犬の鳴き声の要素にはどんなものがあるの?
犬の鳴き声は、様々な要素が組み合わさって出来ています。では、どんな要素があるのか一つずつ確認してみましょう。
◆鳴き声の高さ、低さ
犬の鳴き声の高低は、犬の気持ちを理解するバロメーターの意味があります。
高い声で鳴き声をあげることは、嬉しさや歓迎、興奮している状態、という意味があります。
逆に、低い声で鳴き声をあげることは、警戒心や敵意の意味があります。
◆鳴き声の繰り返し回数
何度も何度も繰り返して鳴き声をあげる意味は、警戒している時や恐怖を感じている時です。周りの犬や人に対して助けを求めている、警戒サイレンを鳴らしている状態と同じです。
対して、1回から数回程度鳴き声をあげる意味は、興味やテンションが軽く上がっている状態を指します。
鳴き声の回数が多いほど、犬の興奮度も高いです。
◆鳴き声の長さ
ウーと唸るように長く鳴く鳴き声は、威嚇や警戒、攻撃したいという意味があります。逆にワン!ワン!と短く鳴く鳴き声は、恐怖を感じた時に出る鳴き声です。
ワオーンと大きな声で犬が遠吠えする時には、遠くにいる犬とのコミュニケーションを図っている時だったり、不安感の訴えの意味があります。
◆鳴き声と動き
鳴き声をあげながら、どんな動きをしているかで犬がシグナルとして出している意味がわかります。
●恐怖や不安
目をそらす、鼻をなめる、体が震えている、隠れる、など。
●痛み、辛さ
丸くなって寝ている、抱き上げたり、どこかを触るとキャン!と高い声で鳴く、震えている、など。
●嬉しい
クルクル早いスピードで回る、ジタバタと両足でダンスを踏む様なステップを踏む、など。
◆尻尾の動かし方
犬は尻尾の動きも感情と繋がっています。鳴き声をあげながら、尻尾がピンと張っている時は緊張しているという意味です。
逆に、しっぽがだらりと下げながら鳴き声を上げている時にはリラックスしています。
左右に尻尾を振っている時には、振り方のスピードに注目します。ゆっくりと左右に尻尾を振っているのであれば、それは警戒を意味します。
逆に、左右に勢いよくブンブンと小刻みに振っているのであれば、興奮を意味します。
◆耳の動かし方
耳をペタッと下げながら吠えている時には、犬は恐怖や不安を訴えているときか、飼い主に甘えている時です。
両者を見分ける時には、尻尾の動きや鳴き声の高さ、長さなどを総合して判断します。
犬の鳴き声の意味は?
犬の鳴き声の意味には、どんなものがあるのでしょうか。一つずつ確認してみましょう。
◆ワン!
ワン!と一回だけ強く鳴く鳴き声は、挨拶のような意味合いがあります。「やあ!」「こんにちは!」や、「ちょっと」という呼びかけも含まれます。
◆ワンワン!
ワンワン!と続けた鳴き声は、犬が何か訴えたい気持ちがあるという意味です。おやつやご飯の要求、散歩に行きたいという気持ち、遊んでほしい時、などによく使います。
◆ワワワ…ワン!!!
ワンワン!と鳴き声を切らずに、ワワワ…ワン!と捲し立てる様に鳴く時は、犬が興奮状態にあります。警戒心を持ち、警報の意味で鳴いていることも多いです。
室外犬が来客に吠え掛かる鳴き声にも、このワワワ…ワン!が多いです。
◆キャン!
高い声音でキャン!と鳴く時には、何かを訴えることが多いです。一般的に多い場面は身体の痛みや苦しみ、辛さです。
抱き上げた時にキャン!と鳴いたら、腰が痛いことの訴えだった、という例なども多いです。
◆キャンキャン!
高い声でキャンキャン!と絶え間なく鳴く時には、警戒や恐怖の意味が多いです。特に小型の犬に多く、けたたましく吠えるので無駄吠えとも呼ばれています。
◆ワオーン、アオーン
ワオーン、アオーンと顎を高く上げ、遠くに向かって鳴く鳴き声は遠吠えです。遠くにいる犬とのコミュニケーションを図っている時だったり、不安感の訴えの意味があります。
◆ヴヴヴヴヴヴ~、グググググ~
鼻先にしわを寄せ、歯を剥きだしてヴヴヴヴヴヴ~、グググググ~と唸るような鳴き声をあげるのは、恐怖からの警戒です。こっちへ来るな、それをするな、どこかに行け、という意味があります。
唸り声だけで終わるか、至近距離になったら噛みつくなど襲い掛かってくるかは、犬の性格にもよるので、個体差があります。
◆クーン
か細い声でクーンと鳴く鳴き声は、甘えの気持ちを意味しています。伏し目がちだったり、耳がペタっと垂れていたりする行動と共に起こることが多いです。
犬の鳴き声は万国共通?
