1.春は花粉症に要注意!注意する時期は?
2.愛犬の体につく恐れのあるものは?
2-1.ハウスダスト
2-2.細菌・外部寄生虫
2-3.細菌・外部寄生虫
2-4.花粉
3.実は深い「花粉」と「静電気」の関係
3-1.花粉を引き寄せる静電気
4.愛犬とできる花粉症対策
4.室内の乾燥を防ぐ
4.静電気防止グッズで花粉をブロック
4.散歩後にも花粉を落とす
4.定期的なシャンプー
4.部屋の掃除は拭き掃除が基本
4.空気清浄機を活用
【掲載:2019.12.18 更新:2022.03.07】
春は花粉症に要注意!注意する時期は?
寒い冬が終わり、暖かい季節がやってくると、気持ちもなんだかポカポカしてきますよね。寒さが苦手な方や愛犬にとっては、春は待ち遠しい季節となるでしょう。
しかし春の季節に訪れるのは、心地よい気温だけではありません。花粉症の方にはとって大敵である、花粉もやってくるのです。犬にとっても人間同様、花粉アレルギーを持っている個体にとっては、辛い時期の到来となります。
花粉症は主に春~秋という長い期間に渡り悩まされる症状で、早ければ1月中旬から発症する方も中にはいるそうです。
日本で多く飛散される主流の花粉はスギですが、他にもヒノキ・ブタクサ・ヨモギなど、花粉症の原因となる植物は多々あります。
8月~10月がピークとなるブタクサの花粉に、犬は一番反応しやすいといわれていますが、花粉の飛散が始まる春の季節には対策を始めるべきでしょう。
愛犬の体につく恐れのあるものは?
犬も人間同様、体にとってのアレルゲンが体内に入ったり、付着することで、様々なアレルギー症状や病気を引き起こす可能性があります。犬の場合、アレルギー症状として出やすいのがアレルギー性皮膚炎です。
愛犬を辛い皮膚炎から守るためにも、皮膚疾患を招く恐れのある原因を知っておきましょう。
◆ハウスダスト
ハウスダストとは、1mm以下の肉眼で見えにくいホコリを意味します。ダニやダニの糞、その死骸、衣類の繊維くずなどの、家の中に当たり前にあるものが、アレルギーの原因となり得るのです。
これらが体内に入り、アレルギー症状を引き起こすことを「ハウスダストアレルギー」と呼びます。
ハウスダストは常に家の中に存在するので、通年性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、季節に関係なく症状が現れてしまうという特徴があります。
犬の場合、自分自身がハウスダストの元となりやすい上に、ノミやダニに刺されやすいことから、実はハウスダストアレルギーを発症するケースが多いそうです。
症状は、主にかゆみや湿疹、フケなどの皮膚疾患で、体を掻きむしることで皮膚炎を引き起こしてしまいます。
◆細菌・外部寄生虫
真菌(カビ)による皮膚糸状菌症(白癬含む)や、寄生虫によるツメダニ症、疥癬などがあります。
皮膚糸状菌症はフケの大量発生や脱毛を招き、ツメダニ症や疥癬は皮膚に強い痒みをもたらします。
◆花粉
人間の花粉症ではくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が出ますが、犬の場合は主に皮膚疾患が起こるため、厳密にいえば花粉によって現れる症状は花粉症というより花粉アレルギーで、アレルギー性皮膚炎を発症しているのがほとんどです。
皮膚の赤みや激しい痒み、湿疹などの症状が現れるので、顔や体を掻きむしるような状態がみられるでしょう。それによって、脱毛してしまったり、外耳炎が中々治らないといった状況にも陥るかもしれません。
実は深い「花粉」と「静電気」の関係
静電気が原因で、ドアノブなどを触った時や、誰かに触れた際に「パチッ」という音と共に痛みが走る経験をしたことのある方は多いでしょう。また、セーターなどの衣類を着る際に「パチパチ」と音を立てたり、ストッキングなどが体に纏わりついて上手く着れないというケースも頻繁に起こりますよね。
この身近で起こる静電気、実は花粉症にとって大きな影響を及ぼすのです。
◆花粉を引き寄せる静電気
静電気は、衣類・身体・髪の毛などに帯電すると、花粉を引き寄せてしまいます。静電気の有無で、花粉の付着量は約2倍も変わるそうです。
静電気には、水分を通して逃げる性質があります。湿度が高ければ発生しにくく、逆に乾燥していれば発生しやすくなるので、乾燥する季節が発生時期のピークとなるのです。
しかし、それらの季節以外でも条件が揃えば容易に発生します。花粉症にとって静電気は、侮れない存在といえるでしょう。
犬の被毛にも勿論、静電気は帯電します。静電気の性質を理解し、花粉対策に役立てることが大切なのです。
愛犬とできる花粉症対策
花粉症対策には様々な方法があります。散歩を花粉の飛散量が少ない早朝にしたり、外に出る時は花粉のつきにくい素材を愛犬に着せるなど、飼い主さんにできることは多々あります。
更に花粉対策として他の方法も紹介しますので、参考にしてみてください。
◆室内の乾燥を防ぐ
静電気は乾燥によって発生しやすくなるので、日常的に室内の乾燥を防いでおくことが大切です。
例えば、加湿器を使用したり、加湿器がない場合は濡れたタオルを干しておくなどして、室内の湿度を保ちましょう。
