1.犬はナッツを食べられる?
1-1.基本的に人間の食べ物は与えなくてよい
1-2.ナッツの種類によって犬が食べられるか異なる
2.犬に与えてもいいといわれるナッツの種類は?与え方は?
2-1.ピーナッツ
2-2.カシューナッツ
2-3.ヘーゼルナッツ
2-4.栗
3.絶対に与えてはいけないナッツの種類は?
3-1.マカダミアナッツ
3-2.アーモンド
3-3.くるみ
3-4.ピスタチオ
3-5.ピーカンナッツ(ペカン)
3-6.松の実(パインナッツ)
4.犬がナッツを食べたときにおこる症状は?
4-1.犬がナッツを食べたときにおこる症状
4-2.犬がナッツを食べてしまったら?
【掲載:2018.12.24 更新:2020.04.16】
犬はナッツを食べられる?
◆基本的に人間の食べ物は与えなくてよい
人間にとっては問題なくとも、犬にとっては有害となる食べ物は結構ありますよね。代表的なもので、玉ねぎやチョコレートなどがそれに当たるということは、今や認知度も高いでしょう。
基本的に、犬には犬用の食べ物を与えることが推奨されますし、人間用に作られた食品などを与える必要はありません。
しかし、愛犬が飼い主さんの食べている物を欲しがったり、その仕草が可愛くてつい与えてしまったり、というシーンに遭遇することも、愛犬家の皆さんにとっては珍しくありませんよね。
中には、飼い主さんの目を盗んで愛犬が口にしてしまったり、犬が届く場所に置き忘れたために盗み食いされてしまう、などといったケースも考えられます。
これらの場合に口にした食べ物が犬にとって有害であれば、体に異変をきたしたり、中毒症状が現れることがあるのです。
◆ナッツの種類によって犬が食べられるか異なる
犬にとって有害となる食べ物は様々ありますが、今回紹介するナッツもその危険を秘めた食べ物の一種といえます。
一概にナッツといっても種類は豊富です。現代では様々の種類のナッツが容易に手に入りますよね。
ピーナッツやピスタチオ、マカダミアナッツやアーモンドなど、お菓子や料理に使われていたり、おつまみとして常備している家庭も少なくないでしょう。
ナッツ類も犬に与えるには注意が必要な食べ物といえますが、それはナッツの種類によって異なります。
犬に与えてもいいといわれるナッツの種類は?与え方は?
まずは、与えても問題がないとされているナッツの種類を知っておきましょう。与える際の注意点も併せて紹介していきます。
◆ピーナッツ
ピーナッツは、少量であれば犬にとって健康に良いとされており、比較的ナッツの中でも安全性が高いといえるでしょう。ピーナッツには、リノール酸、オレイン酸など、皮膚の健康にとって効果的な油脂が多く含まれているのです。
しかし、与え方には注意が必要です。健康に良い成分が入っているといっても、消化に悪い食品です。与えすぎは愛犬に下痢や嘔吐の症状をもたらす可能性があります。
また、膵炎を引き起こす危険性もあるようです。
犬にピーナッツを与える場合は、量に注意すると共に、必ず皮を剥いてから与えるようにしましょう。ピーナッツの皮はもちろん、消化できません。
更に、元々塩味が付いているピーナッツなどは塩分過剰を招くので、味の付いていないものを選択してくださいね。
◆カシューナッツ
カシューナッツも、安全性の高いナッツだといわれています。皮膚に良い成分とされている、オレイン酸、ビタミンB1が多く含まれているのです。
更に、比較的カロリーが高いナッツの中でも、カロリーが低い種類なので、太りにくいという利点もあります。
しかし、生のカシューナッツには、犬にとって有害となる毒物の成分が含まれています。与える場合は、必ずローストされたものや、炒ったものを与えるようにしてください。決して、生のまま与えないようにしましょう。
そしてもう一点、カシューナッツは豊富なカリウムが含まれる食品です。愛犬が腎臓病やホルモン疾患を抱えている場合は、要注意です。
◆ヘーゼルナッツ
ナッツ類の中でも犬にとっての毒性がない、とされているのがこのヘーゼルナッツです。皮膚に良いとされるオレイン酸やビタミンEが豊富で、更に胃腸の健康にも欠かせない食物繊維が多く含まれています。皮膚・胃腸の健康維持にはもちろん、アンチエイジング効果もあるとの見解があるようです。
愛犬の体にとって良い成分が多いのであれば、積極的に与えたくなりますよね。
しかし、ヘーゼルナッツを与える場合にはその大きさに注意しましょう。ナッツ類の中でも比較的サイズが大きいため、丸呑みすることで食道・腸などに詰まる危険性があります。
ヘーゼルナッツを与える場合は、細かく砕くことを忘れないでください。
◆栗
栗は、他のナッツと比較して脂肪分が少ない上に、消化にもそれほど悪くないナッツの仲間です。
しかし、過剰に与えることで消化不良を招いたり、糖質が多いので肥満に繋がる可能性も考えられます。更に血糖値をあげやすい食品の一つなので、与える量には注意が必要です。
そして栗に関しても、生のままであったり、皮を剥かずに与えることはしないようにしましょう。生の栗も皮も消化はできません。
栗を与える際には必ず加熱すること、皮を剥くことを忘れずに、味の付いていないものを選択してください。
与えてもよい種類であっても、与え方や量には注意が必要ということを肝に銘じておきましょう。
絶対に与えてはいけないナッツの種類は?
