1.柴犬の子犬のしつけが難しいと言われるのはナゼ?
1-1.理由その1:「和」の気質が備わっている犬種だから
1-2.理由その2:しつけには根気と丁寧さが求められるから
1-3.理由その3:ストレスに少し弱いから
2.柴犬の子犬をしつけるならココが大事!
2-1.感情的になるのは効果なし…
2-2.厳し過ぎるのも、甘やかし過ぎるのもNG
2-3.叱るタイミングを間違えない
2-4.叱るなら一言で
2-5.あいまいな態度は見せない
2-6.叱るポイントにルールを設ける
2-7.根気よくしつけていく
2-8.しつけは子犬の時期にしっかりと
柴犬の子犬のしつけが難しいと言われるのはナゼ?
柴犬と言えば、飼い主さんに忠実なイメージがありますよね。
飼い主さんの指示をジッと待ち、聞き分けが良さそうにも思えます。
「ウチの柴犬はとてもフレンドリー」「お利口さんでイタズラをしない」など、しつけに成功しているケースもあります。
しかし、すべての柴犬がそうとは言えず、実際には「問題行動が多い」「しつけが難しい」と手を焼いている飼い主さんも多いのだとか。
柴犬のしつけがうまくいかないとのは、性格とも大きく関係しているようです。
◆理由その1:「和」の気質が備わっている犬種だから
「飼い主さんに忠実」という部分は、柴犬をはじめ、「日本犬」によく見られる性格です。
それが日本犬の大きな魅力にもなっています。
洋犬は多彩な犬種をもとに交配を繰り返された結果、愛玩犬として誰とでもコミュニケーションが取れるような社交性が備わっています。
「誰にでも愛嬌たっぷり」という洋犬にありがちなフレンドリーさは、日本犬にはあまり見られません。
異犬種との交配がなく歴史を歩んできた柴犬は、昔ながらの「飼い主さんへの忠誠心が高い」という「和」の気質をしっかり受け継いでいます。
そのため、「自分が認めた飼い主さんでなければ言うことを聞かないよ!」という頑固な性格もあるようです。
飼い主さんに忠実なのは日本犬の特筆すべき魅力ですが、しつけの面では苦労することも少なくないようです。
◆理由その2:しつけには根気と丁寧さが求められるから
しつけは、短期間でうまくいくものではありません。
柴犬の子犬のしつけは、
①まずは信頼関係を築く
②次に主従関係を構築し「飼い主さんはリーダーだね♪」と分からせる
③根気よくしつけていく
という流れがうまくいきます。
「根気よくしつけている」と思っていても、上記①と②の部分が抜けているとなかなかうまくいくものではありません。
②の「主従関係」が抜けると「どうしてあなたに従わなければならないの?!」という反発心、そして①の「信頼関係」がなければ「この人は信頼できない~!」と反発心を生んでしまうでしょう。
つまり、愛犬との関係がしっかりできていない状態では、根気があっても、しつけはなかなかうまくいかないのですね。
柴犬の子犬のしつけは、信頼関係を築くスタートから長い時間をかける丁寧さが求められます。
◆理由その3:ストレスに少し弱いから
成犬になった柴犬は「賢い・勇敢・忠実」など頼りがいを感じさせてくれる一方、「神経質・環境の変化への対応に弱い・ストレスを持ちやすい」という性質もあります。
家庭のペットとして迎え入れる前にどんな場所にいたかによっても違いますが、それまで一緒にいたお母さん犬や兄弟たちとの別れが早ければ、独りぼっちだと感じる傾向にあるのだとか。
突然の環境の変化に対応する耐性が弱く、ナイーブになりがちなようです。
また、「自分は孤独」という気持ちに加え、「あまり知らない人から叱られる」が強いストレスとなり、攻撃的になってしまうことも少なくありません。
柴犬の子犬をしつけるならココが大事!
