犬用のバギーとはそもそもどんなもの?
犬の外出アイテムと言えば、キャリーバッグやキャリーケース、クレートを連想する人も多いかと思いますが、これらには人間の手で持ち運びしなければならないという共通点があります。
犬用バギーは車輪がついているので、カートに犬を乗せまま移動させられます。
体重の重いワンちゃんでも移動が簡単で、飼い主さんの負担も減りますね。
「犬用バギー」のほか、「犬用カート」とも呼ばれることがあります。
愛犬家の皆さんのなかには、「そもそも散歩には歩かせていけばいいのでは?」「犬用バギーを持っていても活用シーンはないだろう…」と思う方もいるかもしれません。
しかし、最近では必要性が注目されています。
「犬を飼うなら必須アイテム」とまではいきませんが、持っていると便利です。
犬用バギーの活用法は?使用シーンをご紹介
バギーは、散歩のほか、さまざまなシーンでの活用ができます。
◆パピー期の散歩で使ってみよう
犬を飼うときに、子犬のころに迎える人も多いでしょう。
子犬時期には、感染症を防ぐ目的で、一定期間を開けながら数回の混合ワクチンを接種しなければ、お散歩デビューができません。
でも、生後数か月程度の時期にやってくる社会化期には、外に連れ出してさまざまな刺激を与えた方がいいと言われています。
外の世界を体験させるため、飼い主さんが抱っこして外に連れ出してあげるのもいいですが、抱っこをしたままだと「重い」「疲れる」と感じてしまうもの。
そこで、バギーへ愛犬を乗せれば、散歩デビュー前でも散歩ができます。
自然の風を感じながら、日向ぼっこにもぴったりですね。
◆高齢犬のお散歩に大活躍
年齢を重ねたワンちゃんは、足腰の衰えから散歩に行きたがらなくなるケースもあります。
なんとか連れ出しても「疲れたから帰りたい…」という表情で訴えてくることもあるでしょう。
その様子に「無理に連れて行かなくてもいいかな…」と思うものですが、外に連れ出すことは気分転換にもなるので大事です。
そんなときに活躍するのが犬用バギーです。
「行きは歩かせて、帰りはバギー」というような使い方もいいでしょう。
すでに歩くのが困難な「おじいちゃん犬・おばあちゃん犬」でも、抱っこする代わりにバギーを活用すれば、飼い主さんとの楽しい散歩タイムを過ごせますね。
◆ピクニックに連れて行こう
日向ぼっこや自然の風を感じさせることができるピクニック。
飼い主さんたちと一緒なら愛犬も大喜びです。
ただ、長く日光の下にいると熱中症のリスクが高まります。
バギーの上を開け閉めできるタイプなら、飼い主さんとピクニックで野外に行ったとき、愛犬のくつろぎスペースになります。
また、公園や広場にピクニックに行くと、周辺に見知らぬ人が多くて犬が疲れてしまうかもしれません。
そんなときには、バギーに乗せて自分だけのスペースで休ませてあげることもできます。
◆マンション内で使う
マンション住まいでもバギーは便利です。
「ペットOK」と言われている物件でも、ペットを飼っていない人もたくさん暮らしています。
共用部分であるエントランスや廊下、エレベーターでのマナーは大事なことです。
散歩から帰って来たとき、建物のエントランスから玄関まで歩かせて「床が汚れた」となると何らかの苦情がくる可能性もあるかもしれません。
また、マンションによっては「廊下は歩かせない」というルールがあることも…。
超小型犬や小型犬など体重が軽ければ、飼い主さんが抱っこしたり、キャリーバッグに入れて移動がしやすいですが、体重が重いと大変ですよね。
それに、超小型犬でも他に荷物があると、抱っこはちょっと大変です。
ベビーカーのように使える犬用バギーなら、体重の重いワンちゃんの移動、荷物が多いときの犬の外出など、マンション内で活用することができます。
◆多頭飼いでも安心
