犬が虫を食べるとどうなる?食べない方が良い虫は?

2018.08.07

犬が虫を食べるとどうなる?食べない方が良い虫は?

犬は虫やトカゲ、カエルなどをパクッと食べてしまうことがよくあります。これは、狩猟に使役してきた犬の本能によるものです。野生時代の犬は、虫などを食べることでタンパク質を補っていましたが、現在の飼育犬はドッグフードに必要な栄養素が配合されているため虫を食べる必要性はありません。逆に、寄生虫を持つ虫やカエル、殺虫成分がついているかもしれない虫、毒性を持つ虫やカエルなど、自然の中には食べることを避けた方が良いものが沢山あります。 犬が食べない方が良い虫の種類、虫を食べてしまった時にはどうすれば良いかなど、犬と虫についてご紹介します。

犬はなぜ虫やトカゲを食べてしまうの?

犬 虫 食べる トカゲ

人なら避けてしまうようなアリやセミ、クモなどの害虫や、トカゲのような爬虫類を、犬がパクッと食べてしまった、という経験はないでしょうか。意外かもしれませんが、犬が虫やトカゲを食べる、ということはよくあることです。

これは、犬の本能によるものです。

犬は狩猟に使役されることが多い歴史を持ち、元々何かを獲り、食べ、生活してきた生き物です。
そのため、目の前をチョロチョロと何かが動いていたら、追いかけてしまい、捕まえたら口に入れたくなってしまう、という一連の行為は、頭で考えてしている訳ではなく、咄嗟に本能としてしまう行動なのです。

また、虫や爬虫類にはタンパク質などの栄養があります。犬は本能から、それを得ようとして捕まえてしまい、食べるという一面もあります。


虫や爬虫類は食べた方が良いの?

虫や爬虫類にタンパク質などの栄養素があると聞くと、「では、逆に食べた方が良いの?」と考える方も多いです。

自然の中の物で栄養を補わなければいけない、野生の犬であれば、虫や爬虫類のタンパク質が必要であることもあります。

しかし、家庭で飼育されている犬の場合は別のタンパク質などでタンパク源の補給が可能です。ドライフードやウェットフードの中には、犬に必要な栄養素がしっかりと入っています。
そのため、別のもので栄養素を補う必要は無いです。

持病などがあり食事制限をしている場合などには、別のもので栄養素を補う行為は過剰摂取になってしまうこともあります。


犬が虫を食べたときはどう対応すればいい?

犬 虫 食べる

犬が虫を食べたときには、付着していた殺虫剤などで中毒症状を起こしているなどの異変が無い場合には、慌てて何かをしなくて大丈夫です。
虫を食べることで寄生していた寄生虫に感染したり、それを駆除したり、ということもあまり報告がありません。

寄生虫に関しては、日々の生活の中で公園や散歩道から感染する可能性の方が高いと言われています。
毎月犬が内服するフィラリア予防薬にも駆虫成分が配合されているものが多いため、寄生虫に関しては知らず知らずに感染・駆虫をしていることも一般的です。

また虫を食べてしまった口で舐められたくない、なんとなく気持ちが悪い、という場合には口周りだけを洗ってあげると良いでしょう。濡れタオルで拭くことも効果的です。

口腔内に関しては、犬はうがいが出来ないので、犬用ブレスケア商品などを使うと良いでしょう。

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絶対に食べてはいけない虫は?

虫の種類によっては、犬が食べない方が良い虫や、絶対に食べてはいけない虫なども存在します。種類ごとに詳しくご紹介します。

◆ヒアリ

世界の侵略的外来種になっているヒアリは、日本でも危険な外来生物として知られており「殺人アリ」とも呼ばれています。

ヒアリは針にアルカロイド系の毒を持ち、刺されると死亡なアナフィラキシーショック、蕁麻疹、痛み、痒みが起こります。ヒアリを食べる際には口周りや、手足などを毒針で刺される危険性があるため、ヒアリは食べてはいけない虫の一つです。

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◆ハチ

ヒアリ同様に、刺される危険性から食べることをしない方が良い虫の一つにハチがあります。

ハチの中でも、スズメバチなど毒針で刺してくる危険性の高いものが、特に要注意です。

犬がハチに刺された多くの場合は、炎症の症状が出ることが多いです。中には炎症から化膿してしまったり、アナフィラキシーショックを起こし死に至る事もあります。

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◆カマキリ

カマキリにはハリガネムシ(針金虫)という寄生虫が寄生していることが多いです。カマキリの中でも、特にハラビロカマキリに多く、他にもバッタ、カマドウマ、コオロギ、ゲンゴロウなどにも寄生しています。

ハリガネムシは成虫になると、宿主の脳をコントロールして水場に向かわせます。
そして宿主を水に飛び込ませ、自身は体内から脱出して交尾相手を探すという生態をしています。

