犬アレルギーの症状や検査方法について

2022.03.16

犬アレルギーの症状や検査方法について

犬アレルギーは犬を飼育していた方にも起こりうるアレルギーで、突然発症してしまうと驚く方もいらっしゃいます。症状は体質などによって異なりますが、予防や症状を和らげることも可能です。 今回は犬アレルギーになる原因や症状、検査方法などをご紹介します。

【目次】
1.犬アレルギーの原因・症状は?

2.突然犬アレルギーを発症することもある?
 2-1.犬を飼育してから発症することも
 2-2.以前から犬を飼育していても発症する可能性もある
 2-3.環境や体調によっても発症する
 2-4.動物関係の仕事を始めてから発症することも

3.犬アレルギーの検査方法は?
 3-1.血液検査(RASTテスト)
 3-2.プリックテスト
 3-3.皮内テスト

4.犬アレルギーを起こしにくい犬種は?
 4-1.毛が抜けにくい犬種
 4-2.短毛の犬種
 4-3.毛がほとんどない犬種

5.犬アレルギーを起こしてしまったら?
 5-1.こまめな掃除や換気をする
 5-2.ブラッシングやトリミングは定期的に
 5-3.犬との住居スペースを分ける
 5-4.触れ合った後は必ず手を洗う

6.まとめ

【掲載:2018.08.18  更新:2022.03.16】

犬アレルギーの原因・症状は?

アレルギー

アレルギーは、体内に侵入したアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に反応を起こしてしまう状態です。

犬アレルギーだけでなく、アレルギーには様々な原因があります。卵や穀物などが原因の食物アレルギー、ハウスダストや花粉などが原因のアレルギーが有名です。

犬アレルギーの場合は、犬のフケや唾液、皮脂などが多く含まれており、犬の被毛に付着しているアレルゲンが原因でアレルギー反応を引き起こすこともあります。

犬アレルギーの症状は軽度から重度まで人によって異なります。

・目の充血や痒み
・くしゃみ
・皮膚の炎症や痒み
・咳や喘鳴

これらは犬アレルギーの中でも比較的軽度の症状ではありますが、毎日続くと辛く放置していると重症化する可能性が高くなります。

・吐き気や嘔吐
・めまい
・息苦しさや呼吸困難
・動悸

これらは重度の症状であり、特に呼吸困難になってしまうと命の危険があります。体質や持病の有無などにもよりますが、重度の症状では普段の生活ができなくなり、病院での治療が必要になる場合があります。


突然犬アレルギーを発症することもある?

以前アレルギー検査をしていたにも関わらず、突然犬アレルギーを発症することはあります。犬を飼い始めてすぐに発症する場合もあれば、しばらく経ってから発症するなど、個人の体質や環境によって異なります。

◆犬を飼育してから発症することも

友達が飼育している犬と触れ合っても発症しなかったのに、いざ自分が犬を飼育してみると犬アレルギーを発症してしまうケースもあります。長時間犬と触れ合い、同じ環境で過ごすことがアレルギー反応を起こす原因となります。

◆以前から犬を飼育していても発症する可能性もある

長年犬を飼育していたのに、突然犬アレルギーを発症する場合もあります。特に症状が軽度であれば、犬アレルギーだと何年も気付かず過ごす方もいらっしゃいます。

目の痒みや皮膚の炎症は気付きやすいですが、くしゃみや咳だけであれば風邪と間違いやすいことも原因の1つです。

◆環境や体調によっても発症する

体調が悪い時に長時間犬と触れ合う、犬と一緒に寝るなど、免疫力が低下していると、犬アレルギーを発症しやすくなります。特に喘息を患っている方は、風邪を引き金に犬アレルギーを発症する可能性が高くなります。

また、引越しなどで犬との距離が近くなり、同じ空間で生活する時間が長くなることで、犬アレルギーを発症するなど、環境が変わると突然発症することも考えられます。

◆動物関係の仕事を始めてから発症することも

獣医師や動物園など、動物関係の仕事を始めてから犬アレルギーを発症する可能性も考えられます。特に、家で犬を飼育していない方は長時間犬と触れ合いや世話をすることがなく、仕事として長時間同じ空間にいることで症状があらわれます。

また、仕事のストレスや環境の変化によって体調を崩しやすくなり、免疫力が低下することでも犬アレルギーは発症します。


犬アレルギーの検査方法は?

犬アレルギー検査方法

病院では、血液検査によって自分がどのようなアレルギーを持っているかを検査することができます。

主に皮膚科やアレルギー科で検査が行われ、検査方法や費用など病院によって異なります。

◆血液検査(RASTテスト)

微量の血液検査を採取し、血中に含まれるアレルゲンに対応する抗体(異物を排除するタンパク質の1種)がどのくらい存在しているかを検査します。この抗体は「特異的IgE抗体」と呼ばれ、血中に多いほどアレルギーの疑いが高いと考えられます。

血液検査は身体への負担も少なく、すぐに行える検査ですが、結果が出るまでに数日かかります。

◆プリックテスト

アレルゲンが微量に含んだ液体を皮膚の上に少量垂らし、アレルギー反応が起きるかを検査します。皮膚の表面に番号を振った小さな傷を数個付けるため、どのアレルゲンに反応しているかを確認することができます。