柴犬の一生を共に過ごすパートナーとして、「ここにいると幸せ」と思ってもらいたいものですよね。
柴犬の子犬にとって、家庭がホッとする場所なのはもちろん大事なことです。
ただ、これから暮らしていくなかでは「飼い主さん以外の人間と接する」「人がいる場所に行く」などは日常的なので、柴犬がストレスに感じないように「しつけ」をしていかなければなりません。
柴犬の子犬のしつけに関して覚えておきたいポイントとは何でしょうか。
◆感情的になるのは効果なし…
しつけがうまくいっていないと、何度も失敗する柴犬の子犬にイライラしてしまうこともあるでしょう。
そもそも、犬は理解できていないから失敗しています。
イタズラに関しても、「ワクワクする」「楽しい」と無邪気な気持ちで、飼い主さんを怒らせようとしているわけではありません。
しつけができていないうちは、人間の飼い主さんがカチンと思える出来事があってもまずは感情的にならない姿勢が大事です。
「人間」と「犬」は違う生き物だということを念頭におき、犬の困った行動に「どうしてしたのだろう」を見つめ直し、その理由を取り去るなどのアプローチをしていきましょう。
犬の心情に寄り添う気持ちがしつけの成功に結び付きます。
◆厳し過ぎるのも、甘やかし過ぎるのもNG
柴犬の子犬が「忠誠心」を見せるのは、自分が心から信頼している相手にだけです。
犬のしつけにおいて大事と言われる「主従関係」ですが、この言葉には「厳しく育てればいい」「甘やかしてはダメ」というイメージがありかもしれません。
でも、厳しすぎるのも甘やかし過ぎるのも実はよくありません。
子犬時代は、飼い主さんとの関係はまだまだ構築中の段階です。
柴犬の子犬が「この人は自分にとってどんな存在?」について探っているうちに、飼い主さんが厳しい態度ばかりで接すると、「敵かもしれない!」と恐怖心を植え付けることに…。
そうならないように、子犬の頃にはしっかりと愛情を注ぎたいものです。
「この人は自分の味方なんだな♪」と分からせるように、厳し過ぎないようにしましょうね。
ただ、注意したいのは可愛がり過ぎるのもNGという点です。
柴犬の子犬は見た目も可愛らしいので「目に入れても痛くない」というくらい可愛がる飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、溺愛し過ぎると「もしかして家族のなかで自分がボス?」と柴犬は勘違いすることも。
そうなると、俺様状態で「吠える・騒ぐ・噛む」などの問題行動に繋がってしまいます。
両極端の態度に偏ることなく、愛情を注ぎつつもダメなことを教え、バランスのよい関係を築きましょう。
◆叱るタイミングを間違えない
柴犬の子犬がいけないことをしたら、その瞬間に叱りましょう。
例えば、飼い主さんの留守中に、柴犬の子犬がティッシュペーパーや新聞紙などが噛みちぎり散らかしたとします。
帰宅した飼い主さんは、犯人である愛犬を叱りたくなりますよね。
でも、すでにイタズラから時間が経過している状態…。
「どうしてこんなことするの!!」と叱っても、柴犬にはその理由が分かりません。
「怒られている…でも、どうして怒られているのだろう?」と、チンプンカンプンですよね。
いくら叱っても理解ができずに、問題行動が緩和するわけではありません。
しつけで叱るときには、「いけないことをしている」という瞬間にしましょう。
◆叱るなら一言で
何かを話すと、じっと目を見つめて聞いてくれる愛犬。
そんな柴犬を叱るときに、「どうしてそんなことするの!?」「何回言ったら分かるの?」など、ついつい長々とお説教してしまう飼い主さんもいるかもしれません。
でも、小言のように長く叱ったところで、柴犬の子犬には響きません。
いくら頭が良い犬でも、飼い主さんが発する長い文章を理解するのは不可能です。
そこで大事なのが、短い言葉で瞬間的に叱ること。
多くの飼い主さんが使っている「ダメ!」「イケナイ!」などが分かりやすくていいですね。
ただ、叱るときの言葉をその都度変えないようにしたいものです。