湿度20%以下、温度25度以下で静電気の発生率が高まります。一般的に室内の湿度は50~60%を保つのが理想的だといわれているので、日頃から湿度を保つよう心掛けましょう。
◆静電気防止グッズで花粉をブロック
このように日常的に静電気対策を行った上で、愛犬との散歩前にももう一工夫こらしましょう。
犬の被毛は静電気を帯電しやすく、そのまま外に出ては花粉の付着率をあげてしまいます。
犬用の静電気防止スプレーが販売されているので、そのような商品を利用するのが効果的です。
他にも、ブラッシングスプレーやシャワーシートを利用する方法があります。
現代では様々なブラッシングスプレーやシャワーシートが販売されており、被毛の保湿効果の他にも、抜け毛・臭いの吸収や、静電気防止効果が含まれるものが多くあります。日常的なブラッシングでの使用は勿論、散歩前にも使用することで静電気による花粉の付着率を下げることができるでしょう。
それなら水分を被毛に吹きかけることで代用できる?という考えも浮かびますが、その場合、水分が乾いた後に効果がなくなります。可能な限り、静電気防止効果のある犬用グッズを利用しましょう。
◆散歩後にも花粉を落とす
散歩から帰った後は、必ず愛犬の体をボディタオルなどで拭いて花粉を落としましょう。玄関先や庭などで花粉を掃うことが可能
であれば、家の中へ花粉を持ち込まずに済みます。
犬の場合、花粉は顔や脚に付着しやすいです。全身の拭き取りは勿論ですが、その部分は念入りに行いましょう。
愛犬の体を拭くのには、犬用ボディタオルや花粉吸収効果のあるウェットティッシュなどの使用がお勧めです。ウェットタイプだと花粉の飛散を防ぐことが可能ですし、使い捨てであれば後片付けも簡単なのでとても便利です。
拭き取りが終わったあとは、ブラッシングも行いましょう。この時、前述したようにブラッシングスプレーなどを利用することをお勧めします。
また、飼い主さん自身にも花粉は付着しています。洋服や髪の毛などをはらったり、粘着シートなどを利用して花粉を取り除くのを忘れないでください。
◆定期的なシャンプー
過度なシャンプーは愛犬にとってあまり良いことではありませんが、花粉の多い時期は普段よりこまめにシャンプーをしたり、長時間に渡り外にいた日はお風呂に入れるなどして対策をとりましょう。
シャンプーの適正回数は犬種によって違いがありますが、花粉対策という意味では週1~2回が効果的です。しかし2週間に1回が理想的だという見解もあるので、愛犬の状態をみて飼い主さんがその子にあったレベルで適正回数を判断してください。
シャンプーをする時は、被毛や皮膚についた花粉を落とすイメージをしながら、シャンプー剤をよく泡立てること、5~10分程念入りに洗うことを心掛けましょう。
シャンプー後はリンスを使ったり、保湿効果のあるスプレーなどを使用して、被毛や皮膚の乾燥を防止するのを忘れないようにしてくださいね。
◆部屋の掃除は拭き掃除が基本
花粉対策として、室内環境を整えることも重要です。湿度を保つ方法を述べましたが、他にも室内でできる対策があります。
まず、普段の掃除の仕方を見直しましょう。一般的に室内の掃除には掃除機が使用されると思います。勿論、掃除機でなければ掃除できない部分も多々ありますよね。
しかし花粉を取り除くという点では、掃除機の使用は効果を下げる結果となってしまうのです。
花粉は微細のため、掃除機で吸い取ってもほとんどの場合フィルターから排出されてしまいます。中には花粉も逃さない性能をもった製品もありますが、家庭の掃除機がそのタイプでない場合は、可能な限り床は濡れた布巾などで拭き掃除をしましょう。
◆空気清浄機を活用
もう一つ、花粉対策に効果を発揮する家電製品に「空気清浄機」があります。花粉モードのある空気清浄機だと、更なる花粉除去効果を発揮してくれるでしょう。
しかし、空気清浄機の機能が、床に落ちてしまった花粉に届かないケースが考えられます。
ペットとして飼われている犬には小型犬が多いですが、この場合、空気清浄機よりも愛犬の目線が低いため、空気清浄機で取り除けなかった花粉が愛犬に付着してしまう可能性があるのです。
空気清浄機を効果的に使用するためには、壁際に設置したり、併せて扇風機を使用することがポイントです。これにより、空気清浄機のきれいな空気が循環しやすくなります。このような設置をした上で、床の拭き掃除を行えば、絶大な花粉対策効果を発揮できるでしょう。
高性能な空気清浄機には、花粉自体を分解する機能をもった製品もあるようです。花粉対策がうまくいかない場合は、購入を検討するのも一つの手です。
犬の花粉症に関するまとめ
花粉症は人間社会でも対策必須な大問題ですが、犬にとっても皮膚炎などの痒みを伴う辛い症状です。皮膚炎に苦しむ愛犬の姿は、できれば見たくないですよね。
可能な限りの対策をとり、愛犬を花粉から守りましょう!
– おすすめ記事 –
・【獣医師監修】犬がハチに刺された!アナフィラキシーショックとは?対処法は? |
・【獣医師監修】春先に愛犬のくしゃみが続く・・・犬も花粉症や鼻炎になるの?犬の花粉症対策7選! |
・【獣医師監修】犬のワクチン接種はなぜ必要?予防接種を受ける大切な理由 |
・【獣医師監修】犬のおしり歩きは病気が原因?肛門腺絞りのやり方を知ろう! |