まずは「取ってこい」の楽しさを教えましょう!
公園やドッグランなどで、何度も飼い主の投げるボールを取りに行く犬や颯爽とフリスビーを追いかける犬を見て、我が家の愛犬にもと思う事もあるでしょう。
でも、実際には飼い主が投げてもまるで無関心、取りにいかない、取りに行ったまま戻ってこない…という事もあります。
犬はとても知能が高い動物ですから、無意味な運動をしたり、飛ぶ物を無条件に追いかけることはしません。つまり「意味」や「やりがい」を感じない限り、何度も繰り返取りにはいかないということです。
そこで、まずこの「取ってこい」の意味や楽しさを愛犬に教えることから始めます。
例えば、取ってこいをすることで以下のようなことを教えます。
・思い切り走りまわることが出来る
・飼い主とのコミュニケーションが図れる
・他犬と競争をしたり、一緒に走ることが出来る
・狩猟本能が刺激され快感を覚えることが出来る
今まで公園に行ってもただ飼い主と歩調を合わせ歩くだけだった日々に、運動やレクリエーションが加わることでいかに楽しくなるかを教えます。
その為には、ドッグランやロングリードの利用が可能な場所を見つけ、安全に愛犬を遊ばせることが出来る場所を見つけておきましょう。
公園によってはボールの利用の禁止、犬を遊ばせることを禁止している場所もあるのできちんと確認をしましょう。
愛犬への取ってこいの教え方【準備】
愛犬に取ってこいを覚えさせる時は、まず短い距離から練習を重ねます。
いきなりボールやフリスビーを遠くに投げても、なかなか犬がまっしぐらに走り取りに行くことはないので、あきらめずにいてください。
◆おやつキャッチで成功体験を繰り返そう
②愛犬の口もとめがけて小さなおやつを投げる。
③愛犬がおやつをキャッチ出来たら大いに褒めてあげる。
犬は獲物を捕まえる時、噛みつき捉えます。つまり、飛んできた物をそのまま口に咥えキャッチする習性がありません。
そのため、飼い主が軽く投げたおやつでもなかなか一度でキャッチできないことがあります。中には、あえて一回地面に落下させてから咥えることもあります。
◆「キャッチ」の声掛けでステップアップ
おやつのキャッチに次第に慣れてきたら、愛犬が口を開け、咥える瞬間に「キャッチ」と声をかけると次へのステップアップにつながります。
この練習を何度か繰り返すことで、飛んできた物を咥える練習をします。
◆褒めながらキャッチを教える
おやつのキャッチがスムーズにできるようになったら、数回に一度はおもちゃやボールを投げ、キャッチする練習をします。
成功するたびに飼い主が褒めてあげることで、犬は次第にキャッチすることの楽しさを覚えていきます。
愛犬への取ってこいの教え方【実践】
愛犬がキャッチを覚えたら、次は「投げた物を取ってこい」という遊びを教えます。
◆投げた物を追いかける楽しさの教え方
以下の教え方を試してみましょう。
②愛犬の目線がボールに注がれていることを確認したうえで、ボールを投げる。
③GO、行けなどの合図を出し愛犬のテンションを上げ、ボールに向かわせる。
④ボールの場所まで愛犬が到着したら、「キャッチ」と声をかけ咥えるよう指示を出す。
⑤「おいで」「バック」「カモン」などの声をかけ、飼い主の元で戻るよう指示を出す。
愛犬にどのように動けばよいのかを都度指示だしすること、成功したら褒めることを繰り返すことで、次第にお互いの息が合い楽しみながら練習を重ねることが出来ます。
愛犬がボールなどを持ち帰った時は大いに褒め、ご褒美におやつを与えます。このご褒美のおやつはごく少量でOKです。
犬が咥えたものを口から離さないときの対処法は?
取ってこいの指示でせっかくおもちゃを持って帰ってきても、愛犬が咥えたものを離してくれないことがあります。
◆咥えたものを離したがらない理由は?
犬が投げた物を追いかける、取りに行くという行動は、犬の狩猟本能を刺激します。
そのため、せっかく走っていき捕まえた獲物を無条件で他人に渡すことは当然嫌な気持ちになります。
中には嬉しそうに飼い主の元へ持ち帰ることもありますが、これは飼い主に渡すために持ち帰っているわけではなく、自分の獲物を自慢したいという思いからです。
◆無理強いしないことが大切
持ってきたものを渡して欲しいと思う飼い主と愛犬との間には、大きな考え方のすれ違いがあります。
このすれ違いを理解した上で、持ってきたものを渡すことを愛犬に納得させ、咥えているものを離してもらわなければなりません。
この時、飼い主が無理強いをしたり、無暗に叱ったり、力づくで取り上げるという方法をとると、次からは咥えた物をもってこない、逆に遠くに走っていくなどの失敗が起こります。
◆咥えたものを離してもらう方法
犬に咥えたものを離してもらうには、以下の方法を試しましょう。
①咥えた時点で大いに褒める。
②おやつを見せ、臭いを嗅がせ、お座りをさせる。
③おやつと交換で持ちかえったボールなど離させる。
おやつを食べるためには口を開け、咥えているものを離さなければならないですから、おやつと交換であれば無条件で離してくれます。
上級者にはオーダーレトリーブがおすすめ!
