1.犬は梨を食べても大丈夫?
1-1.梨は水分補給に最適
1-2.与えすぎやアレルギーの場合などは注意が必要
2.犬に梨を与える効果は?
2-1.梨は夏の水分補給にぴったり
2-2.疲労回復効果がある
2-3.利尿作用や血圧を下げる効果も
2-4.消化の手助けをする
2-5.便秘に良い
3.犬に梨を与える方法・与える時の注意点
3-1.皮などは取り除き細かくしてから与える
3-2.もっと欲しがっても与えすぎに注意
3-3.加熱はせず生のままで与える
3-4.未成熟の梨は中毒になる危険があります
4.梨の美味しいおすすめの与え方
4-1.梨入りヨーグルト
4-2.ぷるぷる梨ゼリー
5.犬にもある「梨アレルギー」
5-1.梨アレルギーの症状
5-2.梨アレルギーを起こしてしまった時の対処法は?
5-3.梨アレルギーのアレルギー検査
【掲載:2018.08.10 更新:2022.08.19/2023.08.16】
犬は梨を食べても大丈夫?
梨は、梨アレルギーや腎不全などの特定の病気がなければ、愛犬に与えても大丈夫な果物です。
◆梨は水分補給に最適
梨は、果物の中でも犬が好んで食べる果物として名前が挙がることが多く、飼い主さんと一緒に食べる犬もいるほどです。全体の約90%が水分で構成されており、水分補給としての効果が期待できます。
また、カリウムやクエン酸などが含まれ、犬にとって悪影響を及ぼす成分は入っていません。他の果物に多く含まれるビタミンは少ないですが、犬にとって良い効果を与える様々な成分がたくさん含まれています。
◆与えすぎやアレルギーの場合などは注意が必要
犬が食べても良い梨の量は1日に約20gと考えられており、与えすぎは下痢や消化不良などの症状があらわれることもあります。
また、梨アレルギーを持っている犬や、腎不全などの腎臓病を患っている犬は、摂取に制限が必要な場合があるため事前に確認してから与えると安心です。
犬に梨を与える効果は?
犬に梨を与えると、どのような効果があるのでしょうか。あまり知られていませんが、犬にとって梨は様々なメリットがあります。
◆梨は夏の水分補給にぴったり
全体の90%が水分で構成されているため、夏季などの暑い時期や水のあまり飲まない犬にはおすすめです。水は飲まない犬も、梨は食べ応えがあってよく食べてくれるという犬もいます。
ストルバイト結晶など石が溜まってしまう病気の犬は、おしっこの回数を増やす必要があるため、梨を与えるのも良いでしょう。
◆疲労回復効果がある
梨に含まれるリンゴ酸やクエン酸、アスパラギン酸には、疲労回復する効果があります。リンゴ酸とクエン酸には体内の乳酸を取り除き、アスパラギン酸はタンパク質合成の手助けやアンモニアを体外へ促すことで疲労回復をサポートします。
よく運動をする犬や、高齢犬には是非とも摂取したい成分が梨にはたくさん含まれています。また、アスパラギン酸は犬が過剰摂取しても問題はないと言われているので安心して与えることができます。
◆利尿作用や血圧を下げる効果も
老廃物や塩分の排出を促すカリウムが、利尿作用として働きます。水分も多く含まれているので、尿の回数も増え、血圧を下げる効果もあるため、高齢犬には嬉しい成分です。
しかし、カリウムは腎臓病の犬には多く与えると危険ですので注意が必要です。どうしても与えたい場合は獣医師と相談してから与えることをおすすめします。
◆消化の手助けをする
梨にはタンパク質を分解する「プロテアーゼ」という酵素が含まれています。ドッグフードを食べている犬にはタンパク質を普段から多く摂取しているため、消化の手助けをしてくれます。
また、肉料理に梨を入れる理由は「プロテアーゼ」がタンパク質を分解することで肉が柔らかくなるからです。
◆便秘に良い
梨に含まれる「不溶性食物繊維」は、便の水分を増やし、「ソルビトール」は便を柔らかくする効果があります。
そのため、便秘気味の犬や便が硬くて回数や量が少ない犬にはおすすめの果物です。
犬に梨を与える方法・与える時の注意点
梨は犬にとって良い効果がある果物ですが、与え方や梨についての様々な注意点があります。
◆皮などは取り除き細かくしてから与える
梨を犬に与える場合は、すりおろしや細かく刻んでから与えましょう。特にあまり噛まない犬では大きいまま与えると喉に詰めてしまう可能性もあります。
与え方としては、フードに混ぜる、おやつとして与えるのがおすすめです。皮や種、芯は消化不良の原因にもなるため、必ず取り除いて与える必要があります。
◆もっと欲しがっても与えすぎに注意
梨の独特なシャリシャリは、「石細胞」と呼ばれる消化されにくい細胞からできています。便通を良くする効果もありますが、与えすぎは下痢や嘔吐の原因になります。
また、水分が多いため、おしっこの回数が増え、トイレに間に合わず漏らしてしまうことも考えられます。
子犬や高齢犬には余計にトイレが近くなる可能性があるため、無理に与えないようにしましょう。