日本語や英語、フランス語、スペイン語など、人間の言葉は国や地域によって様々です。
では、犬の鳴き声は万国共通で、他国の犬とも犬同士で意志の疎通や理解はし合えるのでしょうか。
犬の鳴き声は、日本ではワンワン、キャンキャンと称される事が一般的ですが、海外では異なります。英語では「bowwow」「woof woof」「yelp」などが一般的です。多国語でも、ニュアンスや声の高低などで表現は多様に分かれています。
犬の鳴き声は、人間にどう聞こえるか、ではなく犬同士のコミュニケーションの中では声の高低や長さなど様々な波長から判断されます。
ですので、他国の犬と日本の犬の間でもコミュニケーションを取る事は可能だと言われています。
犬の吠え癖を改善するには?
犬は鳴いたり吠えたりすることで、自分の気持ちを周りの人間や動物に伝えています。どんなに回数が多くても、声が大きくても、それは自分の気持ちを伝える術なので犬にとっては無駄な事ではありません。
しかし、隣家との距離の近い日本では、ワンワンとしつこく吠えたり、声が大きかったりすると無駄吠えと言われ、迷惑のかかる問題行動になってしまいます。
犬の吠え癖を改善するには、どうしたら良いのでしょうか。
◆原因を取り除く
犬の吠え癖を改善するには、まず何が原因で吠えているのかを考えましょう。
水が無い、お腹が空いた、どこかが痛い、散歩に行きたい、など様々な原因が考えられます。原因を取り除けば、吠え癖は次第に納まることも多いです。
◆ご褒美方式で改善させる
偶然でも構いませんので、いつも吠えている事柄で吠えなかった時には大げさなくらい褒めてあげます。おやつやご褒美を利用するのも良いでしょう。
褒める時には、高い声で犬に伝わるように思いきり褒めてあげます。繰り返すことで、犬は「吠えなかったら良い事が起こる」ということを理解し、吠え癖を改善することができます。
◆懲罰方式で改善させる
懲罰方式といっても、体罰をする訳ではありません。この場合の罰(悪いこと)は、無視がおすすめです。
また、上記のご褒美方式と併用することが効果的です。吠えなかったら良い事が起こる、吠えたら悪い事(無視)が起こる、ということを犬に徹底して理解させましょう。
◆クレートトレーニングをする
クレートトレーニングとは、サークルやケージなどを使用し、犬が落ち着く場所を作ってあげるトレーニングです。
クレートトレーニングをするには、まず犬の居場所を用意します。はじめは中に入っただけでも大げさに褒め、ご褒美を与えます。徐々に滞在させる時間を伸ばし、犬が「自分が落ち着きたい時にクレートに戻る」様にすることが目標です。
クレートトレーニングが完了している犬は、鳴き声をあげたい時、興奮した時、不安を覚えた時や、怖い時に吠えださずに、すっとクレートに入り心を静めることができます。
来客に吠えてしまう犬など、環境の変化に対応し辛い犬には特に効果的なしつけ方法です。
◆飼い主をリーダーだと認識させる
吠え癖のある犬は、不安感が強かったり、警戒心が強かったりすることが多いです。家族という小さい群れで暮らしている場合、この行動はリーダーが頼りになっていない、ということを示しています。
犬は群れで暮らす生き物ですから、犬が不安を覚えないほどのリーダーであれば、犬は問題行動を起こす事はありません。リーダーと認めさせるには、生活の中で必ず飼い主が主導権を持つということが大切です。
散歩のときには飼い主がルートを決める、一歩前を歩く、などの意識が必要です。
また、食餌の際には、飼い主のタイミングで与える、おもちゃ遊びも切り上げるのは飼い主から、など生活の全てを使って飼い主の方が上の立場なんだということを犬に知らしめます。
◆社会経験を多く積ませる
社会性を養う時期に親犬から引き離された場合、社会性に乏しい犬が多く、吠え癖などの問題行動に繋がっています。
知らない人や犬に吠える場合には、人や犬が多く集まる場所に出向き、経験を積ませることも大切です。
犬の鳴き声を聞き分けて、何を訴えているのか感じ取りましょう!
犬の鳴き声は、様々な要素が組み合わさって出来ています。声の高低や、繰り返し回数、尻尾や耳などの動かし方、鳴き声の長さなど様々な要素から犬が何を訴えているのかを判断します。
犬の鳴き声は、恐怖や警戒、挨拶、不安感、痛みなどの訴え、犬同士のコミュニケーションなど様々な感情を表しています。
この記事でご紹介した鳴き声の聞き分け方を用いて、犬の気持ちを感じ取るようにしましょう。
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