犬の睡眠時間は人間よりも長い?短い?犬の年齢によっても違う?

2020.05.19

犬の睡眠時間は人間よりも長い?短い?犬の年齢によっても違う?

犬と一緒に過ごしていると、昼間もウトウトと昼寝をしだし、そんなに寝て大丈夫かな?と心配になっても、夜もきちんとぐっすり寝ますよね。 飼い主さんよりもたくさん寝る時間があって羨ましいなんて思ってしまう事も。 今回は、犬の睡眠時間についてお話します。 睡眠時間が十分に取れないと、体に危険信号がともっているサインかもしれません。 あなたの愛犬は睡眠時間、足りていますか? ぜひ参考にしてみてくださいね。

【掲載:2018.03.21  更新:2020.05.19】

犬が昼間によく寝る理由

犬 睡眠時間

散歩する時や遊んでいる時以外は、ウトウトと昼寝をしている犬に、なんだか羨ましいなと思ってしまう事はありませんか?
実は、犬が昼間によく寝るのには2つの訳があるのです。

◆もともと夜行性だった名残

1つ目の昼間に良く寝る理由は、「もともと夜行性だった名残」です。
犬は昔、夜に行動する夜行性でした。
夜行性ですから、自分の気配を消しやすく、狩りがしやすい夜に行動して、昼間はずっと寝ています。

やがて、犬が人間と一緒に暮らし始め、人間が昼間は起きて夜は寝るというリズムに犬が合わせるようになり、夜に長く寝るようになりました。
犬の適応能力が高いと言われる一面ですね。

しかし、日が昇っている日中に活動せずに夜に活動する夜行性の名残があり、昼間にウトウトと昼寝をする事が多いようです。
犬と人間とが暮らし始めるようになった歴史からすれば、まだまだ夜行性の習性を完全に消すには少ない時間なのかもしれませんね。

◆敵の気配をすぐに感じられる眠り方を長時間行うから

2つ目の昼間に良く寝る理由は、「敵の気配をすぐに感じられる眠り方を長時間行うから」です。
犬は狩りをする動物でしたが、同じように狩られてしまう動物でもあります。
敵に見つかった際は、寝ているときでも気配をすぐに感じ取り、逃げなければ捕まってしまいます。

犬や人間が眠るという行為には2つ存在し、“ノンレム睡眠”“レム睡眠”に分かれます。

深い眠りの“ノンレム睡眠”を行うと、体も脳も眠っている状態ですので、体力回復は早いのですが、周りの気配を感じ取る事はできません。
反対に“レム睡眠”を行うと、体は休んでいる状態になりますが、脳は起きている状態になりますので、数少ない物音などの周りの気配を読み取って、危険と判断すればすぐに逃げる事が可能です。

野生時代は多くの敵と隣り合わせで暮らしていましたので、脳も寝てしまうノンレム睡眠よりも、割合としては少ない体力回復でもレム睡眠を多くとって、体力を回復させていました。
レム睡眠は脳が起きている状態ですので、体力回復をするためには、行動の合間で何度も睡眠を行い、トータルで長時間の睡眠をとる必要があります。

反対に、人間はレム睡眠よりもノンレム睡眠を多くとることによって、短時間の睡眠でも体力回復ができる生物です。

犬のレム睡眠:ノンレム睡眠が8:2であるのに対し、人間のレム睡眠:ノンレム睡眠が2:8と言われていますので、犬は圧倒的にノンレム睡眠が少ない動物で、犬が少しの物音でも目覚めやすい浅いレム睡眠を何度も繰り返して体力を回復させているのがお分かり頂けると思います。

昼間の寝ている最中でも、大きな物音がすると犬がすぐに起き上がるのは、このレム睡眠を長くとっているからなのです。

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犬の平均的な睡眠時間は何時間?

では、犬の平均的な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。
ワシントン大学での調査結果が出ていて、全犬種を対象とした犬の平均睡眠時間は10.6時間と言われています。
また、年齢ごとに必要な睡眠時間は違うのをご存知でしょうか。
幼犬(1歳まで)、成犬(1歳以上7歳未満)、老犬(7歳から)で詳しく見ていきましょう。

◆幼犬(1歳まで)

幼犬(1歳まで)は、好奇心旺盛で新しい事をどんどん吸収し、あちこちとせわしなく動きます。
生まれたばかりで体も出来上がっていないのにも関わらず、かなりのエネルギーを消費しながらあちこちと動き回るので、体力回復にもたくさんの睡眠時間を必要とします。
幼犬の平均睡眠時間は12時間~18時間と言われています。
初めてお家に犬を迎え入れた方は、たくさん犬と遊んであげたいという気持ちもわかりますが、子犬の睡眠時間もたくさん確保してあげないと、もともと少ない体力がすぐに力尽きてしまうので注意してあげて下さいね。

◆成犬(1歳以上7歳未満)

成犬(1歳以上7歳未満)の平均的睡眠時間は12~15時間と言われています。
人間の成人では平均睡眠時間が8時間ですので、飼い主さんよりは長い睡眠時間が必要なのですね。
また、人間の赤ちゃんの3歳ごろまでは、この12~15時間ぐらいの睡眠が平均的ですので、犬は人間の赤ちゃんぐらいの睡眠を必要とする生き物だと言えるでしょう。

◆老犬(7歳から)

