愛犬が玄関から離れない!待っている理由や対処法、分離不安症の可能性も?!

2018.01.02

愛犬が玄関から離れない!待っている理由や対処法、分離不安症の可能性も?!

外出する時に、愛犬が必ず玄関に来てお別れを言ってくれ、帰宅した時は必ず待っている。 とても微笑ましい光景だと思われがちですが、飼い主さんが外出している間ずっと玄関から離れない状態でいるのは「分離不安症」という病気のサインかもしれません。 今回は、犬が玄関から離れない理由や対処方法、分離不安症という病気にかかった際の原因や対策をまとめてみました。 ぜひ参考にしてみて下さいね。

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犬が玄関から離れない理由とは?

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飼い主さんが外へ出かける時、外から帰宅した時、あるいはお家の中にいるにも関わらず、ずっと玄関から犬が離れない状態の時はありませんか?
つまらなそうにしていたり、外をじっと見つめて集中していたりと、飼い主さんにとって何が理由なのかわからない時も。

今回はそんな「犬が玄関から離れない理由」を5つピックアップしてみました。
これで、あなたの犬が今どんな気持ちなのか、何をして欲しいのかがわかります。

1.飼い主さんを待っている
2.散歩に行きたい
3.外の様子が気になる
4.玄関が快適
5.病気で動けない
それでは1つずつ見て行きましょう。

1.飼い主さんを待っている

飼い主さんが外出している時、犬は「早く帰ってこないかな」と玄関で待っている場合があります。
大勢の家族で暮らしている場合でも、犬の中で一番トップに君臨している人が外出してしまうと、寂しくなって玄関で離れず待っていることも。
例え別の人が家の中から呼んでも、決して玄関から離れようとしません。

また、お留守番に慣れていない犬は、群れで暮らしていた名残で独りぼっちにされてしまうのがとても苦手です。
玄関から帰って来る飼い主さんといち早く寄り添いたいという気持ちが、玄関から離れない状態を作っているのです。
飼い主さんの事が大好きで、お家にいる時は常に飼い主さんにべったりくっついている甘えん坊の子は、大好きな飼い主さんがいなくなって、少し不安になってしまっているかもしれません。

外出して1、2分はどの犬でも玄関に行って別れを寂しがる様子が見受けられますが、飼い主さんが戻ってこないことがわかるとその場を離れます。しかし、飼い主さんが帰宅するまでずっと何時間も玄関で離れない状態が続いてじっと待っているのは「分離不安症」という病気になってしまっているかもしれません。
この分離不安症は訓練する事で改善できます。
詳しくはあとでご紹介しますので参考にしてくださいね。

2.散歩に行きたい

犬は、自分が好きな事、やりたい事を飼い主さんに行って欲しい時に、言葉では伝えられないので行動で示すことがあります。
その1つが「散歩に行きたいから連れて行って」という仕草。
リードやお散歩袋を飼い主に直接持ってくる犬もいますが、玄関から外へ出る=散歩と結びついている犬は、玄関から離れない状態を保つ事で、飼い主さんに「私は散歩に行きたいの、連れて行って」というメッセージを行動で伝えています。

いつも同じ時間に散歩に行く飼い主さんなら、散歩の用意をしている最中に犬が「散歩に連れて行ってくれる!」と学習していますので、喜んで先回りし、玄関で待っているのかもしれませんね。

玄関でじっと待っていたり、飼い主さんの目をチラチラ見ながら散歩に連れて行ってとアピールしている姿を見ていたりすると、何だかとてもかわいらしく思ってしまいますね。

3.外の様子が気になる

犬の聴覚は鋭く、人間の4倍ともいわれています。
玄関は扉一枚で外の世界とつながっているので、車や自転車、歩行者、遠くの電車の音など、様々な音が聞こえてきます。
好奇心旺盛な犬は、外の様子が気になって、一番音が聞こえる玄関に居座って離れない状態になります。
耳をピンと立てて一生懸命に音の方へ動かしているのは、外の様子が気になっている証拠です。