アレルギー反応が起こった場合は、赤みや腫れ、痒みがあらわれ、炎症があった直径によってアレルギーの基準で判断されます。

ただし、炎症箇所が数日残ってしまうデメリットもあります。

◆皮内テスト

皮膚の内部に微量のアレルゲンを含んだ液体を注射し、アレルギー反応が起きるか検査する方法です。アレルギー反応が起きた場合、プリックテストと同じく赤みや腫れ、痒みがあらわれます。

皮内テストは「アナフィラキシー」と呼ばれる強いアレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。優先的に行われる検査方法ではありませんが、受ける場合は必ず病院で行い、アナフィラキシーが起きてもすぐに対応できるようにする必要があります。

アレルギー検査を受けて陰性と診断されても、実際犬に触れてみると犬アレルギーの症状があらわれることもあります。犬を初めて飼育する方は、事前にアレルギー検査を行い、犬を飼育している友達がいれば触らせてもらうなどの確認してみることをおすすめします。


犬アレルギーを起こしにくい犬種は?

犬アレルギーであっても犬を飼育したいと思う方は多くいらっしゃいます。しかし、長く続く症状を我慢して飼育すると身体に大きな負担がかかります。

アレルゲンは犬の唾液や皮脂などに含まれているため、どの犬種も絶対にアレルギーが出ないという確証は現在ありません。ただ、様々な理由で犬アレルギーの方でも飼育しやすいと考えられている犬種がいます。

◆毛が抜けにくい犬種

トイプードルやビションフリーゼ、シュナウザーなど、毛が抜けにくい犬種は犬アレルギーの人でも飼育しやすいと言われています。更に、定期的なブラッシングやトリミングが必要な犬種でもあるため、皮膚を清潔に保てることも名前が挙げられる要因の1つです。

しかし、絶対にアレルギー反応しないとは言えず、ブラッシングを家ですることで発症する可能性も考えられます。

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◆短毛の犬種

ミニチュアピンシャーやイタリアングレーハウンドは短毛であるため、犬アレルギーの方でも飼育しやすいと言われています。イタリアングレーハウンドは抜け毛も少ないため、軽度の犬アレルギーの方であれば部屋を清潔に保ち、定期的なお手入れをすることで飼育が可能な場合も考えられます。

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◆毛がほとんどない犬種

チャイニーズクレステッドドッグは、頭に冠のような毛が生えていますが、身体に毛が生えていない日本ではあまり見かけない珍しい犬種です。アレルゲンとなるフケが少ないことから犬アレルギーの方でも飼育しやすいと考えられます。

毛が抜けにくい犬種や短毛であっても、換毛期は普段よりも注意が必要です。

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犬アレルギーを起こしてしまったら?

1度犬アレルギーを起こしてしまうと、生涯付き合うことになる可能性があります。犬を飼育する前や飼育していなければ検査だけで済みますが、既に飼育している方や仕事で犬と触れ合う場合などは、治療や予防が必要となる場合もあります。

◆こまめな掃除や換気をする

特に長毛種や換毛期は抜け毛が多く、犬アレルギーの方でなくても掃除が必要になります。

毎日の掃除は部屋だけでなく、ケージの中や毛が溜まりやすい家具の下も掃除をすると、犬アレルギーを最小限に抑えることができます。また、犬が寝ているベッドや毛布も洗濯しておくと良いでしょう。

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◆ブラッシングやトリミングは定期的に

抜け毛が多いと犬アレルギーを発症しやすくなりますが、最低でも2日に1回のブラッシングで清潔に保つことができます。犬アレルギーの方はブラッシングの際マスクや手袋をしておくと安心です。

トリミングは月に1回トリミングサロンで行い、なるべく短くカットすると抜け毛が少なくなります。

◆犬との住居スペースを分ける

リビングは自由にさせ、部屋や寝室は立ち入らないようにするなど、家の中で犬との距離を置ける場所を作るのもおすすめです。

室外で飼育している場合は同じ空間で過ごす時間は少ないですが、室内は長時間同じ空間にいると犬アレルギーを発症する可能性が高くなります。特に寝室は布団に毛が付くと夜中に症状が出て寝付きにくくなり、次の日が余計に辛くなります。

◆触れ合った後は必ず手を洗う

アレルゲンを体内に入れないためにも、こまめに手洗いをすることが大切です。特に料理中や食事前などは石鹸で良く手を洗い消毒してから行いましょう。


まとめ

犬アレルギーは風邪の症状とよく間違えられることも多く、病院での検査で初めて知るという方も少なくありません。犬を飼育してから重度の犬アレルギーを発症して愛犬を手放すことにならないよう、事前に検査をしておくことをおすすめします。
また、既に飼育している方は日頃の掃除やお手入れをすることで症状が和らぐ可能性もあります。

愛犬と元気に楽しく過ごすためにも、自宅で行える予防や対処が重要です。心配な方は病院で相談すると治療や投薬をしてみるのもおすすめです。



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なつ

なつ

認定動物看護師、トリマー、愛玩動物飼養管理士の資格あり。動物看護師として動物病院で勤務していた知識を活かし、様々な情報をお伝えしたいと思っております。

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