1.犬の抜け毛のメカニズムとは?
1-1.シングルコートとダブルコート
1-2.犬の毛周期
1-3.犬種による抜け毛のちがい
2.犬の換毛期とは?
2-1.換毛期は年に2回
2-2.換毛期のない犬種
2-3.犬の抜け毛について知っておくことが大切
3.抜け毛の少ない犬ランキング
3-1.抜け毛の少ない犬①トイ・プードル
3-2.抜け毛の少ない犬②シー・ズー
3-3.抜け毛の少ない犬③ミニチュア・シュナウザー
3-4.抜け毛の少ない犬④ヨークシャー・テリア
3-5.抜け毛の少ない犬⑤ビション・フリーゼ
4.抜け毛の多い犬ランキング
4-1.抜け毛の多い犬①シベリアン・ハスキー
4-2.抜け毛の多い犬②ゴールデン・レトリーバー
4-3.抜け毛の多い犬③柴犬
4-4.抜け毛の多い犬④ポメラニアン
4-5.抜け毛の多い犬⑤キャバリア・キングチャールズ・スパニエル
【掲載:2019.07.08 更新:2022.03.23】
犬の抜け毛のメカニズムとは?
◆オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)
一部の犬種を除いて、犬には体全体を覆う被毛がありますね。
この被毛には「一次毛」「二次毛」と呼ばれる2つの種類があり、一次毛は、太く長い毛で、一般的にオーバーコート(上毛)と呼ばれています。対して二次毛は、柔らかく短い毛で、アンダーコート(下毛)と呼ばれています。
オーバーコートには皮膚を保護するという主な役割が、アンダーコートには保温や保湿の役割があります。
◆シングルコートとダブルコート
犬の被毛の種類で、「シングルコート」や「ダブルコート」という名称を聞いたことはありますか?
シングルコートとは、オーバーコートのみを持ち、アンダーコートを持たない犬種のことをいいます。そして、ダブルコートの犬種は、オーバーコートとアンダーコートの両方を持っているのです。
人間の毛穴の場合、基本的には一つの毛穴から一本の毛が生えていますよね。しかし、犬の場合ダブルコートでいえば、同じ毛穴からオーバーコートとアンダーコートが生えており、平均的に7~15本もの毛が一つの毛穴から生えているそうですよ。
◆犬の毛周期
いずれの犬の被毛にも、発育と脱毛を繰り返す一定のサイクルがあり、これを「毛周期」といいます。
毛周期には、成長期・退行期・休止期・新生期の4期があります。
①成長期…毛包の細胞が活発に分裂することで、毛が成長する時期。
②退行期…細胞の増殖が、ゆっくりになっていく時期。
③休止期…毛包が活動を停止する時期。
④新生期…再び新しい毛が生え始めて古い毛を押し出すため、脱毛が起こる時期。
このようなサイクルで毛の生え変わりが行われるため、大量の被毛を持つ犬の抜け毛はどうしても目立ってしまいます。
◆犬種による抜け毛のちがい
毛周期には、犬種による差や個体差もあり、これによって抜け毛の多さも変わってきます。
犬は、被毛の長さによって「長毛種」「短毛種」という呼び名でも分類されています。例えば、長毛種というのはマルチーズやヨークシャー・テリアなどの毛の長い犬種。短毛種はビーグルやラブラドール・レトリーバーなど毛の短い犬種です。
長毛種の場合、毛周期の成長期が長く続くため、比較的抜け毛は少ないといわれています。
反対に短毛種では、毛の長さから毛周期が短くなります。毛の抜け変わりが短期間で行われることから、抜け毛が多くなってしまう、ということです。
ただし、だからといって長毛種の抜け毛のケアが簡単だということにはなりません。長毛種の場合、被毛の汚れやもつれが起きやすく、毛も絡まりやすいので注意が必要となります。
犬の換毛期とは?
毛周期によって抜け毛が起こる犬の被毛ですが、大量に被毛の抜け変わり、抜け毛の起こる時期があります。それが「換毛期」です。
◆換毛期は年に2回
換毛期には日照時間や気温が大きく関わっており、春と秋の2回が基本的に犬の換毛期となります。
犬に限らず、冬毛が抜け始めて毛並みがまばらになっている動物を見たことはありませんか?
