1.食事時間はわずか3秒!どうして早食い、丸飲み食いをしてしまうの?
1.早食いは野生の頃の食事環境の名残り
2.ドッグフードの早食い・丸飲みが危険な理由は?
2-1.生肉とドッグフードのちがい
2-2.腸ねん転が起こる危険性がある
2-3.ドライフードが喉に詰まる危険性も…
2-4.下痢、軟便が続く場合はSOSのサイン
3.早食いしやすい犬種がいる?特徴は?
3-1.早食いしやすい犬種は?
3-2.早食いしやすい犬種の特徴は?
4.犬の早食い、丸飲みの対処法は?
4-1.対処法①超小粒フードで喉のつまりを予防しよう
4-2.対処法②スープご飯で無理なくゆっくり食べに
4-3.対処法③早食い対策に効果的な食器を使う
【掲載:2018.10.24 更新:2020.2.25】
食事時間はわずか3秒!どうして早食い、丸飲み食いをしてしまうの?
愛犬のためを思いせっかく美味しいドッグフードを用意したり、手作り食を用意しても、いつもほんの数秒で完食してしまう愛犬の食事に心配な気持ちになりませんか?
量が足りない?粒のサイズ選びを間違っている?いろいろな理由を考えるでしょう。
◆早食いは野生の頃の食事環境の名残り
実は、このような食事の習慣は、全ての犬が持ち合わせている習性であって、決して特別なことではありません。
犬は本来、野生環境で生活をする動物です。肉食動物が獲物を入手し食事を済ませるためには、常に様々な危険が伴うので、その場に立ち止まり、ゆっくりと時間をかけることはできません。まずは入手したその場で獲物を丸飲みし、自分の分を確保してその場を立ち去ろうとします。
つまり、その場でゆっくりと食べ物をかみしめ、咀嚼する習性自体がないということです。
この習性は犬が家庭のペットとして暮らし、毎日同じ時間に食事をもらえる安定した生活の中でも、変わることなく受け継がれています。
ドッグフードの早食い・丸飲みが危険な理由は?
犬本来の習性から考えると、早食い、丸飲み食いに問題がないかの様に思えますが、これはあくまでも野生環境下で食事をする場合に限っています。
◆生肉とドッグフードのちがい
野生環境下で入手できる獲物、食事は全て生肉です。柔らかく、消化がスムーズな生肉は、短時間で消化吸収ができ、胃腸への負担もかかりません。
しかし、ペットとして暮らすうえで犬が毎日食べているドライフードは、必ずしもこのパターンに当てはまりません。
市販のドライフードは、含有水分量が10%未満に加工されています。一方、生肉や手作りごはんの含まれる含有水分量は60~70%あります。この水分量の差は消化吸収の場面に大きく影響します。
◆腸ねん転が起こる危険性がある
ドライフードは食後に胃の中で胃液を吸収し、数倍に膨張します。この膨張が起こると、犬の胃が数倍に膨れ上がることになります。
この急激な膨張を意識せずに犬が食後の運動をしたり、はしゃいだりという事があると、腸がねじれ、激痛が走る「腸ねん転」が起こることもあり大変危険です。
◆ドライフードが喉に詰まる危険性も…
日常的に早食い、丸飲みを繰り返すと、喉や胃に都度相当な負担がかかります。ドライフードは少量の水を含むと油分が解けだし、粒同士が密着するので、固まったドライフードが喉に詰まることもあります。
このような症状は突発的に起こり、時には発見が遅れ死に至ることもあることをしっかりと覚えておきましょう。
◆下痢、軟便が続く場合はSOSのサイン
愛犬の食事が体質に合っているのか、胃腸へ負担がかかっていないのかなど気になる場合は、便の状態をこまめに確認してあげましょう。
胃腸機能へ負担がかかっている場合は、下痢、軟便などの症状が続きます。慢性的にこのような症状がみられる場合やドッグフードに粒上の成分が未消化のまま排泄されている場合は、より消化吸収の良いドッグフードに切り替えてあげましょう。
早食いしやすい犬種がいる?特徴は?
ドッグフードの早食い、丸飲み食いをしやすいのは、どんな犬でしょうか。
◆早食いしやすい犬種は?
早食い、丸飲み食いが目立つのは、主に一部の小型犬、中、大型犬です。
代表的な犬種では、以下の犬があげられます。
・フレンチブルドッグ
・ビーグル
・コッカー
・レトリバー
・コーギー
◆早食いしやすい犬種の特徴は?
