1.珍しい犬はどうやって入手するの?
1-1.入手方法①ペットショップに依頼する
1-2.入手方法②国内のブリーダーから購入する
1-3.入手方法③海外から輸入する
3.珍しい犬を飼うリスク②同じ犬種を飼っている飼い主さんが滅多に見付からない
【掲載:2018.09.16 更新:2020.04.16】
珍しい犬はどうやって入手するの?
国際畜犬連盟(FCI)の公認犬種数は340種以上あるといわれており、非公認の犬を合わせると、その数は世界中で1000種近い種類に上るそうです。世界にまで範囲を伸ばすと覚えきれない程の犬種数がいますが、日本国内でも滅多にお目にかかれない珍しい犬種を飼っている人が実際にいます。
メジャーで知名度の高い犬や、古くから日本に存在する犬、人気犬種などであれば、一般的にペットショップやブリーダーから手に入れることができますよね。
それでは、珍しい犬を飼う場合、どのような方法で入手すればよいのでしょうか?
◆入手方法①ペットショップに依頼する
国内において珍しい犬の場合、ペットショップで見かけたり購入できる確率はとても低いでしょう。ペットショップに並ぶ犬種のほとんどは、知名度が高かったり、人気犬種であることが多いです。その年の流行に左右されることもあるでしょう。
ペットを飼うには、他にも里親募集に応募する、保護犬譲渡会を利用するなどの方法がありますが、珍しい犬種が目当てとなると、運よく出会える確率は尚のこと低いといえます。
珍しい犬種を飼うには、ペットショップに目当ての犬種が並ぶのを待つよりも、そのお店に子犬を探してもらう方が近道です。
ペットショップの中には、目当ての犬種を探してくれる所もあります。どうしても欲しい犬種が珍しい犬の場合は、店員さんに相談してみるのが一つの手です。
◆入手方法②国内のブリーダーから購入する
希望する珍しい犬種のブリーダーを見つけることができれば、そのブリーダーから直接購入することが可能です。
しかし、珍しい犬の場合、ブリーダーの数自体も少数で、その犬種の個体数も少ないでしょう。
問い合わせて聞くのが一番ですが、次の繁殖時期まで購入できなかったり、場合によっては譲ってもらえないケースも考えられます。価格も相場に大きな差が生じますし、珍しい犬=個体数が少ないということで、高額な値段となることもあるでしょう。
また、ブリーダーから購入する場合に、注意すべき点があります。
「やっと目当ての犬種のブリーダーをみつけた!」となると、すぐにでも購入したくなってしまうと思います。しかし、まずはきちんとしたブリーダーかどうかを確認しなければなりません。
その珍しい犬種について熟知しているか、飼う上での適切なアドバイスをしてもらえるか、購入後のサポートはあるかなど、しっかりと話をしてみましょう。質問に対して適切な回答が得られたり、愛情を持って犬と向き合っているかが分かれば、そのブリーダーに対して安心をもてると思います。
◆入手方法③海外から輸入する
珍しい犬のため、国内ではブリーダーも見つからないという場合には、探す範囲を海外にまで伸ばすしかないでしょう。手段の一つとして、海外のブリーダーから直接輸入する方法があります。
国内同様、ネットで海外のブリーダーを探すことはできますが、ネット上の情報だけでは信頼できるブリーダーかどうかを判断するのは難しいといえます。可能であれば、実際に見学に出向くことが一番良いでしょう。
海外から輸入するとなると、生体価格の他に、輸送費や輸入手続き、検疫等が必要になるため、国内での購入よりも多大なコスト・時間・手間などはかかってしまいます。
また、目当ての珍しい犬をやっと手に入れた!といっても、到着後に問題が発覚する場合も考えられます。例えば、血統や毛並みが異なる、気性に問題がある、病気が見付かるなどという事態です。
これが国内でアフターサービスがしっかりしているブリーダーであれば、話し合いをして交換が可能な場合もあります。しかし相手が海外となれば、簡単に送り返すことはできません。輸送は犬に大きなストレスを与えてしまうのです。
海外のブリーダーと個人とのやり取りには、様々なリスクがあるということを念頭に置いておきましょう。素人が個人輸入をするよりも、信頼できるプロに依頼するなどの段階を踏んだ方が賢明といえます。
珍しい犬を飼うリスク①飼い方が知られていない
珍しい犬を愛犬として迎えた場合、考えられるリスクの一つに情報の少なさがあります。
メジャーな犬種であったり、周囲に同じ犬種を飼っている飼い主さんがいれば、飼育する上での情報を容易に得られたり、相談などをすることができますよね。しかしそれが珍しい犬種となれば、簡単にはいきません。
犬を飼うという点では同じなのだから、基本的な犬の飼育方法が分かれば問題ないのでは?と思う方もいるでしょう。
もちろん犬の飼い方において、様々な犬種に共通する部分は沢山あります。ただし、犬種ごとの特徴や性質、生活する上で注意しなければならないこと、などの相違点もあるのです。
