1.犬がかかりやすい病気やケガ、治療費を知ろう
1-1.外耳炎
1-2.皮膚炎
1-3.骨折
1-4.下痢
1-5.胃腸炎
1-6.椎間板ヘルニア
1-7.異物誤飲
3.ペット保険に加入するなら気をつけるべきポイント
3-1.年齢によってはペット保険への加入が難しくなる?
3-2.ケガや病気のタイミングで保険に加入することはできない
【掲載:2018.08.27 更新:2021.01.31】
犬がかかりやすい病気やケガ、治療費を知ろう
いくら健康に気をつけても、まったく病気をしないまま一生を終えることは難しいでしょう。
それは、私たち人間でも同じですよね。
ただ、人間との大きな違いは、「ワンちゃん達は自分で病院に行けない」ということです。
飼い主さんが犬の病気について知り、早期発見・早期治療の重要性を真剣に考えておかなければなりません。
犬種や年齢、犬の大きさによってかかりやすい病気は違いますが、一般的なものについていくつか紹介します。
また、治療費がどのくらいかかるのかについても触れていきます。
◆外耳炎
犬の種類や年齢問わず、すべての犬種でかかりやすい病気の上位にランキングするのが「外耳炎」。
外耳炎は、耳のなかの細菌が増え、それにより炎症を起こす病気です。
炎症により内部に痒みが発生するので、犬たちは耳を気にするようになります。
耳を床にこするような仕草や頭をブンブンと振る様子が見られるようになるでしょう。
耳の中が蒸れると起こりやすいので、特に耳が垂れさがった犬種に多く発生するかもしれません。
外耳炎の診断は、「何が原因なのか?」「症状はどの程度進んでいる?」を把握することから始まります。
初期の軽い炎症なら耳の洗浄、点耳薬、内服薬と通院で済むでしょう。
経過観察のため、何度か通院することになれば、総費用は10,000~25,000円くらいが費用相場かと思います。
なかには、外耳炎を放置し過ぎて重症化するケースがあります。
通院では完治せず、手術が必要で20万円前後の治療費がかかるケースも。
ペット保険に入っていれば、自己負担が少なくて済みそうですね。
◆皮膚炎
「皮膚炎」もワンちゃん達がかかりやすい症状として名前があがります。
人間のように洋服を着て過ごさない犬たちは、散歩に行くときもそのまま。
さまざまなものが、体に付着しやすいため、寄生虫やダニ、汚れなどが原因で皮膚に炎症を起こしたりします。
犬たちにとっては、膿皮症、ニキビダニ、アトピー、アレルギーなどの皮膚炎はとても身近な病気と言えるでしょう。
皮膚炎といっても、その症状のひどさによって治療内容や治療日数が異なります。
あまりひどくないものだと薬が処方されて「経過観察でOK」ですが、症状が拡大し過ぎているケースなら、検査や薬、シャンプーなど長く通院を求められることがあります。
大がかりな治療となると10万円もの痛い出費となることもあり、「ペット保険に入っていて助けられた」という飼い主さんも多いです。
ペット保険の請求事由として、皮膚炎は上位にあるようです。
特に、アトピーなど慢性的な皮膚炎は、治療が長期的になるでしょう。
それだけ費用も増えるので、ペット保険への加入で負担が減るのかと思います。
◆骨折
骨折はケガなので、運動量が多い大型犬やアクティブな犬種に多いイメージがありますよね。
「うちの子は室内で飼っているから骨折とは無縁」「小型犬だから運動量が少ないから骨折はしない」、そう考えている飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、実は「室内」「小型」だからこそ、注意が必要なケガとも言えるのです。
最近の住宅の床はフローリングが一般的で素足の犬たちは、「滑る床」と毎日格闘しています。
転びやすいので骨折の危険度も高まるでしょう。
また、室内犬は、ソファーからのジャンプでヤンチャぶりを発揮することも多いですよね。
でも、小型犬の細い脚への負担はかなりのものです。
骨折する犬たちの多くは、外での運動よりも、室内が現場となっていることが多いようです。
骨折の治療は、手術をベースに入院、通院と続きます。
画像診断も増えるので、総費用は10万円以上かかることも珍しくありません。
