1.そもそも犬ってエアコンがいるもの?
1-1.自分での体温調節が苦手なワンちゃん…
1-2.そもそも犬は暑さに弱い動物
1-3.室内温度が高いと「暑さ」で辛くなる犬たち
1-4.特に暑さに弱い犬の特徴
2.室内温度を下げるには欠かせない!電気代が気になるときのエアコン節約術
2-1.除湿運転は電気代が高いかもしれない
2-2.扇風機も併用する
2-3.スイッチの「オン&オフ」は最低限にとどめる
2-4.カーテンの活用
2-5.エアコンフィルターの定期的な掃除
2-6.ヒンヤリグッズの活用
3.こんな症状が出たら暑がっている?熱中症のリスクは?
3-1.フローリングのうえにベッタリ体をつける
3-2.呼吸が早くなる
3-4.動かなくなる・ぼんやりしている
【掲載:2018.08.01 更新:2020.06.18】
そもそも犬ってエアコンがいるもの?
もともと自然のなかで暮らしてきた犬ですから、暑い室内温度にも強そうなイメージを持つかもしれません。
もしかしたらエアコンは必要ないのではないか…と思っている人もいるのではないでしょうか?
しかし、ワンちゃん達だって、暑い夏には弱いもの。
個体差があるので室内温度の感じ方は違いますが、犬にとってエアコンは欠かせない重要度の高いものなんです。
◆自分での体温調節が苦手なワンちゃん…
それでは、「犬にエアコンが必須」の理由についてお話します。
まず、暑い夏に人間に起こる体の変化を思い起こしてみましょう。
私たち人間は、暑い状況にいると“汗”をかきます。
汗というと、運動して体が熱くなるとかくものですが、室内温度があがっているときには、特別動かなくても汗をかくことが増えます。
この「発汗」は、実は体の熱を下げるための大事なものです。
かいた汗が体の表面から蒸発するときに「気化熱」が出ますが、これにより体の温度を下げていく体温調節の働きが「汗」にはあるのです。
人間には、汗を放出する「汗腺」が体じゅうにあり、暑い夏に汗をかくことで体の熱を下げることができます。
しかし、ワンちゃん達が持っている汗腺は、足の裏に集中。
体の面積の割に、「汗を出せる部分」が少ないんですね。
つまり、人間のように「たくさん汗をかいて体温を下げる」ができないので、体温調節が苦手なのです。
室内温度が高くなると、口を開けてはあはあと呼吸が荒くなるのは、口のなかにある水分を蒸発させる涼しさを感じようとしているから。
いずれにしても、犬たちは体温を自分で下げる力が乏しいようです。
そのため、室内温度を下げることで、体温管理をしてあげられるのは飼い主さんだけ。
エアコンなどを使って、意識的に室内温度を下げていかなければ熱中症のリスクにも繋がります。
犬が夏を過ごすときには、室内温度を下げてくれるエアコンの存在が欠かせないのですね。
◆そもそも犬は暑さに弱い動物
「汗をかきにくい」というのも理由のひとつですが、被毛に覆われているのも犬の体温が高くなる原因です。
短毛と言われる犬種やサマーカットで短くカットした犬でも、被毛に包まれていることには変わりありません。
人間が毛皮を着て夏に過ごすことを考えると、ワンちゃんの暑さは相当なものなのかもしれませんね。
◆室内温度が高いと「暑さ」で辛くなる犬たち
エアコンの温度や風量を設定するとき、飼い主さんの多くは「自分の感覚」に合わせているのではないでしょうか。
例えば、エアコンの真下でくつろいでいる飼い主さんは、時間がたつと室内温度が寒いと感じるでしょう。
すると、自分の感覚で「冷えすぎたから消そう」ということもあるはず…。
しかし、これが犬を苦しめてしまっていることもあるのです。
同じ室内でも犬は、飼い主さんと犬の行動パターンは違います。
犬は外が見える窓際が好きなので、自分から暑い場所に行くことも。
窓から入り込む日差しのせいで、暑い時期には、そこだけ室内温度が高くなりっていたりします。
窓際に、犬のケージやサークルを置いているなら、犬の周りの室内温度は高めとなります。
犬種による体質や被毛の量によっても異なりますが、一般的に犬の快適室内温度は22℃と言われています。
そのため、人間がエアコンを使うときに良いと言われている「28℃」だと、犬にとっては少し暑く感じられるかもしれません。