複数の犬を飼っていると、「遠くまで散歩に行きたがるエネルギッシュな犬」「散歩に行くとすぐに疲れてしまう犬」など、犬の性質によって散歩の時間や距離が若干異なるかもしれませんよね。
バラバラな個性に合わせて一匹ずつ散歩させるのは時間がかかって大変ですよね。
バギーを持っていれば、「疲れた犬をバギーに乗せる」「歩ける犬は歩かせる」などと、多頭飼いの散歩もスムーズですね。
犬用バギーは愛犬の外出にメリットをもたらす
犬用バギーと言うと、「赤ちゃん犬」や「介護の必要な高齢犬」という感じがするかもしれません。
しかし、実際にはバギーを使うことで、ワンちゃんや飼い主さんたちにさまざまなメリットがあります。
◆外出先で犬のホッとできるスペースになる
初めての場所や慣れない環境へのお出かけの場合、愛犬が落ち着かない様子を見せることもあるでしょう。
そんなとき、バギーに乗っていると、犬のホッとできる空間になります。
ピクニックや公園へのお出かけなら、簡易的な犬の寝床としても活躍してくれるでしょう。
周りを囲まれていることで視界が遮られ、愛犬も安心してくれるかと思います。
◆人混みのなかで愛犬の危険を回避できる
リードを結んで出かけても、人が多すぎる場所では犬が危険な目にあう可能性も少なくありません。
犬の大きさにもよりますが、犬の目線は人間よりもずっと下。
混雑しているときにはかなり怖い思いをすることでしょう。
超小型犬や小型犬になると、肉球を踏まれたり、踏みつぶされたりなどの可能性はゼロではありません。
飼い主さんが気をつけていても、ハプニングが起きてリードが外れると見つけることができなくなってしまいます。
人混みのなかでバギーがあれば、愛犬の安全が守れます。
◆神経質な性質のワンちゃんの散歩にも
「外の景色を見る」「見知らぬ人と触れ合う」などは、社会性のためには大事なことです。
ただ、なかには「知らない人に触られるのが苦手」「人とすれ違うので散歩そのものが苦手」など、ちょっと神経質な犬もいるものですよね。
見た目の可愛さから、散歩に行くとかなり注目される超小型犬ですが、急に撫でられてビックリすると、相手を噛んだり、吠えたりする可能性もあります。
このような臆病なワンちゃんの散歩ストレスを和らげる意味でも、バギーはおススメです。
犬用バギーを選ぶときに注目すべきポイント
持っているととても便利な犬用バギーは、現在さまざまなメーカーで発売されていて、バリエーションが豊かです。
価格よりも、広さや安全性、収納、操作のしやすさなど、いろんな観点から選ぶようにしましょう。
◆その1:愛犬のサイズに合わせて選ぶ
乗せる部分が窮屈だと、犬は居心地の悪さを感じてしまいます。
ジャストフィットではなく、ちょっと余裕があるくらいがいいでしょう。
愛犬を乗せたとき、中で身動きが取れないほどの窮屈さがあるのはNGです。
また、赤ちゃんの頃に買うのであれば、「成犬になったとき」を想定して選ぶようにしましょう。
◆その2:犬の乗り心地が良さそうか
夏場のことを考え、温度がこもりやすいバギーは避けましょう。
まずは地面からの高さに着目しましょう。
犬が乗る部分がアスファルトから近すぎると熱中症のリスクも出てきます。
ただ、あまりにも車高が高すぎるものを選ぶと、飼い主さんの目線の邪魔になってしまうこともあるので注意しましょう。
また、日よけシェードを閉めたときに、風が通りやすいようなメッシュ素材のタイプを購入するといいですね。
何カ所か小窓があると、ワンちゃんの視界が完全には遮られないので、安心できるでしょう。
ワンちゃんが爪でガリガリすることもあるので、破けにくい丈夫な素材なのかも確認しておきたいですね。
UVカット効果や社交性にも配慮しているものなら、オールシーズン使いやすいかと思います。
◆その3:使い心地にも着目