しかし、ハリガネムシは通常犬には寄生しないと言われています。そのため、カマキリを食べてしまっても即座に受診する必要はありませんが、念のため受診すると安心でしょう。

◆ガ(蛾)

ひらひらと飛びまわるガは、犬にとって追いかける格好の獲物です。
しかし、蛾の中には食べるととてもまずい味のする物質を持つ個体もいます。これは自然界の中で補食されないように蛾が進化した結果です。

犬が食べることで健康を害することはありませんが、美味しくないためゲーッゲーッと咳をするような仕草を見せたり、嘔吐してしまうことが考えられます。
そのため、ガは食べることをしない方が良いものの一つです。

◆ゴキブリ

ゴキブリは噛むとバリバリと歯ごたえがあるため、犬にとっては美味しいおやつの様な存在です。

ゴキブリを食べること自体には特に問題はありません。
しかし、室内にゴキブリ用殺虫剤やホウ酸団子などを置いている場合には、ゴキブリの身体に殺虫成分が付着している可能性があります。

ホウ酸団子に含まれるホウ酸は、犬にとっても有害で1.8グラム/Kgが致死量になります。超小型犬や子犬にとっては、ゴキブリに付着している有毒成分だけでも十分命の危険があると言えるでしょう。
そのため、ゴキブリは食べることをしない方が良いと言えます。

◆ハエ

ハエもガ(蛾)同様に、ブーンと旋回しながら目の前を飛び回るため、犬にとっては追い掛け回すのが楽しい虫の一つです。

ハエを食べること自体には、特に問題はありません。
しかし、ハエは不衛生の象徴と捉える人間が多い通り、ゴミや排泄物などに集る性質を持っています。
そのため、食べることでその雑菌などを口に入れることになります。ですから、ハエは食べることをしない方が良いと言えます。


蚊を食べたらフィラリアになる?ならない?

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犬を飼育している方なら誰でも知っているであろう犬フィラリア症(犬糸条虫症)は、蚊に刺される(吸血される)ことが感染の原因です。

では、蚊を食べてしまった場合にはフィラリアに感染する危険性はあるのでしょうか。

◆犬が蚊を食べることでフィラリア症になる可能性は低い

犬が蚊を食べた場合、それは食道を通って胃に運ばれます。犬の胃の中の物が消化されるまで、およそ12時間から24時間かかります。

対して、蚊が持つフィラリア幼虫が犬の体内に侵入してからフィラリア成虫になるまでには、およそ6ヶ月ほどかかります。
そのため、フィラリア症になる前に蚊は消化されてしまうことになります。

ただし、蚊を食べる際に口周りや身体を刺された場合には、フィラリア症に感染する可能性はありますので、注意が必要です。

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犬はカエルを食べても良いの?

犬 カエル 食べる

トカゲなどの爬虫類、虫などの昆虫の他に犬が食べるものに、カエルなどの両生類があります。
特にアマガエルなどの小型のタイプは、犬の目線の先にピョンピョンと飛ぶため追いかけてパクッと食べてしまいがちです。

◆カエルの毒性に注意

アマガエルやヒキガエルなど一部のカエルは毒性物質を持っています。
特にヒキガエルの持つブフォトキシンは、中毒を起こしやすく、嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合死に至らしめる怖い毒素です。

◆寄生虫がいる可能性も

カエルにはマンソン裂頭条虫という寄生虫が寄生していることが多いです。

マンソン裂頭条虫は人獣共通感染症の一つで、犬にも人間にも寄生します。犬がマンソン裂頭条虫に寄生された時には、虫下しの薬剤を投与して治療します。

以上の理由から、犬はカエルを食べない方が良いと言えるでしょう。犬がカエルを食べてしまった場合には、動物病院を受診するようにしましょう。


犬の虫追い行動(ハエ追い行動)って何?

犬が、その場にいない虫を目線で追いかけたり、捕まえて補食しようと口をパクパクと開けながら走り回る行動を虫追い行動(ハエ追い行動)と言います。

この虫追い行動(ハエ追い行動)とは、ストレスからくる常同障害の一つです。
原因は様々で、飼い主への分離不安や、日々のストレス、退屈、病気、傷などがあります。

治療方法は、原因をまず探り、その原因からくるストレスを取り除いてあげる必要があります。

精神的な部分の強い行動のため、根気強いケアが必要です。


犬が虫を食べると健康被害が起こることも!食べさせない様にしましょう。

犬 虫 食べる 健康被害

この記事では、犬の虫を食べる行動についてご紹介しました。

寄生虫を持つ虫やカエル、殺虫成分がついているかもしれない虫、毒性を持つ虫やカエルなど、自然の中には食べることを避けた方が良いものが沢山あります。

犬は目線の先に虫が見えると、動きが面白くて、ついつい目を奪われ、思わずパクッと食べてしまうことが多いです。犬が虫を食べない様に、できるだけ注意してあげましょう。



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St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。


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