1.犬はトイレを我慢できる?
1-1.犬がトイレを我慢する場面
1-2.最長で12時間!?犬がトイレを我慢できる理由
1-3.我慢できる時間は犬や状況によって異なる
2.トイレを我慢させるデメリットは?
2-1.デメリット①膀胱炎
2-2.デメリット②尿路結石
2-3.トイレの我慢が様々な病気につながることも
4.犬が家の中で排泄しない時の対策は?
4-1.対策①設置したトイレの場所を見直す
4-2.対策②トイレの合図を教える
4-3.対策③外でしたおしっこのニオイを染み込ませたものを室内用トイレに置く
4-4.対策④お留守番前後はトイレに連れて行く
【掲載:2018.10.04 更新:2023.02.13】
犬はトイレを我慢できる?
まず一番気になる問題として、「犬は何時間トイレを我慢できるのか?」と言う疑問がありますよね。
◆犬がトイレを我慢する場面
「屋外で飼育している」という方や「室内飼いだけれどおしっこシートで排泄をしてくれるから大丈夫」という方は良いですが、「室内飼いだけれど、絶対に散歩に連れて行かないとトイレをしてくれない」という犬の場合、お散歩でのトイレが必須になります。
飼い主さんの仕事中は留守番になるという子が多いでしょうし、雨の日や夏の暑い時間帯、天候の優れない日などの場合、屋外でしかトイレをしてくれない子には、多少我慢をしてもらわなくてはいけない場面があると思います。
そんな時に自分の愛犬が何時間トイレを我慢できるのかを知っていると安心できますよね。
皆さんは犬が何時間トイレを我慢出来ると思いますか?
◆最長で12時間!?犬がトイレを我慢できる理由
実は、成犬ならば最長で約12時間もトイレを我慢出来る子もいるそうです。12時間もトイレを我慢出来るなんて、私たち人間からすると驚きですよね!
なぜそんなに長くトイレを我慢出来るかというと、犬のご先祖様にヒントがあります。
野生の頃は、もちろん犬も敵から身を守るために身を隠しますよね。その際に自分のいる場所にトイレをしてしまうと、敵に居場所がバレてしまいますから、トイレを我慢しながら身を潜めていたのです。
その名残として、犬は今でも長時間に渡ってトイレを我慢出来るようです。
◆我慢できる時間は犬や状況によって異なる
もちろんその犬によっての個体差がありますので、必ず全ての犬が最長12時間トイレを我慢出来ると思ったら、大間違いです。
その犬の年齢、体質、その日の体調や食べたもの、飲んだ水の量、気温、室温、周りの環境や心理的変化、薬の服用など、様々な要因によって変わります。
そのため、「昨日は10時間我慢出来たけれど、今日は6時間でトイレに行きたがった」なんてことも当たり前のようにあります。
我慢出来る時間は子犬の時は短く、成長し成犬になると子犬の時よりも我慢出来る時間が長くなるようですよ。
ちなみに、健康な犬の尿の量は犬1kgあたり24~41mlと言われています。尿も体調の変化が出るものですから、色はどんな色か、血尿は出ていないかなど、愛犬がどんな尿をしているか1日1回はチェックしてみてはいかがでしょうか。
トイレを我慢させるデメリットは?
仕事の都合上留守番をさせなくてはいけない場合や、雨の日、夏の暑い時間帯など、愛犬を散歩に連れて行きたくてもいけない事は良くありますよね。皆さんはそんな時、愛犬のトイレをどうしていますか?
先ほど「最長12時間はトイレを我慢できる子もいる」とは言いましたが、そんなにトイレを我慢していて、何か身体に悪いことは起きないのか、デメリットが気になりますよね。
実は、犬もトイレを我慢し過ぎているとこのような危険が潜んでいるのです。
◆デメリット①膀胱炎
膀胱炎とは、膀胱になんらかの原因でウイルスや細菌が入り込み、炎症が起きてしまっている状態の事を言います。私たち人間も、尿を我慢し過ぎていると膀胱炎になりますよね。
膀胱炎になってしまうと、頻繁にトイレに行きたがったり、排尿時に痛がったり、血尿が出るなどの症状が出ます。
膀胱炎というものは、長時間トイレを我慢しただけでかかってしまう、というわけではありません。
膀胱炎にかかってしまう原因は多々ありますが、なんらかの原因によって尿路や膀胱に進入してきたウイルスや細菌を長時間膀胱内に留めてしまうことにより、膀胱内でウイルスや細菌が増殖し発症してしまう事も原因の一つとして挙げられます。
また、一度膀胱炎になってしまうと再発しやすいので、十分に注意が必要です。
◆デメリット②尿路結石
犬がトイレを我慢し過ぎる事により、尿路結石になりやすくなります。尿路結石とは、尿の中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル同士がくっつき合い結晶化し、結石となった状態になることです。
症状としては、血尿が出たり、排尿時に痛みを伴ったりします。あまりに酷くなると結石で尿の通り道が詰まってしまい、排尿出来なくなってしまう場合があります。
さらに、先ほどご説明した膀胱炎を引き起こしてしまう場合もあります。尿路結石も一度なってしまうと再発しやすいので、注意が必要です。
◆トイレの我慢が様々な病気につながることも
このように、いくら犬が大昔から長時間トイレを我慢して生きてきた生き物だとしても、長時間トイレを我慢させ続けてしまうと膀胱炎などの泌尿器系のトラブルになる場合もあります。
長時間トイレを我慢しなくてはならない場合には、ご自分の愛犬の様子をこまめにチェックし、愛犬が普段通り過ごせているのか、尿はいつも通りか、痛がる様子や元気がなくなるなどの変化はないかなどの様子の変化に気にかけてあげて下さいね。
犬が家の中で排泄しない理由は?
