1.そもそもケージってなに?
1-1.ケージとサークルとの違いは?
1-2.ケージとクレートとはどこが違う?
2.犬にとってのケージのメリット
2-1.メリット1:留守番のときの犬の安全配慮
2-2.メリット2:犬のリラックス空間となる
2-3.メリット3:来客時や作業時の避難場所になる
2-4.メリット4:多頭飼いで管理が楽になる
2-5.メリット5:災害時のストレスが軽減できる
2-6.メリット6:落下物から守る
3.ケージを使うときの注意ポイントは?
3-1.ケージにずっと入れたままにしない
3-2.犬にケージの悪いイメージを持たせない
3-3.体に合ったサイズのケージを準備する
3-4.ケージのなかを清潔に
3-5.設置場所に注意する
【掲載:2018.05.09 更新:2020.06.15】
そもそもケージってなに?
「ケージ」は、周囲がフェンスで囲まれている空間で、犬にとっての「ハウス」「お部屋」のような感じのスペースです。
犬用のアイテムで「ケージ」「サークル」「クレート」などという単語を耳にするかと思います。
イメージ的には、どれも「ワンちゃんが入るスペース」で似ている気がするものですが、これらの違いはいったい何なのでしょうか?
◆ケージとサークルとの違いは?
ケージとサークルを見ると、どちらもフェンスで周囲を囲まれていてまるで「檻」のよう。
一見同じように見えますよね。
しかしよく見ると、ケージには屋根がありますが、サークルには屋根がありません。
ケージは、上下の天井と床、左右の側面すべてが完全にフェンスで囲まれている状態です。
出入りできる部分は「扉」だけ。
そのため、扉を閉めておけば、犬が自力で外に飛び出すことはできません。
一方のサークルは天井である屋根がありません。
扉だけでなく、上からもサークル内への出入りが可能。
軽いワンちゃんなら、抱っこするなどで天井部分から出し入れをすることもできるでしょう。
飼い主さんがサークル内のお手入れをしやすいメリットもありますね。
ただ、屋根がないのでサークル内で犬が二本足で立ちあがって跳ねることもできます。
犬の大きさによっては、立ち上がってジャンプした隙に飛び出してしまうこともあるかもしれません。
それに、天井面がないため、サークル自体の強度はあまりありません。
犬がジャンプでフェンスに前足をかけると、その勢いでサークルが倒れたり動いたりするなどの危険もあります。
「屋根」があるケージなら、上面と側面、そして床面がすべて固定されているので、強度もあり犬の安全に繋がっています。
◆ケージとクレートとはどこが違う?
クレートは、キャリーと呼ばれることもある持ち運びできる犬のケースです。
ケージやサークルは周囲がフェンスになっていて、なかに入っても周囲を見渡せます。
しかし、クレートは扉以外の部分が壁のようになっていて、犬の視界を防ぎます。
周囲を見えなくすることで、外出時に犬が動揺しないようになっています。
基本的に、病院に行く、乗り物に乗せるなど外出時にクレートを使う飼い主さんも多いかと思います。
犬にとってケージのメリット
「室内犬にケージが必要」と聞くと、「閉じ込めて生活させるのでは?」と誤解する人もいるかもしれませんが、ケージから全く出さずに生活させるわけではありません。
必要に応じてケージに入ってもらう形で、基本的には人間と一緒にリビングで過ごすことになるかと思います。
そこで、犬にとってのケージのメリットを紹介していきます。
◆メリット1:留守番のときの犬の安全配慮
ケージの一番のメリットと言うと「留守番時の安全確保」をあげることができます。
室内飼いで犬を留守番させるときは心配がつきもの…。
特に不安なのが「誤飲」ではないでしょうか。
ケージに入れず、犬が自由にできる状態で留守番させた場合、飼い主さん不在で暇な犬は、部屋のなかをウロウロと動き回るものです。
犬は人間よりも低い視点なので、ダイニングテーブルの足元、ソファーの後ろ、ゴミ箱の下など、人間が気づきにくい位置に何かが落ちているのを発見することが多々あります。
例えば、人間が食事のときにこぼしたもの。
タマネギやネギなど「犬が食べると危険」な食材が落ちることもあるでしょう。
