ディアーヘッドチワワってなに?
ディアーヘッドチワワとは、deer head(ディアーヘッド:鹿の頭)を持つチワワのことです。
日本でよく知られているアップルヘッドを持つチワワと違い、鹿の頭の様なほどよい丸みを帯びた頭部が特徴です。
◆ディアーヘッドチワワの特徴
ディアーヘッドチワワは、頭部以外でも、顔のパーツの配置や目の大きさ、マズル(鼻の付け根から鼻先)の長さなどが鹿に酷似しています。
またすらっと長い脚も鹿に似たディアーヘッドチワワの特徴です。
◆ディアーヘッドチワワの被毛
ディアーヘッドチワワの被毛は、日本で一般的なチワワと同様にスムースヘアーとロングヘアーの二種類です。
被毛の色は様々ですが、金色がかった茶色に黒の差し毛が入った「フォーン」色が最も多い被毛色です。
フォーン(Fawn)はチワワに限らず、パグやフレンチブルドッグといった他犬種でも存在する色ですが、直訳するとFawnは小鹿という意味になります。
小鹿の様な外観に、小鹿色のディアーヘッドチワワは、まさに小さい鹿に見えると称する人も少なくありません。
日本にいるチワワとの違いは?
◆日本に多くいるチワワは「アップルヘッド」
日本に多く生息しているチワワは、アップルヘッドというリンゴの実の様な丸い頭部が特徴です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)のスタンダード(犬種標準)では、頭蓋骨はアップルヘッドが良いとされているため、日本のチワワの多くがこのアップルヘッドを持っています。
脚がすらっと長く、縦長の形に近いディアーヘッドチワワと比べ、日本のチワワは体高より体長がわずかに長い四角形に近い形です。
ディアーヘッドチワワは、鹿の頭の様な頭部に、すらっと長い脚で小鹿を思わせる外観をしています。
◆ディアーヘッドとアップルヘッドの違い
鹿の頭を意味するディアーヘッドチワワは、鼻の付け根から額までが約45度の傾斜のラインになっています。
一方、リンゴの頭を意味するアップルヘッドチワワの場合は、鼻の付け根から額までが約90度の丸みを帯びた形をしています。ヘルメットの様な頭部の形のため、存在感があります。
また、鼻の付け根から鼻先にかけたマズルの長さは、ディアーヘッドチワワの方が長いです。
そのため、ディアーヘッドチワワとアップルヘッドの個体の見分けは頭部を見れば一目瞭然です。
他にも、ディアーヘッドチワワは脚がすらっと長く縦長のシルエットをしていることに対し、アップルヘッドの個体は体高よりも体長がやや長い四角の様なシルエットをしています。首の長さは、ディアーヘッドチワワの方が長いことが多いです。
ディアーヘッドチワワとアップルヘッドの個体は、全く違う外見をしているため、見分けることは容易いです。
◆ディアーヘッドとアップルヘッド、どちらが先に作られた?
アップルヘッドの個体も、ディアーヘッドチワワも、共に祖先はテチチです。テチチについての調査では、アップルヘッドとディアーヘッドのどちらの頭蓋骨も見付かっています。
そのため、どちらが先に生育していたのか、どちらがよりテチチに近いのか、はわかりません。
◆病気が少ないのはどちらのチワワ?
アップルヘッドの個体とディアーヘッドチワワでは、ディアーヘッドチワワの方が病気や先天性の疾病が少ないといわれています。チワワに多い膝蓋骨脱臼や器官虚脱などの病気は、アップルヘッドの個体の体格でしばしば現れる症状です。
ディアーヘッドチワワは脚もすらっと長く、首が長く器官も詰まっていないため、チワワによく見られる病気があまり見られないという特徴があります。
ディアーヘッドチワワの歴史
チワワは、北アメリカでアステカ文明の王族時代に儀式の生贄として使われていた、古代犬であるテチチという犬の子孫だといわれています。
チワワの専門家の中には、このテチチとチャイニーズ・クロステッド・ドッグの間(掛け合わせたもの)がディアーヘッドチワワの祖先だという意見もあります。
1998年にはタコス・チェーンであるタコベルのCMドッグとして活躍し、チワワ人気の火付け役となったギジェットは、ディアーヘッドチワワです。
◆ディアーヘッドチワワはドッグショーには出られない?