春になって暖かくなってくると、密生していた冬毛が抜け始め、夏に対応できる粗めの毛が生えてくるのです。そして秋には気温が下がり、日照時間が短くなります。すると夏毛が抜け始めて、冬の寒さに対抗したふわふわの冬毛がまた生えてきます。
◆換毛期のない犬種
犬の場合、この換毛期のない犬種がいます。換毛期で抜けるのは、実はアンダーコート。したがって、アンダーコートを持たないシングルコートの犬種には換毛期は訪れないというわけです。
シングルコートを持つ犬種には、プードル、チワワ(スムース)、ヨークシャー・テリア、ミニチュアダックスフンド(スムース)、パピヨンなどがいます。対して、アンダーコートを持つ犬種には、柴犬、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、コーギー、ポメラニアンなどがいます。
毛艶や毛並み、皮膚の健康を守るためにも、日常的な被毛のケアは必要不可欠です。特にダブルコートをもつ犬種の場合、換毛期には被毛のケアや抜け毛の掃除に時間がかかると考えておくべきでしょう。
◆犬の抜け毛について知っておくことが大切
抜け毛の放置は、外見の良さを損なうだけに限らず、不衛生や愛犬の健康被害につながる恐れがあります。
被毛の手入れや抜け毛の問題は、犬を飼う上で避けては通れない道です。被毛の種類によって手入れが大変であったり、定期的なトリミング費用がかさんだりと、生活環境に大きく影響してくることもあります。
これから「犬を飼いたい」と考えている方は、前もってどのような世話が必要かをきちんと知っておくことが大切です。飼い主さん自身のライフスタイルに合っているかを事前に確認しておきましょう。
抜け毛の少ない犬ランキング
それでは、抜け毛の少ない・多い犬のランキングTOP5を紹介します。まずは、一般的に抜け毛が少ないといわれている犬種を紹介していきますよ。
とはいえ犬にも個体差はありますので、独自のランキングとして参考にしていただければと思います。
①トイ・プードル
トイ・プードルは人気犬種としても常に上位にランキングされていますが、プードル種は抜け毛の少なさでも堂々のTOP1といえるでしょう。愛らしさに加えて、抜け毛が少ないということで、飼いやすい犬種としても人気を集めています。
ただし、抜けにくいとはいえ被毛は巻き毛で絡まりやすいのも事実。定期的なブラッシングや、1~2か月に1度のトリミングをお勧めします。
②シー・ズー
こちらも人気の小型犬の一種です。柔らかく、ふさふさの長い被毛を持っていますが、シングルコートのため抜け毛は少ないでしょう。
ただし、毛玉ができやすく、皮脂も多めの傾向にあります。2週間から1か月に一度くらいはシャンプーをしてあげてくださいね。
③ミニチュア・シュナウザー
口元のひげのような毛がチャームポイントのミニチュア・シュナウザー。可愛らしく、フワフワしてそうだな、と想像している方もいるかもしれませんが、実は堅めの抜けにくい被毛を持っています。
毛量は多いので毛玉はできやすく、毛が伸びると絡まりやすくもなります。こまめなブラッシングと、定期的なトリミングを忘れないようにしましょう。
④ヨークシャー・テリア
優雅な外見から「動く宝石」との異名を持つ犬種で、シルクのような光沢のある被毛を持っています。ペットとして人気の高い小型犬の一種ですね。
シングルコートなので抜け毛は少なく、体のサイズも小さいので手入れも比較的苦労せずに行えるでしょう。
ただし、油分が多めの毛質をしています。2週間に一回程度は、シャンプーをしてあげるとよいでしょう。
⑤ビション・フリーゼ
プードルのような巻き毛を持つ犬種ですが、その被毛はプードルよりも巻きが強く、立ちやすい毛質からなっています。
ダブルコートなのですが、抜け毛が巻き毛に絡まるために、酷く散らかることはありません。
ただし、その分毛玉はできやすいので、毎日のブラッシングは欠かせません。ブラシとコームを駆使して行ってくださいね。
抜け毛の多い犬ランキング
抜け毛の少なさにもいえることですが、抜け毛の多さは換毛期の有無や、ダブルコートの犬種であるかに大きく影響します。更に、単純に抜け毛の量でいえば、犬種の体格にも左右されます。
したがって、量に着目すると大型犬にランキングが集中してしまうわけです。
しかし、ペットとして飼われている種類としては、やはり日本の住宅環境や飼いやすさから、小型犬がはるかに多いですよね。
今回の抜け毛の多い犬ランキングは、比較的メジャーな犬種にしぼって紹介させて頂きます。
①シベリアン・ハスキー
寒い地域が原産のシベリアン・ハスキーは、その気候に耐えるために豊富な被毛を持っています。
ハスキーと聞いて犬ぞりを連想する方も多いでしょう。そんな冬のイメージ通りで寒さには強いですが、冬毛が抜け始める換毛期を迎えると、その抜け毛の量は大量で、毎日バケツ1杯ほどの被毛が抜けるともいわれています。
②ゴールデン・レトリーバー
長くウェーブした被毛を持つこの犬種も、ダブルコートの大型犬なので、やはり抜け毛は多いです。換毛期の抜け毛の掃除は大変だと思っておいた方が良いですね。
換毛期以外にも、比較的抜け毛の多い犬種だともいわれています。長くウェーブした被毛を持っているので、ブラッシングにはまずスリッカーブラシを使ってアンダーコートの抜け毛を取り除き、そしてその後はコームを使用してブラッシングするようにしてください。
③柴犬
代表的な日本犬の一種ですが、今やその人気は国内に限らず、海外でも飼われている方が多いことで有名です。
中型犬になりますが、換毛期の抜け毛の量はさすがダブルコートといったところ。アンダーコートは綿毛のように柔らかいですが、オーバーコートの被毛は固く短いです。毛にごわつきがみられたら、きちんとブラッシングしてあげてください。
④ポメラニアン
こちらも人気犬種の一つで小型犬のため、飼っている方も多いでしょう。基本的に直毛なオーバーコート、綿毛のようなアンダーコートが被毛の質です。
フワフワの外見からも想像がつくように、小さな体の割に抜け毛は多いので、日々の被毛のケアが必要といえるでしょう。
⑤キャバリア・キングチャールズ・スパニエル
基本的に優しく人懐こい性格をしているので、飼いやすい犬種としては上位にランキングされています。
しかし、被毛のケアはとても大変です。長く柔らかいダブルコートを持っており、換毛期に限らず日常的にも抜け毛は多いといえるでしょう。それを補える魅力はありますが、やはり日々の被毛のケアが必要な犬種だということは覚えておいてください。
以上のようなランキングとなりましたが、抜け毛の量は個体によっても差が出ます。基本的には、ダブルコートの犬種に抜け毛が多くみられるということを頭に入れておき、これから犬を飼いたいと考えている方は参考にしてくださいね。
長く生活を共にするパートナーです。きちんと世話ができるのかを、しっかりと見極めましょう。
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