また、玄関には宅急便などを届けてくれる人「犬にとっては知らない人」が現れる場所でもあるため、人間好きの子は飼い主さんとは違う足音が聞こえると興味津々で玄関で待っている状態になりますし、お家を守らなければという番犬の意思が強い犬であれば外の環境の変化からお家を守ろうとしてくれているのかもしれません。

色々な音がして何だろう、楽しそうだな、など好奇心旺盛で外の様子が気になる子は、玄関でじっと待っている状態になる事が多いです。

4.玄関が快適

犬はどの部屋が一番快適に過ごせるかを知っています。
真夏で部屋の中が暑い時、玄関の石やフローリングがひんやりして気持ちいいなんて事はありませんか?
大家族で暮らしている時、子供たちの声が届きにくい玄関が一番静かではありませんか?

玄関でじっとしている際に犬の様子を観察してみて下さい。
お座りをしたままではなく、寝転んでのんびりとして耳があちこちと動き回らない様子でいるのは、外が気になっていて玄関から離れない状態なのではなく、玄関が快適だからゆっくりと休んでいるのです。

玄関よりも部屋の方でゆっくりと休んでもらいたいと考えるのであれば、部屋の中の温度や音の環境を犬の好みに変えてあげましょう。
一番快適な場所が玄関であるのは、飼い主さんにとって少し寂しいですものね。

5.病気で動けない

犬の調子が突然悪くなって、動けなくなった場所が玄関だったのかもしれません。
急性の椎間板ヘルニアになった場合は、その場から動く事が出来ませんし、激しい腹痛に襲われた時も背中を丸めてその場に固まってしまいます。

玄関から離れない状態の犬の様子を観察してみて下さい。
一切動く事もなく、震えていたり、背中を丸めていたり、いつもと違う声で鳴いていたりするようであれば、動物病院に連れて行って原因を探ってあげて下さいね。


犬の分離不安症に注意!

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犬が玄関で待っているのは、少しの時間なら「飼い主さんが大好きなんだね~」という事で済みますが、飼い主さんが外出してから帰って来るまで四六時中ずっと玄関で待っているのは「分離不安症」という病気かもしれません。

◆分離不安症とは?

大好きな飼い主さんと離れてしまう状態=分離が、悲しくて寂しくて不安で仕方がない状態になり、人間にとっての問題となる行動を犬が起こしてしまう症状です。

◆分離不安症チェック

犬の分離不安症、初めて聞く方も多いかもしれませんので、いくつか分離不安症に繋がる症状のチェック項目を作りました。
あなたの愛犬は分離不安症ではありませんか?

□部屋の中でも飼い主さんの行動を目で追っている
□部屋の中でも飼い主の後をずっとついて回る
□部屋の中では、犬が飼い主さんの体のどこかに触れている
□トイレに行く時も、犬が飼い主さんについて回る
□寝る時は一緒の布団で寝ている
□お留守番最中は、無駄吠えが異常に多い
□お留守番最中に、部屋の中を荒らしまわる
□お留守番最中は、トイレの失敗が多い
□飼い主が出かける準備をしだすと、そわそわしたりキュンキュンと悲しそうにする
□お風呂の時間は、戸をガリガリしたり、脱衣所で常に待っている
□愛犬の前足やしっぽの先が噛んで毛が抜けている

チェック項目に当てはまる数が多ければ多いほど、分離不安症の傾向が強くなります。

中でも、留守番中に無駄吠えしているかどうかは、飼い主さんにはわかりません。
ご近所の方に、留守番中に犬の吠え声が聞こえるかどうかを聞いてみたり、ペットカメラなどを設置したりして、留守番中の犬の様子をスマートフォンなどで観察してみると良いですね。

また、犬に万歩計を付けて過ごしてみるのも、分離不安症になっているかどうかを調べるのに役に立ちます。
飼い主さんと一緒にいる日の万歩計の歩数と、飼い主さんが外出している日の万歩計の歩数を比較してみましょう。
もし、飼い主さんが外出している際の万歩計の歩数が異常に多く出ているようであれば、外出中に犬が寂しくて寂しくて部屋の中を探し回っている可能性があります。


分離不安症の原因は?

