亡くなったペットの埋葬について
家族の一員として過ごしてきたペットが亡くなってしまったら…。大きな喪失感に襲われ、何も考えられなくなる方も多いかもしれません。
しかし、大切な存在であったからこそ、しっかりと弔ってあげたいですよね。
ペットの埋葬の仕方には、その種類やサイズ、個々の考え方によって様々な方法があります。
ペットが犬であれば、近年では火葬される方が多いのではないでしょうか。中には、「土に還れるように」との考えから土葬する方もいます。
愛犬は家族同然、という考え方が浸透している現代では、ペットの供養を業務とする民間業者や、ペット霊園自体も増えてきましたね。
民間業者に依頼する場合にも、飼い主さん自身が火葬場へ運ぶ方法や、業者に引き取りに来てもらう方法、中には移動火葬車にて愛犬の火葬をお願いする方法などがあり、供養の方法やサービスの内容も様々です。
犬の代表的な埋葬方法4つ
それでは、愛犬の埋葬方法について、まずはどのような選択肢があるのかみていきましょう。
◆自宅の庭などに、遺骨、もしくは遺体を埋める。
亡くなった愛犬の遺体を庭に土葬したり、民間業者などを利用して火葬後に遺骨を埋める方法です。
◆合同慰霊碑にて埋葬する。
ペット供養が可能な寺院・自治体の合同慰霊碑・民間業者の納骨堂などで、火葬後に合同慰霊碑に埋葬してもらう方法です。一般的には、動物用の合同慰霊碑となりますが、稀に家族とペットの合同慰霊碑もあるようです。
◆散骨する
愛犬の遺骨をお墓などに納骨するのではなく、粉上にしてから海・川・山などに撒く形で供養する方法です。ペット供養の民間業者の中には、粉骨をしてくれるサービスを行っている所もあるようです。
◆自治体に引き取りをお願いする
自治体の施設によって、愛犬の遺体の火葬・引き取りをしてもらう方法です。民間業者に供養を依頼するよりも費用は安く済むのですが、ゴミと同様の扱いで廃棄されることとなるようです。この事実を知ると、抵抗を感じる方も多いかもしれませんね。
このように、亡くなった愛犬の埋葬する方法として、複数の選択肢があります。飼い主さんの考え方や、住環境、費用によって、家庭ごとにその方法を選ぶこととなるでしょう。
ペットの遺体を家の庭に埋葬していいの?
一つ目に紹介した「自宅の庭に埋める」という方法の場合、自宅に庭があることが前提となりますよね。ここで気になるのが、「庭に愛犬の遺体を埋めることに問題はないのか」という点です。
◆公用地や他人の土地への埋葬はNG
犬に限らずペットの遺体は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、第2条第1項及び第2項の規定により、一般廃棄物として扱われます。飼い主さんからすれば家族の一員であっても、日本の法律上は、ペットの種類や大きさに関わらず、廃棄物扱いとなってしまうのです。
このため、公園などの公用地や他人の土地に無断で埋めてしまうと、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第5条の規定により、軽犯罪法違反として罰せられます。河川や山林への埋葬、海へ投棄してしまった場合には、不法投棄の扱いとなり、廃棄物処理法によって処罰を受けることになるのです。
◆私有地ならルールを守ったうえでOK
愛犬の遺体を埋葬しても法に触れない場所は、私有地に限ります。私有地の土地であれば、自宅の庭に遺体や遺骨を埋めても、法律上問題はありません。
合同慰霊碑や納骨堂ではなく、土に還してあげたいという考え方も少なくありません。死後も側に置いておきたい、愛犬が好きだった庭で眠らせてあげたい、という方も飼い主さんの中には沢山いるでしょう。
私有地を所有している家庭であれば、それを可能とすることはできます。
しかし、愛犬の遺体を庭などに埋める場合、埋葬の仕方には注意が必要です。
ペットの遺体を家の庭に埋葬する時のルール
前述した通り、愛犬の遺体を庭に埋葬する場合、そこが私有地であれば法律上の問題はありません。
しかし、遺体を埋める場所が適切な場所であるか、事前に見極めておく必要があります。
◆腐敗臭などによる近隣トラブルに注意
まず注意したいのが、公衆衛生上の問題です。
火葬後に遺骨となってから埋葬するのと、遺体をそのまま埋めるのでは、土に還る過程に大きな違いがあることは想像できますよね。
埋葬後に腐敗臭が漏れたり、地下水への汚染が発生する可能性があるなど、埋葬場所には十分注意しなければなりません。これらの問題が発生すれば、法律に抵触したり、近隣への迷惑行為としてトラブルが生じる可能性もあります。
リスやハムスターなどの小動物とは違い、犬などの場合、遺体のまま埋葬するのは簡単ではありません。大型犬であれば特に難しいでしょう。
◆火葬後に遺骨を埋める方法がおすすめ
それでもお墓を私有地に作りたい、自宅の庭に埋葬したい、という気持ちが強いのであれば、個人的には火葬後に遺骨を埋める方法を推奨します。
犬などのペットの場合、火葬後に残る遺骨も多いです。遺骨を埋める場合は、粉骨してから埋葬する方が良いでしょう。
