ダニ・ノミはどこからやってくる?
そもそもダニとノミは、いつの間にか付いていますよね。愛犬をトリミングに連れて行った際、トリマーさんに「ノミが付いていました~」と言われて気付いたという経験がある方もいるのではないでしょうか?
そんな忍者のようなダニ・ノミですが、一体どこからやってきているのでしょうか?
◆愛犬にダニ・ノミが付く場面
愛犬にダニ・ノミが付いてしまうのは、散歩の時など室外の場合が多いです。
ダニ・ノミは暗くてジメジメした場所を好んで潜んでいます。例えば以下のような場所です。
- 草むら
- 公園
- 山の中
- 河川敷
- あぜ道
- じめっとしている所
- 直射日光が当たらない所
室内の場合、愛犬が好んで良くいる場所に多く潜んでいます。
- 部屋の四すみ
- じゅうたんの上
- 家具の下
- ソファー、ベッドの上
こうしてみると分かるように、ダニ・ノミは意外と身近に潜んでいますよね。さらに、ダニ・ノミはあっという間に大量繁殖してしまうので余計に厄介なのです。
◆ノミの繁殖力
ノミという生き物は、驚異的な繁殖力を持っています。その驚異の繁殖力をご紹介します。
産卵直前のメスのノミが10匹いるとします。そのメスのノミが産卵し、卵がふ化して幼虫になり、さなぎへ変わります。
そして30日後にはノミが成虫になるのですが、その数なんと2,000匹!さらに同時に9万個以上の卵と10数万匹の幼虫を産むというのですから、さあ大変です!
ノミを一匹見かけた時にはすでに部屋の中がノミだらけ…という事が多いので、ノミを見付けてしまった場合は愛犬だけでなく室内の駆除作業もして下さいね。
ダニの繁殖力
ノミも凄いですが、ダニも負けていません。ダニは1匹でなんと50個ほど卵を産みます。ダニの一生は2ヵ月と短いですが、その一生の中で4回も脱皮を繰り返すのです。
「脱皮くらいならたいしたことないじゃないか」と思いましたか?いいえ、ダニは自分の脱皮した皮も食料として繁殖の栄養源としてしまうのです。
と言うことはつまり、栄養が豊富でダニが繁殖しやすい環境という事になりますから、2ヵ月という短い期間で1匹が50匹に、50匹が2500匹と増えていってしまうのです!
こちらも愛犬についていたらと考えただけで恐ろしいですよね…。このように、ダニもノミもこの驚異的な繁殖力で生き延びているのです。
大抵は飼い主さんがダニ・ノミの存在に気付いたときにはすでに家の中で大量に繁殖している事が多いので、ダニ・ノミを発見したときには直ちに駆除作業を行なうようにして下さいね。
◆ダニは無理矢理とっちゃダメ!
犬にダニが付いている事が分かると、ついつい取りたくなってしまいますよね。しかし、犬に付いているダニは無理に取ってはいけないのです!
実は、ダニという生き物は犬に付いている時は吸血中の事が多いです。吸血中のダニを取ろうとしてもしっかりと噛み付いているため、簡単には取れません。
さらに無理に引っ張り取ろうとするとダニの口が刺さったままちぎれてしまう事がよくあり、そこから化膿してしまう原因となってしまいます。
◆安全にダニを取る方法
では、愛犬にダニが付いている事に気付いた場合はどうしたら良いのでしょうか?
ダニには「ティックツイスター」というダニを取るための道具が存在しています。このティックツイスターを使用すると、ダニの口が皮膚の中に残りづらいので、普通に取るよりは口が残ってしまわないようにダニを取る事が出来ます。
このティックツイスターは、ペット用品店や通販サイトで購入することができます。
ティックツイスターがない方や自分で取る事が不安な方は動物病院に連れて行き、獣医さんに取ってもらいましょう。ちなみに、獣医さんは薬剤を用いてダニの駆除をする事もあるそうですよ。
ダニ・ノミが引き起こす症状は?