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では、なぜ分離不安症という症状を発症してしまうのでしょうか。
主な分離不安症の原因を5つあげてみました。

1.社会化期の不適応
2.飼い主からの過剰な愛情
3.犬の生い立ち
4.犬の性格
5.留守番中のトラウマ
では、1つずつ見て行きましょう。

1.社会化期の不適応

犬には、外的環境を素直に受け入れる事が出来る期間=社会化期が存在します。
その社会化期に「人間と暮らしていく上で、どんな日常生活があるのか」「他の犬たちとのコミュニケーションを図る機会があるか」「飼い主以外との人間と触れ合う機会があったか」などの学習をさせる事で、犬に抵抗感なく人間の世界で暮らしていく経験をさせる事が出来ます。
この社会化期は生後3か月ぐらいだとされています。
この期間の間に犬と飼い主がべったりと過ごす機会が増えてしまうと、飼い主以外の人間と触れ合う機会が無かった犬は、飼い主さんへの依存心が高くなってしまい、最終的には分離不安症へとつながっていってしまうのです。

2.飼い主からの過剰な愛情

犬を飼うにあたって、飼い主さんから犬への愛情は必要不可欠なものですが、その愛情が過剰であっても病気を引き起こす要因になります。
犬は群れで暮らしていましたが、群れの中で仲間にべったりと過ごす習性はありません。
ところが、人間と一緒に生活をしていると、人間からの過剰な愛情を注がれる犬も存在します。

・留守番後は大げさに「寂しかったね~、偉かったね~」とほめちぎる
・寝る時は一緒の布団で寝る
・部屋にいる時は、膝の上に犬を乗せている
・散歩も抱っこが多い
・少しでも犬が怖がる様子を見せると大げさに「大丈夫だからね~」と抱き上げる
・留守番前には「いい子にしていてね」などの過剰な密着タイムがある

愛情を注ぐのは大切ですが、常に異常な愛情を注ぎ続けると、その異常な愛情が犬に取って当たり前となってしまい、いざ飼い主が外出するなど自分のそばから離れてしまった際に、寂しくて寂しくてどうしようもなくなって分離不安症を発症してしまいます。

3.犬の生い立ち

犬の生い立ちも、犬の分離不安症を発症してしまう原因となりうる事があります。
犬が保護犬だった場合が分離不安症を発症する率が高いとされています。

それは、保護される前に誰からも愛情を注がれなかった犬が、飼い主と出会う事で初めて愛されたという経験をします。
そうすると、この飼い主からの愛情を逃したくないと、飼い主依存のような状態になり、少しでも離れると「このまま以前のように捨てられてしまうのでは」という恐怖心から分離不安症になってしまいます。

4.犬の性格

人間にも性格があるように、犬にもそれぞれ性格があります。
甘えん坊の性格の犬は、飼い主大好きになり、飼い主から少しでも離れたくないという状態になります。
特に、部屋の中で飼われている小型犬に多く存在し、トイ・プードルなどの愛玩犬は比較的甘えん坊が多いとされています。
寂しがり屋や、人間大好きの犬は分離不安症にある可能性がありますので、あなたの愛犬がどのような性格なのかよく把握するようにしましょう。

5.留守番中のトラウマ

今までは通常通り留守番が出来ていたのに、ある日を境に留守番中に問題行動を起こすようになったのは、留守番中にトラウマがあったのかもしれません。

犬が一人で留守番をしている時に、外で大きな物音がした、来客者がインターホンを異常に鳴らし続けた、雷が鳴っていた、お家の中で荷物が上から落ちてきたなど。
原因が分かればその原因を取り除いてあげればトラウマは徐々に消えていきますが、トラウマの原因がわからない場合は、そのままお留守番をさせると、もっとひどい分離不安症に陥る可能性があります。

トラウマの原因を特定できれば症状を軽くできるのですが、もしトラウマの原因がわからない場合は、気長に分離不安症を改善する方法を取ってあげて下さいね。


分離不安症の対処法は?