愛犬と飼い主さんの両者にとって、健康的で問題のない生活を送るためには、犬種ごとの特性をよく知っておく必要があると考えられます。
例えば、日常生活の中で困ったことがあったとします。もちろん、その子の個性や家庭での生活状況が影響している場合もあるでしょう。しかし、その原因に犬種独特の性質が関係している可能性もありますよね。
しつけの仕方も、本来その犬種がもつ性質に合わせた方法をとるのが近道です。犬種によって、厳しくしない方がよい、遊びながら覚えさせた方がよい、などという効果的なしつけの仕方は違ってきます。
また、問題行動やしつけに困った場合、解決手段の一つとしてドッグトレーナーに相談したり、しつけの依頼をするという方法がありますよね。しかし、これも珍しい犬種の場合、その性質に詳しく、訓練経験のあるトレーナー自体が見付からなかったり、的確なアドバイスを得ることができないかもしれません。
少ない情報の中で愛犬の飼育がきちんとできるのか、その点についても前以て考えておく必要があるということです。
珍しい犬を飼うリスク②同じ犬種を飼っている飼い主さんが滅多に見付からない
周囲に同じ犬種を飼っている方がいなければ、飼育方法や日常生活における相談などが気軽にできません。更にこれは、同じ犬種を飼っている知人・友人ができない、ということですよね。
このリスクは特に健康被害を招くなどの恐れに至るものではありませんが、同じ犬種を飼っている仲間が少ない、という寂しさを飼い主さんが感じてしまうかもしれません。
メジャーな犬種を飼っている方なら経験があると思いますが、散歩中に愛犬と同じ犬種を見かけたら嬉しい気分になりませんか?すれ違ったり、出掛けた先で会った時には、飼い主さん同士で会話が弾む喜びを感じられます。
また、愛犬家の皆さんの中には、犬種限定の集まりやイベントなどを楽しみたい方もいるでしょう。国内での飼育頭数が多い犬種であれば、ドッグランやドッグカフェなどを貸し切って同じ犬種同士で集まり、交友関係を広げたり、情報交換をしたり、などという楽しみ方が可能です。
このような集会は、単に飼い主さんの楽しみに限ったものではなく、愛犬自身が友達をつくれたり、社交性を養う場にもなり得るのです。
このような機会に中々恵まれないというのも、飼い主さんによっては、珍しい犬を飼う上でのリスクと考えられるかもしれません。
珍しい犬を飼うリスク③かかりやすい病気・疾患を理解している獣医師が少ない
もう一つ考えられる大きなリスクに、珍しい犬種の場合、その病気や疾患を熟知している獣医さんが少数であるという点があります。これは、命に関わる大問題に発展する可能性のあるリスクです。
病気やかかりやすい疾患・怪我なども、犬種によって違いがあります。愛犬が病気などを患った場合、獣医さんがその犬種に詳しくなければ、適切な治療や迅速な対応ができないかもしれません。
例えば、患った病気が遺伝性の疾患だったとしても、それを知らなければ原因が分からずに、治療が遅れるケースもないとはいえません。その結果、愛犬が重篤に陥る確率もゼロではないでしょう。
これも珍しい犬種が抱える、「情報の少なさ」から考えられるリスクの一つです。
珍しい犬を飼うリスク④遺伝的疾患を持っている可能性
珍しい犬種とは、飼育頭数はもちろん、個体数が少ないということです。国内のブリーダーから購入した場合、個体数の少なさから近親交配となっている可能性が考えられます。
近親交配とは、遺伝学的に関係のある個体同士を掛け合わせるということです。例えば、父(母)と娘(息子)、祖父(祖母)と孫娘(孫息子)、兄弟同士、従妹同士、などの関係にある犬を交配させることを指します。
近親交配によって生まれた子には、奇形・感覚障害などの先天的な問題が生じる可能性があります。生まれた子に悪影響が出る確率は100%ではありませんが、遺伝的疾患を抱えたまま生まれるリスクが備わっているかもしれないということですね。
珍しい犬種はおのずと高額になります。そのため、遺伝的疾患が考えられる近親交配個体を、高額で販売するブリーダーも中にはいるかもしれません。購入する際には、しっかりと確認する必要があります。
個体数の少ない犬種の交配は、近親交配に該当しなくとも、極めて血統が近い犬同士となっていることが考えられます。これらの点も、珍しい犬種を飼うリスクとして念頭に置いておきましょう。
珍しい犬を飼う時のまとめ
ずっと飼いたかった犬が珍しい犬種にあたる、飼うなら国内では珍しい犬にしたい。珍しい犬種に憧れる飼い主さんの思いはそれぞれでしょう。
しかし、犬を飼うということは家族が増えるということです。飼う上でのリスクをしっかりと頭に入れ、愛犬を不幸にしないよう努めてくださいね。
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