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犬は肉食に近い雑食なので、人よりも多くのたんぱく質を摂る必要があります。 また、毛や皮膚を健やかに保つ亜鉛が不足しないよう注意が必要ですし、ワンちゃんのライフステージによっても必要となる栄養量が異なります。 ペット栄養管理士の筆者は実体験から、ワンちゃんが簡単に必要かつ十分な栄養素を摂ることができる「ドッグフード(総合栄養食)」をお勧めします。 今回は、ワンちゃんが必要とする栄養素やエネルギー量、ドッグフードをお勧めする理由についてご紹介します。
ドッグフードに含まれる原材料は重量の多い順に表示されています
ドッグフードは「ペットフードの表示に関する公正競争規約(ペットフード公正競争規約、以下規約)」3条に定められる「ペットフード」のうちのひとつです。この規約は、ペットフードを購入する私たち消費者に対し、必要な情報を正しく提供するための表示事項を定めているもので、1974年に制定されました。当時はドッグフードだけが対象でしたが、1991年からキャットフードも対象となっています。
この規約によって、原材料は「添加物以外の原材料については重量の割合の多い順に表示」するようにと規定されています。
ドッグフードの機能的な種類は規約上、4つに分かれます
ペットフード公正競争規約3条では、ペットフードを与える目的によって「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」の4つに分類しています。
「総合栄養食」は、ペットの主食です。規約では、「当該ペットフード及び水のみで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養的にバランスのとれたもの」と定めています。分析試験や給与試験によって、栄養のバランスや健康の維持が裏付けられているものに限り、パッケージの裏に「総合栄養食」と記載することができます。
「間食」はおやつのことです。
また、「療法食」とは、「特定の疾病又は健康状態」にあるペットの栄養面をサポートするため、「獣医師の指導のもと」に使われるものです。たとえば、健康に問題のないワンちゃんに自己判断でリンの含有量が制限されている「腎臓疾患用の療法食」を与えてしまうと、リンが不足して骨や歯がもろくなる危険があります。療法食は自己判断で与えず、必ずかかりつけの獣医師に相談をしてください。
「その他の目的食」は食いつきが悪いときに使うドッグフードへのふりかけや、サプリメントなどです。
「プレミアムフード」は規約上に定めがありません
いわゆる「プレミアムフード」については、日本では規約に定めがありません。何を「プレミアムフード」と呼ぶかはメーカーによって異なりますが、一般的には素材や味などにこだわっていて高い付加価値があり、比較的高価なドッグフードが「プレミアムフード」と呼ばれているようです。
「絶対にプレミアムフードでなければいけない」ということはありません。ワンちゃんの食いつきがよく、ウンチのまとまりもよく、与えていると毛づやもいい状態をキープできるドッグフードなら、それがワンちゃんにとってベストな選択といえます。
ウェットフードとドライフード、どちらがいい?
ドライフードは適度に固いので、成長期にある犬のあごの成長を促します。子犬や成犬になったばかりのワンちゃんには、ドライフードがおすすめです。
シニア・ドッグは水分が不足しがちなので、ウェットフードをおすすめします。
ドッグフードを食べない場合もトッピングはNGです
「うちのワンちゃん、食いつきが悪い……」とあらゆるドッグフードを試すことを「フードジプシー」と呼ぶことがあります。食事の選り好みが強かったり、少食だったりするワンちゃんのペットオーナー様は、これ!というドッグフードに出会うまでは、やはり皆さんフードジプシーをされるようです。
私が以前飼っていたキャンディスもそうでした。ずっと食べていたドッグフードに突然飽きることもあり、フード選びには苦戦しました。
こういったワンちゃんの場合は、「フードは小袋で買う」「ふりかけなどのトッピングなどはせず、自発的に食べるのを待つ」のがいいかと思います。トッピングをしてしまうと、「トッピングだけ食べる」「トッピングがないと食べない」という事態に陥りがちです。また、ウェットフードを人肌程度に温めてからあげると食べる、というワンちゃんも多いので、ぜひお試しください。
次回はドッグフードの安全性を定める法律などについてお話します。
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