犬のトレーニングに「オーダーレトリーブ」という種目があります。オーダーとは「指示」を意味し、レトリーブは「運ぶ、持ってくる」を意味します。
これは飼い主、指示者が指定した物を咥え、取ってくるという訓練です。
本来は警察犬、盲導犬、介助犬などの使役に活用される方法ですが、ペットの運動、遊びにも大いにオーダーレトリーブは活用できます。
◆オーダーレトリーブの教え方
(猫のぬいぐるみであれば「ネコ」のようにです)
②愛犬が遊んでいる最中に「ネコ取ってきて」と指示を出す。
③愛犬が指示に従い探しに行ったら、大いに褒めてあげる。
④「おいで」「もってきて」などの言葉で指示を出す。おやつで呼び寄せてもよいでしょう。
⑤取ってきたら、おやつを与え交換条件でおもちゃを回収する。
この練習を何度か繰り返してゆく中で、以下の3つのポイントを意識しましょう。
・名前がついているおもちゃの数を増やす。
・かごなどにおもちゃを都度収納する。
・日ごろの遊びの中でおもちゃの名前を何度も呼ぶ。
何度も繰り返し遊ぶうちに、愛犬がおもちゃとその呼称をマッチさせて覚えるようになります。
◆オーダーレトリーブを応用して楽しもう
オーダーレトリーブを教えると、次第に愛犬のテクニックが向上し、「かごの中にたくさん入っているおもちゃの中から、飼い主の指示した物を探し出し持ってくる」という遊びや、室内でおもちゃを隠し愛犬に探させる宝遊びなどに応用できます。
中にはオーダーレトリーブの楽しさを覚え、数十個もあるおもちゃの山の中からお目当てのおもちゃを見つけ出せるという犬もいるほどです。
◆愛犬のストレス発散にもおすすめ!
犬の運動には、「筋肉を使う運動」と「知能を使う運動」との2種類があります。
犬の知能を使う運動は、人間が本を読んだり勉強をしたりすると、体を動かしたわけでもないのに疲労を感じることと同じ仕組みです。つまり、知能を使った運動をさせることで、ストレス発散効果が期待できるということです。
オーダーレトリーブでは、おおいにこの知能を使います。
雨の続く季節や平日など、忙しくなかなか十分な散歩時間を作れない時は、室内でオーダーレトリーブを繰り返し楽しむことを習慣にすると、愛犬のストレス発散に効果的です。
取ってこいやオーダーレトリーブのトレーニングに使えるおもちゃは?
愛犬に始めて取ってこいやオーダーレトリーブを教える場合は、使用するおもちゃが愛犬にとって魅力的でなければなりません。どんなおもちゃがおすすめなのでしょうか。
◆おすすめのおもちゃ①知育玩具
オーダーレトリーブの練習におすすめのおもちゃは、中におやつを詰めることが出来る知育玩具がよいでしょう。
中でも弾力があり弾み、適度な感触もあるコングはおすすめです。
コングはサイズも多様なので、小型犬から大型犬までベストな製品を選ぶことが出来ます。
上級者には水遊び用製品も発売されているので、水遊び、海遊びでも、取ってこいやオーダーレトリーブが楽しめます。
◆おすすめのおもちゃ②布素材のフリスビー
布素材で出来たフリスビーも活用できます。布製なので軽くて遠くまで投げ易い上に、愛犬がキャッチをするときにたとえ失敗をしてもまるで痛くないので、怖がらずにキャッチの練習が出来ます。
また、休憩時間にはこのフリスビーをお皿代わりにおやつを入れ食べさせると、ますますこのフリスビーを大事に思い一生懸命に追いかけてくれるようにもなります。
◆おすすめのおもちゃ③音のなるおもちゃ
なかなか取りに行くことに熱意が沸かないタイプの犬には、ピーピーと甲高い音のするおもちゃがおすすめです。ゴムのおもちゃなど軽量で弾むものがよいでしょう。
この音は犬の狩猟本能を刺激し、注意を集中させる効果がありおすすめです。
まとめ
「取ってこい」や「オーダーレトリーブ」は、まずはその楽しさを教えること、叱らずに楽しみながらお互いが取り組むことが成功の秘訣です。
何度か練習を重ねるうちに、次第にボールやフリスビーを見ただけで愛犬が投げて欲しいと催促をするようにもなるので、ぜひいろいろな場所へ出かけ愛犬と楽しい時間を過ごしましょう。
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