とは言ったものの、どうしても長時間散歩に連れて行けない時がありますよね。そんな時、「室内でしてくれたら助かるのに…」と思いませんか?犬としても、トイレを我慢しているのは辛いはず…。
それなのになぜ室内ではトイレを我慢してしまう犬がいるのでしょうか。
先ほどもご説明しましたが、犬のご先祖様はもともと野生で生きていましたから、自分の寝床などに排泄をしてしまうと敵に見つかる恐れがありますよね。そのため、自分の寝床が敵に見つからないようにするため、自分の寝床は清潔にします。
つまり、自分が「家」だと思っている場所ではトイレをしないのです。
また、自分の中で一度「ここがトイレだ」と決めてしまうと、なかなか他の場所でしなくなりがちです。
犬が家の中で排泄しない時の対策は?
外だけでは無く、室内でもトイレをして欲しいと思っている飼い主さんは、室内でトイレをしてもらうために様々な対策をたてて実践してきた事と思います。
しかし、意外とまだ試していない対策方法もあるかもしれませんので、今からご紹介する「犬が家の中で排泄しないときの対策」をぜひ読んでみて、まだ試していないものはトライしてみてはいかがでしょうか?
◆対策①設置したトイレの場所を見直す
まず、室内に設置したトイレの場所はどんな場所ですか?部屋の真ん中にあったり、人通りの多い落ち着かない場所に設置していませんか?
私たち人間もそうですが、犬も人目に付かない場所で静かにトイレをしたいものです。犬が落ち着いて排泄できる環境が整っていない事もトイレを覚えられない原因の一つとも言えます。
では、具体的にどのような場所に設置すると良いかと言うと、人通りが少ない場所で、静かな部屋の隅が良いと思います。
ただし、上手にトイレができた時にすぐ褒められるよう、最初は飼い主さんの目の届く場所に設置するようにしましょう。
◆対策②トイレの合図を教える
「トイレ」というコマンドを教えておくことで、いつでも必要なときに犬に排泄を促すことが出来るようになるので、外に連れ出すことが出来ない時に室内でもトイレをしてもらうことが出来るようになります。
コマンドを教える際は、「トイレ」「ワンツー」などと声をかけましょう。
◆対策③外でしたおしっこのニオイを染み込ませたものを室内用トイレに置く
先ほどの「トイレの場所を見直す」「トイレの合図を教える」だけでは成功しなかった方は、設置したトイレに愛犬が外でおしっこをしたときにニオイを染み込ませたものを置いてみて下さい。たったそれだけの事ですが、愛犬が「ここをトイレにしても良いんだ」と気付いてくれる可能性が高くなりますよ。
やはり、いくら「ここがトイレだよ」と言ってもニオイが無ければ愛犬だって戸惑ってしまいますから、スムーズにトイレを促すためにもぜひ試してみてくださいね。
◆対策④お留守番前後はトイレに連れて行く
どうしてもダメなときは、お留守番の前と後に必ずトイレに連れて行くことで対策していきましょう。
なかなか室内でトイレをしてくれない子でも、その日の体調や気温などによってはどうしてもトイレを我慢出来なくなってしまう場合もあります。室内には必ずトイレを設置したままにしておいて下さいね。
室内へのトイレの誘導はかなり根気のいる事だと思います。なかなか室内でしてくれなくても、失敗してしまったとしても、怒らずにゆっくりと進めてあげて下さいね。
まとめ
自分の愛犬がどうしてこんなにトイレを我慢してしまうのか、トイレを我慢し過ぎるとどんなリスクがあるのかなど、様々な疑問にお応えしましたが、いかがでしたか?
室内でのトイレを我慢してしまう事にも犬の本能ならではの理由があったなんて、驚きですよね!
あなたの愛犬にもその子なりの理由があって室内でのトイレを我慢しているはずです。愛犬が健康なうちは長い目でゆっくりと見守ってあげると良いかもしれませんね。
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