パピーミルから救われた犬たち
営利を目的として愛玩動物を大量に繁殖させる悪質な繁殖業者、パピーミル。
カナダにあったその恐ろしいパピーミルに、動物看護師であるジョアンナさんがやってきたのは、2004年のことでした。
彼女達の目的は、そこに住む80匹以上の犬のうち約20匹の犬を安楽死させること。
当時を振り返り、ジョアンナさんはそのパピーミルの酷さを語っています。「私達はなかなか中へ入ることができませんでした。あまりにもヒドイ臭いで吐き気が止まらなかったんです。」
ジョアンナさんともう一人の動物看護師は、安楽死させる予定だった20匹も含め全部の犬を救助し、代わりに里親を探してあげようと決意したのでした。
引き取り手が見つからなかった一匹の犬
その安楽死させる予定だった20匹の犬のリストの中に居たゴールデンレトリバーのスマイリー。彼は、生まれつき盲目で発育障害を持っていました。
それらの障害が原因なのか、他の犬達がどんどん里親に引き取られていく中、スマイリーだけが取り残されてしまったのです。
感動的な救助作戦に成功したジョアンナさんは、スマイリーと過ごしているうちに「この子はうちで暮らす運命なんだ」と感じるようになったと言います。
最初は怖がりで新しい生活に馴染む事ができなかったスマイリーも、徐々に本来の愛らしさが出てくるように。
スマイリーは、ジョアンナさんの祖母が住む老人ホームへ一緒に出向くようにもなりました。
その時、老人ホームの人達に元気を与えるスマイリーの姿を見て感動したジョアンナさんはこう思います。「彼はきっと素敵なセラピー犬になるわ」
セラピー犬として活躍したスマイリー
それ以来、盲目のセラピー犬として10年以上もの間多くの人々に笑顔と感動を与えてきたスマイリー。
時には老人ホームへ、時には図書館や学校へ。
スマイリーが会った人達の中にはカナダの大統領も!
Glad to meet Smiley, the Ontario therapy dog who teaches kids about bullying & acceptance. My thanks to St. John Ambulance for the visit. pic.twitter.com/1Xvl9QudM0
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2016年11月1日
スマイリーには直接会った事の無いファンも多く居ました。ジョアンナさんは、息子のシェパード君とスマイリーの写真をSNSに投稿していたのです。
彼らの愛らしい日常生活は多くの人を感動させたと共に、パピーミルの実態、障害を持つ動物でも素晴らしい家族になれるんだという事実を多くの人に知らせたのでした。
スマイリーとの突然の別れ
ある夏の日、突如彼らに悲劇が起こります。スマイリーの肝臓と胃に腫瘍がある事が発覚。
そしてその後、短い闘病生活を終え、15歳だったスマイリーは天国へと旅立ったのでした。
ジョアンナさんが投稿していたスマイリーのSNSアカウントには、世界中からスマイリーの死を悲しむ声が寄せられたと言います。
多くの人に感動を与えてくれた盲目のスマイリー。世界中から愛された彼の人生はこれからも沢山の人達に語り継がれていくことでしょう。
<参考サイト>
today.com
– おすすめ記事 –
・死に別れた飼い主のお墓に寄り添い泣くウルフドッグ。犬は別れを理解するのだろうか? |
・野良犬からスターに!アルゼンチンの「勝利の女神」と呼ばれたワンちゃんとは? |
・配達員の毎日のお仕事を癒してくれるのは4本足のお客様。配達員たちの投稿写真に読者もほっこり |
・「もう仕事は忘れて、どんどん犬に戻ってください。」盲導犬の引退後、ワンちゃんの行動と飼い主さまの言葉に涙! |