生活でストレスが溜まる一方です。
散歩は運動不足解消と日常的なストレスを発散させる意味もあります。
見慣れた家の風景から飛び出し、違った風景を見ることができる「脳への刺激」にもなる行動なのです。
運動不足にならないように日々行っている散歩は、実は認知機能を衰えさせない役割もあります。
脳に刺激を受けるので認知症予防にも効果があると言われています。
その5:病気になっても手術が難しくなるケースも
犬の病気のなかには「手術が必要」という深刻なものもあります。
しかし、運動不足から肥満体型になったせいで、手術そのものにリスクが伴うケースもあります。
先ほどもお話ししましたが、肥満になると体外だけでなく体内のあちこちに脂肪がつきます。
基本的に、犬の外科手術のときには動かないように眠った状態にするために、全身麻酔をするものです。
麻酔がかかっている状態で呼吸器を挿入するものですが、肥満のために器官周辺の脂肪がじゃまになって上手くできないこともあります。
さらに、肥満体型のため麻酔の量が増えるので、手術が終わっても覚めるまでに長時間かかるなど、命を落としてしまう最悪のパターンも考えておかなければならないこともあります。
運動不足を解消して幸せな毎日を送ろう
そもそも犬は元気に動くのが大好きなもの。
犬種によって、体の大きさが違うので「どれだけ動けばOKか」という運動量には差が出ます。
そのため、同じような環境の室内で暮らしていて運動不足の度合いは大型犬と小型犬では若干異なるのが正直なところです。
また、室内環境によっては室内でも十分に動けるスペースが確保できていることもあるかもしれません。
それぞれの状況によってどのくらいで運動不足になるかは違いますが、室内からあまり出さないと運動不足になるのは間違いないでしょう。
◆散歩で気分をリフレッシュ
体の小さい犬は、家のなかで動きまわるだけでも運動にはなりますが、ストレスが溜まるなど精神的にダメージを受けることがあります。
脳の活性化のためにも、日ごろの散歩を心がけましょう。
◆体格に合った運動量を考え運動不足解消
体のサイズが小さい小型犬は、1日1回30分以内の散歩で十分運動になるでしょう。
あまり運動させ過ぎると、逆に体に負担になってしまいます。
また、中型犬も1回30分くらいの散歩でOKですが、1日2回は連れていきたいところです。
大型犬は、体の大きさに比例してかなりの運動量が必要です。
1回の散歩時間は小型犬や中型犬より多く1時間前後、「朝と夕方」「日中と夜」など1日2回が理想的です。
大型犬は、散歩だけでは運動不足になるので、ときどきはドッグランなど走り回れる環境も考えてあげましょう。
小型犬の場合、散歩の時間が少なくても極端に運動不足にはならないかもしれませんが、大型犬は運動時間をたくさん確保してあげてくださいね。
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◆室内での遊び時間も大切に
家のなかで暮らしている犬にとって、室内での遊びも運動不足の対策になります。
ふだんは散歩時間を十分に確保できても、雨や台風など気候条件によっては外に行けないこともありますよね。
犬のためにスペースを広めにとって、遊びの時間を考えてあげるといいですね。
一緒に遊びながらの運動は、運動不足の解消とコミュニケーションです。
愛犬との絆も深まり、犬も飼い主さんもきっと心温まるでしょう。
ストレスも溜まりにくくなって、愛犬の心の健康アップにも…。
まとめ
犬の運動不足は「足腰の弱まり」「肥満」「ストレス」など、体にさまざまな悪影響をもたらします。
なかでも肥満はリスクが高いです。
「太ったらダイエットすればいい…」と簡単なものではありません。
痩せにくい体になりますし、肥満が原因で内臓にも大きな負担となり不健康な体へと変わってしまうでしょう。
運動不足は、愛犬の元気と奪い、攻撃的な性格への変化も考えられます。
精神的にも自分をコントロールできない愛犬の姿を見なければならないのは辛いものですよね。
犬たちは自分で運動不足を解消できません。
犬の運動不足による起こりやすい危険なリスクについて知っておき、愛犬のために一緒に運動をしてあげるようにしましょう。
運動させるときには、体調を見ながら散歩や遊びなども取り入れてみてくださいね。
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