完治までの期間が長ければ長いほど費用は増え、数十万円の支払いとなるケースも。
こんなときに役立つのがペット保険です。
例えば、保険会社A社の保険補償事例では、治療費合計約12万円のうち、70%補償プランに入っていると8万円ほどの保険が適用されています。
骨折しないのがもちろんいいのですが、ペット保険で万が一に備えておくと愛犬にじゅうぶんな治療が受けさせることができるでしょう。
◆下痢
年齢問わず、犬がかかりやすい症状にあがるのが「下痢」です。
下痢症状があったときには、便検査、血液検査、薬の処方など、1日の通院で1万円前後の治療費がかかるかと思います。
しかし、重症化して入院をするケースでは、数万円にも及ぶ費用がかかった事例もあり、「単なる下痢」と見過ごせない症状です。
特に、体がまだ完成されていないような子犬に多く見られるので、家族に迎え入れたらペット保険に入っておくと安心かもしれませんね。
◆胃腸炎
「胃腸炎」は、犬のペット保険の請求理由のなかでも名前がランクインする病気のひとつです。
胃腸炎は、その原因によっても治療内容が変わります。
食べものや誤飲による急性的な胃腸炎の場合、緊急手術と大がかりな治療となるでしょう。
術後は、点滴による適切なケアが必要なので数日の入院が必要になることが多いです。
犬の年齢や大きさによっても異なりますが、手術になれば少なくても10万円以上はかかるため、ペット保険への加入が助かります。
また、ストレスや身体機能が低下したことによる慢性的な胃腸炎の場合、その原因を追究するためのさまざまな検査が必要になるでしょう。
投薬による治療の場合でも、経過に応じて通院しなければならず、月に20,000円くらいはかかるでしょう。
◆椎間板ヘルニア
腰の病気である「椎間板ヘルニア」は、人間の病気としても知名度がありますよね。
腰に負担が大きい足の短い犬によく表れ、特にダックスフンドのように胴長短足犬が注意しなければならない病気です。
後ろ足を引きずる、抱っこを嫌がる、ソファーの昇り降りができなくなる、排尿時に不自然になる、立ち姿に震えが見られる、歩き方が変…など、分かりやすい症状が表れるかと思います。
なるべく早めに治療できれば内科的な治療で済み、約8割程度の確率で治療を終えることができます。
しかし、まったく動けなくなるようなほど進行してしまうと手術が必須となり、術後はリハビリや車いすなど、日々の生活に支障をきたすことになるでしょう。
椎間板ヘルニアの進行具合にもよりますが、初期の頃に発見できれば数万円程度で治療ができます。
しかし、進行し過ぎると30万円以上かかることも。
さらには、一生通院しなければならない長期的な治療に及ぶケースもあり、多額の出費となるでしょう。
ヘルニアになりやすい犬種の飼い主さんは、ペット保険を検討してもいいかもしれませんね。
◆異物誤飲
病気やケガではありませんが、家のなかで飼っていると起こりやすいのが「異物誤飲」です。
留守番中はもちろんですが、飼い主さんが目を離したすきに、間違って何かを飲み込むことが少なくありません。
誤飲したとき、あるいは「何かを飲み込んだかも…」というときには、病院で診察や画像診断のあと、すぐに手術が必要なことも。
手術をして数日間入院したケースでは、およそ20万近くかかることが予想されます。
ただ、異物誤飲に関しては、保険料の支払いはケースバイケースです。
なぜなら、病気やケガと違って、「飼い主さんの不注意から…」と判断されることが多いからです。
例えば保険会社B社の場合だと、7割の保険金を支払う補償プランがあります。
20万近くかかっても保険会社の負担を差し引き、自己負担が6万円程度で済むことになるでしょう。
ただ、そもそも「異物誤飲は対象外」と明記している保険会社もあるので、しっかり確認が必要です。
ペット保険加入でこんなメリットが
上記であげた以外にも、犬たちに起こりやすい病気や症状はたくさんあります。
私たち人間は、公的な健康保険制度が整っているので、毎月保険料をおさめることで、病気やケガで診察するときの自己負担額が少なくて済みます。
