1.毛についた白い粉の正体は犬のフケ!?
1-1.フケとは?
1-2.犬の皮膚の仕組み
2.フケには2種類ある
2-1.乾性のフケ
2-2.脂性のフケ
3.フケが出る原因は?
3-1.食生活によるフケ
3-2.ストレスによるフケ
3-3.シャンプーなどによるフケ
3-4.乾燥によるフケ
3-5.脂漏性皮膚炎
3-6.疥癬(かいせん)症
3-7.皮膚糸状菌症
3-8.ツメダニ症
3-9.アトピー性皮膚炎
4.フケが多い犬のためのお手入れ方法・乾燥肌対策
4-1.こまめにブラッシング!
4-2.シャンプーはしっかりすすぐ!
4-3.シャンプー剤を変えてみる!
4-4.シャンプー後はしっかり乾かす!
4-5.シャンプーの頻度を落とす!
4-6.ドッグフードを変えてみる!
4-7.部屋を保湿!
4-8.保湿グッズを使う!
【掲載:2018.11.22 更新:2020.04.27】
毛についた白い粉の正体は犬のフケ!?
愛犬の体や頭に白い粉のような物がたくさん付いていて、「あれっ、なんだこれ?」と思ったことはありませんか?特に、黒い毛の犬だと白い粉が目立つため、分かりやすいと思います。
犬の体や頭に付いた白い粉、実はそれは“フケ”なのです。
◆フケとは?
人間と犬のフケの仕組みは同じで、フケは古くなった皮膚がはがれ落ちて体や毛に付いたものです。
人間の場合は犬のように全身が毛で覆われていないため、頭以外の毛が生えていない場所のはがれ落ちた皮膚は空気中のほこりと混じり、垢となります。
しかし、全身が毛に覆われている犬は垢ではなくフケとなるのです。
◆犬の皮膚の仕組み
犬の皮膚は複数の層が重なって出来ており、下から新しい細胞が生まれる事により、古い細胞が表面に押し出されはがれ落ちる、と言うことを3週間ペースで繰り返しています。
このことを「ターンオーバー」と言います。人間の皮膚でも同じ現象が起きるため、聞いた事がある方も多いのではないでしょうか?
皮膚の表面の一番古い細胞のことを「角質」と呼び、その角質がはがれ落ちると“フケ“となります。
犬のターンオーバーは、約21日周期で繰り返し行われ、皮膚の健康な犬でも皮膚のターンオーバーは行われています。
しかし、皮膚が健康な犬の場合は作られるフケの量がそれほど多くはないため、ほとんどは皮膚の表面にいる常在菌によって分解されるか、入浴の際などに流れ落ちてしまいます。そのため、フケとして認識されなくなるのです。
フケには2種類ある
実はフケには2パターンあります。乾性のフケと脂性のフケがあるのですが、一般的によく見られるフケは乾性のフケになります。
◆乾性のフケ
乾性のフケは白くカサカサとしているもので、一度は見たことがあるのではないでしょうか。細かく説明しますと、何かの理由があり皮膚が乾燥してしまい、更には早くにはがれ落ちてしまったフケのことを言います。
◆脂性のフケ
もう一つのパターンのフケは脂性のフケなのですが、脂性のフケはそのほとんどが大きめなサイズで、湿っていてべたべたとくっつきやすいのが特徴です。
と言うのも、何らかの理由により皮膚の分泌量が多くなってしまっているので、皮脂量が多くなってしまっている状態だからです。
分泌量が多く、皮脂量も多いためにニオイが強いのも特徴の一つとなっています。
また、脂性のフケの場合は皮膚のトラブルが潜んでいることが多いので、気になるほどニオイがキツかったり量が多かったりした際には動物病院に掛かるようにして下さい。
フケが出る原因は?
