1.ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの違いとは
1-1.ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの歴史
2.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)ってどんな犬?
2-1.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の特徴
2-2.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の性格
2-3.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の値段
2-4.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の飼い方
2-5.ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の注意点
3.プチブラバンソンってどんな犬?
3-1.プチブラバンソンの特徴
3-2.プチブラバンソンの性格
3-3.プチブラバンソンの値段
3-4.プチブラバンソンの飼い方
3-5.プチブラバンソンの注意点
4.ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンに多い病気は?
4-1.呼吸器系
4-2.角膜損傷
4-3.肥満
4-4.外耳炎
【掲載:2018.08.25 更新:2024.02.13】
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの違いは?
「ブリュッセルグリフォン」「ベルジアングリフォン」「プチブラバンソン」はいずれもベルギーにて生まれた犬種で、当時ブリュッセル地方で飼育されていた「Smousje」と呼ばれる硬い毛質をした小型犬を共通の祖先に持つと言われています。
そんな「ブリュッセルグリフォン」「ベルジアングリフォン」「プチブラバンソン」の違いは、実は毛色や毛質のみで、その他の基本的な部分に大きな違いはありません。
具体的には、以上の3犬種にはこのような違いが見られます。
なぜこのような違いが出るようになったのか、ということについては、ブリュッセルグリフォンらの歴史に大きく関わりがあります。
◆ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの歴史
現在のグリフォン犬の元となる犬たちは、何世紀も前からブリュッセル地方の馬小屋などでネズミ対策の猟犬としてよく飼育されていた「ハードコート」と呼ばれる硬い毛質を持つ小型犬です。
19世紀後半になると、グリフォン犬は上流階級でも話題となり、1870年代にベルギー国王レオポルド二世の妻であるベルギー王妃マリー=アンリエットが愛好したことが人気の火付けになったと言われています。
ベルギー王妃マリー=アンリエットの愛好による人気上昇に伴い、より小型でより平たい愛嬌のある顔立ちにしようと犬種の改良が行われるようになります。
その中で、パグやヨークシャーテリア、アーフェンピンシャーやキング・チャールズ・スパニエルといった犬種が交配されるようになり、段々と毛色や毛質に違いが表れるようになりました。
それらの違いを新たな犬種として認めて名づけられたのが、「ブリュッセルグリフォン」「ベルジアングリフォン」「プチブラバンソン」なのです。
1920年にはグリフォン犬の人気は頂点に達しましたが、元々の性質が妊娠しにくく、1回の出産で産まれる頭数も少なかったことから、20世紀後半からは頭数が減り、世界にもあまり爆発的に広まらなかったという歴史を持つ犬種です。
これらの3犬種は分類の曖昧さから、国によっては同一犬種として扱われることもあります。
中にはブリュッセルグリフォンとベルジアングリフォンを同一犬種として、プチブラバンソンのみを別犬種として公認している国もあります。
日本では2002年までは今日の「ベルジアングリフォン」「プチブラバンソン」も『ブリュッセルグリフォン』と血統書に表記されていましたが、現在のジャパンケネルクラブ(JKC)では、ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンの3犬種をそれぞれ異なる犬種として扱っています。
2019年1月から12月のJKC発表の犬種別犬籍登録犬数では、ブリュッセルグリフォンが118頭、ベルジアングリフォンが42頭、プチブラバンソンが53頭となっています。
ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)ってどんな犬?
ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の特徴や性格など、どんな犬なのかをご紹介します。
◆ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の特徴
ブリュッセルグリフォンは、体重3.5~6kgの小型犬です。鼻先から付け根にかけたマズル(口吻)が潰れている見た目をしている短頭種となります。
被毛は硬く、長いラフコート(たてがみの様な首回りの厚い毛)です。
被毛の色はレッド、赤みがかった色で、ブラックまたはブラック&タンの個体は、ベルジアングリフォンに属します。
脚が長く、耳は半垂れか折れた耳が耳穴を隠す様なボタン耳をしています。
尾は垂れ尾で、尾と耳を切り落とす断尾、断耳をする犬種の一つですが、最近は動物愛護の観点から処置をされていない個体が多いです。
◆ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の性格
グリフォンは、明るくて温厚な性格をしています。基本的に友好的なため、飼育しやすい犬種の一つです。
反面、警戒心が弱いため、番犬に向かないという特徴があります。
運動量も少ないため、完全室内飼いや散歩時間も無理のない範囲で行くことが可能です。
◆ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の値段
ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の子犬の価格相場がは、およそ25万円~28万円ほどです。
しかし、犬の値段は血統や販売ブリーダーなどによって大きく変動があります。
また、常にペットショップなどで販売のある犬種では無いため、価格は高くなりがちです。
◆ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の飼い方
運動量を必要としない犬のため、散歩は家の近くの決められた散歩ルートを1日15分程度で回りましょう。
飼い主に対して、従順かつ温厚なため、丁寧にしっかりしつけを行えば身につく犬種です。そのため、しつけは根気強く、一つ一つのコマンドに対して丁寧に行うことがおすすめです。
社会性に富んだ性質を持っているため、社会性を育む子犬時代にしっかりと他の犬や人間と関わらせると、成犬になった際にもフレンドリーな犬になることができます。
ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)のは、毛が一層のシングルコートの犬種です。そのため抜け毛が少ないので、ブラッシングは毎日でなくても大丈夫です。
週に数回、ブラッシングして被毛の絡まりを除去し、皮膚の健康を保ちましょう。
◆ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)の注意点
ブリュッセルグリフォン(ベルジアングリフォン)は被毛がシングルコートのため、密生した下毛が無く寒がりな一面があります。寒い時期は洋服を着せるなどの配慮が必要です。
プチブラバンソンってどんな犬?