前からだけでなく、後ろから出入りできるバギーもあります。
前後どちらからでも出し入れできるのは、便利ですよね。
また、犬を乗せるカート部分の下に収納がついているかもチェックしましょう。
たっぷり収納があると、飼い主さんの持ち物が減って出かけやすくなります。
◆その4:耐荷重に注意しよう
必ず適応体重を確認しましょう。
耐荷重ギリギリのものを買うと、重みで乗せる部分が壊れたり、タイヤが外れたりと犬が危ない目に合うリスクが高まります。
「小型犬向き」「中型犬向き」などの表示もありますが、愛犬の体重に合ったものを選んだほうが良いでしょう。
◆その5:折り畳みがしやすいかもチェック
使わないときにはバギーを折り畳んで収納しなければなりません。
「簡単」かつ「コンパクト」に折り畳めるかもチェックしましょう。
◆その6:安全性はしっかりしているか
砂利道や芝生、段差など、さまざまな場所で使うことを想定するなら、安定感があり、動かしやすいバギーを選ぶといいでしょう。
バギーそのものの重量が重ければ、それに犬の体重が加わると、力の弱い飼い主さんが操作しにくくなります。
軽量タイプなら、飼い主さんの負担が減りますね。
「前輪が1つ+後輪が2つ」という三輪タイプのバギーは、軽めなので方向転換や段差の移動も楽ちんです。
「前輪2つ+後輪2つ」の4輪タイプは、少し重量が重めにはなるものの、ぐらつきをおさえられて安定感が増します。
また、多くのバギーは安全性に配慮はされていますが、車輪の安全ストッパーの操作のしやすさもチェックしておきましょう。
犬用バギーを使うときの注意点
それでは、犬用のバギーを使うとき、どんな点に注意すればいいか見ていきましょう。
◆慣れさせておくことが大事
お伝えしたように、パピーやシニアのお散歩にも大活躍のバギー。
ピクニックなど、普段は自分の足で散歩ができる犬にも活用シーンは多々あります。
ただ、バギーを使った経験がないと、犬はバギーを嫌がるかもしれません。
子犬の頃から早めに購入し、「バギー」に慣れさせておくといいですね。
購入したら、「カート内に乗せる」ということからスタート、慣れてきたら「乗せて移動する」というように、順を追ってバギーを愛犬のホッとできる空間にしましょう。
初めのうちは、バギーに乗せるたびにおやつを与え誘導し、「おやつが食べられるから嬉しいな」「飼い主さんとのお出かけが楽しいな」と感じさせてみるといいですね。
◆犬が落ちないように注意すべき!
多くのバギーは、転落防止や脱走防止など、犬の安全性に配慮しているかと思います。
ただ、「安全性が高いから…」と安心していると、カートに乗せるときや降りるときに転落してケガをする可能性もあります。
犬の性格によっては、立ったり座ったりとカート内で落ち着かないこともあるでしょう。
飼い主さんは、バギーのカート内の愛犬にも目を向けつつ、バギーをしっかり操作することが重要です。
特に、多頭飼いで複数のワンちゃんを乗せるときには、気をつけてあげてくださいね。
まとめ
バギーには、自分の足で散歩ができない犬用というイメージがあるので、「うちの愛犬は元気だから」「年齢が若いから大丈夫」とバギーの必要性をあまり感じない人も少なくありません。
しかし、実際には、さまざまな活用パターンがあって、ピクニックや旅行で外出したときに、一時的に乗せておける便利なものです。
夏の散歩にバギーを持っていけば、熱中症予防として乗せて帰ることもできます。
最近では、その利便性から、多くの飼い主さんに注目され始めています。
購入を検討するときには安全性や操作性などに着目しながら、愛犬のストレスにならないものを選んであげてくださいね。
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