そのため、保険適用で出費が少なくて済むという安心感から、比較的病院への診察は気軽に行けるものですよね。
でも、動物たちの診療は保険制度がなく、かかった診察費用はすべて飼い主さんの負担。
軽い症状や病気なら、数千円から数万円で済みますが、手術をともなう治療になると数十万円超えることも少なくありません。
家族の一員である大事な犬のため…と思っていても、現実的には急な出費に頭を抱える人も多いかもしれません。
しかし、「お金が出せないから」と治療をしないわけにはいかないもの。
大事な愛犬が苦しむ姿をそのままにする訳にはいきませんよね。
病気にかからないことが一番いいのですが、「万が一」に備えておけるのがペット保険の良さでもあります。
何より「保険で治療費のカバーができるから早く病院に行こう」という気持ちになります。
例えば、重度の症状で手術や入院に10万円かかるなら、ペット保険加入時に50%の補償プランで5万円、70%の補償プランなら3万円の自己負担で済むことになるでしょう。
病気の種類や保険会社、プラン内容によって、保険金の支払いには細やかな特約があるものの、「突然の大きな支払い」を少しでも緩和してくれる心強い味方となってくれるかと思います。
「診療費用が気になるから…」と病院への足が遠のくと、病気が進むかもしれません。
結果的に、お金がかかるだけでなく愛犬の命の危機となってしまうこともあるのです。
ペット保険は、飼い主さんの家計を助けるだけでなく、大事な家族である愛犬のかけがえのない命を守るためのものとも言えるのかもしれませんね。
また、保険会社によっては、「獣医師への無料電話相談」など、プラスのサービスが付属していることも。
愛犬の健康に悩んでいる飼い主さんには、保険会社の手厚いサービスは嬉しいものですよね。
ペット保険に加入するなら気をつけるべきポイント
ペット保険といっても、会社ごとに内容が違います。
病気になってから加入することはできないので、加入する年齢には気をつけておかなければなりません。
◆年齢によってはペット保険への加入が難しくなる?
保険会社やプラン内容によって保険料が違うのはもちろんですが、ペットの大きさによっても保険料が変動します。
一般的に体の大きい犬の方が保険料は高めとなります。
また、基本的に高齢になると、保険加入そのものが制限されることが多いです。
人間でも同じですが、年齢が高くなるほど病気にかかる率が高まります。
おそらく高確率で「早くペット保険に加入しておくべきだった」と考えることになるかもしれません。
8歳から10歳くらいを超えると加入可能なペット保険がなくなりますし、また、加入時の年齢によっても保険料は変わります。
ペット保険を考えるなら、年齢が早ければ早いほどいいでしょう。
◆ケガや病気のタイミングで保険に加入することはできない
ペット保険への加入の条件として、多くの保険会社が「健康体であること」と明記しています。
「愛犬が重い病気にかかった」「手術が必要なケガをした」など、請求書の金額に驚いて慌てて保険加入することはできません。
まれに、「通院していることを隠して保険に加入しようか」と考えることがいるかもしれません。
しかし、加入時には飼い主さんからの告知義務があり、嘘の申告とは法律的にも罰せられることです。
愛犬に誇れる飼い主さんであるために、嘘をついてまで保険に加入するのはNGです。
まとめ
ほとんどの犬たちが、一生のうちになんらかの病気にかかるもの。
病気は早く見つけることができれば治療も費用も軽くて済みますが、見逃してしまうと治療費はかなりのものとなるでしょう。
犬の病気は、予測ができませんし、病気になってから加入できる保険はありません。
「入っておけばよかった」「治療費が捻出できないからどうしよう」と後悔しないためには、ペット保険の加入を考えているなら早めの行動が良さそうです。
また、シニアに突入した時期でも、条件次第で保険加入ができるケースもあります。
各会社によって保険料や割引サービスも違うので、さまざまな保険プランを比較して、愛犬にぴったりな保険を探してみてくださいね。
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