また、遺骨を骨壺から出して埋めることも忘れないでください。骨壺のまま埋めてしまうと、壺内に湿気が溜まり、遺骨にカビが生える可能性が高い上に、土に還る過程を邪魔する形となってしまいます。
遺骨を埋める場合は、粉骨すること、骨壺から出して埋葬するようにしましょう。
私有地で土葬する時の注意点
中には、家庭の経済状況の問題であったり、どうしても土葬が良いという考えを持つ方もいますよね。その場合、遺体をそのまま埋める際には以下の注意点に留意してください。
◆穴を深く掘る
遺体を埋める穴は、深く掘る必要があります。目安は約1m程です。これは、動物に掘り返されないようにするためであったり、臭いによる問題を発生させないためです。
動物の遺体は、時間の経過と共に腐食するため、独特な臭いである腐敗臭を発生させます。これにより、近隣住民から苦情が出るかもしれませんし、他の動物が臭いを嗅ぎつけて掘り返してしまうケースが生じることも考えられます。遺体に湧いた虫が、地面に露出する可能性もあるでしょう。
約1m程の穴に埋めることで、ほとんどの場合、これらの問題を防ぐことができます。
臭いの問題には、生前の愛犬の印象を損なう可能性もあるので、愛犬との思い出をいつまでも綺麗に残しておくためにも、臭い対策は重要だといえます。
◆遺体の下にタオルなどを敷く
深く穴を掘ったら、愛犬の遺体をそのまま置くのではなく、遺体の下にはタオルなどを敷きましょう。腐食しやすいタオルなどを置くことで、土に還るのを促すことができます。
この時使用するタオルの素材にも気を配ると尚良いでしょう。素材が化学繊維(ポリエステルなど)の場合、土に還りにくいのです。更に、湿気を封じ込めてしまう恐れも考えられます。
遺体の下に敷くタオルには、土に侵食されやすい、自然素材100%(木綿や絹など)の物を使用しましょう。自然素材のタオルなどを選ぶことが、愛犬の遺体が土に還る過程を助けることとなります。
◆土を高く盛る
堀った穴の中にタオルと遺体を置き、埋め戻す際にも注意が必要です。
しっかりと土を埋め戻したつもりでも、土と土の間には隙間ができています。この隙間により、降った雨などで埋めた場所が下がってしまうのです。土を固めながら埋めたとしても、時間の経過と共に土は徐々に下へと下がります。
地面を平らに埋め戻してしまうと、最悪、愛犬の遺体が露呈したり、他の動物が気付いてしまう可能性があるのです。
埋め戻す際には凹みを作らないよう注意すると共に、予め余分な土を用意しておくことを忘れないでください。そしてその場所には土を被せ、最低でも30cm程の高さが出るように盛り上げましょう。
◆大きめの石を置く
土を盛り上げたら、その上には大きめの石などを置くことが推奨されます。遺体が動物に掘りこされるのを防ぐと共に、墓石として目印になる役割を担うこともできます。
現代では、ペット用の墓石も注文することができます。愛犬の名前を入れることができたり、様々な種類の自宅供養アイテムが販売されているので、この場合予算はかかりますが…自宅に立派な愛犬のお墓を作ることも可能です。
ペットの遺体を家の庭に埋葬する際のメリット・デメリット
愛犬を埋葬する方法をいくつか紹介しましたが、選択する方法のそれぞれにメリットやデメリットが存在します。私有地である家の庭に埋葬する場合も、勿論そうです。
◆ペットの遺体を家の庭に埋葬する際のデメリット
埋葬の仕方を紹介しましたが、誤った方法をとると、前述したように臭いによるトラブルなどを招く可能性があります。
更に私有地だからといって、永続的に供養できる、お墓を守り続けられるという可能性も100%とはいえないのです。先の未来に、土地を売却しなければいけない状況に陥ることも無いとは限りませんよね。
その土地が人手に渡った後に、埋めた場所が掘り起こされる確率もゼロではありません。地面から犬の骨が出てきた場合には、土地の購入者との間にトラブルが発生する場合もあるでしょう。
愛犬を庭に埋葬することを決定する前に、これらのデメリットも考えられるということを忘れないでください。
◆ペットの遺体を家の庭に埋葬する際のメリット
実際に家の庭に埋葬することで感じられるメリットも勿論あります。
「庭に埋めたい」と考える飼い主さんには、「死後も愛犬を近くに置いておきたい」という気持ちの強い方が多いでしょう。
「愛犬が好きだった庭で眠らせてあげたい」「常に愛犬を近くに感じていたい」との意向が強い家庭にとっては、正にその願望を叶えられるというのが、最大のメリットだといえます。
お墓参りも毎日にようにできますし、手厚く供養することが可能となるでしょう。
勿論、業者に頼むよりも費用が掛からないという点も、経済状況の助けとなるメリットの一つですね。
まとめ
愛犬の埋葬方法については、住環境や経済状況、個々の考え方に合わせて、慎重に選択する必要があります。大切な愛犬をどう供養するのか、一度、家族で話し合っておきましょう。
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