土日病とは?
まずは「土日病」というものが何か良く分からない!という方のために、土日病について説明していきたいと思います。
人間で言うところの土日病とは、日曜日に次の日の月曜日には仕事や学校に行かなくてはならないことを考えてしまい、憂鬱になってしまう症状の事を言います。
「サザエさん症候群」とも言われていますね。
なぜサザエさん症候群などと言われるのかというと、必ず決まって日曜日の夜18時30分~19時の間に30分間放送されるサザエさんを見ると、次の日が近づいている事を改めて認識してしまい、憂鬱になってしまう人が多い事から、このような別名が付いたようです。
このように聞くと、「自分もなったことがある」「毎週なる」といった方が多く出てくると思います。
土日病を発症している方の中には、日曜日の夜になると体調を崩してしまう方や、倦怠感が出てしまう方もいるほどです。このことからも分かるように、土日病はいわゆる「心の病」という事になります。
この土日病(サザエさん症候群)ですが、飼い主の人間だけでなく、愛犬である犬にも発症する事が分かっています。
土日病になる原因は?
犬は仕事にも学校にも行っていないのに、なぜ人間のように土日病になってしまうのでしょうか。その理由は、人間の生活リズムにあります。
◆犬は飼い主と沢山触れ合える曜日を覚えている
多くの方が月曜日から金曜日まで仕事や学校に行き、土曜日と日曜日が休み、というサイクルで一週間を過ごしています。
休みの日になると、飼い主は普段お利口にお留守番してくれている愛犬をうんと可愛がったり、お出かけに連れて行ったりしますよね。犬にとっては、とても幸せな土日なわけです。
すると、賢い犬は土日に飼い主が仕事に行かず遊んでくれるという事覚え、月曜日からまた仕事に行ってしまうという人間のサイクルを覚えます。
こんな当たり前の事ですが、犬からすると平日のお留守番の日々と土日の楽しく幸せな日々とのギャップが生まれ、土日病に掛かりやすくなってしまうというワケなのです。
◆近年土日病になる犬が増えている
近年では、犬の土日病を何か体に重大な不調があるのではないかと思い、動物病院に連れて行く飼い主さんが増えているそうです。
東京大学付属動物医療センターでは、2000年頃には土日病と診断される犬が2週間に1頭ほど受診に訪れていましたが、最近の診察では1週間に2~3頭ほどの割合で土日病と診断される犬が増えてきていといいます。
それほど、犬にも土日病は当たり前の病として浸透してきているようです。
◆平日休みは土日病になりにくい?
土日に決まって休みがあるわけではなく、平日にお休みがある方や、勤務先のローテンションでお休みのサイクルが変わるような職場で働いている方に飼われている犬もいますよね。
そのような犬の場合は、飼い主の休みの曜日が固定ではなく不定期なため、犬が飼い主の休みの終わりに気付きづらく、土日病になるリスクは比較的低いようです。
しかし、リスクが低いというだけで土日病にならないと決まったワケではありません。普段と違ったところはないか、日頃から愛犬の様子はしっかりとチェックしておきましょう!
犬が土日病になるとどうなる?