ダニやノミが犬に付くことによって、様々な症状を引き起こしてしまいます。
◆瓜実条虫症
瓜実条虫という寄生虫がノミの体内に入り込んでいる事があります。ノミが潰れたりする事でノミの体内から出てきて犬の体内に入り、感染する事があります。
感染すると下痢、体重の減少などの症状が現れます。
◆アレルギー性皮膚炎
ノミの唾液にアレルギー反応を起こしてしまう犬がいます。犬だけでなく、人間のノミアレルギーの場合もノミの唾液がアレルギーの素となっているようです。
症状としては、ノミに刺された時に強い痒みと皮膚炎が引き起こります。
◆貧血
ダニ・ノミが大量に寄生している事でたくさん血を吸われてしまい、貧血を起こしてしまう事があります。
◆ダニ麻痺症
マダニの中には、唾液の中に毒となる物質を持っている種類もいます。そのようなダニの唾液が体内に入ってしまうと、神経障害として弛緩性麻痺が起こることがあります。
◆痒みによるストレス
ダニ・ノミに刺された刺激で痒みが出ますよね。常に痒みがある事で強いストレスを感じてしまう子も多くいます。
◆化膿
ダニ・ノミに刺されるととても痒いので、掻きむしってしまい、そこから傷が出来て化膿する事があります。
ダニの場合は直接的な吸血行動が原因ではなくても、マダニを介して感染してしまう病気もあります。
◆ライム病
ボレリア菌という菌が原因で起こります。症状は全身痙攣、発熱、関節炎、食欲不振などが起こります。
◆バベシア症
バベシア原虫が原因で起こります。症状は発熱、貧血、元気の消失、黄疸などですが、重症の場合死の危険もあります。
◆エールリヒア症
リッチケアという細菌が原因で起こります。症状は鼻汁、食欲不振、流涙、貧血、元気の消失、急性の場合は発熱を起こします。
◆Q熱
コクシエラ菌が原因で起こります。症状はとても気付きにくいもので、軽い発熱や不妊症、流産などの症状が見られる程度の不顕性感染です。
ここでは犬の症状だけをご紹介していますが、ダニ・ノミは犬だけでなく人間にも害を与える生き物なので注意しましょう。
ダニ・ノミの感染を防ぐ方法は?
先ほどまでの説明で、ダニとノミが怖い存在だという事を分かっていただけましたか?
そんなダニとノミですが、そもそも愛犬に付いて繁殖してしまわないように予防したいですよね。ということで、ダニとノミを防ぐ予防法をご紹介していきたいと思います。
◆室内を清潔に保つ
ノミ・ダニを防ぐために「清潔」は欠かせません。
ノミ・ダニは犬が普段好んでいる場所に多く存在しています。普段愛犬が良くいる場所は特に念入りに掃除機を掛けると良いでしょう。
その他にも、
- 部屋の四隅
- カーペットの上
- ソファーの上
- 愛犬の寝床
- 家具などの下
- 暗く湿っている場所
に多く存在しますので、まずはそのような場所を徹底的に掃除してノミ・ダニの食料となってしまうほこりなどを溜めておかない事が大切です。
◆定期的に駆虫薬を使う
先ほどのようにノミ・ダニが潜んでいる場所を徹底的に掃除していても、完全には駆除・予防出来ないのがノミ・ダニです。
掃除をきちんと行なうだけでなく、定期的に駆虫薬を使用することをオススメします。
◆市販のダニ・ノミとりグッズを使用する
ペットショップやドラッグストアなどでも犬用のダニ・ノミ取りグッズが販売されています。
市販のダニ・ノミ取りグッズの種類は、
★首に垂らして効果が1ヶ月持続するタイプ
ペットに直接滴下するだけで皮脂とともに成分が体表に広がりノミ・マダニを駆除するバリア効果が約1ヶ月持続します(1本で約1ヶ月)。ピレスロイド系殺虫剤の効果を高める共力剤「ピペロニルブトキサイド」を配合し、ノミ・マダニの殺虫、蚊の忌避効果がUPします。
小型犬、中型犬、大型犬用から選べます。
★首に付けて予防する首輪タイプ
かわいい2色のノミとり首輪。
愛犬にやさしいフェノトリンとピロプロキシフェンを配合、ノミ・マダニをしっかり駆除し、蚊も寄せ付けない。
約1週間で効果があらわれはじめ、約6カ月間持続。
抗菌バックルを使用。
効能または効果:犬又は猫のノミ及びマダニの駆除、蚊の忌避
※生後3カ月未満の幼犬又は幼猫、妊娠授乳期の母犬又は母猫、体力の衰えた老犬又は老猫、アレルギー体質・体調不良・皮膚病や外傷等の皮膚に異常の認められる犬又は猫には使用しないこと。
★スプレーで予防するタイプ
お出かけ前にシュッとスプレー。愛犬・愛猫を、ノミ・マダニ・蚊から守る。
効能または効果:犬又は猫に寄生するノミ、マダニの駆除及び蚊の忌避。寝床周辺に発生するノミ、及びマダニの駆除。
などがあります。
市販のものも上手に使い、ダニ・ノミを出来るだけ付かないように工夫してあげましょう!
まとめ
いつの間にか犬に付いてしまう、厄介なダニとノミ。ダニとノミがどこからやって来てどのようにして増え、ダニ・ノミによってどのような症状が出てしまうのかお分かりいただけたでしょうか?
ダニ・ノミは暗くてジメジメしているところと愛犬が良くいる場所に多く潜んでいる可能性があります。自分の家の中に暗くてジメジメしている場所や愛犬のお気に入りの場所があれば念入りに掃除しましょう。
また、愛犬に付いてしまったノミ・ダニを1匹残らず駆除する事は素人には難しい場合があります。
愛犬にノミ・ダニが付いている事に気付いた時には、できるだけ早くにトリマーさんや獣医師さんにお願いし、きれいに駆除してもらうと良いでしょう。
そして、愛犬についていたノミ・ダニを駆除してもらっている間に、家の中のノミ・ダニを駆除しておきましょう!
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