今日は「ダメ!」、明日は「イケナイ!」というように、違う言葉を交互に混ぜると、柴犬の子犬には「どちらが叱られているの?」と分かりにくくなってしまいます。
また、ボディーランゲージも合わせれば、しつけには効果があります。
犬のしつけでメジャーな「オスワリ」の指示は、言葉とともに手の動きを見せ、柴犬の動きを誘導するのもしつけでは覚えておくといいかもしれません。
手の動きを使って指示に従わせることを「ハンドサイン」と言います。
これは、将来的にも役立つので、しつけておいて損はないでしょう。
飼い主さんの指示が聞こえない環境(車通りが多い場所・工事現場の近く)などでは、ハンドサインだけで飼い主さんの指示を伝えることもできます。
◆あいまいな態度は見せない
柴犬にとって、頼れるリーダーと思われることこそ、しつけのしやすさに結びつきます。
「この人の言うことなら間違いない」「従っていれば大丈夫」、そんな安心感を持たれる飼い主さんになりましょう。
犬が何かいけないことをしたとき、「叱ろうかな…でも今回は許そうかな」とあいまいな態度で迷いを見せると、犬にとってのリーダー像から離れてしまいます。
そのうち、「もしや自分のほうが強いのでは?」と勘違いし、無駄吠えや噛み癖へと発展するなども考えられます。
柴犬の飼い主さんのなかには、「噛みつき行動が大変」「誰にでも吠える」など攻撃性に悩みを抱えている人もいます。
毅然とした態度で柴犬の子犬に向き合いましょう。
◆叱るポイントにルールを設ける
よくある失敗例が家族間で、柴犬への対応が違うことです。
家族で柴犬の子犬を飼うなら、しつけについてじっくりと話しあいましょう。
ひとつの出来事に関して、「片方は勢いよく叱る・片方はまったく無関心」と対応がバラバラでは柴犬の子犬の頭のなかがパニック。
「こんなことはNG」「これは許そう」と、家庭内で柴犬の子犬のしつけにある程度の一貫性を持たせた方がいいでしょう。
◆根気よくしつけていく
日本犬は一般的に賢いものの、しつけを簡単に覚えてくれることはないでしょう。
特に、性格が定まっていない子犬時代には、あまり集中した訓練は苦手です。
飼い主さんが長時間の訓練をしようとしても、「飽きた」「ストレスに感じる」と両者がお疲れモードになるかもしれません。
飼い主さんのイライラを敏感に感じる柴犬にとって、長時間の訓練は不向き。
しつけに取り組む時間を15分程度と決め、それを何度か繰り返していくといいでしょう。
柴犬のしつけは「根気よく!」がポイントです。
◆しつけは子犬の時期にしっかりと
子犬の頃にはストレスに弱い傾向にある柴犬なので「あまり早いうちにしつけるのはかわいそう」と思えるかもしれません。
でも、タイミングを逃すと、さらにしつけが難しくなってしまいます。
ケースバイケースですが、問題行動が目立つ成犬になった柴犬は、プロでもしつけるのが難しいと言われることがあります。
頭が良いので学習して覚える知能はありますが、そもそも持っている「頑固な気質」が災いしてリカバリーが難しいケースもあるでしょう。
子犬の頃に
・飼い主さんから愛情を注がれる
・いけないことを覚える
・社会化ができている
などができていることが理想です。
「しつけが難しいから」「何も言うことを聞いてくれない」と、楽観視していると、最終的にプロの手にも負えないくらいの問題犬になってしまう可能性があります。
信頼関係を築くことから段階的に、子犬時代にじっくりと時間をかけてしつけていくことが大事です。
まとめ
柴犬は、日本犬なので過度なスキンシップが苦手だったり、頑固な性格が前面に出たりと、しつけが難しい点が多いです。
また、凛々しく強そうな見た目からワイルド系に思われがちですが、実際には繊細な部分があります。
慣れない環境や信頼関係を築けていない人かの指示には、攻撃的に反抗することもあるでしょう。
それが「しつけが難しい」と言われる理由にもなっています。
柴犬の子犬は、愛玩犬と言われる犬種とはちょっと違うことをきちんと理解し、柴犬の気質に合ったスタイルでしつけていくのが重要です。
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