1.犬はさくらんぼを食べてもいいの?
2.さくらんぼを食べ過ぎるとどうなる?
2-1.消化不良を起こす
2-2.糖分の過剰摂取に繋がる
3.さくらんぼの種は危険って本当?
3-1.種に含まれる「アミグダリン」が危険
3-2.種以外に食べてはいけないさくらんぼの部分
4.さくらんぼの実はどのくらい食べさせても良い?
5.与えるときに気を付けたいフルーツは?
5-1.ぶどう
5-2.プルーン
5-3.柑橘類(みかん、レモン、グレープフルーツなど)
5-4.アボカド
5-5.ザクロ
5-6.イチジク(無花果)
5-7.ドライフルーツ
【掲載:2019.01.11 更新:2020.3.27】
犬はさくらんぼを食べてもいいの?
さくらんぼとは、別名桜桃(おうとう)のことで、バラ科サクラ属桜亜属のミザクラの果実です。さくらんぼは、初夏が最も旬のシーズンですが、温室栽培が盛んになった最近では正月に初出荷していることが多いです。
美味しいさくらんぼを犬にも食べさせたい、という飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬もさくらんぼの実を食べることが出来ます。ただし、実以外の部分は食べてはいけない部分があり、食べ過ぎにも注意が必要です。
さくらんぼを食べ過ぎるとどうなる?
では、さくらんぼを適量以上に食べると、何が問題になるのでしょうか。
◆消化不良を起こす
さくらんぼには、糖アルコールのソルビトール(ソルビット)が含まれています。ソルビトールは食品添加物にも使用されていて、人工的に作られたもの以外にも果物、海藻など自然のものにも多く含まれています。
ソルビトールなどの糖アルコールは、血糖値が上り辛く、虫歯になりにくいなどの特徴がある反面、消化し辛いため消化不良を起こしやすいという欠点があります。
消化不良を起こすと、超小型犬や幼犬や老犬は低血糖や脱水の症状を起こすことがあり、危険です。
そのため、さくらんぼの食べ過ぎでソルビトールを多く摂取することは避けた方が良いのです。
◆糖分の過剰摂取に繋がる
さくらんぼには果糖が含まれています。犬がさくらんぼを適量以上に過剰摂取してしまった場合、糖分過多による下痢や嘔吐などの消化不良を起こす可能性があります。
また、糖分の摂りすぎは肥満の原因にもなります。犬が肥満になると、関節炎や椎間板ヘルニア、内臓疾患、心臓病など重い病気になるリスクが上がります。
そのため、犬のさくらんぼの食べ過ぎは避けた方が良いといえます。
さくらんぼの種は危険って本当?
◆種に含まれる「アミグダリン」が危険
さくらんぼの種には「アミグダリン」という有毒物質が含まれています。アミグダリンは別名「レートリル」とも呼ばれていて、さくらんぼや梅、スモモ、桃、アーモンド、ビワなどの種に含まれる青酸配糖体です。
青酸配糖体は、犬の腸内細菌のβ-グルコシダーゼ酵素によって加水分解されるとシアン化水素(青酸)を発生させます。シアン化水素は殺虫剤にも使用されている猛毒で、致死性がある物質です。
中毒症状は、嘔吐、ふらふらする、肝障害、神経障害、歩行障害、意識混濁、死亡など様々です。
そのため、さくらんぼの種は犬にとって毒であり、危険なのです。
◆種以外に食べてはいけないさくらんぼの部分
種以外にも、犬に食べさせてはいけないのが、さくらんぼの葉や花です。
さくらんぼの葉や花には、桜の匂い成分の「クマリン」が含まれています。クマリンは食べ過ぎると肝機能障害を起こす危険があります。
許容量の目安は、体重5キロの小型犬でおよそ0.5グラムですので大抵の場合食べ過ぎになってしまいます。そのため、さくらんぼの葉や花は初めから犬には与えない方が良いと言えるでしょう。
スーパーに出回っているさくらんぼは実だけのものが多いので、主にさくらんぼ農園に行った際や、自生している野生のさくらんぼなどに犬を近づけさせる時には注意しましょう。
さくらんぼの実はどのくらい食べさせても良い?
さくらんぼの実は、一粒およそ5グラムほどです。一日に犬に与えても良いと言われている量は15グラムほどなので、一日3粒が適量です。
犬は自分の適量を見極めることが出来ず、出された量は食べつくしてしまうことが一般的です。そのため、飼い主が与える際に量を決めて与えることをおすすめします。
与えるときに気を付けたいフルーツは?
