1.熱中症って何?
2.犬は熱中症になりやすい?
2-1.平熱が高く体温調節が苦手
2-2.熱中症になりやすい犬は?
3.犬が車で熱中症になる原因は?
3-1.エアコンが当たり辛い
3-2.乗せる場所が悪い
3-3.直射日光が当たる
3-4.犬を置いて車を降りてしまう
4.車に乗っている時の熱中症対策は?
4-1.こまめに体調管理をする
4-2.日除けをする
4-3.保冷対策をする
4-4.犬用冷却グッズを使う
6.犬が熱中症になってしまったらどうする?
6-1.身体を冷やす
6-2.水を飲ませる
6-3.動脈のある部分を冷やす
6-4.動物病院を受診する
熱中症って何?
熱中症とは、暑い季節や場所に身体が適応することができず、体温調節の異常を起こすことをいいます。
熱中症で起こす代表的な症状は、以下のとおりです。
・手足のしびれ、痙攣
・意識朦朧
・血圧低下
・ショック症状
・ふらつき
・血尿、血便
・頭痛
・吐き気
・めまい
・意識障害
熱中症には、熱失神、熱痙攣、熱過労、熱射病と段階があり、最高レベルの熱射病に陥ると、痙攣や意識障害を起こし、死に至ることも少なくありません。
また、熱中症には後遺症も存在します。腎不全や肝障害、脳障害、神経症状などが代表的です。
熱中症は回復しても後遺症のリスクのある怖い病気なのです。
犬は熱中症になりやすい?
◆平熱が高く体温調節が苦手
人間は、体内の熱が上がると汗をかき、体温を調節します。一方犬は、汗腺であるエクリン腺が足の裏や鼻先などの一部にしか存在しません。
犬の平熱は37~39度と、人間よりも高温です。犬は平熱が高いのに、熱を放出する術が少ないのです。
そのため、5月から9月頃までの暑い時期や暑い状況での体温調節には弱く、身体に熱がこもった状態になります。そのため、犬は熱中症になりやすいといえます。
◆熱中症になりやすい犬は?
熱中症になりやすい犬にはどんなものがあるのでしょうか。詳しくご紹介します。
短頭種と呼ばれる口元から鼻先までのマズルの距離が極端に短い犬種は、呼吸がし辛い形状をしているため、熱中症になりやすいです。
パグやシーズー、ボストンテリア、ペキニーズ、フレンチブルドッグなどが主な犬種です。
肥満の犬は皮下脂肪が厚いため、身体の熱を放出する機能が低下します。そのため、普通の犬よりも熱がこもってしまいがちです。
幼犬や子犬は、体温調節機能も未熟です。また、喉が渇いても自ら水を飲むなどの行為をすることが難しいです。そのため、成犬に比べてリスクが高いと言えます。
老犬は幼犬と反対に、体温調節機能が衰え、また汗もかき辛い状態です。そのため、室温が高いと体温も高い状態に保ってしまうことが多いです。
また、喉の渇きにも気付きにくく、脱水症状になりやすいという特徴もあります。
高血圧症や慢性疾患の犬、心臓病、腎臓病、糖尿病などの病気を抱える犬は、熱中症を起こしやすいです。
また、利尿剤の投与を行っている場合や下痢を起こしている場合には、脱水症状を起こしやすいためリスクが上がります。
体内の病気だけでなく、皮膚疾患の場合も体温調節が上手にできないため、熱中症になりやすいです。
シベリアンハスキーやサモエドなどの寒い地方が原産の犬は、寒さに耐えうる進化を遂げて改良された犬種です。極端に暑さに弱いという特徴があるため、注意が必要です。
犬が車で熱中症になる原因は?
犬が車で熱中症になってしまう事故は少なくありません。それは何故なのでしょうか。詳しくご紹介します。
◆エアコンが当たり辛い
暑い時期に車に乗る際には、人間はエアコンから出る涼しい風を自ら浴びる様に設定してしまうことが多いです。
そのため、犬が乗っている場所にエアコンの風が届かないことが多々あります。
人間は快適な状況でも、犬が知らず知らずに熱を溜めてしまい、熱中症になることも多いです。
◆乗せる場所が悪い
犬を後部座席やカーゴスペース(荷室)に係留する家庭は多いです。後部座席やカーゴスペースはエアコンの風も届きにくく、温度が上昇しやすい傾向にあります。
また、運転席にいる人間から死角になることもあるため、体調変化に気付きにくく、熱中症にさせてしまうことがあります。
◆直射日光が当たる
直射日光が当たる場合、人間はサングラスをしたり、サンバイザーで日差しを除けたりします。
しかし、犬は防ぐ術を持たないため、直射日光を防ぐことができません。
また、係留されていたり、場所を指定されて乗せている場合、状況に応じて涼しい場所に逃げることも出来ないため、熱中症になりやすいです。
◆犬を置いて車を降りてしまう
ちょっとコンビニやスーパーに寄ろうかな、と犬を車に残して車を降りてしまう飼い主によって、犬が熱中症になってしまうことが多いです。
防犯上の理由から鍵を持って出てしまう飼い主が多いため、エアコンも止まってしまい、車の中はサウナ状態まで温度が急上昇します。残された犬が熱中症になるのは必然といえます。
では、エアコンをかけたまま車を離れれば良いのでしょうか?