愛犬の健康に良い成分が含まれている種類のナッツもあります。もちろんそれらに関しても与え方には注意が必要ですが、与えること自体危険なナッツの種類も存在するのです。
◆マカダミアナッツ
海外土産として有名で、他のナッツと同様、様々なお菓子や料理の材料、おつまみとして容易に手に入るマカダミアナッツ。
しかし、このマカダミアナッツは、唯一犬に絶対に与えてはいけないといわれており、「マカダミアナッツ中毒」という病名が存在するほど危険なナッツなのです。
犬がマカダミアナッツを摂取した場合、数時間以内に中毒症状を起こすといわれています。虚脱・嘔吐・運動失調・後肢不完全麻痺・震え・発熱などが症状としてあげられます。
ほとんどの場合、48時間以内に症状が収まるとはいわれていますが、重度となれば命の危険に直面する可能性もないとはいえません。
ナッツ類の中でも、一番中毒を起こす危険性が高いとされているのが、このマカダミアナッツなのです。
症状に個体差はあるでしょうが、犬に健康被害を招く可能性が考えられる食品であることは確かです。決して愛犬には与えないこと、犬の届かない場所で保管するなどして誤飲・盗み食いのリスクを避けることを徹底しましょう。
◆アーモンド
ナッツ類の中でも、特に消化が悪いとされるのがアーモンドです。少量の摂取でも、下痢の症状が出る可能性が高いようです。
大きな中毒症状があるわけではありませんが、摂取した場合には排便の様子をしっかり観察しておきましょう。消化不良が起きている場合は、与えない方がよいでしょう。
◆くるみ
くるみも比較的、消化が悪いナッツの一つです。更に、古いくるみの場合には「マイコトキシン」というカビ毒が含まれていることがあるそうで、中毒症状を起こす危険性があります。
海外製のものや古いくるみに関しては、愛犬に与えるのを避けましょう。
◆ピスタチオ
ピスタチオも消化不良を起こすことが多いといわれている、消化に悪いナッツの一つです。
ほとんどの場合ピスタチオには殻がついていますよね。この殻は、もちろん消化できません。殻付きのピスタチオは絶対に与えないようにしましょう。
また、含まれるカリウムやリンが豊富なので、愛犬が腎臓病を患っている場合には要注意です。
◆ピーカンナッツ(ペカン)
ナッツ類の中でも、脂肪分が非常に多いのがこのピーカンナッツ(ペカン)になります。カロリーが高いゆえに消化にもよくありません。犬には与えない方がよいと考えられている、食材の一つです。
◆松の実(パインナッツ)
脂質とリンが豊富に含まれているナッツの種類です。肥満のリスクと共に、腎臓の弱い犬の場合には大きな負担を招くこととなるでしょう。
愛犬が高齢犬であったり、腎臓が弱っている場合には、与えるのを避けましょう。
犬がナッツを食べたときにおこる症状は?
犬にとって問題のない場合もあれば、有害となる場合もあるナッツ。その症状には個体差があり、少量で体に異常をきたす犬もいれば、普通に食べていても何の問題も起きない犬もいます。
ナッツが犬にとって有害となる理由は、実は解明されていません。しかし、中毒症状が起こるケースがあるということは確かな事実です。
◆犬がナッツを食べたときにおこる症状
犬がナッツを食べたときにおこる症状にはどのようなものがあるか、覚えておきましょう。
まず、比較的多くみられる症状に、嘔吐・下痢・発熱などがあります。痙攣やひきつけを起こす、無気力となるという場合もあるようです。
個体差はありますが、これらの症状はナッツを摂取した後12時間以内に起こることが多いといわれています。中毒症状が重度であれば、腎不全を引き起こし、最悪命に危険が及ぶことも考えられるのです。
症状が軽度であれば、ほとんどの場合は治療をしなくても、時間経過によって自然回復すると考えられてはいます。
しかし、やはり少しでも異常がみられた場合には、早めに獣医さんに診てもらった方が安心でしょう。その症状には個体差があり、治療が遅れたために重症化する可能性も捨てきれません。
また、犬が大量にナッツ類を摂取してしまうと、ナッツが腸に詰まることで腸閉塞を招く危険もあります。
愛犬がナッツを沢山食べているのを発見した場合、その可能性が考えられる場合には、すぐに獣医さんに相談してくださいね。
◆犬がナッツを食べてしまったら?
一例ですが、動物病院では胃や腸の確認をしたり、摂取直後や大量摂取の場合には催吐処置などが行われます。それから吐き気止め、水分補給の点滴などを使用して経過観察をする、といった治療が行われるようです。
ナッツの中毒症状に対する解毒剤は存在しないため、個体によって対処療法が施されます。便に摂取したナッツが混ざっていれば、一安心といったところですね。
犬とナッツに関するまとめ
魅力的な栄養素を含んでいるとはいえ、犬にとってはリスクのあるナッツ類。与える際はその種類と与え方に注意しましょう。危険防止のために、高い所へ保管するのも有効です。
私自身もピスタチオやピーナッツは好物ですが…食べる際には十分気を付ます!
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