犬に与えるときに気をつけた方が良いフルーツは、さくらんぼ以外にあるのでしょうか。詳しくご紹介します。
◆ぶどう
ぶどうを犬が食べた場合、中毒症状や腎不全などの腎機能障害を起こす可能性があります。レーズン(干しぶどう)も同様です。
体重5キロほどの小型犬で許容の量は、およそ160グラムほどです。巨峰サイズのぶどうが一粒15グラムなので、10粒以上食べたら危険ということになります。
犬にぶどうは与えないようにしましょう。
◆プルーン
セイヨウスモモなどの総称であるプルーンは、ドライフルーツとしてスーパーの菓子売り場などでも定番として陳列されている人気の果物です。
プルーンには豊富な食物繊維が含まれていますが、犬にとっては過剰摂取になり得ることがあるため、下痢などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。
また、プルーンはカリウムを多く含むため、血中カリウム濃度を上げてしまい、カリウム血症になり嘔吐や下痢、元気消失、意識混濁などを引き起こす危険性もあり、最悪の場合死に至ります。
そのため、プルーンは食べさせない方が良い果物といえます。
◆柑橘類(みかん、レモン、グレープフルーツなど)
みかんやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類はビタミンCが豊富で、犬の関節炎防止や皮膚トラブルの抑制に効果があります。
しかし、ビタミンCを過剰摂取してしまうと犬は下痢や軟便になってしまう可能性があります。
ビタミンCは果実よりも皮に多く含まれることが多いため、特に皮は犬に与えない様にしましょう。
◆アボカド
アボカドには、殺菌作用のある「ペルシン」という毒素が含まれています。ペルシンによる犬の中毒症状は、下痢、嘔吐、呼吸困難などがあり、最悪の場合には死に至ります。
また、アボカドの中心部にある大きな種は、犬の腸などに詰まってしまった場合に外科手術が必要になることもあります。
市販のアボカド含有犬用フードは、ペルシンの含有率の低いアボカド種を使用しているため安心して食べさせることができるものが一般的ですが、家庭でアボカドを食べさせる際には注意が必要です。
◆ザクロ
ザクロに含まれる成分であるソラレンは、中毒成分があり、犬が下痢や神経症状を起こす原因となります。
また、ペレチエリンという犬の胃の粘膜を荒れさせ、便秘を引き起こす物質もザクロには含まれています。
ザクロは特に庭などで自生していたり、野生のものが散歩ルートに生えている、という心配がありますので注意が必要です。
◆イチジク(無花果)
イチジクにはフィシン(またはフィカイン)というラテックス由来酵素が含まれています。フィシンにはタンパク質を分解する働きがあり、食べた際に犬の粘膜を刺激することがあります。
また、フィシンの含まれた茎や葉は触れるとかぶれなどの皮膚トラブルを起こします。
フィシンによるアレルギー反応を起こすと、嘔吐や発疹などの体調不良以外にも、死に至る危険性もあります。
◆ドライフルーツ
ドライフルーツは、砂糖が含有されているものとそうでないものがあります。砂糖が入っているものの場合、糖分過多になってしまうため犬には与えない方が良いでしょう。
砂糖が入っておらず、ただ果物を乾燥させただけのドライフルーツの場合は、ぶどう(レーズン)、プルーンなどの食べさせない方が良い果物を除いたものは与えても大丈夫です。
特に犬用ドライフルーツとして販売されているものは、適量も記載されているため安心して与えることができるためおすすめです。
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国産リンゴ「ふじ」を皮ごとカットして、フリーズドライした商品です。
リンゴに含まれるクエン酸やリンゴ酸は胃腸の働きを良くし、ペクチンは老化防止に効果があります。
皮に含まれるポリフェノールは内臓脂肪を減らすため、健康に役立つおやつです。
食べてはいけない果物を犬が食べたらどうする?
食べてはいけない果物を犬が食べたらどうしたら良いでしょうか。詳しくご紹介します。
◆動物病院を受診する
犬が食べてはいけないものを食べた場合には、必ず動物病院を受診しましょう。
その際には、何を、どれくらい、何分前に、食べてしまったのか、をしっかりと伝えることが大切です。
食べた量によっては、催吐処置(食べたものを吐かせる処置)や、胃洗浄、レントゲン、点滴などの処置を行うこともあります。
また、アレルギー反応などで重篤な症状が出ている場合には、入院になることもあります。
◆食べたものを吐かせる
どうしても受診できない場合で、犬が食べたことが明らかな場合には、消化吸収する前に吐かせると症状が軽く済むことがあります。
犬を吐かせるためには、塩水を作るか、オキシドールを使用し、口を開けて流し込むと良いでしょう。
しかしながら、塩は小型犬が大さじ1杯食べると死に至ることもあると言われています。
また、自宅で吐かせた際に吐しゃ物が詰まって窒息したり、気管に入ってしまったりすることもあるため自宅での処置は危険と隣り合わせです。
そのため、やはり一番に動物病院を受診することをおすすめします。
食べさせない方が良い果物に注意しましょう!
この記事では、犬に食べさせない方が良い果物についてご紹介しました。
美味しい果物は、犬も欲しがりますし、おねだりの姿が可愛くてついついあげてしまいたくなります。ですが、体の小さい犬には健康被害の出てしまう成分もあります。更に、果実は食べても良くても、皮や種は食べさせない方が良い、という果物もあります。
この記事を参考にして、犬に果物を食べさせる際には注意をするようにしてくださいね。
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