答えはノーです。
車内温度を保つことができるため、急激な温度上昇による熱中症を防ぐことはできますが、犬が内側からロックをかけてしまったり、バッテリーの上昇などのトラブルもあります。
犬を車内に残す行為は危険なので、避ける様にしましょう。
車に乗っている時の熱中症対策は?
車に同乗させた時の対策方法にはどんなものがあるのでしょうか。詳しくご紹介します。
◆こまめに体調管理をする
こまめに休息を取り、体調管理をすることは、一番の熱中症対策になります。逆に冷却グッズで冷えすぎてしまっているなどの状態にも気付くことができるため、体調を崩す前に対策を取ることができます。
休息の際には、適度な水分補給もするようにしましょう。
◆日除けをする
直射日光が犬に当たらないように、車の窓に日除けをすると、体温の上昇を防ぐ効果や脱水予防ができます。
100円均一の車用日除けカーテンや布などを使うと良いでしょう。
◆保冷対策をする
エアコンが当たりにくいため、保冷剤をタオルに巻いたものを犬スペースに置いておくなどの配慮も効果的です。凍らせたペットボトルでも代用ができます。
ただし、この方法は見慣れないものをかじってしまう癖のある犬は避けた方が良いでしょう。
◆犬用冷却グッズを使う
市販されている犬用冷却グッズを使うことも車内の予防には効果的です。
水に濡らして巻くだけでワンちゃんひんやり快適!!ポリマーが水をしっかり吸収し、蒸発する際の気化熱でワンちゃんを冷やします。夏のお散歩にとっても便利なバンダナタイプのネッククーラーです。
首には太い血管が通っているため、ネッククーラーで首を冷やすことはとても効果的です。
ネッククーラーは体温が上がる前に予防するグッズで、簡単に使用することができます。車内だけではなく、夏のお散歩にも便利なグッズです。
ふかふかのジェルで優しくひんやり!!
ひんやり涼感を保ってくれるジェルシートは、簡単に設置できるため人気の熱中症予防グッズです。
長時間のドライブなどでは犬の身体が冷えすぎてしまう可能性もあるため、犬のスペースにひんやりジェルから逃げられる場所を作っておくことをおすすめします。
夏はお散歩にも注意した方が良い?
気温の上昇している夏は、アスファルトも高温です。昼間のお散歩で肉球の火傷をしてしまった犬の報告もあるため、とても危険です。
そのため、散歩は暑い昼間を避け、早朝や夕方に行く様にしましょう。
また、日向では無く日陰を歩く配慮や、人間の帽子代わりでもある犬の洋服を一枚着せて直射日光を防ぐなどの工夫も大切です。
お散歩中は水分補給もこまめに行うようにしましょう。
犬が熱中症になってしまったらどうする?
犬が熱中症になってしまったらどうすれば良いのでしょうか。確認してみましょう。
◆身体を冷やす
まずは犬の体温を下げることが大切です。ホースなどを使い、全身に水をかけるようにしましょう。
この場合、氷水や冷蔵庫で保冷した水などだと急激に冷えすぎてしまうため、常温や人肌の水が良いとされています。
◆水を飲ませる
脱水症状を軽減させるため、意識があれば水を飲ませましょう。
ただし、意識を失っている時や痙攣を起こしている時などに水を飲ませると、誤嚥事故の心配もあるため、無理に飲ませる必要はありません。
◆動脈のある部分を冷やす
首や脇、股などの鼠径部を保冷剤などで冷やすことも大切です。動脈を冷やすと、体温を下げることができます。
◆動物病院を受診する
犬が熱中症を起こした場合は、必ず動物病院を受診してください。
受診の際には電話をすることをおすすめします。熱中症の治療はスピード勝負のため、電話をしておくと病院側も相応の準備をすることができます。
犬の熱中症は予防できる!暑い時期には注意しましょう。
この記事では、犬と熱中症について詳しくご紹介しました。
人間に比べ平熱が高く、汗腺が少なく体温調節がし辛い犬は、熱中症になりやすい動物です。
高温になりがちな車や暑い時期のお散歩など、熱中症になりやすい条件を知り、暑い時期には注意をするようにしましょう。
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