犬と一緒に暮らしているなら、エアコンの設定温度ではなく、ワンちゃんがふだんいる周辺の室内温度を温度計ではかるのがおススメです。
また、外の気温が25℃くらいでも室内温度が高くなっていることもあります。
間取りが小さい、南向きで一日中光が入り込む、西日がきつい…など、状況次第では30℃にもなることがあるでしょう。
犬に快適な室内温度はありますが、あくまでも目安として考えておきましょう。
ワンちゃん自身の被毛の様子や体調、年齢なども考慮に入れながら、「うちの子にはこのくらいの室内温度」を見つけてみてくださいね。
また、室内温度に気をつけるだけでなく、湿度が高いのも要注意。
熱中症の原因のひとつになります。
50~60%の湿度をキープするようにしましょう。
◆特に暑さに弱い犬の特徴
たくさんの犬種がいますが、次の犬たちは、特に暑さに弱い可能性があるので気をつけてくださいね。
【子犬】
体が小さく、地面から近すぎる子犬は、室内温度の暑さを感じやすいです。
【シニア犬】
老化にともない、代謝が悪くなり体温調節ができなくなってきます。
また、動きが鈍くなり、暑いと感じる場所から動かなくて、余計に暑さを感じていることもあります。
【毛の長い犬】
毛のなかに熱さがこもるので、毛の短い犬より室内温度が暑く感じられます。
【肥満傾向にある犬】
暑いときに、口で暑さを逃がす仕草をすることがある犬ですが、肥満傾向にある犬は呼吸器官を圧迫してしまうことも。
太り過ぎないように注意しましょう。
【鼻が短い犬種】
気道が狭いため、暑いときに呼吸がしづらい傾向にあります。
【北国生まれの犬】
北国原産の犬は、「寒さから身を守るため」の被毛がかなり厚めです。
そのため、暑さにはめっぽう弱いです。
室内温度を下げるには欠かせない!電気代が気になるときのエアコン節約術
昔と違って、近頃の夏は「酷暑」と言われるほど、気温が高い日が続いていますよね。
風通しの悪い家だと、外気温よりも室内温度がかなり高くなってしまいます。
そのため、毎日のようにつけっぱなしのエアコンで夏を過ごす人も多いですが、電気代は気になりますよね。
そこで、節約のためにエアコンを使わず、暑さを乗り切ろうとする飼い主さんもいるかもしれません。
ただ、さきほどお伝えしたように人間と犬の体温調節機能は違います。
人間にとって「まあまあ我慢できる室内温度」でも、犬にとっては「耐えられないほど辛い状況」ということも少なくありません。
大事な愛犬の体調を崩さないよう電気代にも配慮しつつ、エアコンが使えるように、いくつかの節約術に関する知識をお伝えしたいと思います。
◆除湿運転は電気代が高いかもしれない
湿度が高いと「ジメジメ」と暑く感じられますよね。
そこで、エアコンの「除湿運転」の機能を使うこともあるでしょう。
除湿運転の方法には、室内温度を冷房と同じように下げながら除湿する「弱冷房除湿」と室内温度をキープしつつ湿度を取る「再熱除湿」と2パターンあります。
弱冷房除湿は、名前の通り「冷房を弱くした感じ」。
一方の再熱除湿は、ジメジメした空気を取り入れ、冷えた空気をもう一度温めて放出する機能。
再熱除湿運転は、消費電力が増えるので電気代は高くなってしまうのです。
電気代としては、「弱冷房除湿」や「設定温度を高めにした冷房」が節約に繋がります。
ケースバイケースで使い分けてみてくださいね。
◆扇風機も併用する
「エアコンをつけているから安心」と、エアコンを過大に信用してしまうこともあるでしょう。
しかし、各家庭の間取りはそれぞれ違います。
エアコンの風の流れが悪いと、同じ空間でも室内温度が高くなってしまう場所がでてしまいます。
特に、横長の部屋の端にエアコンが設置されている場合、反対側に涼しい風が行き渡らないことも…。
反対側の空気が暑いからと設定温度を低くしすぎると、電気代をあげてしまうことにもなりかねません。
そこで、扇風機を併用して空気を循環し、部屋全体の室内温度を下げる工夫をしましょう。
◆スイッチの「オン&オフ」は最低限にとどめる
室内温度が冷えてきたら消す、暑くなってきたらエアコンをつけるというように、こまめなオンオフが節約に繋がると思っている人もいるかもしれません。
