犬の興奮の危険性や落ち着かせる方法とは?犬の興奮状態は何故起こる?

2018.02.02

犬の興奮の危険性や落ち着かせる方法とは?犬の興奮状態は何故起こる?

犬が興奮する原因は、物や飼い主・来客などの人間、欲求不満からのストレスや元々の性格、病気や後遺症など多岐に渡ります。 コントロールが難しくなってしまった犬は、怪我や喧嘩、破壊行動を起こすの危険があり、それにより手術が必要になったり、死に至る可能性もあります。 犬の興奮はまず原因を知り、抱きかかえて安心させる、クレート・トレーニングや効果的なコマンドを教えるなど、合う対処法を取ることが大切です。 詳しく確認してみましょう。

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犬が興奮しすぎる危険性は?

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飼い主の帰宅時や、来客時、パトカーのサイレンなどの大きい音など、犬が興奮する要因は様々です。
犬が興奮しすぎると、どんな危険性があるのでしょうか。

◆怪我をする・怪我をさせる

犬が興奮しすぎると、吠えたり、飛びかかったりすることが多いです。
相手が生物だった場合、噛まれたり、逆に飛びかかられたりして怪我する事故は少なくありません。
また、アニコム損害保険株式会社が2011年に発表した犬の賠償責任事故の報告では、特に大型犬の飛びつきによる被害者の転倒からの事故が多いと公表されています。

◆喧嘩になる

散歩中などで犬が相手の場合、お互いに引かず喧嘩になってしまうことも多いです。
ひょいと抱きかかえる事のできる小型犬と違い、中型犬以上のサイズの犬は制止することも難しく、怪我の原因ともなります。

◆破損事故を起こす

興奮した犬が物損事故を起こす事もよくあります。
クッションやソファーなどの家財用品から、携帯電話などの電化製品、など様々なものを破損する可能性があります。
電気コードのついているものは破損したことで、漏電や火事に繋がる事もあります。
興奮した犬をよけようとして、車が事故を起こす可能性もあります。車や自転車の事故はお互いに命の危険もあり、とても怖いです。

◆関節を痛める

犬は興奮すると、ピョンピョンと飛び跳ねる行動をとることが多いです。
後ろ足の二本でジャンプを繰り返すと、膝の関節や股関節に負担をかけてしまいます。
特に膝は何度も繰り返し負担をかけることで、関節の溝が削れて浅くなってしまい、膝のお皿が外れやすくなってしまう「膝蓋骨脱臼」になる可能性が高いです。
膝蓋骨脱臼は症状が重い場合には手術が必要となります。

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◆誤飲する

新しいオモチャや初めて見る物に興奮すると、噛みちぎり、飲み込んでしまうことがあります。
食べ物ではない物の誤飲は、喉や腸管に詰まる可能性があり、最悪の場合手術が必要になったり、死に至ることもあります。


興奮しやすい犬はどんな犬?

興奮しやすい犬は感情のコントロールが難しく、極端な性格をしていることが多いです。
詳しく確認してみましょう。

◆お調子者な犬

好奇心旺盛で怖い物知らずのお調子者タイプは、興奮しやすい傾向にあります。
一度テンションが上がると、周りの声や音が聞こえなくなるほどの興奮状態になってしまいます。

◆臆病な犬

負け犬の遠吠えという言葉がある通り、怖がりで臆病な性格の場合は虚勢を張った行動をとってしまうことが多々あります。
その行動が行き過ぎると、興奮状態に陥りやすいです。

◆しつけが入っていない犬

日常生活の中で落ち着かせるコントロールは、しつけによって可能です。
その基本的なしつけが入っていない犬は、時にコントロール不可能なほどテンションが上がってしまうことがあります。
しつけが入っていないのですから、瞬間的に静止しようとしても難しいです。


犬が興奮する原因は?

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犬が興奮する原因となる物にはどんなものがあるのか、確認してみましょう。

◆飼い主

外出先から飼い主が帰宅すると、喜び、テンションが上りすぎてしまって、興奮することが多いです。

◆来客

人間のことが好きな場合、来客時に喜びから興奮することが多いです。また、逆に警戒心の強い犬は恐怖から興奮することもあります。
来客に興奮する犬の場合、来客とインターフォンが鳴る事がリンクして学習しているため、インターフォンが鳴る度に興奮する可能性が高いです。
そのため、来客だけではなく宅配業者などのインターフォンを鳴らす人に対しても興奮してしまいます。

◆大好きな物

大好きなオモチャや食べ物、おやつ、飼い主の持ち物などに興奮する犬が多いです。
興奮しすぎて、おもちゃなどを口に入れ誤飲してしまったり、破損してしまう事故も少なくありません。

◆大きな音

雷やサイレン、花火などにテンションが上りすぎてしまう犬も多いです。
何の音か解らなくてテンションが上るタイプや、恐怖から興奮してしまうタイプまで様々なタイプに分かれます。

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◆欲求不満

欲求不満のストレス発散として、何かしらのきっかけを受けて暴れてしまう犬もいます。
特に、十分な運動量の取れていない大型犬などはこのパターンが多いです。
共働き家庭などで日常的にスキンシップの足りない家庭の犬も、構ってほしい一心から陥る事があります。

◆パニック

大きな音や出来事に驚き、パニック状態になってしまう場合もあります。
くしゃみや、子供が投げたオモチャなどの日常的な出来事でも起こります。
特に神経質で臆病な性格に多いです。


犬を落ち着かせるためにはどうすれば良い?

