災害救助犬ってどんな犬種が多いの?被災者のために働く犬たち

2022.03.17

災害救助犬ってどんな犬種が多いの?被災者のために働く犬たち

災害救助犬とは、地震や遭難などの災害時にはたらく犬のことです。 主に土砂や倒壊した家屋に埋もれてしまっている人を、嗅覚によって探し出す役目を持っています。 災害救助犬は、賢く従順、勇気があり、かつ友好的な性格の犬種が選ばれる事が多いです。 中でも代表的な、ジャーマン・シェパードやラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ベルジアン・マリノア・シェパード、ボーダー・コリーについて詳しくご紹介します。

【目次】
1.災害救助犬に向いている犬種って?

2.ジャーマン・シェパード
 2-1.ジャーマン・シェパードの特徴
 2-2.ジャーマン・シェパードの性格
 2-3.ジャーマン・シェパードの飼い方
 2-4.ジャーマン・シェパードの値段

3.ラブラドール・レトリバー
 3-1.ラブラドール・レトリバーの特徴
 3-2.ラブラドール・レトリバーの性格
 3-3.ラブラドール・レトリバーの飼い方
 3-4.ラブラドール・レトリバーの値段

4.ゴールデン・レトリバー
 4-1.ゴールデン・レトリバーの特徴
 4-2.ゴールデン・レトリバーの性格
 4-3.ゴールデン・レトリバーの飼い方
 4-4.ゴールデン・レトリバーの値段

5.ボーダー・コリー
 5-1.ボーダー・コリー
 5-2.ボーダー・コリーの性格
 5-3.ボーダー・コリーの飼い方
 5-4.ボーダー・コリーの値段

6.まとめ


【掲載:2018.03.28  更新:2022.03.17】

災害救助犬に向いている犬種って?

災害救助犬

災害救助犬とは、地震や遭難などの災害時にはたらく犬のことで、主に土砂や倒壊した家屋に埋もれてしまっている人を、嗅覚によって探し出す役目を持っています。
2011年3月の東日本大震災の時にも、多くの災害救助犬が人命を助けました。
そんな災害救助犬に向いている犬とはどんな犬なのでしょうか?


ジャーマン・シェパード

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警察犬のイメージが強いジャーマン・シェパードは、災害救助犬としても活躍しています。

◆ジャーマン・シェパードの特徴

ドイツ原産の犬種で、筋肉質な身体をしており、体高は55~65センチ、体重は22~40キロの大型犬です。
被毛はブラックまたはグレーの単色で、ブラック、レディッシュブラウン、ブラウン、イエロー、明るいグレーなどのマーキングを持ちます。
2017年4月1日付のJKC公認災害救助犬頭数では、出動可能頭数が58頭と災害救助犬の中で二番目に多い犬種でした。

◆ジャーマン・シェパードの性格

勇敢でリーダーに従順、強い忠誠心を持つ反面、大胆さと見知らぬ人に対しての強い警戒心を持っています。
警察犬のイメージが強いジャーマン・シェパードは、人間の指示に従順な性格で災害救助犬にも向いています。
軍用犬として用いられることが多かったため、災害救助犬として訓練にも耐えられる忍耐強さと知能を持っています。
そのため、災害時にもパニックに陥る事が無く、人間の指示をきちんと聞き、自分の仕事をこなすという特徴があり、優秀な災害救助犬になることのできる性格です。
また大型犬であることから、体力勝負の災害時にも活動できるというメリットも併せ持っており、災害救助犬にピッタリの犬種です。

◆ジャーマン・シェパードの飼い方

リーダーと認めた人には従順ですが、自分の方が上だと判断してしまった場合には全く言う事を聞いてくれない、という事態にもなってしまいます。
しつけなどの訓練は、専門の訓練学校などに依頼する方も多いです。
かなりの運動量を必要とするため、毎日の散歩量の確保が重要です。

◆ジャーマン・シェパードの値段

ジャーマン・シェパードの値段は、ブリーダーや店、血統などによって差があります。
散歩量の確保や、大型犬というサイズなど、飼育できる人が限られているため、あまりペットショップで見かけない犬種です。
値段の平均は、およそ10万円から20万円が一般的です。


ラブラドール・レトリバー

ラブラドールレトリバー

愛玩犬として人気の高いラブラドール・レトリバーも、災害救助犬として活躍しています。

◆ラブラドール・レトリバーの特徴

盲導犬として活躍することの多いラブラドール・レトリバーは、知能が高く、決められたタスクをこなすことを得意とする特徴があり、災害救助犬にぴったりの犬です。
身体が丈夫で、災害時などの適応能力が高いため、災害救助犬に向いています。
体高54から57センチの大型犬で、短毛のブラック、イエロー、レバーまたはチョコレートの毛色をしています。

◆ラブラドール・レトリバーの性格

ラブラドール・レトリバーの性格は賢く、穏やかで社交的、好奇心旺盛で災害救助犬に向いている性格です。
理解力に優れており、とても明るいキャラクターのため、災害救助犬として被災者に寄り添い、癒すことのできる性格です。
2017年4月1日付のJKC公認災害救助犬頭数では、出動可能頭数が64頭と災害救助犬の中で一番多い犬種でした。