ドッグショーで、ディアーヘッドチワワを見た事が無いという方も多いのではないでしょうか。
日本のドッグショーでは、ジャパンケネルクラブ(JKC)の定める犬種標準(スタンダード)に沿った犬が出品され、競うことが基本です。JKCによるチワワのスタンダードで、認められている頭部の形はアップルヘッドのみです。
そのため、ドッグショーで見かけることが無いのです。
このことから、ディアーヘッドチワワは、JKCに公式に認められたチワワでは無く非公式の犬種だと考える人も多いです。
◆ディアーヘッドチワワはチワワでは無い?
犬種標準(スタンダード)に定められたチワワの特徴が全く無いディアーヘッドチワワは、チワワといえるのでしょうか?
ディアーヘッドチワワをあまり知らない人や、スタンダードに沿った犬種の血統保存に力を注ぐ人の中には、ディアーヘッドチワワはチワワでは無い、と思う方もいます。アメリカンケネルクラブ(AKC)などでも、犬種標準に沿わない犬は繁殖に使うべきでは無いという考えもあります。
ディアーヘッドチワワは、アップルヘッドの個体と似ていない特徴を持ちます。体重も約5~6キロになる個体が多いため、アップルヘッドの個体よりも重く、スタンダードの体重平均に収まりません
ディアーヘッドチワワは、チワワであっても、日本のJKCが定める「チワワ」では無いのです。
◆愛好家からの声「チワワを二種類に」とは?
ディアーヘッドチワワの愛好家からはチワワを二種類に分類しようという声も上がっています。
それは、アップルヘッドの個体と、ディアーヘッドのチワワの二種類を、JKCに登録犬種として載せたいという要望です。
JKCに犬種として認められると、ドッグショーへの参加や、繁殖への利用が可能になったり、犬種を広く認知してもらえるなどのメリットがあります。
◆過去の分類登録の例は?
過去には、1936年に伝統的な猟犬であるイギリス原産のイングリッシュ・コッカー・スパニエルから分類されたアメリカン・コッカー・スパニエルがあります。アメリカン・コッカー・スパニエルは、1620年にメイフラワー号に乗ってアメリカに渡ったイングリッシュ・コッカー・スパニエルが祖先だといわれています。
現在ではアメリカのケネルクラブ(AK)にも、イギリスのケネルクラブ(UK)にも別犬種として登録がされています。
ディアーヘッドチワワが欲しい!どうすれば良い?
ディアーヘッドチワワを日本で確実に手にいれたい、という願いを叶えることは、実は難しいものです。
何故かというと、日本での「チワワ」はアップルヘッドの個体がスタンダードだからです。
ディアーヘッドは犬種として認められておらず、いわば標準から外れたチワワ、という扱いが多いです。
犬種として認められていないということは、血統の固定がされていないということでもあります。
突然にディアーヘッドが現れたり、ディアーヘッドの子どもだからディアーヘッドだとも限らないという不安定な繁殖になってしまいます。
日本にはディアーヘッド専門のブリーダーはいないため、「チワワ」として分類されているものの中で鹿の様な頭部を持つものをディアーヘッドチワワでは無いか?という推測で扱います。そのため、産まれた時点での頭蓋骨で予測判断するしかありません。
迎えたチワワが、成長するに従って「何か違う、チワワっぽくない」という方が実はディアーヘッドを飼っていた、ということも少なくはありません。
鹿の頭を持つディアーヘッドチワワ、街で探してみてはいかがでしょうか!
一般的なチワワの持つリンゴ状のアップルヘッドに対し、鹿の様に45度のゆるやかな傾斜の頭部を持つディアーヘッドを持つチワワが存在します。ディアーヘッドチワワは、鹿の頭の様な頭部の他にも、すらっと長い小鹿の様な脚など一般的なチワワの見た目と異なる外観を持ちます。
ディアーヘッドチワワは、JKC(ジャパンケネルクラブ)の定める犬種標準から外れているため、チワワとしてドッグショーに出たり、繁殖に積極的に使われるということはありません。歴史も古く、愛好家も多いディアーヘッドチワワは珍しい犬では無く、「チワワ」として沢山街を歩いています。
ディアーヘッドチワワの特徴をしっかり覚えて、街で探してみてはいかがでしょうか。
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