飼い主と離れ、寂しい思いやストレスを感じることによって、土日病だけでなく「分離不安」という精神的に不安定な状態になってしまう事があります。
分離不安に陥ると、犬に以下のような異常行動が見られるようになります。
◆排泄の失敗
「いつもは失敗なんてしない子なのに、最近良くトイレスペース以外で粗相をしてしまうようになった」「仕事から帰宅すると部屋のあちこちにオシッコやウンチがしてある」などという事が続く時には、飼い主と離れている事による分離不安からくる問題行動の場合があります。
しかし、中には老犬による認知性の物や病気からくる場合もありますので、トイレスペース以外での粗相が続く場合には一度病院で診察してもらいましょう。
◆過剰な無駄吠え
飼い主と離れている事からくる分離不安の一つに「過剰な無駄吠え」も挙げられます。こちらは、他の分離不安からくる問題行動と違い、飼い主が気付きづらいという点でも問題があります。
飼い主が家から出掛けた後に寂しさから吠え続け、ヒートアップすると遠吠えをし始めて吠え続けるため、飼い主が気付かないうちにご近所トラブルにも発展してしまうケースもあります。
◆破壊行動
仕事や外出から帰宅すると、家の中にクッションや布団の中身が飛び散っていたり、物が壊れていたりビリビリになっていたりする事があった方もいるのではないでしょうか。
実は、この破壊行動も飼い主と離れている事による分離不安が引き起こす問題行動の一つです。激しく家具などが破壊されていたり、破壊した物を食べてしまうような時には特に注意が必要です。
◆体の異常
飼い主の不在によって分離不安が生じると、足先を常に舐め続けて炎症を起こしていたり、体の一部を囓っている事がある、普段は大丈夫なのに飼い主の外出中に決まって下痢や嘔吐をするなど、犬の体に異常をきたす事があります。
しかし、分離不安だと思っていたら実は病気だったという可能性もありますので、犬の体に異常が見られた場合には勝手に判断せず、病院で診察してもらいましょう。
犬の土日病を改善する方法は?
人間の生活のサイクルを理解しているからこそなってしまう、犬の土日病。犬の土日病はどのように改善すれば良いのか、ご説明していきたいと思います。
◆平日と土日のギャップをなくしてあげよう
犬は人間が思っているよりも賢く、色々な事を理解しています。先ほどの説明で「人間の仕事の休みのサイクルを理解しているから土日病になってしまう」と言いましたが、改善するためにはその事を逆手に取りましょう。
つまり、人間の休みのサイクルが分からないようにしてあげれば良いのです。そのためには、平日と休日のギャップを大きくし過ぎない事が大切です。
◆平日もスキンシップを多めにとる
休日と平日のギャップを少なくする方法の一つとしては、休日だけでなく平日もスキンシップをしっかりと取ってあげるという方法です。
仕事や学業が忙しく大変かもしれませんが、あなたの愛犬はあなたとのスキンシップを待っています。少しの時間でも良いので、平日にも必ず愛犬とスキンシップを取るという時間を作りましょう。
◆休日は「いつもと同じような1日」で
次に休日の愛犬への接し方です。
今までは休日に思いっきり愛犬と1日中遊んだり出掛けたりしていたという方がたくさんいるかもしれません。
しかし、土日病を発症してしまっている犬の場合は、そのような休日の過ごし方はかえって犬の土日病を悪化させている原因となっています。土日でたくさん飼い主が構ってくれた分だけ、月曜日からの飼い主がいない平日の日々が寂しく感じてしまうのです。
そこで、愛犬に日曜日の存在を知られないようにするためには、休日でも「いつもと同じような1日」のように振る舞う事が大切です。
毎週土日にお出かけに連れて行ってあげたり、1日中遊んであげる事も良い事ですが、寂しさを感じやすい子の場合などには、お出かけは土曜日だけにして日曜日はゆっくりと家で過ごす、というスタイルの方が良い方法なのです。
◆構い過ぎないように意識する
家にいる時も過度な構い過ぎは禁物です。犬と遊ぶ時間を「1日の内の何時間」と決めておき、後はお互いが自由な時間を過ごせるようにしてあげましょう。
特に犬が寝ている時に「かわいいから」と言ってちょっかいを出すのはやめてあげましょうね。犬は人間よりも睡眠時間が多く必要なので、1人でゆっくりと睡眠を取る時間が必要ですし、必要以上に構うことで飼い主がいなくなった後の寂しさが倍増するという事も防げる事でしょう。
まとめ
犬の土日病の原因と改善法について説明してきましたが、いかがでしたか?
犬の土日病を簡単にまとめますと、
・犬にも土日病はある
・犬の土日病は飼い主の生活サイクルによって起きる
・土日病は分離不安も引き起こす
・土日病の改善方法は、平日と休日のギャップをなくす事
となります。人間だけでなく犬にも起こる土日病ですが、犬の土日病は飼い主の事が好きだからこそ掛かってしまう病という事ですね。
大切な愛犬が辛い思いをしてしまわないように、土日病の対策をしっかりと行なってあげましょう!
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