それに飼い主さんが気づかないまま外出、犬が口にすると中毒症状で危険な状態になる可能性もあります。
また、お菓子に入っている乾燥剤、何かを留めていた輪ゴム、飼い主さんがふだん飲んでいる薬…など、家のなかには犬の体に危険を及ぼすものはたくさんあります。
仮に犬が飲んでしまって体に異変を起こしても、人間が見ていない留守中の出来事なら「誤飲したの?」「単に具合が悪いの?」と予想がつきません。
誤飲した雰囲気があっても何を飲み込んだかは検討がつかないでしょう。
飼い主さんとしては、具合が悪くなっている犬を病院に連れていくことだけしかできませんよね。
場合によっては緊急手術になるなど、留守中の誤飲は大きなリスクがあることなのです。
また、ケージはケガの防止にも繋がります。
大型犬や運動好きな犬は、留守番中に家のなかでアクティブに動き回るでしょう。
でも、イスやテーブルに飛び乗ってジャンプすれば、着地の失敗でケガをすることもあるかもしれません。
食器棚や本棚に激突して、お皿や本が落ちてくる可能性もあります。
犬にとってはかなり危険なことです。
このように誤飲やケガを防ぐためには、犬の留守番ではケージの使用が安心に繋がります。
◆メリット2:犬のリラックス空間となる
狭いケージのなかは、犬とって安心できる空間になりやすいです。
そもそも野生の時代の犬は、暗くて狭い穴を寝場所にしていました。
狩りをするために体力を温存しなければならないので「寝ること」には重要な意味を持ちます。
休息不足で敵に攻撃されると大変なことになるでしょう。
そこで、自分の体にぴったりな狭さ、周囲を警戒しなくても済む壁に包まれた暗い場所の巣穴が寝場所として最適だったのです。
そのため、犬には「狭くて暗い空間が落ち着く」という習性が備わっています。
ソファーの下にもぐったり、布団のなかに入ったりなど敢えて狭い空間を見つけることもあるでしょう。
そんな本能を満たすケージは、犬にとっては心地よい休み場所と考えることができます。
人間は「ケージに閉じ込めると気が引ける…」とマイナスイメージを持つかもしれませんが、犬的には慣れると「落ち着く自分だけの空間」になるかと思います。
犬にだって、「ひとりになりたいとき」があるかもしれません。
飼い主さんから怒られた後や雷がなって怖い瞬間など、犬が自由に避難できて落ち着くケージを準備してあげるのは飼い主さんにとって大事なことなのです。
◆メリット3:来客時や作業時の避難場所になる
来客があって犬をリビングに自由にさせておくわけにはいかないときもあるかもしれません。
また、「電気やエアコンなどの業者さんが作業をする」「購入した家具を搬入してもらう」などの作業時には、犬が室内で動いているとスムーズに進まないものですよね。
そんなときにケージに入る習慣ができていると、対応がしやすく、犬の安全にも繋がります。
◆メリット4:多頭飼いで管理が楽になる
複数の犬を飼っている家庭では、食事時間は」犬同士で混乱が起きやすいのではないでしょうか。
犬は身体の大きさや年齢、病気の有無によって、食事内容が異なるもの。
同じ時間帯に同じ場所で食事をさせると他の犬のフードを食べるなど食事管理が難しくなります。
ケージに入れて一頭ずつ食事をさせると混乱もなくなるので多頭飼いには、メリットとなるでしょう。
◆メリット5:災害時のストレスが軽減できる
地震など災害のときには、人間も犬も避難場所で過ごさなければならないときもあるかもしれません。
そんなときにもケージ慣れしている犬はストレスになりにくく安心です。
移動もしやすいですし、「犬はケージやクレート内で」と指定されてもスムーズに避難ができます。
ケージ慣れしていない犬は、急に閉じ込められるストレスで体調を崩すケースもあると言われています。
◆メリット6:落下物から守る
地震によって、家具が倒れたり、棚から本などが落ちたりする心配もありますよね。
屋根があるケージなら落下物が犬を直撃しないので、少しは安心感に繋がるかと思います。
留守番のとき、就寝中など飼い主さんが愛犬に目が届かないときをメインにケージに犬を入れておくという飼い主さんも多いようです。
ケージを使うときの注意ポイントは?