フケが多く出てしまう場合、皮膚に何かのトラブルが出ている可能性があります。
犬の皮膚にフケが多く出てしまう症状をいくつかご紹介していきます。
◆食生活によるフケ
食事のバランスが乱れると、皮膚のターンオーバーも乱れてしまいます。そうなってしまうとフケが多く出てしまうことがあります。
◆ストレスによるフケ
ストレスによっても皮膚のターンオーバーが乱れることがあります。
犬は意外とストレスを感じやすい一面もあるので、ストレスがかからない生活を送ることができるように気を付けてあげたいですね。
◆シャンプーなどによるフケ
シャンプー剤のすすぎ残しや、シャンプー剤が合わなかった事によりフケがたくさん出てしまうことがあります。
犬は全身が毛で覆われていますから、シャンプー剤を洗い流せたと思っていても皮膚にはまだたくさんのシャンプー剤がすすぎ残っていたという事があります。
また、すすぎ残しのシャンプー剤により皮膚にフケが出やすい状態になってしまうだけではありません。犬の毛を中途半端に乾かしたままにしてしまうと、湿った毛が体温によって蒸されて湿気が籠もり、皮膚にカビを生やしてしまう事でフケになってしまうことがあります。
愛犬を自宅でシャンプーする際には洗い残しがないようにしっかりと皮膚までシャワーで流し、毛の根元まできちんと乾かしてあげましょう。
◆乾燥によるフケ
冬などの季節は空気が乾燥しているため、人間も乾燥してしまいますよね。犬も同じで、空気が乾燥しているとフケが出てしまう子がいます。
◆脂漏性皮膚炎
皮膚の表面の皮脂量が過剰に分泌しすぎてしまうことによりなってしまう症状です。脂性のフケが出るため、皮膚がベタベタとしてしまいニオイも気になります。
痒みが強いので、いつもかゆがっていたり、しきりに気にして掻きむしってしまうので、掻き壊してしまわないように注意が必要です。
コッカー・スパニエルやシーズーなどの犬種が発祥しやすいと言われています。
◆疥癬(かいせん)症
ヒゼンダニ(別名、犬疥癬)と呼ばれるダニが皮膚に寄生してしまい起こる皮膚病です。
強い痒みが起こるため、脱毛してしまったり化膿してしまう事があります。フケだけでなく発疹も見られます。
◆皮膚糸状菌症
真菌と呼ばれるカビの仲間の小胞子菌に感染してしまう事によりフケが出ます。
この皮膚糸状菌症は、犬同士の接触による感染だけでなく人間へも感染してしまうため、皮膚糸状菌症にかかった際には飼い主さんにも厳重な注意が必要です。
赤くて大きめな発疹を伴い円形の脱毛が起こり、その周りにフケやかさぶたが出ます。
◆ツメダニ症
寄生虫のイヌツメダニというダニに寄生されてしまうことにより、フケが出てしまう皮膚病になります。
大量のフケが背中に出るだけでなく、強い痒みや皮膚が赤くなってしまうなどの症状が見られます。
◆アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の症状としてもフケが出ます。
アトピー性皮膚炎は脂性のフケだけではなく、乾性のフケも出ることがあります。痒みが強いため掻きむしって掻き壊してしまう事が良くありますので、注意が必要です。
アトピー性皮膚炎は病気と言うより体質によるものですので、少しでも改善出来るように薬や療法食などを使い、うまく付き合っていきましょう。
フケが多い犬のためのお手入れ方法・乾燥肌対策
フケのトラブルに悩んでいる犬のお手入れ方法をご紹介していきたいと思います。
ただし、ここでご紹介するフケの対策方法はあくまでも病気や感染症に感染していない場合の話です。
病気や感染症に感染してしまっている場合は、病院に処方してもらった薬をきちんと正しく使用することが一番のお手入れ方法となりますので、掛かり付けの病院の指示に従って下さいね。
◆こまめにブラッシング!
こまめにブラッシングをしてあげる事により、体に付いているフケを落としてあげましょう。ブラッシングをすることにより毛が1本1本離れるので、毛の間に空気が入る事で通気性が良くなります。
◆シャンプーはしっかりすすぐ!
犬の毛は全身ビッチリ生えています。洗い流せたと思っても皮膚にはシャンプー剤が残っている事は良くあります。
必ず毛をかき分けて、皮膚までしっかりと洗い流しましょう。
◆シャンプー剤を変えてみる!
意外とシャンプー剤が合わないことによりフケが出てしまうことは多いです。「いつもシャンプーをした後にフケが多くなる…」「シャンプー後にしきりに体を掻きむしる」などの異変に気付いた場合には、一度シャンプー剤を変えてみると良いと思います。
最近では低刺激の物や自然派の物なども多く販売されていますので、皮膚が敏感な犬にはオススメです。また、パピー用のシャンプーを使ってみるのも一つの手ですね!
◆シャンプー後はしっかり乾かす!
ドライが中途半端でしっかりと乾いていないと、体温によって蒸れてしまいます。くしを使い、根元までしっかりと1本1本が乾くように乾かしてあげることが大切です。自然乾燥なんて絶対にやめてくださいね!
◆シャンプーの頻度を落とす!
シャンプーの頻度が多くてもフケが出てしまいます。2週間に1度より頻度が高い犬の皮膚は、頻繁に皮脂が洗い流されてしまう事により乾燥しています。
医師などによる特別な指示がない場合には、夏は2週間に1度、冬は月に1度までにして下さいね。
◆ドッグフードを変えてみる!
食事によるフケの場合には、普段食べているドッグフードを変えてみて下さい。
◆部屋を保湿!
乾燥肌の気になる犬もそうでない犬も、冬は部屋が乾燥しやすいので保湿をしてあげましょう。
◆保湿グッズを使う!
最近ではたくさん種類が売られている犬用の保湿グッズ。保湿ローションや保湿ミスト、保湿化粧水、肉球用保湿クリームなどもあるので、様々な種類の中から愛犬に合う物を見つけてみてあげてはいかがでしょうか?
犬のフケに関するまとめ
寒い冬には乾燥が付きものです。そして、乾燥にはフケが付いてきてしまいます。
近年たくさん種類が出ている犬用の敏感肌用グッズや犬用保湿グッズの中から、愛犬の肌に合い、かつ飼い主さんが気に入った物を見付けて乾燥する冬を乗り越えて行きましょう!
今年の冬は愛犬がフケに悩まされてしまう事のないように、乾燥・フケ対策をしっかりとしてあげましょう!
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