プチブラバンソンの特徴や性格など、どんな犬なのかをご紹介します。
◆プチブラバンソンの特徴
プチブラバンソンは、体重3.5~6kgの小型犬です。怒っている様な顔つきが特徴で、パグを掛け合わせて繁殖された犬種のため、マズルが短い短頭種に属します。
被毛は短毛のスムースコートで、毛色はレッド、ブラック、ブラック&タンなどグリフォンと同じ毛色を持ちます。
耳は耳穴を隠す折れ耳のボタン耳で、尾は垂れ尾ですが、断耳、断尾をする犬種のひとつです。
◆プチブラバンソンの性格
プチブラバンソンは、穏やかで親和的な性格をしています。パグの性質も受け継いでおり、頑固な一面があります。
全体的にマイペースなため、見知らぬ相手や合わない相手に合わせることをせず、距離をとる傾向があります。
◆プチブラバンソンの値段
日本では希少犬種のため、あまりペットショップで販売されていることがありません。
そのため、取り寄せや専門ブリーダーからの購入になるため、比較的高価になりがちです。
一般的な価格相場平均は27万円ほどです。
◆プチブラバンソンの飼い方
運動量が少ない犬種のため、散歩は毎日15~30分ほどで済ませる様にしましょう。
しつけが入りやすい犬種ですが、頑固な一面があるため一度間違えて覚えてしまう(誤学習)と中々修正が難しいという特徴があります。
そのため、ゆっくりと丁寧に一つ一つのしつけを行う様にしましょう。
◆プチブラバンソンの注意点
プチブラバンソンは、パグの性質を強く受け継いでいることと、運動量が少ない犬種のため、肥満になりやすいです。
食餌のカロリーや量には気を付けてあげるようにしましょう。
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンに多い病気は?
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンに多い病気にはどんなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。
◆呼吸器系
短頭種の犬は鼻が潰れているため、呼吸がし辛く、呼吸器系の病気が多いです。特に短頭種気道症候群、軟口蓋過長症、気管虚脱などが代表的です。
呼吸し辛い短頭種は、暑い夏などはハァハァと呼吸数が増えるため、チアノーゼや貧血を起こしやすいという特徴もあります。熱中症になることも増えるため、注意が必要です。
◆角膜損傷
鼻が潰れているため、他の犬種よりも目が前に出ているという特徴があります。そのため、室内や、散歩の草むらなどで目を傷つけやすいです。
特に角膜損傷は多く、繰り返すと視力低下や失明に繋がります。
◆肥満
パグを掛け合わせて繁殖された犬種のため、肥満になりやすいです。また、運動量が少なく、消費カロリーが少ないことから食餌の量やカロリー、質には特に配慮が必要です。
短頭種の肥満は、呼吸器疾患や関節疾患をより多く引き起こす原因となるため注意しましょう。
◆外耳炎
耳が折れて耳の穴を隠す形になっているボタン耳のため、通気性が悪く外耳炎を起こしやすいです。犬の外耳炎は根気強い治療が必要で、完治が難しい病気の一つです。
外耳炎の原因はダニ、カビ、細菌など様々で、しっかりと耳垢を検査し、症状に合った治療法を進める必要があります。
まとめ
ブリュッセルグリフォン、ベルジアングリフォン、プチブラバンソンは、被毛の色や長さが違います。個体としては同じルーツを持っているため、祖先やかかりやすい病気などは同じです。
日本を含め、世界の幾つかの国では、これら3つの犬は別の犬種として認定されています。似ている様で違う犬の、この3犬種の違いを楽しんでくださいね。
– おすすめ記事 –
・熊みたいなワンちゃんを10種紹介!熊犬と呼ばれる犬種とは? |
・チワックスってどんな犬?チワワとダックスのミックス犬に注目! |
・犬との暮らしに床暖房は大丈夫?床暖房を使用する際の注意点 |
・愛犬が体当たりしてくる!その理由や対処法は? |