メリットを考えると犬との暮らしではケージは必要なものと考えることができます。
ただ、単に「あればいい」というものでもありません。
犬にとって心地よくて居心地の良い空間になるように、飼い主さんの方でも注意ポイントを心得ておくことが大事です。
◆ケージにずっと入れたままにしない
犬のプライベート空間として重要なケージ。
だからと言って一日中ケージに入れたまま過ごさせるとストレスになります。
留守番中や睡眠時など、必要に応じてケージに入れるようにしましょう。
◆犬にケージの悪いイメージを持たせない
犬には、「自分だけの場所だな」「ここに居ると落ち着くな」とケージにプラスの感情を犬に持ってもらうようにすべきです。
そのため、「悪いことしたからケージに入りなさい」という感じで、罰的な意味でケージに入れることは止めるべきでしょう。
犬は、「ケージ=悪いことをしたら入れられる場所」と結びつけて、ケージを嫌がるようになります。
愛犬の好きな空間にするように配慮してくださいね。
◆体に合ったサイズのケージを準備する
犬が「暗くて狭い場所が安心する」と言っても体に適していない狭すぎるケージを選ぶと窮屈過ぎて逆にストレス空間に…。
小型犬なら小型犬、大型犬なら大型犬と愛犬のサイズを考えて選んでくださいね。
◆ケージのなかを清潔に
留守番時にケージを使用する場合には、トイレも一緒にセッティングすることになるでしょう。
トイレが一緒のケースは、尿の飛び散りでケージの床やフェンスにニオイが付着して不衛生になることもあります。
定期的にお手入れをしてあげてくださいね。
また、愛犬の寝室としてケージを活用する場合、ゆっくり休めるようにベッドや毛布を準備してあげるかと思います。
ベッドや毛布を交換せずにずっと使い続けるのも衛生的にはNGです。
汚れたベッドのまま使用すれば、犬の皮膚の健康によくありません。
人間の寝室同様、寝具の洗濯やケージ内の拭き掃除などお手入れをしっかり、清潔空間をキープしてくださいね。
◆設置場所に注意する
家族の集まるリビングに犬用のケージを置く飼い主さんが多いようです。
ただ、リビングと言っても置き場所にも配慮が必要です。
日の当たり過ぎる窓際だと、夏には「暑過ぎる」という問題も出てきます。
暑過ぎるのも寒過ぎるのも体調を崩す原因になるのですが、エアコンの風が直接当たらず、適度に空気が循環するような場所を見つけてあげましょう。
また、窓際に設置すると、ケージから家の外が見え、犬が毎日人や自動車の往来に反応して落ち着くどころではないかもしれません。
そして、食器棚や本棚など地震のときに落下物があたるような場所も避けた方がいいでしょう。
愛犬が落ち着く場所を家族みんなで考えてみてくださいね。
犬のケージの必要性に関するまとめ
犬との暮らしが未経験の人は「ケージは可哀相」というイメージを持つかもしれません。
でも、実際には「狭いスペースに安心感を抱く」という犬の習性にマッチしている空間で、犬にとっては心地よい空間と言えるでしょう。
留守番や夜間時には、安全な寝場所となってくれる必要性のあるアイテムです。
ただ、「犬のサイズに合っていない」「いつも閉じ込めている」など間違った活用法をすると、犬にとっては嫌な空間になってしまいます。
ケージの設置場所にも配慮し、「愛犬が落ち着ける空間」になるように考えてあげてくださいね。
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