1.犬が飼い主と一緒に寝たがる理由は?
3.犬と一緒に寝るリスク5つ
3-1.愛犬がケガをする可能性がある
3-2.飼い主さん自身が睡眠をとれない
3-3.衛生面での懸念
3-4.愛犬が分離不安に陥る可能性
3-5.飼い主さんの寝る場所を自分の場所だと思い込んでしまう
4.犬と一緒に寝るときのルールは?
4-1.飼い主さんの指示でベッド・布団から下りるようにしつける
4-2.ハウス(クレート)トレーニングをする
【掲載:2019.03.18 更新:2021.02.03】
犬が飼い主と一緒に寝たがる理由は?
犬によって性格の違いなど個体差はありますが、飼い主さんと一緒に寝たがる犬は比較的多いでしょう。同じ布団に入ったり、ベッドに上がって添い寝してくる愛犬の姿に、癒される飼い主さんも沢山いると思います。
もちろん、一緒に寝るのは断固反対派!という方も少なくないとは思いますが、いずれにしろ飼い主さんと一緒にいたがる愛犬の姿は可愛いものですよね。
犬が飼い主さんと一緒に寝たがる場合、そこにはどんな心情があるのでしょうか。以下のような理由が考えられます。
・飼い主さんの匂いが付いている場所(ベッドや布団)に安心感を抱いている。
・分離不安の傾向があり、飼い主さんと離れたくないと感じている。
・布団の上など、フワフワしている触感を好んでいる。
・飼い主さんと一緒に寝ることで、温かさを感じている。
・野生時代の仲間とくっついて寝る習性の名残。
犬は、温かい所やフワフワで柔らかい所が大好きな動物です。ケージやクレート内と比べると、ある程度厚みのあるマットや毛布を敷いている場合を除けば、やはりベッドや布団は心地よく眠れる場所と感じる個体は多いでしょう。
更に犬には元々、母犬や兄弟達と一緒に寝る習性があります。飼い主さんが寝ている場所の触感が良い上に、そこに安心して身を任せられる存在がいるのですから、一緒に寝ることを選ぶ犬の気持ちも分からなくもないですよね。
ちなみに、飼い主さんの匂いに愛犬が安心感を抱いている場合は、留守番の時やペットホテルに預ける際に、飼い主さんが普段使用しているタオルなどを傍においてあげることで愛犬が安心することができます。
これはハウストレーニングにも利用できます。ケージやクレートなどで寛いでほしい場合も、これを活用するとよいでしょう。
犬と一緒に寝るリスクも?
このような愛犬の心情が分かると、飼い主さんとしてはやはり一緒に寝ることに同意したくなりますよね。
某会社のインターネット調査では、愛犬と一緒に寝るという方が44%、反対の方が56%とという調査結果が出ています。割合としてはほとんど半々ですね。
しかし、様々なリスクがあることも事実です。
一般的には、主従関係やしつけに悪影響を及ぼす、との考え方も広まっていますが、愛犬と一緒に寝ることを肯定しているドッグトレーナーも沢山います。
もちろん、飼い主さんによって考え方は様々ですが、一概に愛犬と一緒に寝ることがいけないことだとも言い切れません。
いずれにせよ、そこに潜むリスクは覚えておいた方がよいでしょう。実際にどのようなリスクが考えられるのかを紹介しますので、チェックしてみてください。
犬と一緒に寝るリスク5つ
主従関係やしつけによくないとの意見も確かにありますが、それに関しては普段の生活でしっかりしつけを施しておけば、一緒に寝ることに関しては問題ないと考えられます。
もちろん、最低限のルールを決めておくことは重要です。それについても後述しますが、まずは一緒に寝ることで考えられるリスクをみていきましょう。
◆愛犬がケガをする可能性がある
犬の種類やサイズにもよりますが、飼い主さんの寝返りが原因で愛犬にケガを負わせてしまう可能性が考えられます。特に小型犬であれば、このリスクは高いでしょう。
愛犬と一緒に寝ていることが分かっていても、眠っている間は無意識です。寝返りを打った際に、愛犬の脚を踏んでしまう、関節を痛めてしまう危険性はあります。ベッドを利用している場合は、ベッドから落ちてしまう場合もありますよね。最悪、骨折を招く可能性もゼロではありません。
更に、愛犬が短頭種の場合は、呼吸困難を招く恐れがあることも頭に入れておきましょう。短頭種は他の犬種と比べて呼吸がしにくい犬種です。布団の中に入り込んだまま眠りについてしまったり、変な姿勢で寝ることで、呼吸困難に陥るケースも考えられます。
このように高いリスクが考えられる場合は、夜の睡眠時間が長い時間帯は避けて、短い時間(昼寝など)で一緒に寝ることをお勧めします。
◆飼い主さん自身が睡眠をとれない
愛犬が一緒に寝ていることに神経を張り巡らせていると、飼い主さん自身が熟睡できないケースもあります。
人によっては眠りが浅かったり、愛犬に気を使って寝返りを打たなかったり、愛犬の動きに敏感に反応してすぐに起きてしまったり。朝起きて、全然眠れなかった…と感じたことのある飼い主さんも中にはいるでしょう。