興奮した犬を落ち着かせるためにはどうすれば良いのか確認してみましょう。

◆無視する

犬が飼い主の反応を楽しんでしまい、余計に興奮を増長させてしまっている場合が多いです。
そのため、無視はとても効果的な落ち着かせるための改善方法です。
無視した際に、「あれ?」と一瞬落ち着いた時に褒めてあげたり、ご褒美をあげることを繰り返すと、落ち着いていると褒められると学習するため、長期的なしつけにもなります。

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◆原因を無くす

物に対して興奮が起きている場合には、その原因となっている物を目の前から取り除きます。
物に対しての執着を無くす事が大切です。

◆クレートに入れる

無視する方法と似ていますが、クレートに入れて落ち着かせる方法もあります。
これはクレート・トレーニングと呼ばれる、ケージやサークルなどのクレートを落ち着かせる基地として利用するしつけ方法が完成している場合に有効です。
クレートに入れるしつけは、閉鎖的で可哀想という考えの方もいますが、犬はテリトリーを大事にする生き物なので、自分だけの安心できるテリトリーを与えた方が実際は精神状態にも良い影響があります。

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◆抱きしめる

抱きしめたり、撫でてあげて安心させてあげることも、落ち着かせる方法の一つです。
犬が安心出来ると共に、飼い主とのコミュニケーションも取れるため、絆が深まります。

◆びっくりさせる

一瞬ハッとする瞬間をつくることで、我に返り、落ち着かせる方法もあります。
水を入れた霧吹きで身体にシュッと一吹きする、いきなり音を鳴らす、何かの匂いを出すなどの方法があります。
犬にとって害のない方法を利用して、びっくりさせることをおすすめします。

この方法は犬の性格により合う犬と合わない犬と分かれます。
合わない犬に、この方法を取ると、より大騒ぎになり収集がつかなくなる可能性もあるので注意が必要です。

◆落ち着かせるコマンドを用意する

日常のしつけで、落ち着かせるコマンドを用意する方法も効果的です。
多いパターンは「待て」と「オスワリ」、大型犬の場合は「伏せ」も多いです。
必ずこの言葉をかけたら、行動を実行できるように根気強く教えましょう。


病気の可能性はある?

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原因と思われるものを取り除いても、治まらない場合は病気の可能性もあります。
てんかんや脳神経系の神経病や、あまり多くは見られませんが人間における注意欠陥障がい(ADHD)同様の「多動障害」と呼ばれるものが原因となっていることもあります。
後天的な病気も原因の一つです。
人間の高次脳機能障害と同じ様に、脳に大きな損傷を受けた場合や老化から認知症になった場合、性格が変化する場合もあり、大人しかったはずの性格が興奮しやすくなるなどの報告もあります。

◆可能性のある病気の一つ「狂犬病」

狂犬病も、可能性の一つとして考えられる病気です。
衝動的に噛みつく、乱暴になる、暴れる、コントロール不可になる、など様々な神経症状が起こります。
狂犬病は人間にも感染する、人獣共通感染症(ズーノーシス)の一つです。
人間では平成18年にフィリピン滞在中に、狂犬病に罹患している犬に噛まれた状態で帰国し、日本国内で狂犬病を発症した例がありますが、現在の国内で犬の発症はありません。

狂犬病ってどんな病気?ワクチンは飼い主の義務!その必要性とは?

狂犬病とは、人間に感染することもあり、発病するとほぼ100%が死亡するという恐ろしい感染症のことです。 発病した場合、精神錯乱や麻痺、呼吸困難などの症状が認められ、更には死に至ります。 日本では1956年を最後に発生していませんが、世界では約5万人が毎年命を落としており、海外渡航の際には注意が必要です。 狂犬病予防法では、飼い犬に対して狂犬病ワクチンの予防接種を行う事が義務として定められています。 狂犬病ワクチンには元気の消失や、アナフィラキシー症状などの副作用もありますが、接種は義務であるため何らかの理由で接種出来ない場合は獣医師による証明が必要です。 狂犬病について、もっと詳しく確認してみましょう。

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犬の興奮は原因を知って、対処法を知ることが大切!

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犬が興奮する原因は、物や飼い主・来客などの人間、欲求不満からのストレスや元々の性格など様々です。
中には原因が病気や後遺症だという可能性もあります。

コントロールが難しくなってしまった犬は、怪我や喧嘩、破壊行動を起こすなどの危険があります。

犬の興奮は原因をまず知る事が大切です。
原因を知り、取り除いたり、対処することで落ち着ける様になります。
犬の問題行動で困っている方は、まず自分の犬を良く観察して、原因を知るようにしましょう。



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St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。

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