隣人の家に入り込んでしまった子犬のコーラ
タイのバンコクで暮らしていた一匹の犬「コーラ」に起きた悲劇も、不幸な結末を迎えたものの1つでしょう。
ある日、好奇心旺盛でやんちゃなコーラは、遊んでいるうちに隣家の敷地に入り込んでしまい、そこにあった住人の靴を噛んでダメにしてしまったのです。
飼い主の女性は謝罪し、靴を弁償しましたが、隣人の怒りは解けませんでした。
激怒した隣人から信じられない復讐が…
コーラは、まだ生後9か月のオスの子犬。犬を飼ったことのある人ならば、この場合子犬を責めることは無意味であることが分かるでしょう。
けれども、不幸にもコーラの隣人はそうではなく、激しい怒りをコーラにぶつけたのです。
なんと隣人は、刃物でコーラの前脚を2本とも切断するという、信じがたい行動に出ました。その上、他人に言えば他の2匹も殺す、と飼い主を脅したのです。
飼い主はあまりの恐ろしさに、動物愛護団体であるThe Soi Dog Foundation(SDF)に連絡。連絡を受けた動物保護団体はすぐに警察に通報し、逮捕された隣人は1ヵ月の懲役となりました。
タイでは2014年に動物愛護法が施行されたばかりでしたから、もしこれがもう少し前の出来事であったなら、罪に問うことすら難しかったかも知れません。
瀕死の状態で動物保護団体に救助されたコーラ。生死の境をさまよった末に一命は取り留めたものの、前脚を失い、立ち上がって後ろ足で跳ねるように移動するしかなくなってしまいました。
義足を装着することに!
コーラの治療を担当した医師は、コーラの体調の回復を待って義足を装着することにしました。パラリンピックの選手が装着するような、高性能の義足です。
コーラは義足を装着すると、再び自由に走れるようになりました。助けてくれた人々にも精一杯の親愛の情を示して駆け寄り、楽しそうに飛び跳ねて見せました。
過酷な経験をしたにもかかわらず、人間に対する信頼を失っていないことに、動物愛護団体の人々も喜び、安堵したことでしょう。
様々な事情により、コーラの飼い主は彼を引きとることはなく、動物愛護団体は新たな飼い主を探すことになりました。
新しい家族を見つけたコーラ
幸運なことに、コーラの新しい家族はすぐに決まりました。
動物愛護団体メンバーの一人でもある、ジョン・ダリーさんの奥さん、ギルさんです。ギルさん自身、保護犬に噛まれて足を失っており、義足をつけていました。
足を奪われてなお、人を愛することをやめなかったコーラと、同じ様に犬を救うことをやめなかったギルさんは、今は強い絆で結ばれ、動物愛護団体の本拠地のあるプーケット島で幸せに暮らしているそうです。
<参考サイト>
https://www.facebook.com/SoiDogPageInEnglish/
https://www.facebook.com/janis.rosenthal.96
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