寝返りは生理的行動で、本来は無意識下で行われるものです。睡眠中に寝返りを打たないということは、それをしないように意識していることを指します。
ちなみに寝返りには、体温調節や血液循環の滞りを防ぐなどの重要な意味・役割があります。
飼い主さんが愛犬と一緒に熟睡するためには、神経質になりすぎないことや、十分な広さのある布団やベッドを利用することも大切でしょう。
◆衛生面での懸念
愛犬と一緒に寝ない派の方々には、これを重要なリスクとして捉えている方が多いかもしれません。
犬の抜け毛・フケ・ノミやダニなどによって、布団やベッドの衛生面を保持できない心配があります。それに伴って、痒み・湿疹などの皮膚病を発症したり、アレルギーのある方は症状の悪化が懸念されます。
◆愛犬が分離不安に陥る可能性
分離不安とは、飼い主さんと離れる(一人になる)ことに不安や恐怖を感じることを指します。
これによって、吠える・粗相をする・破壊行動をとる、などの問題行動が引き起こされるケースがあるのです。中には、家の中にいても飼い主さんの姿が見えなくなると、不安になって吠えるなどの問題を起こす子もいます。
分離不安の傾向を感じる場合、一緒に寝るのを繰り返すことで、愛犬が一人では眠れなくなる事態に陥る可能性があります。動物病院での入院はもちろん、ペットホテルなどへの預かり、留守番までもができなくなっては、生活する上で高いリスクとなるでしょう。もちろん、愛犬自身にも大きなストレスがのしかかります。
この場合は、一人でも寝られるように、しっかりしつけなくてはいけません。
◆飼い主さんの寝る場所を自分の場所だと思い込んでしまう
個体によっては、飼い主さんが使用するベッドや布団の場所を、自分だけのテリトリーだと勘違いしてしまう場合があります。これにより、飼い主さんがその場所に寝ようとすると、唸ったり、噛んだりするなどの行動を起こす可能性があるのです。
この問題も、愛犬と一緒に寝ない派の方が大きなリスクとして捉えていることの一つでしょう。
その子がもつ元々の性格にもよりますし、日常的な飼い主さんとの関係性が一因しているとも考えられますので、このような問題行動を起こす場合は一緒に寝るのを中止して、日頃の主従関係やしつけを見直す必要があります。
犬と一緒に寝るときのルールは?
様々なリスクを理解した上で、それでも愛犬と一緒に寝ることを選択する場合は、以下のルールを愛犬に教えましょう。
◆飼い主さんの指示でベッド・布団から下りるようにしつける
愛犬と飼い主さんのより良い関係性を保つためにも、「下りて」のコマンドを教えることが大切です。
これにより、愛犬が自分の場所だと思い込むことも防げますし、飼い主さんも睡眠がとれやすくなるでしょう。考えられる様々なリスクを軽減できる可能性もあります。
まずはおやつなどを用意して、ベッド・布団から下りるよう誘導することから始めましょう。愛犬が下りられたら、おやつをあげてください。繰り返すことで、ベッド・布団から下りる行動を理解していきます。
その後は、「下りて」「どいて」など、飼い主さんが使用する言葉でコマンドを付けていきます。
この練習時の注意点としては、1度に何回もやらないことです。ベッドであれば特に、乗り降りは愛犬の体に負担をかけてしまいます。
普段から利用しているのがベッドであれば、スロープやステップを用意してください。これらがあると、日常でも愛犬の体や関節の健康維持に役立てることができますよ。
◆ハウス(クレート)トレーニングをする
愛犬と一緒に寝る・寝ないに関わらず、ハウストレーニングは犬を飼う上で必須ともいえるものです。分離不安を防ぐことにも繋がりますし、旅行時や災害時などにおいても愛犬のストレスを軽減できます。
日頃から、飼い主さんと別の場所、同じベッドや布団でなくても愛犬が寝られるように、ハウス(クレート)が安心して眠れる場所、落ち着ける場所として感じられるようしつけておきましょう。
まとめ
家族の一員である愛犬と一緒に寝るということに、肯定的な方もいれば否定的な方もいます。それぞれの考え方があり、どちらが正解とは言い切れません。
私自身は一緒に寝る派なので、その心地よさや癒し効果が実感できますし、たまに感じる寝にくさも分かります。
愛犬の性格やリスクをしっかり理解すること、愛犬と飼い主さんがお互いに寝やすい空間を作ることが大切ですね。寝室は、睡眠中に愛犬がいたずらしたり、ケガをしたりしないような状態であるか一度見直してみてください。
そしてコマンドの使用やハウストレーニングなど、最低限のルールはきちんと守りましょう。基本的なしつけであるトイレも、しっかりできることが重要ですよ。トイレの位置にも気を配り、愛犬が分かりやすい動線を選択してください。
良い関係性を保てるように工夫しながら、愛犬との幸せな睡眠タイムを適度に作っていけるとよいですね。
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