◆ラブラドール・レトリバーの飼い方

ラブラドール・レトリバーは相応の運動量を必要とします。
運動不足になるとストレスが溜まり、問題行動を起こす事も多いので、運動量には注意が必要です。
ラブラドール・レトリバーの被毛は短毛ですが、上毛と下毛の二層構造になっているダブルコートのため抜け毛が多いです。
ラバーブラシなど、皮膚を傷つけない素材のブラシでブラッシングし、被毛と皮膚のケアをすることが大切です。
ラブラドール・レトリバーは賢く、知能が高い犬ですが、好奇心旺盛で寂しがり屋なため、長時間の留守番には向きません。
留守が多い家で飼育する場合には、しっかりとクレート・トレーニングをして大人しく待てる様にしつける必要があります。

◆ラブラドール・レトリバーの値段

ラブラドール・レトリバーの値段は、ブリーダーや店、血統などによって差があります。
一般的にはおよそ10万から20万が多いです。


ゴールデン・レトリバー

ゴールデンレトリバー

賢く、従順なゴールデン・レトリバーは、災害救助犬だけではなく警察犬や介助犬としても活躍しています。

◆ゴールデン・レトリバーの特徴

ゴールデン・レトリバーは訓練性に優れ、人間に従順であることから、長年警察犬や麻薬捜査犬、災害救助犬として人々の役に立っています。
ゴールデン・レトリバーには二種類おり、ずんぐりとしたマスティフ体型の「ブリティッシュタイプ」と細身のセッターに近い体型の「アメリカンタイプ」に分かれます。
2017年4月1日付のJKC公認災害救助犬頭数では、出動可能頭数が6頭でした。

◆ゴールデン・レトリバーの性格

ゴールデン・レトリバーは賢く、温和、とても友好的な性格を活かし、災害救助犬としても活躍しています。
人が大好きなために羽目を外しすぎてしまうこともしばしばあります。
そのため、お調子者と称する人も多いですが、災害救助犬として被災者を明るく支えてくれるキャラクターでもあります。
忍耐力にも優れているゴールデン・レトリバーは災害救助犬にぴったりの性格をしています。

◆ゴールデン・レトリバーの飼い方

ゴールデン・レトリバーは肥満になりやすい犬のため、運動量には注意が必要です。
股関節形成不全が遺伝性疾患のため、体重の増加は関節にも負担をかけるので避けましょう。
お調子者のゴールデン・レトリバーは、人間が大好きで、来客時に騒いだり、とびかかってしまうなどのトラブルも多いです。
見た目は優しそうですが、力の強い大型犬ですので、とびかかるだけで人にけがをさせてしまうことも考えられます。子犬のころからしっかりとしたしつけをすることが必要です。

◆ゴールデン・レトリバーの値段

ゴールデン・レトリバーの値段は、ブリーダーや店、血統などによって差があります。
一般的な相場はおよぼ8万円から15万円ほどです。


ボーダー・コリー

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牧羊犬として有名なボーダー・コリーは、人間の指示を聞く事のできる従順さと賢さ、警戒心を持ち合わせており、災害救助犬にピッタリの犬種です。

◆ボーダー・コリーの特徴

ブリティッシュ・コロンビア大学教授で、犬に関する著書も多いスタンリー・コレン氏が発表した「The Intelligence of Dogs」で、ボーダー・コリーは最も賢く知能が高い犬種と評価されました。
聡明なボーダー・コリーは、声や力を使わずに羊を誘導できるため、古くから優秀な使役犬として人間と共に歩む犬種で災害救助犬にピッタリと言えます。
体高は53センチほどのやや大型な中型犬で、毛色はブラックホワイトが多いですが、様々な色がスタンダード(犬種標準)として認められています。
身体つきもしっかりとしているという特徴があります。
2017年4月1日付のJKC公認災害救助犬頭数では、出動可能頭数が7頭と災害救助犬の中で四番目に多い犬種でした。

◆ボーダー・コリーの性格

賢く知性があり、人間に従順で、災害救助犬に向いている性格です。
家族には愛情深いですが、知らない犬には関心が薄く、犬同士で遊びよりも人間と作業するのを好みます。

◆ボーダー・コリーの飼い方

賢く、身体能力も高いボーダー・コリーは、災害救助犬などの使役だけでは無くフライングキャッチなどのアジリティドッグとしても活躍する犬種です。
遺伝性疾患として股関節形成不全が認められるため、肥満には注意が必要です。
ボーダー・コリーはブラックホワイトなど二色の毛色をした、上毛と下毛の二層構造をしたダブルコートの被毛を持つ犬です。
抜け毛が多く、毛玉になりやすいため、皮膚炎も起こしやすい犬種です。
そのため、スリッカーブラシやピンブラシ、コームなどを用いて日常的にブラッシングをする必要があります。

◆ボーダー・コリーの値段

ボーダーコリーの値段は、ブリーダーや店、血統などによって差があります。
およそ10万円から20万円ほどが平均的な値段です。


まとめ


災害が起こると、テレビに災害救助犬が映ることも多く、災害救助犬にはどんな犬種が選ばれているのか疑問に思った事のある方も多いのではないでしょうか。
災害救助犬は、賢く従順、勇気があり、かつ友好的な性格の犬種が選ばれる事が多いです。
その多くの犬種は災害救助犬だけではなく、警察犬や麻薬捜査犬、牧羊犬などの使役犬として活躍しています。
災害救助犬は、今回挙げた犬種の他にも、狭いがれきに入りこみ災害救助犬として活躍できる小型犬も多くJKC公認災害救助犬頭数に存在します。
災害救助犬について、ぜひ知識を持ち応援してくださいね。

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St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。

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