これらの早食いしやすい犬種には、共通している特長があります。
・食欲が旺盛
・食べ物への執着が強い
・口角が広い、口が大きく開く
このような犬種のための食事は、つい大粒のドッグフードを選んでしまいがちです。ドッグフードのパッケージにも小粒は小型犬用、大粒は中大型犬用と区分されていることもあるでしょう。
しかし、ドッグフードの給与量はg数で目安が決められているので、粒の大きさには関係ありません。小粒でも大粒でも、必要な給与量を与えさえすれば栄養面の問題はないということです。
犬の早食い、丸飲みの対処法は?
愛犬の早食い、丸飲み食いの問題点を理解しつつも、実際の改善策が思い当たらないという方が多いことでしょう。
飼い主が声をかける、そばで見ている程度では、この問題は解決しません。逆にこのような行為はかえって犬を刺激してしまい、食事を横取りされてしまうのでは?と余計な焦りを与えてしまい、ますます食事のスピードが上がってしまいます。
早食い、丸飲み食いが目立つ犬種には、あえて小粒のドッグフードを与えるという方法をお勧めします。
◆対処法①超小粒フードで喉のつまりを予防しよう
どんなに飼い主がしつけをしたり、食器などで物理的な対策をしても、なかなか改善しない、より万全な対策を講じておいてあげたい場合には、小粒のドッグフードをあえて選びましょう。
小粒のドッグフードであれば、たとえ早食い、丸飲み食いをしても、喉につまりにくい上に、消化吸収も大きな粒の物を消化するよりも負担が少なく済みます。
また、小粒のドッグフードは丸飲みを使用としても口の隙間から零れ落ちやすく、一気に口へ運ぶことが出来ないという点でも非常に効果的です。
どんなに粒が大きなドッグフードを選んでも丸飲みをする習性には変わりがなく、粒が大きくなる分リスクが高くなることを理解しておきましょう。
◆対処法②スープご飯で無理なくゆっくり食べに
犬の食欲や食べ方を、しつけや工夫でコントロールすることはなかなか難しいものです。
しかし、その危険性を知ると今後は何かしらの対策を講じなくてはと思うでしょう。
また、すでに腸ねん転や嘔吐などのトラブルを経験している場合、再発の不安も毎食生じるものです。
そのような場合や専用食器が手元にない場合に簡単に出来る早食い、丸飲み食いの対処法は、ドッグフードを与える時に器に十分な量の水を入れ、ドッグフードを浮かべるようにした状態で与える方法です。
犬は食事をするときに自分の舌をスプーンの様に使います。この時水分が多く掬われてしまうと、なかなかドッグフードを掬えず必然的にゆっくりと食事をせざるを得ないことになります。
この方法は不足しがちな水分の摂取や急激な胃腸内での膨張を防ぐ効果もあり、手軽で効果的です。
◆対処法③早食い対策に効果的な食器を使う
早食い対策には、焦りを与えるのではなく、物理的な対策が効果的です。市販の犬用食器の中には、器の中にランダムに突起があり、ドッグフードを丸飲みしようにも突起が邪魔になり一気に食べることの出来ないユニークな製品があります。
同様に知育玩具スタイルで内部にドッグフードを詰め込み、転がす、噛む、回転させるなどの手順を踏まないと内部のドッグフードを取り出すことが出来ない製品もあります。
このような製品は物理的に早食い、丸飲み食いを予防出来おすすめです。
もちろんこのような工夫をすると早食い、丸飲み食いが習慣化している犬にとっては苛立ち、歯がゆさを感じるものですが、そのストレスは飼い主に向かうものではないので、お互いの関係を良好に保つことも出来ます。
飼い主としては愛犬が手間取っている様子を見てかわいそうという気持ちを抱くこともありますが、突発的に起こる病気を予防するためと考え、おおらかに見守ってあげましょう。
早食い直後の嘔吐の対処法は?
早食い、丸飲み食いをする犬の中には、食べた直後にドッグフードを吐き戻すことがあります。
未消化のままのドッグフードが吐き出されていて、吐き戻したドッグフードを直後に再度犬が食べようとする場合は、病的な嘔吐ではなく問題ありません。飲み込む段階で喉に詰まったり、異物感があったことで一旦吐き出し、再度落ち着いて食べようという生理現象です。人間が喉に食べ物を詰まらせた時にせき込む行為に似ています。
ただ、もし吐き戻したドッグフードに犬が口をつけないでその場から立ち去ろうとする、吐いた直後にぐったりとした表情を見せるという場合は、病的な嘔吐や胃腸トラブルの可能性があります。
このような嘔吐を繰り返す場合は、動物病院を受診しましょう。
犬の早食いに関するまとめ
犬の早食い、丸飲み食いは決して笑いごと、見過ごして安全な行動ではないので、ぜひ今日から何かしらの対処法を講じ突発的なトラブルを予防してあげましょう。
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