分離不安症になってしまった際はどうすれば良いのでしょうか。
分離不安症になってしまった際の対策を4つあげてみましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。

1.飼い主と犬、適度な距離を置く

過剰な愛情を日常的に行っていた場合は、愛犬と適度な距離を保つことを学びましょう。
常に一緒にいる事が、愛犬にとって幸せとは限りません。
飼い主さんが外出する際に、愛犬が寂しくなって体調不良に陥らないようにしつけるのも飼い主さんの役割です。

お留守番後に過剰に褒めたたえたり、直ぐに抱っこしたり、部屋の中で常に膝の上など犬と触れあう機会を作っているという心当たりがある方は、少しずつやめてみましょう。
飼い主さんが一番好きであるのは嬉しいですが、好きすぎるのは考え物です。
犬の「好き」という物をおもちゃでも散歩でもどんどん増やしていけば、飼い主さん一人に好きという気持ちが集中するのを防ぐことができます。

2.留守番のしつけをし直す

分離不安症に陥っている犬は、しつけがきちんとされていない場合があります。
お留守番は勝手に犬が出来るわけではありません。
お留守番にもしつけが必要です。
常に飼い主を目で追っている、常に体のどこかが触れているような犬は、飼い主が違う部屋に行っただけでもパニックを起こします。

留守番のしつけは、飼い主がいきなり外出するのではなく、愛犬から離れる練習から始めましょう。
始めは3秒ほどでかまいません。
「マテ」と指示してから、3歩下がって飼い主のそばへ来ようとする犬を制御してください。
なれない事で、愛犬は要求吠えをするかもしれませんが、ぐっとこらえて、少しの間でも吠える事をやめて待っている事が出来たら大いに褒めてあげましょう。

そこから徐々に愛犬から離れる時間や距離を増やしていきましょう。
視界から離れた別の部屋に行ったりして、愛犬は飼い主さんがいなくなっても必ず自分の元へと帰って来るという安心感を与えましょう。
しかし、いきなり時間や距離を伸ばすなどの焦りは禁物です。

3.十分に運動させる

飼い主が外出した際、分離不安症になっていない通常の犬は、体を休めている事がほとんどです。
それは、飼い主がいる時に十分に体を動かして運動しているから。
分離不安症では、部屋の中をずっと探し回るくらいの体力が余っていて、そのためにウロウロと動き回って不安を掻き立ててしまいます。
しかし、散歩や遊びなどで十分に体を動かした犬は、飼い主がいなくなった際にちょっと一息つこうと横になります。
犬にとって運動は、体を疲れさせるだけでなく、ストレスを発散するとても効率的な物なのです。
分離不安症に陥っている犬を飼っている方、愛犬に思いっきり運動させているかどうか、一度思い返してみて下さいね。

4.獣医師・ドッグトレーナーに相談

どれほど飼い主だけで頑張っても、治せないような分離不安症の犬もいます。
ここは、専門の獣医師やドッグトレーナーの力を借りましょう。
分離不安症は、問題行動が飼い主さんの迷惑になるだけでなく、犬自身もとても辛い思いをしています。
その辛い思いをいち早く取り除くためにも、専門機関にお世話になる事をオススメします。


まとめ

いかがでしたか?
玄関から離れない、ずっと待っている愛犬は、ちょっとだけ見れば愛されているんだなと思いがちですが、分離不安症という病気が隠れているかもしれない事がお分かりいただけましたでしょうか。
愛犬と一緒に幸せに暮らしていくためには、どんな事にもしつけが必要です。
あなたの愛犬に合った、対処法を見つけてあげて下さいね。



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根っからの動物好きで、散歩で出会った犬は必ず声をかけて触らせてもらいます! 犬といると幸せ過ぎて顔がにやけてしまいます。皆さんがもっと犬好きになるよう、心に残る記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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