老犬(7歳から)の睡眠時間は、成犬よりも多くなります。
老犬の睡眠時間は12時間~18時間と言われています。
これは、体力が衰えてくるのが原因で、体力の回復も若いころと比べると落ちてきてしまいます。
体力の回復までの時間が多く必要とするために、睡眠時間も長時間になる傾向にあります。
長生きすればするほど、起きている時間は少ない状態になり、寝ている時間が非常に多くなります。
老犬は、ご飯やトイレ以外の時間はいつも寝ているという状態になりやすいです。
人間のおじいちゃん、おばあちゃんを思い起こせば、こちらも納得がいきますね。

また、犬の大きさによっても睡眠時間は異なります。
体が大きい大型犬になればなるほど睡眠時間が長く、体が小さい小型犬になるほど睡眠時間が少ないと言われています。
自然界でも体が大きい象などの睡眠時間は長いのに対し、ネズミなどの小型動物では睡眠時間は少ないですよね。
それと同じ事が、犬の体の大きさにも言えるという事です。

ある著書では、睡眠時間が10時間以内の犬はストレスが高く、20時間以上睡眠時間が確保されている犬は最もストレスが少ないとまで書かれているほどです。
20時間以上寝ていたら、飼い主さんと遊ぶ時間も無くなってしまうのではと心配になってしまいますね。
たくさん寝て、空いた時間で思いっきり遊び、ご飯やトイレ、散歩をすませてまたウトウト寝るといったサイクルが犬にとってとても充実している時間の過ごし方なのかもしれませんね。

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犬の睡眠時間が短い原因は?

犬 睡眠時間

本来であれば、長い睡眠時間を必要としている犬ですが、睡眠時間が短いと感じられることがあります。

それは、前述したように「レム睡眠」を多くとっているから。
ちょっとした物音ですぐに目を覚ましたり、飼い主が体を動かした瞬間に気付いてこっちを見たりと、飼い主は犬が横になっているにも関わらず寝ていないような錯覚に陥ります。
人間では深い眠りに入れば少々の物音でも起きませんし、名前を呼んでも寝たままですよね。
反対に犬は寝ているかなと思っても、すぐに起き上がって物音をする方へ駆け寄ったり、名前を呼べば耳が動いたり飼い主の方へ歩いてきたりします。

犬は睡眠時間が短いというのではなく、深い眠りのノンレム睡眠が少なく、浅い眠りのレム睡眠が多いことから短く感じるのだとされています。
犬と人間で寝ている時間のトータルで見れば、成人の必要睡眠時間が7~9時間と言われていますので、犬の12~15時間は約2倍も多く寝ているという事になります。

また、睡眠時間が12~15時間と取れていればよいのですが、何らかの原因によって犬の睡眠時間が短くなってしまうことがあります。
その犬の睡眠時間が短くなる原因は主に3つです。

①周囲がうるさい

犬はレム睡眠が多い生き物ですので、寝ている間に何か物音があると、すぐに起きてしまいます。
うるさい環境がずっと続くと、少ない睡眠時間が何日も続き、慢性的な睡眠不足に陥ってしまいます。
人間には聞こえない音も、犬は耳が良いので聞こえると配慮して、なるべく静かな環境で眠らせてあげたいですね。

②ストレス

人間と同じく、犬がストレスを抱えている場合は、睡眠がとれなくなる場合があります。
十分に運動させてあげていない、散歩に行っていない、お留守番をさせる時間が長いなどの心当たりはありませんか?
犬は飼い主と一緒に過ごす時間が何よりも幸せで、散歩もとても楽しみにしているひと時です。
犬がストレスを抱えないよう、少ない時間からでもいいので、思いっきり一緒に遊んであげて下さいね。

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③病気

犬が病気にかかり、体のどこかに痛みが生じた場合、痛みによって眠ることができずに睡眠時間が短くなってしまいます。
犬がお腹周辺に痛みを抱えている場合、うずくまったり丸まったりしている場合が多く、飼い主が触ろうとすると「ウ゛-」っと唸ったりする子もいます。
また、犬にはまれな病気ですが、甲状腺機能亢進症というホルモン分泌が過剰になる症状がある場合、異常に運動が活発になって興奮しやすく、睡眠時間が少ないという報告もあります。

犬の睡眠時間が短いなと感じたら、普段の様子をしっかりと観察して、ほかに症状がないかをよく確認しながら動物病院に相談に行って下さいね。

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十分な睡眠がとれないとどうなる?

犬 睡眠時間

犬が十分な睡眠時間が取れないとどのようになるのでしょうか。
人間でも睡眠時間の確保ができないと、体調を崩したり、精神的疾患にかかってしまったり、大きなミスを犯したりと、日常生活にさまざまな支障をきたします。
それは犬も同じこと。

犬の睡眠時間が十分に確保できないと、人間と同じようにストレスを抱え、体力の回復も遅れる事で免疫力の低下を引き起こし、体調不良へとつながってしまいます。
毎日元気に過ごせないのは、犬にとっても飼い主にとっても悲しいですよね。

ストレスを抱えたままでは、飼い主との良好なコミュニケーションを図る事も難しいですし、人間と一緒に暮らすためのしつけも行いにくくなってしまいます。

犬には十分な睡眠を確保してあげて下さいね。



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根っからの動物好きで、散歩で出会った犬は必ず声をかけて触らせてもらいます! 犬といると幸せ過ぎて顔がにやけてしまいます。皆さんがもっと犬好きになるよう、心に残る記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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