しかし、エアコンは「オンしたとき」の消費電力がかなり大きいです。
そのため、つけっぱなしにして設定温度や風量で調節する方が節約にもなります。
また、自動運転モードを利用するのもおススメ。
室内温度を自動で察知し、風量も調節してくれます。
こまめにオン&オフを繰り返すより、自動運転モードに任せておくのもいいかもしれませんね。
◆カーテンの活用
部屋の向きにもよりますが、直射日光が入る時間が多いと室内温度はあまり低くなりません。
エアコンをつけていても冷えにくいので、「冷やそう」という力が働き消費電力が大きくなることも。
遮光カーテンなどを活用し、なるべく光をシャットアウトするのも室内温度を下げるコツです。
◆エアコンフィルターの定期的な掃除
室内の空気からホコリを取り除くために、エアコンにはフィルターがついています。
ホコリで目詰まりすると、取り入れられる空気の量も変わります。
エアコン本体にかなり負荷がかかり、電気代が高くなってしまうのです。
オフシーズンのときにフィルターを掃除しておくのはもちろんですが、毎日エアコンを稼働している夏には、2~3週間に1回のペースでホコリを取り除いてあげてくださいね。
◆ヒンヤリグッズの活用
近頃は、ワンちゃん用のヒンヤリグッズも充実しています。
ペットのベッドを夏仕様の「ヒンヤリ感」のあるものにしましょう。
ジェルやアルミなどの素材のものなら、ペットの体温を下げてくれます。
また、水を入れたペットボトルを凍らせた「氷ボトル」もおススメです。
室内温度が暑くなれば、自分で涼み場所を探す犬も多いかもしれませんが、凍ったボトルの近くはワンちゃんにとっての避暑地にもなります。
なかの氷が解けるときに周囲に水滴がつくので、トレーのうえに乗せたり、タオルでくるんだりしましょう。
こんな症状が出たら暑がっている?熱中症のリスクは?
「愛犬は快適なのかな?」「暑いのかな?」と、夏は愛犬の心理が気になるものですよね。
言葉の話せない犬に確認することもできないので、愛犬の行動から「暑がっているかも」のサインを読み取ってみましょう。
なかには、熱中症になりかかっているような緊急性のあるアピールサインもあるので見逃さないようにしたいものです。
◆フローリングのうえにベッタリ体をつける
室内温度が暑くてもフローリングや板の間は冷たくて気持ちがいいですよね。
特に、エアコンがついている部屋ではフローリングが一番冷えている箇所です。
自分からフローリングに移動したら、室内温度が暑いと感じている証拠かもしれません。
◆呼吸が早くなる
汗をかきにくい犬は、暑くなると口を開き呼吸しますが、無意識的に暑さを和らげる行動です。
しかも、息づかいが早くなるものです。
呼吸が早くなったら室内温度が暑く辛くなってきているかもしれません。
◆動かなくなる・ぼんやりしている
室内温度が暑過ぎて熱中症になると、犬たちは活動が鈍くなってきます。
いつも元気なのに動かない、なんだかぼんやりしている…なら、熱中症のサインかもしれません。
名前を呼んでも反応しないなら、熱中症にかかっている可能性もあります。
熱中症になると、オシッコの色が変わったり、下痢や吐いたりということもあるので、いつもと異変がないかも観察しておきましょう。
エアコンの必要性と節約術に関するまとめ
飼い主さんのなかには、「エアコンの風が苦手」という人もいるでしょう。
それほど室内温度が高くなければ、自然の風でワンちゃんも快適かと思います。
ただ、犬と人間の「暑さ」の感じ方は違います。
人間が暑くないと思っている室内温度でも、ワンちゃん的には「暑い!」と辛く感じていることもあります。
個体差があるので、愛犬の様子もチェックしながら室内温度の管理をすることが大事。
エアコンを使っていないと、風が入る部屋でも外の気温よりも室内温度は高いものです。
温度計を準備して、適切な温度管理ができるようにしましょう。
ワンちゃん目線に立って言うなら、「エアコンは使うべき」。
電気代の節約術も参考にしながら、暑い夏を乗り切っていきたいものですね。
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