◆加熱はせず生のままで与える
梨はカリウムをたくさん含んでいますが、カリウムは熱に弱く加熱してしまうと利尿作用が低下してしまいます。水分補給としても最適な梨の成分を損なわないためにも、梨は生のままで与えることをおすすめします。
◆未成熟の梨は中毒になる危険があります
スーパーなどで売られている梨は成熟しているものがほとんどですが、未成熟の梨には「アミグダリン」という体内で分解されると中毒を起こしてしまう青酸配糖体が含まれています。
「アミグダリン」は種にも含まれているので、種は必ず取り除き、梨を選ぶ際は注意が必要です。
梨は大きくてずっしりと重く丸いものが食べ頃です。保存期間は長くありませんが、保存方法は新聞紙で包んで野菜室に入れておく方法が良いと言われています。
梨の美味しいおすすめの与え方
梨は熱に弱いカリウムを含んでいるため、加熱をするとせっかくのカリウムを摂取できなくなってしまいます。おやつにぴったりな梨を火は使わず美味しくする方法をご紹介します。
◆梨入りヨーグルト
ヨーグルトは乳酸菌が含まれており、人間と同じく腸内環境を整えてくれます。ヨーグルトにすりおろした梨を混ぜて与えることでお通じが良くなり、便秘気味の愛犬に嬉しいおやつになります。
しかし、下痢気味の犬や与えすぎは症状を悪化させる原因になるため注意が必要です。
◆ぷるぷる梨ゼリー
暑い季節にぴったりなゼリーは、犬にとっても嬉しいおやつです。すりおろした梨に粉ゼラチン2g、お湯100mlを混ぜて容器に入れて冷やすだけで、簡単おやつになります。
冷やし過ぎたゼリーをそのまま与えてしまうと下痢や腹痛の原因になる可能性があるため、冷蔵庫から出してしばらくしてから与えるのがおすすめです。
梨が好きな犬は生のままでも喜んで食べてくれますが、水分補給したいのに水を飲まない犬や梨に飽きてしまった犬には、少しアレンジすることで食べてくれるようになる場合もあります。
どちらも与えすぎは良くありませんが、適量を守って美味しい梨を食べることで良い効果を得られます。
犬にもある「梨アレルギー」
人間にも食物アレルギーがあるように、犬にもアレルギーを起こすこともあります。梨だけでなく、穀物や卵など人間と同じようなアレルギーを発症する可能性があり、食物以外にもハウスダストや花粉などのアレルギーも存在します。
◆梨アレルギーの症状
・じんましん
・激しい嘔吐や下痢
・目が充血している
・元気がなくぐったりしている
・呼吸が苦しそう
など、梨を食べた後にこのような症状がみられたら、梨アレルギーの可能性があるので、すぐに動物病院を受診しましょう。
また、初めて梨を与える場合は少量を数回に分けて、変わった様子がないか1時間は様子を見ることが重要です。
◆梨アレルギーを起こしてしまった時の対処法は?
梨のアレルギーは珍しいと言われていますが、重症なアレルギーを長時間放置してしまうと「アナフィラキシーショック」を引き起こす可能性があります。
アナフィラキシーショックは命の危険があるため、病院での早急な治療が必要です。
動物病院では早急なアレルギーの処置も必要ですが、食べた後すぐの様子も聞かれることが多くあります。病院へ着くまでの様子を写真で撮影し、メモをしておくとスムーズな診察をすることができます。
初めて梨を与えてアレルギーを起こしてしまうと飼い主さんはびっくりして慌ててしまいますが、じんましんや目の充血はどの程度か、呼吸困難になっていないかなどの愛犬の様子を落ち着いて確認してから、動物病院を受診しましょう。
◆梨アレルギーのアレルギー検査
動物病院では、血液検査を行うことでどのようなアレルギーを持っているかを確認することもできます。
梨アレルギーが愛犬にあると分かった時点で梨を与えるのは中止し、人間が食べる際にも拾い食いや勝手に食べてしまわないように手が届かない所で保存しましょう。
犬に梨を与えることについてのまとめ
梨には他の果物にはない成分も多く含まれており、適量さえ守れば大きなメリットになる果物です。腎臓病の犬や下痢気味の犬には避けなければなりませんが、厳しい暑さを乗り越えるための水分補給や疲労回復にはぴったりです。
冷房が付いている部屋にいる犬や、冬季になると寒さから水を飲みたがらない犬は多く、便秘の原因になります。そんな時も梨で水分補給をすると便秘予防や脱水の予防にもなります。
梨アレルギーについては注意が必要ですが、梨以外にもアレルギーを持っている可能性は十分考えられますので心配な方は1度動物病院で血液検査を行うこともおすすめです。
これからの季節に美味しい梨が店に並び、飼い主さんも手に取ることが多くなる梨を愛犬と美味しく食べるためにも、適量と梨アレルギーに注意しながら与えてあげてくださいください。
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